FP2級の実技試験は5種類!迷ったらどれを選ぶ?対策もご紹介
FP2級では分野別に5種類の実技試験が実施されています。合格を目指す上でどの実技試験を選べばよいか、効果的な試験対策も含めて解説します。
人気国家資格であるファイナンシャル・プランニング(FP)技能士。中でも、実務においても欠かせないFP(ファイナンシャルプランナー)2級に対する需要は高まっています。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)2級の試験概要から、難易度、合格率、おすすめの勉強方法までにFP2級について知りたいことを網羅的に解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級とは、正確には国家資格である「2級FP技能士」を指し、FPの実務を行うにあたっては欠かせない資格となります。
ここではFP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の基本情報について解説します。
資格名称 | 2級FP技能士 |
---|---|
試験時期 | 年3回(例年1月/5月/9月) |
試験内容 |
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受検料 |
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試験実施団体 |
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FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験は、1・5・9月の年3回行われています。学科試験と実技試験があり、それぞれに合格する必要があります。試験は、日本FP協会ときんざい(金融財政事情研究会)の2つの団体が実施しており、受検する団体によって実技試験の科目に違いがあります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の出題範囲は、以下のとおり、6分野に分かれています。
ライフプランニングと資金計画 |
・論理、関連法規、手法 |
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リスク管理 |
・リスクマネジメント |
金融資産運用 |
・マーケット環境 |
タックスプランニング |
・税制と所得税のしくみ |
不動産 |
・見方、取引、法令上の規制 |
相続・事業承継 |
・贈与に関わる法律と税 |
FP2級の実技試験は、日本FP協会ときんざいの2団体で実施されており、合計5種類の試験が設けられています。
どちらの団体が実施する試験でも、合格すれば同じように「FP2級技能士」の国家資格を取得できます。
日本FP協会 | きんざい |
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資産設計提案業務 | 個人資産相談業務 |
中小事業主資産相談業務 | |
生保顧客資産相談業務 | |
損保顧客資産相談業務 |
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の試験を受けるための受検資格があります。受検資格は、AFP認定研修の受講修了者・3級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定合格者・2年以上の実務経験者・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格者の4つです。
受検資格については後ほど詳しく解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度は、他の国家資格と比較すると低いと言われています。FP3級と比較すると、FP2級の難易度は高く、合格率も下がります。しかし、他の国家資格と比較すると、難易度はそれ程高いわけではありません。FP3級よりも難易度が上がる理由は、試験内容の専門性も高まること、実技試験が記述式になることなどが挙げられます。
試験 | 合格点 |
---|---|
学科 | 36点/60点 |
実技(FP協会) | 60点/100点 |
実技(きんざい) | 30点/50点 |
FP2級は相対評価ではなく絶対評価の試験です。そのため6割の得点を取れば確実に合格可能です。学科試験の場合は、60点満点のうち36点以上で合格となります。実技試験では、日本FP協会が100点満点のうち60点以上、きんざいが50点満点のうち30点以上で合格です。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験で出題される問題は、3級より難しいですが、それ以外にも難易度が高い理由があります。3級の学科試験は○×式および3答択一式ですが、2級は4答択一式となり、選択肢が増えます。法人に関する知識も問われやすくなるなど、出題される範囲も広がります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験は、受検資格のある人だけが受けられます。基本的な知識を持つ人を対象とした試験であるため、3級よりも難易度の高い問題が出題されます。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度は、他の国家資格と比較すると低いと言われています。実際にどの程度低いのか他の試験と比較して解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験は税理士の資格に比べて難易度が低いです。一般的に、税理士の試験では1科目ずつ合格を目指すことが多いため、資格を取得するまでに3~4年程度かかります。税理士試験は必須科目である「簿記論」「財務諸表論」、税法9科目の中の3科目と、合わせて5科目に合格する必要があります。
