• 更新日:2024/10/21

FP(ファイナンシャルプランナー)という名前は有名ですが、どんな仕事なのでしょうか?また、資格取得のためには具体的にどんなことを勉強するのでしょうか? 取るとどんなスキルや知識が身について、どんなメリットがあるのでしょうか。
FP(ファイナンシャルプランナー)の魅力について詳しくご紹介します。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • FPとは、税金、保険、年金などの幅広い知識と視野を持ち、ライフプランの設計を行うお金の専門家。
  • FPには、「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」「タックスプランニング」「リスク管理」「不動産」「相続・事業承継」の6つの分野のお金の知識が求められる。


FP(ファイナンシャルプランナー)とは?

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、税金、保険、年金などの幅広い知識と視野を持ち、ライフプランの設計を行うお金の専門家。身につけた知識は、就職転職・キャリアアップにも、毎日の生活にも役立ちます。

「FP(ファイナンシャルプランナー)」という職業や資格名は聞いたことがあっても、「何かお金の仕事・資格らしい」というイメージで止まっている人も多いのではないでしょうか。

「お金」といっても、世の中で出回っているお金にはさまざまな形があります。私たちのお財布の中にある現金から銀行の預金、株式などの投資に回されるお金、国や地方公共団体が徴収する税金、企業が融資を受ける借入金など。

FP(ファイナンシャルプランナー)は、これらの幅広いお金のうち、税金、投資、住宅ローン、不動産、教育、老後、相続など、私たちの生活や家計に関する身近なお金のエキスパートなのです

日本FP協会は、ファイナンシャルプランナーを「家計のホームドクター」のような存在と位置付けています。

FPに相談できること

「家計のホームドクター」と位置づけられるファイナンシャルプランナー。具体的に以下のような相談が可能です。
結婚、マイホーム、子育て、理想の老後など、将来の夢や目標をかなえるために大切なのは、実現までの計画をしっかり立てること。つまりは、「人生設計」「ライフプラン」が重要です。ファイナンシャルプランナーにはお金の関するちょっとした疑問でも相談が可能です。

家計管理 貯蓄がない。家計をどう見直したらいい?
今の家計で将来の資金は大丈夫?
教育資金 子どもの教育資金はどう準備したらいい?
住宅ローンと教育費の両方を払っていけるのか不安
住宅購入・ローン 今の収入でいくらの物件なら購入できる?
住宅ローンの負担を軽くしたい
税制 医療費控除を申請できる医療費は?
配偶者控除は、パートで働いていても受けられる?
介護・医療費 介護費用はどのくらいかかる?
介護保険ってどんなものがある?
老後資金 定年後、年金だけで生活できるか不安
老後の生活資金をどのように準備したらいいの
年金・社会保険 年金はいつからいくらもらえるか知りたい
出産や育児でもらえるお金や制度は?
資産運用 色々な商品の中から何をどう選べばいい?
現在の資産運用の見直しがしたい
保険 将来のリスクに備えるにはどの保険に入ればいい?
万が一の時、今の保険で保障は大丈夫?
相続・贈与 遺言など、相続の準備にはどうしたらいい?
生前贈与など相続税の対策は知りたい

FP(ファイナンシャルプランナー)に求められる知識

FP(ファイナンシャルプランナー)には、「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」「タックスプランニング」「リスク管理」「不動産」「相続・事業承継」の6つの分野のお金の知識が求められます。

FPに求められるお金の知識として、「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」「タックスプランニング」「リスク管理」「不動産」「相続・事業承継」の6つに分けられます。

FPに相談する側はちょっとした身近なことから相談可能ですが、アドバイスをするFP側はしっかりとした知識を持ち合わせている必要があります。一見すると難しそうな響きですが、どれも生活に密着した知識ではあるので、しっかりと学習をすれば理解できる内容ばかりです。

FP資格で扱う、6つの分野
ライフプランニングと資金計画 年金関連は専門家ニーズの高い分野です。
金融資産運用 貯蓄、債券、株式、投資信託など、選択肢が多いのが特長です。
タックスプランニング 税金に関する知識は、私たちの生活でも身近な存在です。
リスク管理 「今、入るべき保険は?」といった不安を解消します。
不動産 不動産取引での法律・税金の判断は素人には難しく、プロの力が求められます。
相続・事業承継 非課税枠などの仕組みを知ることで、相続税の事前対策ができます。

