• 更新日:2024/07/31

警察官を目指す際には、採用試験を受験して合格しなければなりません。事前に採用試験の情報や合格倍率などを確認し、必要な準備を進めることがポイントです。本記事では警察官の採用試験の概要や、勉強方法・ポイントについて解説します。これから警察官を目指す人は、試験についての詳細をぜひ確認してください。

警察官になるには

警察官になるには、まず「警察官」という職業についての理解を深める必要があります。警察官になるための方法や種類を把握し、就職に必要な準備を整えるのが重要です。

  • 警察官採用試験を受験し合格する
  • 警察官には「都道府県警察」と「警察庁警察」の2種類ある
  • 都道府県警察は自分が働きたい地域の試験を受験する
  • 警察庁警察は国家公務員試験と官庁訪問を受験する

以下で詳しく解説します。

警察官採用試験で合格する必要がある

警察官になるには、採用試験を受験し、合格する必要があります。試験に合格せずに就職する方法はないため、まずは試験の詳細を確認が求められます。警察官の試験は、各都道府県や警視庁のホームページで詳細が確認できます。試験日程、採用予定人数、受験資格、受験方法などを確認して、必要な対策が取れるように備えましょう。

一夜漬けなどの極端な方法では、合格を勝ち取ることは難しいです。そのため普段から勉強に力を入れて、一歩ずつ合格に近づいていく姿勢が重要となります。まずは受験勉強に必要な準備を進めて、警察官になるための第一歩を踏み出しましょう。

警察官には「都道府県警察」と「警察庁警察」の2種類がある

警察官として働く際には、「都道府県警察」と「警察庁警察」の2つから選択します。都道府県警察はいわゆる地方公務員であり、自分が働きたい地域の試験を受験する必要があります。例えば、神奈川県であれば神奈川県警察の採用試験を、埼玉県であれば埼玉県警察の採用試験を受験します。それぞれの公式ホームページで、試験内容の詳細を確認できます。

警察庁警察は国家公務員に該当し、国家公務員試験と官庁訪問の受験が必要です。警視庁のホームページを確認し、受験条件や試験日程を把握したうえで、勉強のスケジュールを構築するといいでしょう。

警察官採用試験の受験条件

警察官採用試験には、受験条件が設定されています。受験内容も細かく分類されているため、事前に詳細を確認して、自分が受ける試験の内容をきちんと理解しておきましょう。

  • 警察官採用試験は学歴に合わせて「大卒:Ⅰ類」「短大卒:Ⅱ類」「高卒:Ⅲ類」に分類されている
  • 学歴以外にも「年齢」や「身体要件」も受験条件として提示されている

以下で、警察官採用試験の受験条件および試験範囲を解説します。

警察官採用試験は学歴によって試験が分類される

警察官採用試験は、学歴に合わせて「大卒:Ⅰ類」「短大卒:Ⅱ類」「高卒:Ⅲ類」に分類されています。自身の学歴と照らし合わせて、受験する対象を明確にすることが最初のポイントです。自治体によっては、警察官採用試験を「大卒」と「大卒以外」で分類しているケースもあります。

地方自治体の試験を受ける場合には、その地域の試験方法に準じて合格を目指す必要があります。警察官採用試験は、高卒から大卒まであらゆる学歴の人が受験できます。そのため「高学歴じゃないと試験を受けられない」といった心配は必要なく、基本的にどんな学歴でも試験に挑戦できます。

警察官採用試験には「年齢」「身体要件」も受験条件に含まれる

警察官採用試験は、「年齢」「身体要件」も受験条件として提示されています。年齢や身長などの身体的条件次第では、受験ができない可能性もあります。例えば、都道府県警察の受験条件には、「学校教育法に基づく大学(短期大学を除く)を卒業又は令和7(2025)年3月までに卒業見込みの人、かつ平成元(1989)年4月2日以降に生まれた人(令和6年度警察官採用試験の場合)」などの条件があります。

そのほかにも、警察官の区分によって、「柔道・剣道の段位が三段以上の人」「警察本部長が認める競技会において優秀な成績を収めた人」などが受験条件に入ります。身長・体重・視力には制限が設けられており、色覚・聴力・疾患・運動機能については、警察官としての職務執行に支障がないことが条件付けられています。

警察庁警察も都道府県警察と同様に、「平成元年4月2日以降に生まれた人で大学(学校教育法による大学(短期大学を除く))を卒業又は令和7年3月までに卒業見込みの人」といった条件があります。また、「日本国籍を有しない人」「東京都職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない人」などは、受験ができません。

警察官採用試験の内容について

警察官として採用されるには、採用試験で合格基準を満たす必要があります。事前に試験内容・範囲を確認し、合格に向けた勉強を進めるのがポイントです。

  • 第1次試験として「教養試験」「論文試験」「作文試験」「専門試験Ⅰ」などを実施
  • 第2次試験として「身体検査」「体力検査」「人物試験(個別面接)」「専門試験Ⅱ(口述式による試験)」などを実施
  • 警察官採用試験は年に複数回の実施

