• 更新日:2024/08/20

宅建士とは「宅地建物取引士」の略称であり、不動産の取引に関する専門家の資格です。宅建資格を活かして副業したいと考えている人もいるのではないでしょうか。この記事では、宅建資格をもつ人におすすめの副業について解説します。メリット・デメリットや注意点などを解説するため、ぜひ役立ててください。

宅建資格を活用して副業することは可能

宅建資格をもっている人は、資格を活かして副業の仕事を獲得できます。宅建資格を本業で活かす機会がない人も、副業に活用するという選択肢があります。宅建資格を活かせる副業にはさまざまな種類があるため、自分に合うものを選びましょう。

宅建資格の副業はいくら稼げるのか

宅建資格を活かして副業に取り組んだ場合、得られる収入は月5~10万円程度です。なかには稼げないと感じている人もいますが、実際に稼げる金額や求人数などは具体的な副業の内容によってさまざまです。副業の内容によってどのような違いがあるか把握したうえで、取り組む副業を検討しましょう。

宅建資格者におすすめの副業と収入の目安

宅建資格をもつ人ができる副業はさまざまあります。ここでは、おすすめの副業と収入の目安について解説します。

  • 宅建資格者のみが対応できる独占業務の代行
  • 宅建資格の取得を目指す人向けの予備校講師・家庭教師
  • 不動産、住宅、金融などのWebライター
  • 宅建業法や不動産取引に関するコラムの監修
  • 宅建資格を活かしたWebサイトやブログの運営
  • 宅建資格の試験対策についての動画投稿
  • 不動産投資

独占業務の代行

独占業務とは、宅建資格者でなければ対応できない業務のことです。具体的には、重要事項の説明や重要事項説明書への記名などがあげられます。不動産会社は、従業員の5人に1人以上の宅建資格者を配置する義務があります。

宅建資格者を最低限の人数しか配置していない不動産会社の場合、土日や繁忙期になると独占業務に対応できる人員が不足するケースが多いです。そのような不動産会社と契約し、独占業務を代行する副業が存在します。独占業務の代行の時給相場は900〜1,500円程度です。

予備校講師・家庭教師

宅建資格者は、予備校講師・家庭教師の副業もできます。資格試験講師として、宅建資格の取得を目指す人に勉強を教える仕事です。具体的には、本業を終えた後の時間や休日などに資格試験講師の副業に取り組みます。

宅建資格者が資格試験講師として働く場合の時給相場は、予備校講師なら3,500円程度、家庭教師なら2,500円程度です。

Webライター

Webライターは、Webサイトに掲載されるコラムを執筆する仕事です。宅建資格がある人は、資格を活かして不動産、住宅、金融などのテーマのコラムを執筆できます。Webライターは最初のうちは稼ぎにくいものの、執筆に関するスキルが身についたり実績が増えたりすると稼ぎやすくなります。

Webライターは資格がなくてもできる仕事ですが、宅建資格という専門性をアピールすれば、より高単価な案件を獲得できる可能性が高いです。宅建資格をもつWebライターの時給相場は3,000~5,000円程度です。

記事の監修

記事の監修は、Webライターが書いたコラムに間違いがないか確認する仕事です。宅建資格という専門性を活かせば、宅建業法や不動産取引に関するコラムの監修ができます。記事の監修は特に責任のある仕事であるため、企業の選考に通過しないと依頼を受けられない場合が多いです。

監修の仕事で得られる報酬は、記事の内容や文字数によって幅広いです。専門性が高い記事や文字数が多い記事は、報酬の目安もより高くなります。

アフィリエイター、ブロガー

アフィリエイターやブロガーは、自分が運営するWebサイトやブログで広告収入を得ている人です。宅建資格を活かしてWebサイトやブログを運営し、収入を得る方法があります。

アフィリエイター、ブロガーとして得られる報酬は、人によってさまざまです。多くの読者から支持されるようになれば、月100万円以上稼げる可能性もあります。ただし、最初は記事を書いてもなかなか読まれず、報酬もほとんど発生しません。稼げるようになるまで時間がかかるため、根気よく取り組む必要があります。

YouTuber

YouTuberは、YouTubeに投稿した動画によって広告収入を得ている人です。宅建資格者のなかには、宅建資格の試験対策についての動画をYouTubeに投稿して、稼いでいる人もいます。

YouTubeで得られる報酬は、動画の再生回数によって決まります。多くの人に見られる動画を作れば、高額を稼げる可能性もあるでしょう。ただし、収益化するにはチャンネル登録者数や再生回数についての条件を満たす必要あります。このため、最初のうちは報酬が発生しません。

