保育士のやりがいと大変さを徹底解説
- 更新日:2023/06/17
保育士になりたいと思っていても、仕事が大変なのではないかなどと、不安に思う人は多いようです。保育士の仕事は大変ではありますが、やりがいのある仕事でもあります。
この記事では、保育士の役割、仕事内容、大変さ、やりがいなどを解説します。保育士を目指す際の注意点も紹介しているので、参考にしてください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- 保育士の役割は、乳幼児期にふさわしい生活の場を提供した上で、子供の人権を尊重し、心身ともに健やかに育てること。
- 保育士の大変な面としては、子供たちへの対応、長時間労働、持ち帰り業務が多い、人間関係、体力がつきるほどの激務であることなど。
- 保育士のやりがいとしては、子供の笑顔が見られる、保護者から感謝される、イベント成功の達成感が得られる、社会貢献をしている喜びを得られることなど。
保育士の役割
保育士の役割は、乳幼児期にふさわしい生活の場を提供した上で、子供の人権を尊重し、心身ともに健やかに育てることです。安全で、快適な環境の中で、人とのかかわり方・自主性・協調性・道徳性の芽生えを培います。自然・社会への関心を育て、豊かな表現力を養うなど、保護者や地域と連携しながら、子育てを支援します。
保育士とは
保育士とは、0~6歳(就学前、以下同)の乳幼児の保育をする資格を持った人のことをいいます。保育士の資格は厚生労働省管轄の国家資格です。主な仕事場所は保育所などの児童福祉施設で、最近では、認定こども園で働く保育士も増えてきました。
昔は、保母さんと呼ばれ、女性が就く職業でした。男女雇用機会均等法の発令により、男性も保父さんとして働けるようになりました。その後、児童福祉法の改正により、保母・保父という呼称から保育士に変更されています。
幼稚園の先生との違い
幼稚園の先生とは、3~6歳の幼児を保育する資格を持った人のことをいい、文部科学省の管轄です。幼稚園の保育時間は9~14時ですが、保育園(※児童福祉法に基づく正式名称は「保育所」)は7:15~18:15や7:30~18:30の11時間としている園が多いです。
幼稚園は土日が休日ですが、保育園では土日保育を行う場合があります。幼稚園には夏休み・冬休みがありますが、保育園にはありません。ただし、公立・私立、また自治体によって違いがあります。
保育士の大変さ
保育士の仕事の大変さについて、具体例とその対策を解説します。
子供たちへの対応
具体例
子供同士のけんかや子供がなついてくれないことは多いです。保育士の話を聞いてくれない、みんな勝手に遊んでしまう、全員で作品を作ろうと呼びかけても参加したがらない子がいるなど、つい大声を出したくなることもあるでしょう。
対策
大切なのは、子供に無理やり言うことを聞かせることではありません。子供自身が自発的に改善行動するのを見守ることも必要です。焦ることなく、それぞれの子供の気持ちにしっかり寄り添うようにしましょう。
長時間労働である
具体例
保育士の仕事は、長時間労働になることもあります。特に、運動会やお遊戯会などのイベントが控えている時期は、残業せざるを得ない日も多くなります。無理をしすぎて体を壊すケースも珍しくはありません。
対策
イベントの日程はあらかじめ決まっているため、長時間労働になりそうな時期はある程度予想できます。比較的余裕のある時期に意識的に休みを取って、体調を整えておくのもひとつの方法です。また、保育士同士できちんと連携を取り、業務の負担が偏らないようにすることも大切です。
女性ばかりで人間関係が面倒
具体例
保育士は男性でもなれますが、圧倒的に女性が多いのが現状です。そのため、自然とグループができやすく、各グループの対立の巻き添えになることも少なくありません。時には、同僚の悪口に発展してしまうこともあります。
対策
職場での人間関係は、仕事をスムーズに進めるためにも重要ですが、人間関係上のトラブルはどこの職場でも起こりえる問題です。基本的には中立の立場を貫き、陰口や対立があってもあまり関わらないことをおすすめします。
持ち帰り業務が多い
具体例
保育士の仕事は、持ち帰り業務が多いです。保育指導計画の作成など、就業時間内に終わらない業務を自宅でやることもあります。その他、イベントの小道具づくり、衣装の準備なども、持ち帰りになりやすい業務です。
対策
持ち帰り業務の負担を少しでも減らすには、効率的な時間の使い方を意識することが大切です。たとえば、朝早く起きて作業の時間を確保したり、隙間時間を活用したりするだけでも効果はあります。
体力がつきるほどの激務である
具体例
保育士は元気いっぱいの子供たちに向き合う仕事です。朝早くから、園によっては夜遅くまで、子供達相手に、走り回ったり、立ったり座ったりで、体力を消耗してしまうことが多いです。
対策
保育士の仕事はある程度体力勝負であることは覚悟した方がいいでしょう。日ごろから意識的に運動に取り組み、体力をつけておくことを心がけます。また、栄養のある食事をしっかり取ることも大切です。
保育士のやりがい
保育士の仕事は大変な部分もありますが、やりがいも大きいです。ここでは、保育士のやりがいについて紹介します。
子供の笑顔が見られる