1. ライフプランニングと資金計画

FP(ファイナンシャルプランナー)にはファイナンシャル・プランニングという意味もあり、経済面からライフプランを作ることです。どんな夢を持っているか、将来どんな生活を送りたいか、それを実現するためにはどうすればよいかということを明確にするのがライフプランです。FP(ファイナンシャルプランナー)は理想的なライフプランを実現するための計画を立てる専門家なのです
理想的なライフプランを実現するためには資金計画が必要です。人生の3大資金と言われる教育資金、住宅資金、老後資金を事前に予想し、対策していくことが重要です。


2. 金融資産運用

FP(ファイナンシャルプランナー)には、貯蓄、債券、株式、投資信託などの金融資産の運用についての幅広い知識が求められます。日本人の個人資産の割合は、欧米に比べて預貯金の比率が高いといわれてきましたが、徐々に株式等のリスクのある金融商品で運用する割合が高くなってきています。
金融資産を運用するためには、それぞれの違い、何をしなければならないか、何を知っておく必要があるか、相場指標の読み方等についての知識を身につけます。また、金融取引に生じる税金や投資家保護のための法律についての知識も必要です。


試験のポイント

試験では、社会保険、年金、税金などが中心ですが、そのほかの内容が出題されることもあり、幅広い学習が必要です。FP業務に関連する保険業法、税理士法、金融商品取引法などの法知識も、身につけなければなりません。



3. タックスプランニング

税金に関する総合的な知識も必要です。私たちの生活では消費税や所得税がおなじみですが、法人税や相続税、固定資産税、都市計画税など税金にも多くの種類があります。 それぞれの税金の仕組みや算出する計算式、税金の仕組み、手続きの流れなどの知識を身につける必要があります。
タックスプランニングとは、税の負担が最小限になるように例えば、所得控除や確定申告を活用し、所得税の負担が最小限になるように立案することを、所得税のタックスプランニングと言います。実務では個人にあわせて応用しながら立案する必要があるため、幅広く深い知識が必要です。


試験のポイント

試験では、主に所得税から出題されます。個人が支払う所得税の仕組みや控除、申告などに関する問題が頻出します。所得は10種類にわけられ、それぞれ計算方法が異なります。所得がどの種類に該当するのかを、確実に学習しておきましょう。タックスプランニングは、他分野の学習にも役立つため、早い時期に学習するのがおすすめです。



4. リスク管理

私たちは生きていく上で、病気・事故・天災・火災等、さまざまな危険(リスク)に遭遇する可能性があります。これらの、これから起こるかもしれないリスクに対して備えることをリスクマネジメント(リスク管理)といいます。リスク管理では、数あるリスクマネジメントの手法の中の一つである「保険」についての知識が求められます
民間の保険には、人の生命に関するリスクに備える生命保険と、人もしくは物の損害に関するリスクに備える損害保険があります。また、医療保険やガン保険等、生損保両方の保険会社で取り扱われている保険を第三分野の保険といいます。
保険に加入する際には、具体的にどのようなことに備えるか目的を考えることが大切です。 ライフプランの変化等により、保険の見直しが必要になる場合もあり、FPは適切なプラン率が求められます。


試験のポイント

試験では、生命保険や損害保険の仕組み、保険に関係する税金などが、主な出題分野です。個人だけではなく、法人の保険に関する問題への対策もしておきましょう。保険料を支払うときと、受け取るときの税金に関する学習も必要です。



5. 不動産

人生の3大資金の1つである住宅資金は金額も大きくなりがちです。そして、住宅を購入するか賃貸するかはライフプランにおいても最大の関心事です。購入するということは売買契約を結ぶこと、賃貸するということは、賃貸借契約を結ぶということです。不動産に関する契約は法律によりさまざまな規制を受け、また、不動産の取得、保有、売却とさまざまなステージにおいて税金もは発生します。
不動産の取引と言えば、不動産取引の専門家である宅地建物取引士という資格がありますが、財産を守る良きアドバイザーとしてのFPは、宅地建物取引士の業務や不動産取引の流れ等についても、よく知っておくことが大切です


試験のポイント

試験では、不動産取引に関する知識、法律、税金、特例などから出題されます。覚えるべき事柄が多いうえに、理解に時間がかかる難しい分野でもあるため、つまずく人が多いといわれています。不動産の売買、賃貸借契約、建築基準法など、試験に出やすい部分を重点的に学習しましょう。



6. 相続・事業承継

人は必ず死を迎え、形成した財産は、その人の死によって遺族等に引き継がれていきます。これが相続です。相続は民法が定めた財産の無償移転であり、さまざまなルールがあります
例えば、相続財産には一定額以上に対し、相続税という税金が課されます。相続税がいくらかかるかは、財産の内容や誰が受け取るのか等により変わってきます。生きてるうちに財産を与えれば、相続税ではなく贈与税が発生します。その違いについても理解する必要があります。
また、遺言にも民法による定めがあり、適切な遺産相続を行うためには知識を身につけておく必要があります。