不動産投資

不動産投資は、自分が保有している不動産を第三者に貸して家賃収入を得る方法です。もともと不動産をもっていない場合は新しく購入する必要があるため、数百万円から数千万円の初期費用がかかります。入居者が決まると、それから一定期間はコンスタントに収入を得られる可能性が高いです。

宅建資格者は不動産に関する専門的な知識があるため、それを活かして有利に不動産投資に取り組めるでしょう。

宅建資格を活用して副業するメリットとは

宅建資格を活かす副業には、さまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるか解説します。

  • 宅建資格には独占業務がある
  • 報酬の相場が比較的安定しているため効率的に稼げる
  • 在宅勤務やリモートワークで対応できる場合が多い
  • 重要なスキルやノウハウを身につけられる

資格を活用できる

宅建士資格には独占業務があり、資格を活かせば副業としてそのような仕事に取り組めます。また、本業で宅建資格を活用していない場合でも、不動産に関する副業に取り組むと宅建士資格を有効活用できます。

休日など空いた時間に稼げる

本業以外の時間で副業に取り組むと、夜や休日などの空いている時間を活用して収入を得られます。宅建資格を活かせる副業は報酬の相場が比較的安定しているため、より効率的に稼げる可能性が高いです。

在宅勤務・リモートワークができる

宅建資格を活かせる副業は、在宅勤務やリモートワークで対応できる場合が多いです。たとえば、不動産会社での独占業務の代行も、遠隔で対応できるケースが増えています。また、Webライターの仕事は記事の執筆であり、パソコンがあればいつでもどこでも取り組めます。

知識を実践で使える

宅建資格を活用する副業に取り組めば、不動産に関連する法律の知識を実際に活用できます。実務に関するスキルやノウハウも学べるため、宅建資格者としての成長にもつながります。

独立に役立つ

宅建資格を活かせる副業で経験を積めば、独立に必要な知識や実績を増やせます。副業は主体的に取り組む必要があり、独立を考えていない場合でも社会人として長く活躍するために、重要なスキルやノウハウを身につけることが可能です。

宅建資格を活用して副業するデメリットとは

宅建資格を活用して副業する場合、デメリットといえる側面もあります。以下でくわしく解説します。

  • 資格取得までに時間と高い費用がかかる
  • 副業に時間を割くほど、本業やプライベートに影響する可能性がある

資格を取得するまでに時間がかかる

これから宅建資格を取得して副業に取り組もうと考えている場合、資格取得までに時間がかかります。また、資格登録には4万円以上の費用も必要です。すでに宅建資格をもっているなら問題ないものの、副業のために資格取得を考えているなら注意しましょう。

プライベートの時間が減る

副業に多くの時間を割けば、その分だけプライベートの時間が減ります。副業は本業に支障が出ない範囲で取り組む必要があるため、負担が大きくならないようバランスを調整しなければなりません。

疲労が蓄積される

本業のほかに副業もするとなると、休む時間が少なくなりがちです。しかし、仕事でパフォーマンスを発揮するには、休息の時間も重要です。無理をすると疲労が蓄積されやすいため、意識的に休息の時間を確保しましょう。

副業の仕事を獲得する方法とは

宅建士資格を活かせる副業の仕事は、さまざまな方法で探せます。仕事の獲得方法について解説します。

  • 求人サイトで応募条件を確認
  • 特に、Webライターや記事の監修はクラウドソーシングサイトで見つけやすい

求人サイト

宅建資格が求められている副業の仕事は、求人サイトでも多く募集されています。求人サイトを開き、たとえば「宅建 在宅」「宅建 副業」「宅建 業務委託」などのキーワードで検索すると、さまざまな仕事が表示されます。

それぞれ募集内容や条件が異なるため、自分に合いそうな仕事を選びましょう。応募する仕事をスムーズに選ぶには、自分が副業でどのように働きたいか事前に考えておくといいです。

クラウドソーシングサイト

クラウドソーシングサイトとは、インターネット上で仕事の契約ができるサービスです。たとえば、ランサーズやクラウドワークスなどがあり、幅広い仕事のやり取りが行われています。クラウドソーシングサイトでは、宅建資格者を対象とする案件も豊富です。自分自身の資格をアピールして応募すれば、仕事を獲得できる可能性があります。

特に、Webライターや記事の監修の仕事がしたい場合は、クラウドソーシングサイトで探すとさまざまな案件が見つかります。

フリーランスで宅建資格を活用する方法もある

宅建資格を活かせば、会社に所属せず個人でフリーランスとして活動する方法もあります。実際、資格を活かして独立し、1人社長として活躍している人も多いです。また、完全歩合制のフルコミッションで働いて高収入を得ている人もいます。