子供の笑顔が見られたり成長を実感できた際に、大きなやりがいを感じる人は多いです。子供の笑顔は特別なもので、見ているだけで幸せな気分になれます。
よく泣いていた子供が泣かなくなった
保育園では、保護者と離れる際に泣いてしまう子供が多いです。泣いている子供たちも、保育士が温かく接することで、泣き止み笑顔を見せてくれます。園生活に慣れ、保護者と離れても泣かなくなる頃には、子供の成長が感じられ、非常にやりがいを感じます。
笑顔で子供が駆け寄ってきてくれる
子供が笑顔で駆け寄ってきてくれた時は、他には代えられない嬉しさがあります。卒園生が訪ねてきてくれ、大きく成長した姿が見られた時も非常に嬉しいものです。
保護者から感謝される
仕事がどんなに大変でも、保護者から感謝された時に、やりがいを感じる保育士も多いようです。
日ごろの対応について「ありがとう」と言われる
保育士には、保護者から「ありがとう」と声をかけられる機会がたくさんあります。子供の面倒を見てくれる保育士は、忙しい保護者にとって頼りになる存在です。
育児のアドバイスを喜んでもらえる
保育士は、育児の専門知識も豊富なので、保護者からさまざまな相談を受けます。相談を受けるのは、それだけ保護者から頼りにされている証拠です。丁寧にアドバイスすることで、自分の知識を育児に役立ててもらえます。
イベント成功の達成感が得られる
保育園では、たくさんのイベントを企画します。一生懸命に準備したイベントが成功した時に得られる達成感は、大変大きなものです。
子供たちの楽しそうな様子を見られる
運動会や遠足などのイベント前は、当日の準備でとても忙しくなります。残業や持ち帰り業務も普段以上に増えて大変です。しかし、当日の子供たちの楽しそうな様子を目にすると、心から「頑張ってよかった」という気持ちになれます。
自分たちの手で作り上げた喜びを感じられる
保育園のお遊戯会や卒園式などのイベントは、すべて保育士たちの手作りで行われます。自分たちで作り上げたイベントが成功した後は、達成感で満たされます。
社会貢献をしている自信
保育士としての仕事が、社会貢献につながっていると実感できた時の喜びは大きいです。
働いている保護者の支えになれる
保育園は、働いている保護者にとっては不可欠なものです。保育士の仕事をすることで、間接的に保護者を支えられていると実感できる時の満足度は高いです。
子供の成長に関われている
保育士がやりがいを感じるのは、自分が子供の成長に関われていると実感できた時です。子供と一緒の時間を過ごし、成長への手助けができていることは、何事にも代えられない喜びと言えます。
まとめ
保育士は、0~6歳の乳幼児の保育に当たることもあり、大変なことも多い仕事です。乳幼児への対応だけでなく、保護者対応、イベント企画などもあり、大変な仕事だと感じる保育士も少なくないです。しかし、子供たちの笑顔、保護者からの感謝などがえられた際に得られるやりがいも大きな魅力と言えます。
幼稚園が認可こども園になることが増えており、保育士の需要は増えています。特例制度により、保育士としての経験を積めば、幼稚園教諭免許の取得も目指せます。保育士資格取得を目指すなら、ユーキャンの保育士講座を受講しましょう。ポイントを盛り込んだオリジナル教材で、試験合格に必要な知識を身につけられます。
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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よくある質問
- 保育士試験の合格率・難易度は?
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保育士試験の合格率は約23%と、難易度は高いといえます。ただ、保育士試験は年2回開催されていたり、筆記試験は合格した年を含めて3年間有効であるなど、合格のチャンスが多い試験なので、コツコツ勉強して準備すれば、合格できる可能性は十分あります。
- 社会人や主婦でも保育士を目指せる?
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社会人や主婦でも、保育士になるのは不可能ではありません。保育士になるには複数のルートがあり、勉強して資格を取得することで保育士を目指せます。忙しい社会人や主婦の多くは通学するのが困難ですが、通信教育を活用した勉強や独学なら資格取得が可能です。
- 保育士になるには?
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保育士になるための方法はいくつかありますが、保育士試験を受験する場合のステップは以下の通りです。
①保育士資格の情報収集
②(受験資格がない場合は)受験資格の獲得
③保育士資格のための勉強
④保育士試験の受験申込
⑤試験受験
⑥試験合格後、保育士登録手続き
⑦保育士証取得
子どもたちの成長を見守る保育士は、楽しくてやりがいのあふれる仕事。「保育のプロ」として、生涯役立つ国家資格です。
子どもが好きな方には天職ともいえる仕事で、出産や子育ての経験も活かせます。共働き世帯の増加や待機児童の増加により社会的ニーズも高く、保育所をはじめとした児童福祉施設など、活躍の場も多彩です。
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