保育士になるには|資格取得方法や、保育士のメリットまで詳しく解説
保育士になるためのステップについて、より詳しく解説します。受験資格や勉強方法についても解説しますので参考にしてください。
保育士とは、乳児から小学校就学までの幼児を保育する仕事。保育士と聞くと、子どもたちを預かり、お世話をするというイメージがあると思いますが、実際の仕事はどのようなものなのでしょうか?
今回は、保育士の仕事内容や仕事時間についてご紹介します。
保育士の仕事は、乳児から小学校入学前の子どもたちを預かり、生活全般のお世話をしながら、基本的な生活習慣を身につけさせることです。
食事や睡眠、排せつ、清潔さ、衣類の着脱など単純に身の回りのお世話をするだけではなく、心身の発達を促し、社会性を養う必要があり、子どもの成長にとって重要な役割を担っているといえるでしょう。
それでは、そんな保育士の詳しい仕事内容を、保育士の1日を通してご紹介します。今回は3歳以上のクラスを例に挙げます。
出勤したら、まず開園の準備を行います。部屋の掃除や換気、スケジュール確認、朝礼などを済ませ、開園の時間になったら子どもたちを迎え入れます。
子どもたちの登園が済んだら朝の会を始め、朝の挨拶や出席確認、体操などを行います。その後は自由遊びや散歩など、プログラムに沿って活動します。
お昼が近付いてきたら手洗いやうがいなどを促し、お昼ご飯の準備を始めます。
保育士は子どもたちの様子を見ながら一緒に食事をとります。昼食を食べ終わったら後片付けを行い、子どもたちに歯磨きと排せつなどをさせ、布団を敷いてお昼寝の準備へ。子どもたちが布団に入ったら、絵本などを読み聞かせてお昼寝をさせます。
子どもたちが寝ている間は、会議や連絡帳への諸連絡記入、休憩をします。
お昼寝が終わったら室内や園内で遊ばせ、保護者のお迎えを待ちます。お迎えが来たら保護者に連絡帳を渡し、その日の様子や連絡事項を伝えます。子どもたちを見送った後は、園内の掃除・片付け、戸締まりをして勤務終了です。
保育士の仕事時間は、勤めている園によっても異なりますが、1日8時間が一般的です。
早朝保育や延長保育を行っている保育園では、「早番・中番・遅番」のシフトを組みながら仕事時間を決めているケースが見られます。
残業については、閉園後にお遊戯会などのイベントの準備を進めたり、保育園だよりを作ったりすることがあります。
休日は、基本的に土曜日、日曜日、祝日です。週休2日制を導入している園は多いものの、土曜日や日曜日に保育を行う園もあるため、平日休みとなることもあります。
女性に人気の職業の1つである保育士ですが、さまざまな魅力・やりがいがあります。
大きなやりがいとして、子どもの成長に関われることが挙げられます。大好きな子どもと一緒に過ごせる楽しさは、保育士の大きな魅力です。仕事が辛いときでも、「先生」と慕ってくれる子どもの愛らしい笑顔を見ると頑張れるという保育士も多いはずです。たくさんの子どもたちが日々成長していく姿を間近で見守り、関われる楽しさは、大きなやりがいです。初めて歩いたり、初めて言葉をしゃべったり、これまでできなかったことが一つ一つできるようになっていく子どもの成長を間近で感じることができます。小さな頃から見守ってきた子どもが成長して卒園を迎えたとき、いろいろな思い出がよみがえり深い感動を味わうでしょう。
また、保護者とのかかわりの中でやりがいを感じることもあります。保護者の中には、育児に関して様々な悩みを抱えている方もおり、保育士が相談を受けることも。保育士ならではの育児の知識・経験で、解決に導くことができるでしょう。そうして育児の悩みを抱える保護者の力になることができれば、保護者と信頼関係を築くことができます。保護者から頼りにしてもらい、それにこたえることによって感謝されたとき、保育士にとしてのやりがいを感じることができ、大きな魅力の一つといえます。
他にも、雇用形態がさまざまであるという魅力があります。
家庭の事情や健康上の理由などで長時間の勤務が難しい場合、契約社員、派遣社員、パートという形で保育士を続けることが可能です。正規雇用以外の形態で働く場合は残業や休日出勤がかなり免除されますし、午前または午後だけ働くということもできます。正規の保育士に比べて補助的な仕事が多くなりますが、園によってはクラスの主要な仕事を任せてもらえることもあるでしょう。
また、保育士が活躍する現場は保育園だけにとどまりません。放課後児童福祉員、児童福祉施設でも保育士資格は重宝されますし、保育ママとしても資格を活かすことができます。活躍できる場所の多さも保育士の魅力です。
保育士は、全国的に社会問題となっている待機児童問題の解消や、子を持つ共働き世帯に対する支援という面においても、大変に重要な役割を担っています。保育士がいなければ保育施設も安全に子どもを預かることができませんし、保育士がいるからこそ、共働きの世帯でも安心して仕事をすることができます。大変なこともありますが、だからこそ得られるやりがいや魅力がたくさんあります。保育士は、社会が必要としている存在であり、社会に貢献しているという誇りを持つことができる魅力的なお仕事なのです。
そんな魅力あふれる保育士ですが、ハードで大変な仕事でもあります。近年は男性の保育士も増えてきていますが、保育士の約9割は女性です。そのため、女性ならではの人間関係でのトラブルが起こることも。また、保護者の対応に悩まされる場合もあります。理不尽な要求やクレームを繰り返すモンスターペアレントの対応に追われ、悩みを抱えている保育士もいます。
さらに、保育士は慢性的な人材不足の現状があります。保育所に入りたくても入れない「待機児童」は、都市部を中心に現在16,000人以上もおり(2019年4月現在)、今や社会問題に。そのため、保育士の仕事量の多さや長時間労働も大きな問題になっています。