社会保険労務士試験と比較すると、FP(ファイナンシャルプランナー)級試験の難易度は低いです。社会保険労務士試験の合格率は非常に低く、6%程度です。社会保険労務士試験の合格基準は独特で、選択式の問題では各科目で3点以上得点する必要があります。
ただし、FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験には記述式の問題があるため、マークシート方式の社会保険労務士試験の方が解答はしやすいです。
宅地建物取引士試験と比較すると、FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の方が難易度は低いです。合格率の平均は、宅地建物取引士試験が15%程度で、FP(ファイナンシャルプランナー)級試験は40%程度となっています。試験の内容が違うため、難易度だけを気にするのではなく、金融系の仕事か、不動産業界かなど目指す業種にあわせて受験することが大切です。
日本FP協会ときんざいそれぞれFP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の合格率についてと、2つの試験実施団体での合格率の差について解説します。
日本FP協会が実施するFP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の合格率です。過去5年間の合格率は学科試験では39.47%~56.12%の間、実技試験は50.52%~71.01%の間で推移しています。
【日本FP協会 FP2級合格率】
試験年月 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年1月 | 56.12% | 59.53% |
2022年9月 | 42.16% | 56.55% |
2022年5月 | 49.20% | 62.11% |
2022年1月 | 41.51% | 56.33% |
2021年9月 | 50.56% | 60.26% |
2021年5月 | 55.61% | 66.67% |
2021年1月 | 44.02% | 71.01% |
2020年9月 | 49.19% | 57.37% |
2020年5月 | 中止 | 中止 |
2020年1月 | 41.86% | 62.61% |
2019年9月 | 43.42% | 62.63% |
2019年5月 | 40.17% | 62.65% |
2019年1月 | 48.26% | 50.31% |
2018年9月 | 39.47% | 50.52% |
2018年5月 | 42.93% | 51.68% |
2018年1月 | 45.63% | 57.45% |
きんざいが実施するFP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の合格率です。過去5年間の合格率は学科試験では15.75%~33.82%の間、実技試験(計)は26.74%~48.09%の間で推移しています。きんざいは実技試験が4科目あり、科目によって合格率に差があります。大半の方が受験する、個人もしくは生保は、中小や損保と比較して合格率が低い傾向にあります。
【きんざい FP2級合格率】
試験年月 | 学科合格率 | 実技合格率(計) | 実技 (個人) |
実技 (中小) |
実技 (生保) |
実技 (損保) |
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2023年1月 | 29.07% | 35.14% | 34.09% | 62.98% | 31.90% | - |
2022年9月 | 15.75% | 38.05% | 41.54% | 39.80% | 32.54% | 72.92% |
2022年5月 | 22.11% | 32.80% | 31.44% | ― | 34.32% | ― |
2022年1月 | 19.50% | 45.34% | 36.69% | 57.84% | 50.94% | - |
2021年9月 | 25.46% | 40.03% | 42.49% | 59.76% | 33.92% | 68.49% |
2021年5月 | 33.82% | 44.76% | 42.81% | - | 47.18% | - |
2021年1月 | 23.42% | 45.58% | 36.00% | 64.12% | 54.96% | - |
2020年9月 | 33.10% | 48.09% | 33.71% | 57.54% | 60.73% | 58.62% |
2020年5月 | 中止 | 中止 | 中止 | - | 中止 | - |
2020年1月 | 28.81% | 38.45% | 33.13% | 55.82% | 45.88% | - |
2019年9月 | 20.97% | 39.00% | 31.72% | 55.49% | 50.80% | 67.22% |
2019年5月 | 20.88% | 34.65% | 25.77% | - | 54.73% | - |
2019年1月 | 31.11% | 37.48% | 36.93% | 33.98% | 40.06% | 50.00% |
