CBTとは?IBTやPBTとの違い・メリット・デメリットを解説
- 更新日:2024/02/16
CBTは、コンピューターを使った試験です。資格試験や学力検査などで、CBTが用いられるケースが増えました。しかし、CBTとはどのようなものか、イメージできない人も多いのではないでしょうか。この記事ではCBTの概要や他の試験方式との違いについて解説します。主催者側と受験者側のメリット・デメリットにも触れつつ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CBTとは
CBT(Computer Based Testing)は、コンピューターを使った試験方式です。一般的に、全国47都道府県にある「テストセンター」という場所で試験が実施されます。
テストセンターでは免許証などの顔写真付き本人確認書類をもとに、受験者の身分を確認した後で試験が行われる仕組みです。コンピューターのディスプレイに説明や質問が表示されたら、マウスやキーボードを使って解答を入力します。試験によっては音声を使った試験などもあります。
近年は、漢検や英検などの検定や各種資格試験、採用試験や社内試験、学力検査にもCBTが採用されるようになりました。国内だけではなく、世界各国でさまざまな分野・業界に関する試験がCBTで実施されています。
CBTとIBTの違い
IBT(Internet Based Testing)またはWBT(Web Based Testing)とは、オンラインで受ける試験のことです。CBTはテストセンターに集合して試験を受けますが、IBTは自宅や勤め先で試験を受けられます。
IBTでは、個人や企業のパソコンやスマートフォン、タブレットなどから試験に解答可能です。CBTと比べると、場所の縛りがない点はIBTのメリットといえます。
CBTとPBTの違い
PBT(Paper Based Testing)は、解答用紙に筆記用具を使って解答する試験です。かつては記述式問題も多く見られましたが、近年のPBTはマークシート式が主流です。CBTと比較すると、PBTは問題用紙や解答用紙の手配などに手間と費用がかかります。
CBTの採用が増えている理由
CBTの採用が増えている理由は、受験者や試験者に取ってメリットが多く、国の方針にもマッチしているためです。詳細な理由には以下が挙げられます。
- 試験日を変更しやすく受験しやすい
- データ化によりセキュリティを向上させられる
- 紙の試験よりも問題を多様化できる
- 政府が推進する電子化と相性がいい
試験が受けやすくなる
試験の受けやすさを理由に、CBTの採用が増えています。CBTは1年を通じて、複数の会場で定期的に開催されています。天候や交通機関などの理由で試験を受けられなくても、CBTなら日時や会場を変更して受験可能です。一方、PBTの場合は、急なトラブルが発生すると多くの受験者は試験を断念します。
セキュリティを強化できる
セキュリティを強化できる点も、CBTが普及した理由の1つです。CBTでは問題がインターネットで暗号化されて送受信され、人の手が介入する余地はほぼありません。また、解答も即座にデータ化されるため、受験後に試験内容や解答が紛失するリスクも軽減されます。
多くの問題を出題できる
多様な問題を出題できるところも、CBTの特徴です。CBTでは文章や図表以外に、動画や音声などを使った問題にも対応可能です。また、CAT(Computer Adaptive Test)タイプのCBTでは、受験者ごとに最適な問題を出題して、効率よく個々の能力を測れます。
電子化を推進されている
政府は紙の電子化を推進しており、資格試験や検定試験についてもペーパーレス化が進んでいます。試験の解答結果を電子データ化できるCBTは、時代の流れにマッチしています。また、CBTなら解答に加え申込みや結果通知までペーパーレス化が可能です。
【受験者側】CBTのメリット
受験者側から見たCBTのメリットは、利便性の高さです。利便性が高い理由には以下が挙げられます。
- 自動採点可能なため、早ければその場で試験結果が分かる
- 訪問しやすい試験会場を自分で選択できる
試験結果がすぐにわかる
CBTは自動採点ができるため、採点に時間がかかりません。試験直後に採点結果が発表される場合も多く、受験者は気持ちを切り替えやすくなり、記憶が新しいうちに復習に取り組めます。
ただし、多くの場合、その場で結果が分かることは採点結果のみです。合格できる点数が決まっていない限り、試験の合否は分からないと理解しておきましょう。
試験会場を選択できる
自宅や職場付近の試験会場を選んで受験できるため、受験者は移動時間や費用の負担を抑えられます。
CBTの試験会場は47都道府県にあり、詳細は「受験者専用サイト」で確認可能です。1つの都道府県に複数の試験会場があり、例えば2023年12月時点で、東京都には37の試験会場があります。地方よりも都市部の方が会場が多い傾向が見られます。
- 参考:テストセンター|CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト(https://jitsumu-kentei.jp/HS/totalize/contents)
【受験者側】CBTのデメリット
IBTと比べると、受験者側はCBTにデメリットを感じる場合もあります。デメリットと感じる理由には以下が挙げられます。
- 試験会場に行かなくてはならない
- 基本的なパソコンの操作ができないと、実力を発揮できない
利便性が低い .
