• 更新日:2024/02/16

「チャイルドマインダー」は保育のプロとして、イギリスを中心に活躍の場を広げています。少人数での家庭的保育におけるスペシャリストとして知られており、日本でも保育士におけるキャリアの1つとして注目されています。この記事では、チャイルドマインダーについて、働くメリットややりがい、資格を取得する難易度などを解説します。ぜひ、キャリア形成にお役立てください。

チャイルドマインダーとは

チャイルドマインダーは、イギリスで発祥した少人数保育のプロとしての資格です。0歳から12歳を対象として、1~4人程度の少人数保育を実施する専門的な知識やスキルがあるスペシャリストを指し、イギリスでは1990年に国家職業資格として認定されました。

チャイルドマインダーの仕事では、自宅やそれぞれの家庭で子どもを預かり、保護者の意思に沿って家庭的な保育を実践します。現在では、1人ひとりの個性や家庭環境に合わせた細かい保育ができると評価されるようになり、そのメソッドは世界中に広く普及しています。

チャイルドマインダーの特徴

チャイルドマインダーは、大人数での保育に比べ、1人ひとりに寄り添った細やかな保育を行うのが特徴です。個別保育に関する専門的なノウハウを有し、家庭環境や個性、能力に合わせた保育を実施します。

少人数保育のため、より安全に保育が受けられるほか、家庭毎の要望に合わせた保育を受けさせたいなどの要望にも対応可能です。日本では、少人数の保育に特化した民間の資格として認知されるようになり、取得を目指す人が増加しています。

チャイルドマインダーとベビーシッター・保育士の違い

保育の仕事としては、チャイルドマインダーの他に、ベビーシッターや保育士も知られています。それぞれ預かる子どもの対象年齢や預かる人数が異なります。

ベビーシッターは、チャイルドマインダーと同じく個別保育を専門とする職業ですが、特に決まった資格はありません。また保育士は、0歳から5歳を対象とした集団保育をメインとしている職業で、国家資格が必要です。

一方チャイルドマインダーも、名乗るためには資格が必要とされています。さらに、チャイルドマインダーとして必要とされる、家庭的保育に関する専門的な知識やスキルは、ベビーシッターや保育士になるためにも役立つため、保育関連のスキルアップを目指す人にはおすすめの資格です。

チャイルドマインダーとして働くメリット

チャイルドマインダーとして働くと、以下のようなメリットがあります。

  • 専門性を高めてスキルアップできる
  • 成長を長く見守れる
  • さまざまな場所で活躍できる

それぞれのメリットについて解説します。

少人数保育の専門のノウハウが身につく

チャイルドマインダーになるためには、子ども1人ひとりに合った個別保育のノウハウを身につける必要があります。それぞれの子どもの健康や心理など、個別保育ならではの専門性が身につき、プロとしてスキルアップが可能です。自身のスキルアップができれば、キャリア形成にも役立つでしょう。

長期的に子どもの保育に携われる

集団保育では、多くの子どもを担当するのが基本ですが、チャイルドマインダーの場合、1人の子どもの保育を長期的に担当します。そのため、子どもの成長を長く見守れるというやりがいがあります。

数年規模で子どもと向き合いながら、細かな保育ができ、自分の力を存分に発揮できるのも魅力です。保護者や子どもと信頼関係を結び、やりがいを持って仕事に臨めるでしょう。

多様な働き方ができる

チャイルドマインダーは、さまざまな働き方で保育に関われるのもメリットです。一般的な働き方として、以下の3種類があります。


家庭的保育

家庭的保育とは、保護者や自治体と契約して、自宅または依頼主の家で保育する働き方です。直接保護者と個人的に契約する業務委託契約のほか、企業に所属したり、自治体の定める条件を満たして「保育ママ」として在宅で働いたりする方法があります。訪問保育と在宅保育の両方を併用し、時間を有効活用できるのもチャイルドマインダーの特徴です。


施設型保育

少人数保育を行っている公的施設や、民間施設に所属して働く方法です。保育施設には「認可保育施設」と「認可外保育施設」の2種類があります。雇用形態は、正社員から派遣、パートなどさまざまです。

認可保育施設では、基本的に保育士資格を有していないと保育士として勤務できません。ただし、「保育補助」としてサポートできる人材を募集しているケースもあり、チャイルドマインダーとしての力を活かせる可能性があります。認可外保育施設には、企業内託児所や院内保育、小規模保育施設、塾などがあり、チャイルドマインダーとして働ける所も多くあります。


開業

チャイルドマインダーとしての資格をもっていれば、少人数を預かる託児施設などが開業可能です。個人としても最大3名まで預かれます。そのため、施設に所属する以外にも、働き方が広がります。

ただし、開業して安定収入を得るためには、自治体などに所属するのとは違い、集客などの工夫も必要になります。開業したい場合、自治体で案内を受けられる場合もあるので、相談してみるといいでしょう。

チャイルドマインダーに適性のある人

チャイルドマインダーは、誰でも目指せる職業ですが、特に、以下のような特徴がある人に向いています。

  • 子どもに関心がある人
  • 責任感を持って仕事ができる人
  • 子どもと遊ぶ体力がある人
  • 信頼関係を築くスキルがある人

それぞれの適性について詳しく解説します。

子どもが好き

チャイルドマインダーは、子どもと接する仕事なので、子どもが好きでないと務まりません。常に子どもを最優先にできるような考え方が必要です。精神面が未熟な子どもと接するため、大人相手よりも苦労や負担もあります。しかし、その分子どもの成長を間近で見られたり、新しい発見があったりするため、やりがいもあるでしょう。