試験のポイント

試験では、相続税を中心に、贈与税の仕組み、遺言に関する知識が問われます。計算問題もあるため、繰り返し練習し、解き方を身につけましょう。基本的には、個人や個人事業主の範囲が中心です。理解が難しい分野ですが、相続税、贈与税の基礎と計算の仕方、財産評価など、頻繁に出題される分野に力を入れて学習しましょう。



FP(ファイナンシャルプランナー)になるには?”FP技能士”とAFP、CFPって?

FP(ファイナンシャルプランナー)の資格には2つの種類があります。ひとつは国家資格である「FP技能士」、もうひとつは民間資格である「AFP,CFP」です。それぞれどのような違いがあるのか、以下のページで詳しく確認していきましょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)資格はどう役に立つ?-自分の生活に役立てたい

FP(ファイナンシャルプランナー)資格は、家計を見直し自分の生活に役立てたいという方にもおすすめの資格です。「結婚したら、保険に入った方がいいの?」「マイホームを買うにはどの住宅ローンを選べばいいの?」「子どもが生まれたら、教育費はいくらかかるの?」「貯蓄や投資はどのようにすればいいの?」「年金だけで老後の暮らしは大丈夫?」など、 日々の生活から将来まで、生涯にわたって考えたいお金の疑問を解決することができます。

FP(ファイナンシャルプランナー)資格はどう役に立つ?-キャリアに役立てたい

FP(ファイナンシャルプランナー)の知識は、ビジネスシーンでも大いに活用することができます。就職や転職においてどのように有利に働くのか、就職先や年収、将来性などについて、以下のページから確認してみましょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)の仕事内容

FP(ファイナンシャルプランナー)がよく相談される内容としては、老後資金に関することや保険の見直し、住宅ローン探しなどです。現在から老後までの長期的な視点で、生活資金、年金、リスク管理、老後の準備や相続対策などお金に関するあらゆるジャンルの相談に対応します。個人の希望やライフイベントに沿った形で、現在から将来のお金に関するニーズ、課題を整理し、その人が望む将来を実現するためのお手伝いをします。

FP(ファイナンシャルプランナー)資格取得に向けた勉強方法

FP(ファイナンシャルプランナー)になるには、まずFPの資格を取得することが一般的です。FP2級の試験に合格するために必要な勉強時間は、150~300時間が目安となるため、入念な試験勉強が必要です。初めてファイナンシャルプランナー資格試験に挑戦する方や、効率的に勉強したい方、より手堅く合格を目指したい方は、多くの合格者を輩出するなど実績のあるテキストを選ぶようにしましょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)の試験概要

ファイナンシャルプランナー(FP)試験は、国家資格と民間資格にわかれており、それぞれに級・レベルがあります。以下のページから、試験の概要、試験内容、各級の特徴などを詳しく確認してみましょう。

まとめ

こちらでは、FP(ファイナンシャルプランナー)資格についてとその魅力についてご説明しました。仕事からプライベートまで幅広く役立に立ち、取得すれば活躍の場が広がりそうですね。

FP(ファイナンシャルプランナー)の合格を目指すのにおすすめなのがユーキャンのファイナンシャルプランナー(FP)講座です。過去10年間(平成22年~令和元年)で16,156名の合格者(※1)を輩出している、ユーキャンの中で男女問わず人気の高いこの講座で資格取得にチャレンジしてみませんか?


  • ※1 合格者数は、日本FP協会認定講座として受検者における受講生データを日本FP協会より通知を受けており、合格者数のデータは日本FP協会からユーキャンへ通知されることにご了承いただいた方の数値です。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

FPの年収は?

FPの年収は、1,000万円を超える人もいれば、一般的な会社員と同程度の人もいるなど、働き方によって大きく異なります。

FPは独学で合格できる?

独学での合格は可能ですが、教材選びに手間がかかる、法改正情報の収集に時間がかかる、受検資格の要件を満たすのが難しいといったデメリットがあります。手堅く合格を目指すなら通信講座がおすすめです。

FP2級と3級の違いは?

FP2級は、3級の出題範囲に加えて、法人のファイナンシャル・プランニングが追加されています。3級は個人資産に関連する相談業務に必要な技能を身につけるのに対し、2級はさらに中小企業の資産相談業務の内容が加わるため、より専門的な知識が必要です。

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