それぞれの働き方にはメリット・デメリットの両方があるため、慎重に判断しましょう。いずれにせよ、独立を成功させるには豊富な実績やスキルが必要です。いきなり独立するのではなく、まずは副業で経験を積むと独立後の活動がスムーズになります。

宅建資格を活用して副業する際の注意点

宅建資格を活かして副業する際は気をつけたいこともあります。具体的な注意点を解説します。

  • 宅建士の登録をしなければ、独占業務に対応できない
  • 副業による年間所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要
  • 宅建士としての名義のみを貸すことは違法行為
  • 勤め先によっては、副業が禁止されていることもある

宅建士の登録が必要

宅建士として活動するには、登録が必要です。登録しないと独占業務に対応できないため、注意が必要です。

ただし、副業の種類によっては、試験に合格していれば宅建士の登録をしなくても問題ない場合もあります。たとえば、Webライターや記事の監修の仕事は宅建士の独占業務とは異なるため、登録が必須ではない可能性があります。実際に仕事を受注する際は、案件ごとの募集条件をよく確認しましょう。

収入によっては確定申告が必要

副業で得た収入によっては、確定申告や納税が必要です。具体的には、副業による年間の所得が20万円を超えた場合が該当します。所得とは、副業で得た収入から経費を差し引いた金額です。仕事に取り組むためにかかった費用は、すべて経費として扱えます。

確定申告が必要な場合は、副業で得た所得の金額を計算したうえで確定申告書を作成しましょう。書類を税務署に提出したら税金を納付します。

本業に支障が出る場合もある

副業に力を注ぎすぎると、本業に悪影響が生じる恐れもあります。本業に支障が出ないよう、本業と副業のバランスには注意しましょう。休む時間も考慮し、余裕のあるスケジュールを立てる必要があります。

名義貸しはしない

実際には業務に対応しないにもかかわらず、宅建士としての名義のみを貸す行為は違法です。自分が業務に対応しなくても毎月数万円の報酬を得られるものの、大きなリスクが伴います。発覚すれば資格を失う可能性もあります。

宅建資格を活かせる副業のなかには、リスクがほとんどないものが多いです。宅建資格があれば比較的高単価になりやすいため、安全な副業を選んで取り組みましょう。

副業禁止に注意

本業の勤め先によっては、副業が禁止されている可能性もあります。副業に取り組む前に必ず就業規則を確認してください。禁止されているにもかかわらず副業をした場合、懲戒処分になるケースもあるため注意が必要です。

特に、公務員は副業が法律で禁止されています。今後は公務員も副業が解禁される可能性もあるため、今後の動向に注目しておくといいでしょう。

まとめ

宅建資格を活用できる副業の種類は多岐にわたります。資格を活かすと安定的に稼ぎやすいため、自分に合う副業を選びましょう。ただし、なかには副業を禁止している企業もあり、勤め先の就業規則を確認したうえで取り組む必要があります。

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生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

宅建士と行政書士では、どちらが難しいですか?

一般的には、宅建士試験に比べて行政書士試験の方が難しいとされています。近年の合格率では、行政書士が10~15%、宅建士が合格率は15~17%と、宅建士のほうが合格しやすい試験といえます。

宅建試験は独学でも目指せますか?

独学で宅建試験の合格を目指すことは可能ですが、出題範囲が広いため、学習方法に工夫が必要です。
効率的な対策には、優先順位をつけ、配点・出題数が多い科目を優先的に学習します。特に出題範囲も広く配点も多い「宅建業法」を優先して取り組み、十分に対策することがポイントです。
勉強の進め方は、参考書を読み全体を把握し、試験に出題される4科目の特徴を理解します。過去問対策や模試の活用も重要です。

宅建試験の5点免除とは?

宅建試験の5点免除とは、50問ある試験問題のうち46~50問目が免除になる制度です。
この制度の利用には、国土交通大臣が指定する講習を受講し「登録講習修了者証明書」の交付を受ける必要があります。登録講習の受講には「宅地建物取引業に就いている」「従業者証明書を持っている」の2つの条件があります。
合格率は一般受験が約15%前後、5点免除が約20%前後と、5点免除の方が合格率が高く、本試験に合格できる可能性が高まります。宅建の本試験は合格基準点に1~2点の不足で不合格になるケースがよくあるので、5点免除には大きなメリットがあるといえます。

試験で間違えやすい、35条書面・37条書面の有効な対策方法とは?

宅建試験では宅建業法が大きな得点源で、50問中20問も出題されますが、中でも、特に35条書面・37条書面の違いは間違えやすい要素の1つで、よく出題される傾向があります。
35条書面・37条書面の違いを理解し、確実に得点できることがポイントです。対策は、条文を単に暗記するのではなく、共通点や違いなどを分類・比較したり、実際の仕事の場面をイメージして学習することが有効です。

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