しかし、2019年4月から「働き方改革関連法」が施行され、保育士業界にも様々な影響を与えています。一つは、「有給休暇取得の義務付け」です。これまで、有給休暇には取得についての義務はなく、人手不足の保育業界は有給休暇を取りにくいという傾向がありました。しかし、法改正により、年間10日間の有給休暇を付与される労働者を対象に、年5日の有給休暇の取得が義務付けられるようになったのです。これにより、確実に有給休暇を取得できるようになり、保育士にとってさらに働きやすい環境が整うことになるでしょう。
「残業時間の上限設定」も大きな影響を与えています。これまでは残業時間に上限はなく、人材不足の保育士業界では長時間の残業をする職員が多くいました。法改正にともない残業時間に上限が設けられ、特別な事情がない限り『月45時間/年360時間』という上限を超えての残業はできなくなりました。これにより、業務量の削減・業務効率化・残業時間の削減・ワークライフバランスの向上などが期待されています。
仕事量も多く、肉体的にも精神的にもハードな保育士ですが、近年の「働き方改革」によりその労働環境は変化しています。今後も保育士にとって働きやすい環境づくりは進んでいくでしょう。
保育士の仕事内容が具体的に分かると、保育士として働く自分の姿をイメージしやすくなりますよね。それでは、保育士になるためのステップを確認しましょう。
1.保育士資格の情報収集
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2.保育士資格のための勉強・(受験資格がない場合は)受験資格の獲得
↓
3.保育士試験の受験申込
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4.受験
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5.試験合格後(資格取得後)、保育士登録手続き
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6.保育士証取得
保育士資格は保育士試験に合格することで取得できますが、合格すればすぐに保育士になれるわけではなく、保育士登録手続きをして保育士証を取得する必要があります。
試験合格後は忘れずに保育士登録手続きを行い、保育士生活をスタートさせましょう。
保育士と幼稚園教諭の違いとしてはまず必要な資格が違います。保育士になるためには、厚生労働省管轄の保育士資格、幼稚園教諭になるためには文部科学省管轄の幼稚園教諭免許が必要です。
また、それぞれの目的にも違いがあり、保育士は保護者に代わって子どもたちを保育し、基本的な生活習慣などを教えることを目的としています。一方、幼稚園教諭は、小学校就学に備えて、年齢に応じた教育や指導を行うのが主な目的です。
内閣府の発表によると、保育士全体のうち、女性(平均年齢36.1歳、平均勤続年数7.8年)の平均月給は約22.8万円です。賞与なども含めた平均年収は約340万円となっています。
女性労働者全体の平均賃金と保育士の平均給与を比べてみると、必ずしも保育士の給与水準が高いとはいえませんが、国や自治体は保育士のさらなる処遇改善を進めているところです。
保育士の需要が高まる中で、まだ目標値には届いていない実情はありますが、保育士の給与を4万円ほど上げる施策もとられています。他にも、例えば、東京では家賃補助という形で給料にプラスするなどの処遇改善策がとられており、国に加えて各自治体での待遇面の向上も進んでいます。
今回は、保育士の仕事内容や仕事時間などについてご紹介しました。
仕事内容や仕事時間は園によってさまざまですが、子どもたちの成長をサポートでき、雇用形態や勤務時間を比較的選択しやすい点は共通しています。
保育士は、子どもが好きで、フレキシブルな働き方をしたいと考えている方にオススメの職業。保育士になるためには保育士資格を取得する必要がありますが、子どもが好きならきっと夢を叶えられるはずです。まずは資格について調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
保育士試験の合格率は約23%と、難易度は高いといえます。ただ、保育士試験は年2回開催されていたり、筆記試験は合格した年を含めて3年間有効であるなど、合格のチャンスが多い試験なので、コツコツ勉強して準備すれば、合格できる可能性は十分あります。
学校に通う時間がなかったり、経済的な事情から、独学で保育士試験に挑戦する人は少なくありません。独学は、マイペースで勉強できる、資格取得費用を節約できるといったメリットがあります。一方で、最新情報をしっかりと確認するなどの注意も必要です。効率的に合格を目指すなら、最新情報が取り入れられた通信講座での勉強がおすすめです。
保育士試験合格に向けて養成学校へ通学する場合、専門学校で200万円以上、短期大学で250万円以上、4年制大学は400万円以上の学費が必要です。それに対して通信講座の受講費用は、およそ5~10万円程度で済みます。独学で勉強する場合は、教材費として5,000円から1万円程度です。
子どもたちの成長を見守る保育士は、楽しくてやりがいのあふれる仕事。「保育のプロ」として、生涯役立つ国家資格です。
子どもが好きな方には天職ともいえる仕事で、出産や子育ての経験も活かせます。共働き世帯の増加や待機児童の増加により社会的ニーズも高く、保育所をはじめとした児童福祉施設など、活躍の場も多彩です。
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