主婦が保育士資格を取得するには?資格の取得方法や勉強のコツなどを詳しく解説
- 更新日:2023/06/17
主婦として日々忙しい時間を過ごしているなか、就職や転職に活かせる資格として、保育士資格の取得を考えている人もいるのではないでしょうか。ただし、家事や育児と、資格取得のための勉強を両立できるかどうかという不安もあるかもしれません。
この記事では、保育士試験の概要や勉強方法に加えて、保育士未経験の主婦でも保育士資格を取得できる方法について詳しく解説します。保育士になりたい主婦の方は、ぜひ参考にしてください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- 主婦が保育士の資格を取得するメリットとして、就職や転職がしやすい、やりがいを感じられる、家事や子育てと両立しやすいなどが挙げられる。
- 保育士の資格取得方法は、保育士養成学校で資格取得に必要な科目を履修する、保育士試験に合格する、の2つ。
- 勉強のコツは、試験合格までのスケジュールを立てること、スキマ時間を活用すること、家族の協力を得ることなど。
保育士は社会人や主婦でも目指せる?
社会人や主婦でも、保育士になるのは不可能ではありません。保育士になるには複数のルートがあり、勉強して資格を取得することで保育士を目指せます。忙しい社会人や主婦の多くは通学するのが困難ですが、通信教育を活用した勉強や独学なら資格取得が可能です。
主婦の保育士資格取得をおすすめする理由
主婦であることは保育士を目指すうえでの足かせではなく、実は大きなメリットになります。その主な理由として、以下の2点があります。
子育ての経験が活かせる
子どものいる人であれば、子育てをした経験が、保育士として仕事をするうえで役に立ちます。20代の若い世代は体力はありますが、経験という点では不足している部分が多いでしょう。社会人として働いた期間や、子育ての期間が長ければ長いほど、経験豊富といえます。子どもや保護者とのかかわりにおいても、それらの経験が活かせます。
年齢に関係なく仕事ができる
保育士の募集にあたっては、それぞれの施設が求める人物像はあるものの、保育士の資格取得には年齢の上限がありません。実際に保育の現場では、30~40代の主婦が保育士として活躍しているケースも多数あります。社会経験や子育ての経験は主婦にとって強みであり、その強みを活かして、年齢に関係なく仕事ができます。
主婦が保育士の資格を取得するメリットとは?
主婦が保育士の資格を取得することで得られるメリットもあります。ここでは、3つのメリットについて詳しく説明します。
就職や転職がしやすい
保育士の求人数は常に多く、仕事を見つけやすいことがメリットのひとつです。また、保育士を必要としている場所は保育所だけではありません。
たとえば、商業施設などの託児所、企業や病院で働く人の子どもを預かる企業内保育所および病院内保育所、病児保育室なども就職先の候補として挙げられます。ほかにも、小児科の院内保育や学童保育、ベビーシッターや保育ママなど、子どもを預かる場所であれば、幅広い範囲で活躍できるチャンスがあります。
やりがいを感じられる
日々子どもたちとかかわる保育士は、子どもが好きな人にとって大きなやりがいを実感できる仕事です。子どもたちが成長していく姿を見ながら、その成長をサポートできることは、大きなやりがいにつながるでしょう。また、保育士として得た知識やスキルは、自分自身の子育てにも活かせます。
家事や子育てと両立しやすい
保育士の仕事は正社員だけではなく、パートや派遣などの求人が多いという特徴もあります。主婦といっても人によって家庭環境はさまざまで、自分自身が育児中という人もいれば、子育ては一段落したという人もいるでしょう。パートや派遣などの働き方であれば、それぞれの家庭環境にあわせて、家事や育児と両立しながら働けます。
地域限定保育士として働く方法もある
保育士不足は全国的に生じています。そこで、待機児童問題が特に深刻な自治体に設けられている「地域限定保育士」という資格で働く方法もあります。これは2015年に新しく設けられた資格で、働けるのは特定の地域のみです。