2018年9月 | 21.45% | 26.74% | 20.47% | 41.97% | 37.42% | 54.61% |
2018年5月 | 28.24% | 30.50% | 23.87% | - | 45.47% | - |
2018年1月 | 28.53% | 38.00% | 31.72% | 47.56% | 50.20% | - |
上記の通り、日本FP協会ときんざいの合格率を比較すると、学科試験・実技試験ともに大きく差があり、日本FP協会のほうが合格率が高く、簡単なように思えるかもしれません。この傾向は、FP3級試験でも同様です。
しかし、実際には学科試験は全く同じ問題が使用され、合格基準も同じであり、難易度に差はありません。そのため、合格率は難易度による差ではなく、日本FP協会の受験者の方が学習レベルが高いということが言えます。
その理由としては、きんざいの受験者の中には、金融機関に所属する社員たちが、会社での団体申込により受験しているケースが多くあり、十分な準備が整わないまま受検している可能性が考えられます。
実技試験においても合格率に差がある理由としては、学科試験と同じく、受験者の質の差が大きいと考えられますが、それだけでなく、実技試験に関しては科目による違いも大きく影響しています。日本FP協会の実技科目「資産設計提案業務」はさまざまな分野から幅広く出題され、学科試験と共通する内容が多く勉強しやすくなっています。一方、きんざいは業種にも関連するような専門的な科目も多く、より深い理解が問われる問題が出題される場合があります。難易度の差があるわけではありませんが、自身の得意科目や職種に合わせて、どの科目を受験するか検討する必要があります。
2級FP技能検定には受検資格があり、以下のいずれかに該当しなければ、受検することができません。
「3級FP技能検定の合格」や「実務経験」と記載されていると、受検のハードルが高く感じ、「ファイナンシャルプランナーとして実際に仕事をしたことがなければ受検できないの?」と心配になる人もいるかもしれません。
しかし、心配は不要です。「日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者」とあるように認定された講座を受講修了すれば、3級の資格や実務経験がなくても誰でも受検することが可能です。
例えば、通信で勉強できるファイナンシャルプランナー(FP)講座は日本FP協会の認定講座になっています。講座を修了(必要な課題を提出しクリア)することで、上記受検資格「日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者」に該当することになるので、保有資格や実務経験がなくても試験を受けることができます。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得するメリットには「就職や転職に有利」「資産運用や副業に役立つ」「独立・開業も可能」「プライベートでの金銭管理に役立つ」といったことが挙げられます。FP3級よりも難易度が上がる分、より専門知識を活かしたメリットが受けられます。
詳細は以下の記事もご確認ください。
資格勉強に慣れている人であれば、FP(ファイナンシャルプランナー)2級は独学でも合格を目指すことができます。しかし、勉強に慣れていな人にとってFP2級試験は決して難易度が低いとは言えないので、独学以外の勉強方法も検討しましょう。
独学が向いているのは、自分で考えながら勉強を進めるのが得意で、分からないところを調べることにも慣れている人です。自己管理能力が高く、計画的に勉強できる自信がある人にも独学は向いています。できる限り費用をかけずに勉強したいという人にも独学はおすすめです。
仕事や家事で忙しく、合間の時間をみつけて勉強したい人や、自分で計画を立ててスケジュールを管理するのが苦手な人には通信講座が向いています。スクールなどと異なり好きなタイミングで勉強できるため、自分のペースで学習できます。試験に合格するための効率的なカリキュラムが組まれているため、限られた時間でもしっかり勉強を進められます。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級は、独学でも取得できますが、確実に資格を取得するなら、独学よりも通信講座がおすすめです。通信講座を受講すれば挫折しにくくなるからです。日本FP協会の認定教育機関が運営する通信講座を受講することで、FP(ファイナンシャルプランナー)2級の受検資格が得られるメリットもあります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得するためのおすすめの勉強方法について解説します。
基本的に暗記も大切ですが、問題を解きながら知識を身につけていくことをおすすめします。どのくらい覚えたか確認しながら勉強した方が、途中で挫折しにくいからです。具体的には過去問題を解き、間違えた部分のテキストを読み直すことを繰り返すと効果的です。
解答ミスがなくなるまで何度も繰り返して過去問題を解きましょう。FP(ファイナンシャルプランナー)2級に合格するためには、解答するスピードを上げることも重要です。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の実技試験は記述式であり、実際に計算して解答を導き出す必要があります。テキストを読むだけではなく、過去問題をたくさん解いて練習する必要があります。計算に慣れていなければ正しい解答を導き出せない可能性があります。学科試験の対策と同様、解答ミスがなくなるまで繰り返し問題に取り組みましょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の試験に合格するために必要な勉強時間は、150~300時間が目安となります。1日2時間勉強する場合は、3~5カ月程度かかる計算です。3級よりも多くの勉強時間が必要になるため、仕事や家事、育児とのバランスを考えながら、余裕を持った学習スケジュールを組むことがポイントになります。