近くの試験会場で試験を受けられるといっても、試験会場に足を運ばなければならない時点でIBTと比べると利便性は低いといえます。企業や学校などの都合によっては、受験者は試験会場に行く時間を確保できないかもしれません。ただし、CBTは試験日時を変更できるため、都合が悪いと分かった時点でスケジュールを変更すれば対応できます。
パソコンの操作が必要になる
CBTはパソコンを使った試験です。マウスやキーボードなどの操作スキルがなければ、解答が困難です。試験を受ける前に操作に慣れておかなければ、実力を発揮できないかもしれません。ただし、業務や趣味などで日常的にパソコンを使っていれば、操作スキルは十分に備わっていると考えられます。
【主催者側】CBTのメリット
主催者側から見たCBTのメリットも、利便性の高さです。利便性が高い理由には以下が挙げられます。
- 問題用紙や解答用紙の手配など、試験の準備にかける負担を減らせる
- 試験関連のデータを有効活用できる
試験を実施する際の負担が減る
テストセンターで試験が実施されるため、主催者側は試験会場の手配が必要ありません。監督者が常駐しているため、当日の人員確保も不要です。他にも、問題用紙や解答用紙などを印刷・配布する手間や、結果の回収から採点、結果通知にかかる労力も削減できます。
データを管理できる
試験結果のデータを集計して一元管理するCBTは、問題ごとの解答時間や正答率、受験者ごとの学習到達度などを分析できます。分析結果を利用すると、試験問題の質を向上させられます。
さまざまな検索条件で受験者のデータを抽出できるため、合格者を選別して連絡を入れる、不合格者にのみ再試験を通達する、などの操作も可能です。
【主催者側】CBTのデメリット
主催者側から見たCBTのデメリットは、トラブルや不正への対応が難しい点です。トラブルや不正への対応が難しい理由には以下が挙げられます。
- システムや通信状態によっては、試験の開催・続行が難しい
- 1人ひとりに注目しきれないため不正を見逃す恐れがある
通信エラーが起こる可能性がある
パソコンを使うCBTでは、システムエラー・通信エラーなどのトラブルが起きる可能性があります。大規模な通信障害が発生すると試験の開催・続行が難しくなり、受験者からクレームを受けるかもしれません。主催者は起きうるトラブルを想定し、対策や代替試験を実施する方法などを事前に検討する必要があります。
不正行為の完全防止が難しい
CBTは、不正行為を完全に防げるわけではありません。本人確認書類をもとにした本人確認や私物の持ち込み制限などで、基礎的な不正対策はなされています。ただし、試験中に受験者を直接監視していないため、スマートフォンの隠し持ちや、カンニングペーパーの持ち込みなどを監督者が見過ごす場合もあります。
CBT試験に対応している資格・講座一覧
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また、講座によっては、試験本番と同じCBT方式が体験できるプログラムも用意しています。ユーキャンのCBT試験に対応している資格・講座に興味のある人は、ぜひ受講をご検討ください。
まとめ
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
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