自治体が実施する試験に合格後3年間は、受験した地域のみで保育の仕事に就くことができます。3年が経過すると、全国どこでも保育士として働けるようになります。一次試験の筆記試験の難易度は、一般的な保育士試験とほとんど変わりません。一次試験に合格すると、実技試験のかわりに保育実技講習が行われます。
保育士の資格を取得する方法
保育士の資格を取得する方法は、大きく分けて2つあります。ひとつは保育士養成学校に通って学ぶ方法で、もうひとつは保育士試験に合格する方法です。
保育士養成学校で資格取得に必要な科目を履修する
保育士になる方法のひとつが、保育士養成学校に通って必要な科目を履修する方法です。4年制大学や短期大学、専門学校などのうち、保育士養成施設として指定を受けている学校であれば、卒業と同時に資格を取得できます。
これらの学校では、保育士の資格取得に必須の科目を勉強したり、実習に参加したりするカリキュラムが組まれており、保育士国家試験の受験免除が適用されます。保育士養成学校では、通信課程を設けている学校もあり、自宅で科目を履修し当該課程を修了することで資格を取得する道もあります。
保育士試験に合格する
保育士になるもうひとつの方法は保育士試験を受験する方法で、合格すると保育士への道が開けます。最も安い費用で資格を取得できるのは、市販のテキストを活用して独学する方法です。費用はテキスト代のみで、仕事や家事、育児と両立しながら勉強しやすいというメリットがあります。
通信講座やe-ラーニングを活用して合格を目指すのも方法のひとつです。独学と同様に自分のスケジュールにあわせて勉強できるうえ、市販のテキストよりも教材が充実しています。講師からのアドバイスやサポートが受けられる点も大きなメリットです。
保育士資格を取得するにはどのくらいの費用がかかる?
保育士資格の取得のために養成学校へ通学する場合、専門学校で200万円以上、短期大学で250万円以上、4年制大学は400万円以上の学費が必要です。それに対して通信講座の受講費用は、およそ5~10万円程度で済みます。独学で勉強する場合は、教材費として5,000円から1万円程度です。
どのような方法でも、受験手続きにかかる費用は共通しています。「受験申請の手引き」を取り寄せるための郵送料が250円、受験手数料は1万2,700円です。合格後に保育士として働く際には保育士登録を行う必要があり、登録手数料として4,200円かかります。
保育士試験の受験資格や試験概要は?
実際に保育士試験を目指すにあたっては、試験の詳しい情報を把握することが大切です。保育士試験の詳細について確認しましょう。
受験資格
保育士試験は、最終学歴によって受験資格が異なるため、受験資格の有無を確認することが大切です。4年制大学や短期大学を卒業している場合は、保育に関連のない学科の卒業でも、無条件で受験できます。専門学校卒や高卒、中卒、在学中や中退の場合は、実務経験や取得済みの単位数といった条件を満たしていなければなりません。
試験日程
保育士試験は1年に2回実施されます。前期の筆記試験が4月、後期の筆記試験が10月です。筆記試験は連続する2日間で行われ、合格者はその後に実施される実技試験を受けられます。実技試験は、前期日程が6月頃、後期日程が12月頃です。
出題範囲
筆記試験は9科目にわたって160問が出題されます。9科目のなかには、保育の基本となる「保育原理」や「教育原理」「社会的養護」のほか、福祉に関連する「子ども家庭福祉」や「社会福祉」の分野もあります。
そのほかの分野は「保育の心理学」と「子どもの保健」「子どもの食と栄養」および「保育実習理論」です。実技試験は3分野で、受験申し込みの際に2分野を選択します。
主婦が保育士の試験に合格するためのコツ
主婦として家事や育児をこなしながら保育士試験の合格を勝ち取るには、それなりの対策を立てて学ばなければなりません。ここでは、主婦が試験に合格するためのコツを、詳しく解説します。
試験の概要を把握する
保育士試験は筆記と実技があり、科目数が多い試験です。勉強しなければならない内容も多いため、試験の概要を確認し、出題範囲を把握しましょう。
