FP(ファイナンシャルプランナー)3級の試験難易度や合格率は?勉強方法も解説
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)3級の難易度や合格率をはじめ、他の資格の難易度と比較した結果や勉強方法などについて解説します。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級と3級の決定的な違いは何でしょうか。ここでは、2級と3級それぞれの受検資格や試験科目、合格難易度や合格率などの違いについて解説します。また、2級の受検に必要な実務経験を回避する方法や効果的な勉強方法も説明します。ぜひ参考にしてください。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級と3級の試験における、受検資格、試験科目、出題形式、受検手数料について比較しながら解説します。
ファイナンシャルプランナー(FP)3級は、FP業務に従事している、もしくは従事しようとしている人なら誰でも受検可能です。3級は幅広い対象者に受検資格が与えられていますが、2級は受検資格として以下の条件が定められています。以下のいずれか一つに該当する人には受検資格が与えられます。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級の受検資格
3級 | 2級 | |
---|---|---|
ライフプランニングと資金計画 | ・論理、関連法規、手法 ・社会保険 ・公的年金 ・企業年金や個人年金 ・年金と税金 ・資金計画と最新の動向 ・ローンとカード |
左記3級の内容に加え ・中小法人資金計画 |
リスク管理 | ・リスクマネジメントと保険 ・生命保険 ・損害保険 ・第三分野の保険 ・リスク管理と保険 ・最近の動向 |
左記3級と同じ |
金融資産運用 | ・マーケット環境 ・預貯金、金融類似商品 ・投資信託 ・債券投資、株式投資 ・外貨建て ・保険商品 ・金融派生商品 ・ポートフォリオ運用 ・税、法規、セーフティーネット ・最近の動向 |
左記3級と同じ |
タックスプランニング | ・税制と所得税のしくみ ・各種所得と損益計算 ・所得控除、税額控除 ・所得税の申告、納付 ・個人住民税、個人事業税 ・最近の動 |
左記3級の内容に加え ・法人税 ・法人住民税、法人事業税 ・消費税 ・会社と役員の税務 ・法人の決算書と申告 ・諸外国税制 |
不動産 | ・見方、取引、規制 ・不動産取得・保有に関する税金 ・不動産譲渡に関する税金 ・不動産賃貸 ・不動産有効活用 ・不動産証券化 ・最近の動向 |
左記3級と同じ |
相続・事業承継 | ・贈与に関わる法律と税 ・相続に関わる法律と税 ・相続財産評価 ・不動産や保険の相続対策 ・最近の動向 |
左記3級の内容に加え ・事業承継対策 ・事業と経営 |
ファイナンシャルプランナー(FP)2級は、3級の出題範囲に加えて、法人のファイナンシャル・プランニングが追加されています。3級は個人資産に関連する相談業務に必要な技能を身につけるのに対し、2級はさらに中小企業の資産相談業務の内容が加わるため、より専門的な知識が必要です。
2級は3級の出題範囲を網羅していますが、内容は3級よりも実務的で高度な知識が問われ、さらに深い知識と応用的な実務能力が試されます。
3級 | 2級 | |
---|---|---|
学科試験 | ○×と三答択一式 | 四答択一式 |
実技試験 | ・事例形式5題(きんざい) ・多肢選択式20問(FP協会) |
・事例形式5題(きんざい) ・記述式40問(FP協会) |
ファイナンシャルプランナー(FP)2級と3級では、出題形式も異なります。3級試験は、全国のテストセンターにて行うCBT試験ですが、2級試験は、試験会場で一斉に行われるペーパー試験です。また、問題数はどちらも60問ですが、設問の選択肢の数が違います。3級の学科試験は、○×もしくは三答択一式で解答します。一方、2級の学科試験は、3級よりも選択肢が多い四答択一式になるため、その分難易度が上がります。
また、日本FP協会の実技試験の問題数は3級が20問であるのに対し、2級は倍の40問です。解答方法も3級は多肢選択式であるのに対し2級は記述式になるため、正しい知識がないと正解しにくくなるでしょう。
3級 | 2級 | ||
---|---|---|---|
日本FP協会 | 学科試験 | 4,000円 | 5,700円 |
実技試験 | 4,000円 | 6,000円 | |
きんざい | 学科試験 | 4,000円 | 5,700円 |
実技試験 | 4,000円 | 6,000円 |
(2022年9月以降、改正あり)
多くの検定試験がそうであるように、受検手数料は級が上がるほど高くなります。ファイナンシャルプランナー(FP)の試験も、実施機関によって手数料に若干の違いはありますが、3級よりも2級のほうが高くなっています。また、学科試験よりも実技試験のほうが手数料が高いという点も同じです。
以下では、ファイナンシャルプランナー(FP)2級と3級の難易度の違いについて、2022年1月に実施された合格率のデータから解説します。
3級 | 2級 | ||
---|---|---|---|
日本FP協会(2022年1月実施の試験) | 学科試験 | 87.01% | 41.51% |
実技試験 | 90.75% | 56.33% | |
きんざい(2022年1月実施の試験) | 学科試験 | 62.52% | 19.50% |
実技試験(個人資産相談業務) | 53.14% | 39.69% | |
実技試験(保険顧客資産相談業務) | 39.53% | ||
実技試験(中小事業主資産相談業務) | 57.84% | ||
実技試験(生保顧客資産相談業務) | 50.94% |
表を見ると、日本FP協会のほうが、きんざいよりも難易度が低いことがわかります。3級受検者が学科試験でも実技試験でも数多く受かっていることを考えても、3級は比較的受かりやすいといえるでしょう。また、いずれの機関でも、3級よりも2級のほうが合格率が低く難関であることがわかります。
受検回により合格率に違いはありますが、日本FP協会ときんざいの2級学科試験の問題は同じですが、合格率は大きく異なっています。いずれにしても、2級合格者はファイナンシャル・プランニングに対して高い技能を持つ実力者と認められます。