FP(ファイナンシャルプランナー)として身につけた知識はキャリアだけでなく、私生活でも役に立ちます。
FP(ファイナンシャルプランナー)は6分野について学習しますが、例えば金融資産運用の分野では幅広い金融商品について知れるため、資産運用を始める際に役立ちます。
また、FP(ファイナンシャルプランナー)の主な仕事の一つに顧客のライフプランニングがあり、その知識を身につけると自身のライフプランを作成することもできます。子どもの教育資金としていくら必要なのか、住宅ローンを繰り上げ返済した方がいいのかなど、家族の適切なライフプランを立てることにも役立ちます。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の取得を目指すなら、 ユーキャンのファイナンシャルプランナー(FP)資格取得講座がおすすめです。毎年、多くの合格者を排出している初心者にも取り組みやすいカリキュラムで、より確実に合格を目指せる講座になっています。
通常、2級FP技能検定を受検するためには、「実務経験2年以上」「3級資格の取得者」といった、受検資格が定められています。
しかしユーキャンのFP講座は、日本FP協会の認定講座であるため、当講座指定の課題を提出し、合格すれば「2級FP技能検定」の受検資格が得られるため、受検資格を気にせず、合格を目指せます。
例年、ユーキャンの受講生の90%以上が初めてFPを学習をする方です。そのため、初めての方でも安心して学習に取り組めるカリキュラムが用意されており、分かりやすさに定評があります。
スマホで読めるテキストや、動画講義も充実しており、忙しい方でもスキマ時間に学習することで短期合格が目指せます。
ユーキャンのファイナンシャルプランナー講座の過去10年間の合格者数はなんと15,000名超いらっしゃいます。多くの方がユーキャンの教材で資格を取得されています。
※ユーキャンのファイナンシャルプランナー講座は日本FP協会認定講座として受検者における受講生データを日本FP協会より通知を受けており、合格者数のデータは日本FP協会からユーキャンへ通知されることにご了承いただいた方の数値です。
FP試験に関わる法律は、毎年のように改正が行われます。 ユーキャンのFP講座では、法改正情報や前回試験の傾向分析などを適宜お知らせしてくれます。いち早く知ることができるので、自力で情報収集する手間が省けます。独学にはない受講サポートで、試験に安心して臨めます。
受講すると、総合模擬試験2回を含む全8回の添削指導が受けられます。また、知識豊富な講師陣がメールや郵送で不明な点にやさしく丁寧に回答する質問回答サービスも利用可能です。受講開始から12ヵ月までは添削・質問・法改正サポートなど全てのサービスが受けられるため、ご自身のペースで学習したい方もご安心して受講が可能です。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度は、税理士・社会保険労務士・宅地建物取引士寄りは低いです。3級を保有していつことなど、受検資格が必要となるため、より専門的な知識が求められ、合格率は50%前後となっています。きちんと勉強すれば資格取得は難しくありません。
ユーキャンのFP(ファイナンシャルプランナー)講座は日本FP協会の認定を受けているため、受講することで2級の受検資格が得られます。Webテストも受けられるので、効率のいい勉強方法で資格取得を実現させましょう。FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の受検を考えている人は、お気軽にお問い合わせください。
1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
FP2級は、3級の出題範囲に加えて、法人のファイナンシャル・プランニングが追加されています。3級は個人資産に関連する相談業務に必要な技能を身につけるのに対し、2級はさらに中小企業の資産相談業務の内容が加わるため、より専門的な知識が必要です。
FP技能士は国家資格、AFPとCFPは民間資格です。FP技能士には期限がないので生涯有効ですが、AFPとCFPには期限があります。
個人の方がファイナンシャル・プランナー資格試験を受検するには、「受検申請」という手続きを行います。受検申請は、書面の受検申請書を郵送する方法と、インターネットで手続きをする方法の2種類があります。
FP2級の難易度は高いです。 日本FP協会が2024年1月に実施したFP(ファイナンシャルプランナー)3級の学科試験合格率が83.14%であるのに対し、FP2級は39.0%でした。 合格率が大幅に下がることからもわかるように、FP2級の難易度は高めです。
ファイナンシャルプランナー(FP)は税金、保険、年金などの幅広い知識と視野を持ち、ライフプランの設計を行うお金の専門家。 有資格者は、金融・保険・不動産など、さまざまな業界で求められるため、就・転職が有利に!独立・開業も可能なほか、身につけた知識は日常生活でも役立ちます。
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