筆記試験は、科目ごとに合格した年度を含めて3年間有効です。1年で全科目に合格しなくても、期限内であれば、不合格だった科目を再受験できます。1回で合格を狙うにしても、数年かけて合格を目指すにしても、効率的に勉強する必要があります。
試験合格までのスケジュールを立てる
保育士試験に合格するためには、一般的に12カ月程度の勉強が必要です。受験日程を決めたら、逆算して勉強のスケジュールを立てましょう。いつまでにこの分野の勉強を終える、1日何時間は勉強するなど、実現可能な目標を立てることがポイントです。
基礎的な勉強を終えた後は、演習問題を解くなど、本番を想定した練習をするのもおすすめです。
スキマ時間を活用して効率的に勉強する
主婦として家事や育児と両立しながら勉強するのは容易ではありません。しかし、まとまった勉強時間を取りにくくても、15分を4回、合計1時間の勉強時間を確保するのは、不可能ではないでしょう。
たとえば、家事や育児の合間、電車などでの移動時間のほか、テレビを見る時間やスマートフォンを使う時間などを少し削ると、時間を作り出せます。スキマ時間を活用して、短い時間を上手に使って勉強しましょう。
家族の協力を得る
日常の家事や育児に受験勉強が加わると、いずれ無理が出てくる可能性もあります。両立がうまくいかないと、思うように勉強が進まなくなったり、家族との間に問題が発生したりする可能性があります。
そのような事態を避けるために、資格取得の勉強をしていることを家族に理解してもらうことが大切です。家事を分担してもらったり、子どもをみてもらう時間を増やしたりと、家族の協力を得て勉強時間を確保しましょう。
まとめ
保育士は年齢に関係なく活躍できる仕事であり、社会経験や子育て経験がある主婦に向いています。家事や育児に忙しい主婦が、保育士の試験に合格するポイントは、効率よく勉強できる方法を選ぶことです。
ユーキャンの保育士講座のテキストは、幅広い分野にわたる筆記試験の内容を、効率よく勉強できます。図解やイラストが豊富でわかりやすいことも大きな特徴です。独学にはないサポートも充実しているため、保育士試験に挑戦するなら、ユーキャンの保育士講座を活用していかがでしょうか。
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 保育士試験の合格率・難易度は?
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保育士試験の合格率は約23%と、難易度は高いといえます。ただ、保育士試験は年2回開催されていたり、筆記試験は合格した年を含めて3年間有効であるなど、合格のチャンスが多い試験なので、コツコツ勉強して準備すれば、合格できる可能性は十分あります。
- 保育士と幼稚園教諭の違いって?
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幼稚園には「学びの場」、保育園には「生活の場」という特徴があります。また、保育士は国家資格で0歳児から保育を受け持つ一方、幼稚園教諭は教員免許で満3歳以上の子どもが対象、という違いもあります。給与面では大きな差は見られません。
- 独学でも保育士試験に合格できる?
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学校に通う時間がなかったり、経済的な事情から、独学で保育士試験に挑戦する人は少なくありません。独学は、マイペースで勉強できる、資格取得費用を節約できるといったメリットがあります。一方で、最新情報をしっかりと確認するなどの注意も必要です。効率的に合格を目指すなら、最新情報が取り入れられた通信講座での勉強がおすすめです。
子どもたちの成長を見守る保育士は、楽しくてやりがいのあふれる仕事。「保育のプロ」として、生涯役立つ国家資格です。
子どもが好きな方には天職ともいえる仕事で、出産や子育ての経験も活かせます。共働き世帯の増加や待機児童の増加により社会的ニーズも高く、保育所をはじめとした児童福祉施設など、活躍の場も多彩です。
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