責任感がある人

他人の子どもを預かる仕事なので、ケガや病気などに対する責任も負う必要があります。活発に遊ぶ子どもが、事故を起こしてしまう可能性もあるため、安全に気を配れる責任感のある人には適性があるでしょう。目の届く範囲で常に緊張感を持って取り組めれば、利用者からの信頼を得られやすくなるでしょう。

体力がある人

子どもを預かる仕事は体力が必要です。子どもは元気で体力があるので、走り回って遊んだり、おんぶしたり、抱っこしたりなど、常に体力が求められます。体力勝負の仕事なので、長く続けるためにも運動などで体力をつけておくといいでしょう。

コミュニケーション力がある人

チャイルドマインダーは、子どもだけでなく保護者ともコミュニケーションが必要です。大事な子どもを預かる仕事なので、保護者からの信頼を得られるかも大事な要素になります。

また、チャイルドマインダーは家庭的な保育を大事にするため、家庭それぞれの保育方針や保護者の意向も尊重しながら保育に当たる必要があります。そのため、預かる際に、保護者としっかりコミュニケーションをとらなければなりません。

チャイルドマインダーのやりがい

チャイルドマインダーは、他の保育関連の職業と同様に、子どもの成長を間近で感じられるというやりがいがあります。少人数を対象にするため、1人ひとりと親身に向き合い、家族同然のような存在になれるケースもあるでしょう。

仕事や病気など、さまざまな理由で子育ての負担が大きい保護者にとって、チャイルドマインダーは精神面・身体面で助けになる存在です。核家族化が進む日本では特に、チャイルドマインダーの社会的な意義の高まりがあるため、やりがいを感じやすいでしょう。

チャイルドマインダーになるには

チャイルドマインダーになるためには、保育に関する知識やスキルだけでなく、少人数保育に関するノウハウや責任感などに加え、チャイルドマインダーの資格を取得する必要があります。

チャイルドマインダーの資格は、学歴不要で、未経験者でも取得可能です。チャイルドマインダーの資格試験を受けるには、養成講座を受講・修了する必要があります。

受講スタイルや受講費用は、養成講座を実施しているスクールや企業によって異なります。通学講座であれば短期間で受講でき、通信講座であれば働きながらでも勉強しやすいなど、それぞれにメリットがあるため、自分の状況に合わせて選ぶといいでしょう。

チャイルドマインダーの資格を取得する難易度

チャイルドマインダーの資格は、養成講座と試験をパスすれば取得できます。さらに、検定試験で出題される問題は、養成講座で学んだ内容がほとんどなため、難易度は低い傾向にあります。認定試験はいくつかあり、それぞれで前後しますが、合格率は70~90%程度です。別途試験勉強をしなくても、養成講座でしっかり学ぶことで、合格を目指せるでしょう。

チャイルドマインダーの資格は独学で取得できる?

前述の通りチャイルドマインダーの資格の取得条件として、指定の養成講座の受講があるため、独学では取得できません。できるだけ早く資格を取得したいのであれば、通信講座がおすすめです。

ただし、チャイルドマインダーの資格は民間資格なので、無資格でも何かしらの違反にはなりません。しかし無資格だと、スキルを証明するものがないため信用が得にくく、職を得るのが難しくなってしまいます。

チャイルドマインダーと相性のいい資格

チャイルドマインダーのみでも働けますが、保育士資格も持っておくと働きやすくなりおすすめです。保育の現場では、保育士の資格が必須のケースも多いため、両方の資格を持っていれば、仕事の幅が広がります。

転職やキャリアアップ、独立開業を目指す際にも、国家資格である保育士を持っているとアピールポイントになるでしょう。

チャイルドマインダーの将来性

家族や地域の人と協力しながら子育てをしていた昔と違い、子育て中の両親が周囲から孤立しやすい現代において、チャイルドマインダーは注目されている職業です。共働きで子どもを預ける家庭の増加による待機児童問題の解決方法として普及する可能性があります。

さらに、集団保育よりも、子どもに合わせて家庭的な保育をしてほしいという需要にも応えられるため、多様性を尊重する現在では貴重な仕事です。ただし、日本では認知度が低いため、安定した収入を確保するには、保育士の仕事も兼用するなど工夫した働き方が必要です。

まとめ

チャイルドマインダーは、イギリスから発祥した少人数保育のスペシャリストです。子どもに寄り添った保育が実施でき、自身のスキルアップやキャリア形成、独立にも役立ちます。

日本では、チャイルドマインダーの資格だけよりも、国家資格である保育士資格も併せて取得していると、働く間口が広がります。転職や独立を目指しているなら、チャイルドマインダー資格と一緒に保育士資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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よくある質問

社会人や主婦でも保育士を目指せる?

社会人や主婦でも、保育士になるのは不可能ではありません。保育士になるには複数のルートがあり、勉強して資格を取得することで保育士を目指せます。忙しい社会人や主婦の多くは通学するのが困難ですが、通信教育を活用した勉強や独学なら資格取得が可能です。

保育士の年収は?

保育士の平均年収は382万円となっています。保育士の平均年収は10年間で50万以上上昇しており、今後も給料が上がる可能性は十分にあるといえるでしょう。

保育士資格を取得するにはどのくらいの費用がかかる?

保育士試験合格に向けて養成学校へ通学する場合、専門学校で200万円以上、短期大学で250万円以上、4年制大学は400万円以上の学費が必要です。それに対して通信講座の受講費用は、およそ5~10万円程度で済みます。独学で勉強する場合は、教材費として5,000円から1万円程度です。

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