ファイナンシャルプランナー(FP)3級は、ファイナンシャル・プランニング業務の基礎的な知識に関する出題内容であることがほとんどです。解答方法も、○×で答えるか、三問択一式のため、比較的難易度は低いでしょう。
しかし、2級からは解答の選択肢も4つに増えるため、難易度が上がります。実技試験でも、計算して得た数字を記入する記述式となっており、正確な知識と限られた時間内に計算する技能がないと、合格は難しいといえます。
ファイナンシャルプランナー(FP)試験に合格するには、出題範囲を網羅したテキストで勉強し、内容ごとに力試しの問題を解き、試験の模擬問題集などで理解度を確認する形で進めることが一般的です。
勉強が進むにつれて、先に勉強した内容で記憶が曖昧な部分は忘れてしまうこともあるでしょう。それらを復習しながら試験が受けられるレベルになるまで、3級は80~150時間の勉強時間が目安とされています。
個人の勉強の進め方や状況によっても異なりますが、2級なら150~300時間は必要でしょう。1日2時間勉強した場合の必要期間の目安は、以下のとおりです。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級の受検資格には、2年以上の実務経験を有する者と規定があります。実務経験とは、証券会社や保険会社、銀行、クレジット会社、会計事務所などで、資産の設計、運用、管理などに類するファイナンシャル・プランニング業務を行った経験です。
転職をしていた場合は、同様の業務を合わせて2年以上経験していないと受検資格として認められないため、気をつけてください。
検定試験の中には、同日に異なる2つの級の受検が可能な場合があります。しかし、ファイナンシャルプランナー(FP)では、2級と3級のいずれも、同日の同時間帯に試験が行われるため、同時受検が不可能で、併願はできません。
ファイナンシャルプランナー(FP)3級と2級を同時に受検することは不可能です。しかし、2級の受検資格を満たせば、3級を受けずに2級を受検できます。以下に、効率よく2級を取得するための方法を解説します。
2級の受検資格の一つに「AFP認定研修の受講を修了した者」と規定があることは先述しました。つまり、3級の合格者でなくても、AFP認定研修の受講を終えていれば、2級を受検できます。AFP認定研修とは、ファイナンシャル・プランニングに必要な専門知識を学べる、日本FP協会認定の研修講座です。
AFP認定研修を修了すれば、2年以上のファイナンシャルプランナー(FP)実務経験がない人でも、3級を取得せずに2級の受検資格が得られます。
日本FP協会が認定するAFP認定研修に対応した講座なら、2級取得に必要な勉強内容がカリキュラムに組み込まれているため、3級の取得や2年の実務経験がなくても、ファイナンシャルプランナー(FP)2級を目指すことが可能です。
AFP認定研修の修了条件は、提案書を作成し基準点をクリアしてAFP認定研修修了証明書を受け取ることです。この修了証明書を取得すれば、2級の受検が可能になります。
AFP認定研修の対象講座を受講する最大のメリットは、ファイナンシャルプランナー(FP)3級の資格を持たずにいきなり2級の試験が受けられることでしょう。先程も解説したとおり、2級の試験範囲は3級の内容を網羅し、より深い知識を必要とします。
受講すれば3級の内容をカバーできるため、3級取得のための勉強時間を省略できるのがメリットといえます。
ファイナンシャルプランナー(FP)3級から受検する人は、どのように勉強しているのでしょうか。独学の一般的な勉強方法を紹介します。
基本的には、ファイナンシャルプランナー(FP)の受検対策として、市販されているテキストと同シリーズの問題集で勉強することが多いようです。テキストをひと通り読んで、単元ごとの確認テストや、問題集を解くことになるでしょう。採点し、間違った箇所はテキストで振り返って理解する、その繰り返しで進めていくのが定番です。
ひと通り3級の出題範囲を学び終えたら、実際の過去問や模擬問題集などで、時間を計りながら問題を解いてみましょう。採点して、自身の弱点を把握し、苦手な箇所はテキストを再度読み込んでしっかりと理解しておくことが重要です。
わかりにくいと感じたら、別のテキストを利用してもいいでしょう。似たような問題を繰り返し解いて苦手意識をなくすことが大切です。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級ともなると、3級と同じようには勉強が進まないこともあるでしょう。FP2級の勉強のコツを以下で解説します。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級受検用のテキストを読み込むことはもちろん、2級からは実技試験の解答スピードも重視しなければなりません。1問にかける時間が長すぎると、制限時間内に解き切れない可能性があります。
そのため、過去問を繰り返し解いて出題パターンに慣れ、効率よく解く練習をしておきましょう。もちろん、間違った問題は解き直し、弱点と感じる箇所を重点的に勉強していく必要があります。
新しい分野の勉強は、どうしても知識を頭に入れることが多くなりがちです。しかし、脳のキャパシティに対してインプットが多過ぎると、記憶領域に定着していない内容は忘れてしまうと言われています。そのため、インプットした部分の過去問を解くなどして復習することが大切です。
こうしてアウトプットすることにより、インプット内容が記憶されて知識が定着しやすくなります。普段はインプットとアウトプットのバランスを意識して勉強し、試験直前はアウトプットに重点を置きましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)3級は独学でも合格できるレベルだと言われています。しかし、3級の知識が曖昧なままだと、それ以上に専門知識が必要になる2級の勉強で挫折してしまうこともあります。また、2級では出題範囲が広くなるため、どの分野も同じ水準で理解できるとは限りません。独学では、不得意分野をどう勉強していくかが大きな課題といえます。
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