以下で、警察官採用試験の基本的な内容を解説します。

都道府県警察の試験内容

都道府県警察の試験には、第1次試験として「教養試験」「論文試験」「作文試験」「専門試験Ⅰ」などがあります。それぞれの試験内容で合格基準をクリアし、警察官として十分な知識・能力を持っていることを証明します。各試験ごとに対策を取り、十分な勉強時間を確保することが合格のポイントです。

都道府県警察の第1次試験に合格すると、第2次試験の「身体検査」「体力検査」「人物試験(個別面接)」「専門試験Ⅱ(口述式による試験)」などが実施されます。これらの試験では運動能力や個人の資質を判断されるため、普段から運動して体を鍛えたり、マナーを守って社会人として正しい対応ができるように備えるといいでしょう。

警察庁警察の試験内容

警察庁警察の試験では、「教養試験」「論(作)文試験」「国語試験」を含んだ筆記試験、「第1次適性検査」「資格経歴等の評定」が第1次試験となります。教養試験では知能分野から、文章理解・判断推理・数的処理・資料解釈・図形判断が出題されます。また、知識分野からは人文科学・社会科学・自然科学・一般科目(国語、英語、数学)が範囲として指定されます。

いずれも五肢択一式で50題出題され、2時間で回答する必要があります。論(作)文試験では1題出題され、1時間20分で試験を行います。国語試験は五肢択一式の50題を、20分で解く必要があります。第2次試験では、「面接試験」「身体検査」「体力検査」「第2次適性検査」が実施されます。

警察官としての職務執行上、支障のある疾患の有無について検査がされます。例えば視力なら、裸眼視力が両眼とも0.6以上(もしくは矯正視力が両眼とも1.0以上)が必要です。体力検査では腕立て伏せ、バーピーテスト、上体起こし、反復横跳びを行い、その結果を参考に合否を決定します。

警察官採用試験の受験スケジュール

警察官採用試験は、年に複数回行われます。そのため自分が実力を発揮できるタイミングに合わせて、勉強の期間を調整することも可能です。都道府県警察の試験の場合、自治体によって回数・時期・募集内容などが変わります。事前にホームページなどを確認し、受験のスケジュールを把握しておくといいでしょう。

警視庁 令和6年度採用試験の試験日程

試験回・類別 第1次試験日 第2次試験日 申込受付期間
男性 第1回 Ⅰ類 4月13日(土) 5月11日(土)、18日(土)、19日(日) 3月11日(月)~3月25日(月)
第2回 Ⅰ類 9月15日(日) 10月5日(土)、6日(日) 8月13日(火)~8月23日(金)
Ⅲ類 9月14日(土)
第3回 Ⅰ・Ⅲ類 令和7年1月12日(日) 令和7年2月1日(土) 11月29日(金)~12月10日(火)
女性 第1回 Ⅰ類 4月13日(土) 5月25日(土) 3月11日(月)~3月25日(月)
第2回 Ⅰ類 9月15日(日) 10月12日(土) 8月13日(火)~8月23日(金)
Ⅲ類 9月14日(土)
第3回 Ⅰ・Ⅲ類 令和7年1月12日(日) 令和7年2月2日(日) 11月29日(金)~12月10日(火)

警察官採用試験の難易度

警察官を目指す際には、試験の難易度について把握しておくことも重要です。どの程度の難易度なのか理解しておけば、必要な勉強時間に目安をつけられます。

  • 警察庁警察の合格倍率は4~10倍
  • 都道府県警察の合格倍率は4~20倍程度だが、試験の分類、受験地域によって難易度が異なる

以下では、警察庁警察と都道府県警察の試験難易度をそれぞれ解説します。

警察庁警察の合格倍率は4~10倍程度

警察庁警察の合格倍率は、4~10倍程度です。そのためきちんと受験対策をしていないと、合格は難しいといえます。先に紹介したように試験内容は公開されているため、テキストや参考書を使うことで、ある程度合格に向けた準備ができます。

警察庁の警察官になるためには、まず国家公務員採用試験に合格する必要があります。国家公務員採用I種試験(法律・経済・行政)もしくは国家公務員採用II種試験(行政)に合格することで、警察庁の採用試験を受ける資格が得られます。総合職と一般職では、受験資格・試験内容が異なるため、自分が目指す資格に合った勉強をしましょう。

都道府県警察の合格倍率は4~20倍程度

都道府県警察の合格倍率は、4~20倍程度と幅広くなっています。試験の分類や男女の違いなどによって、合格倍率が大きく変わるのが特徴です。受験する都道府県によっても難易度は異なるため、事前に受験予定の警察試験の合格率を確認し、難易度を把握することがポイントです。いずれにしても多くの勉強時間と、高い学習モチベーションが必要です。

テキストや参考書を使った勉強がメインになりますが、そのうえで自分がやりやすい学習方法を探し出すのが、合格につながるコツです。

警察官を目指す際の受験勉強のポイント

警察官を目指す際には、試験を意識した受験勉強を進める必要があります。しかし、闇雲に勉強をするだけでは、効率よく知識が身につけられず、無駄な時間が増える可能性があります。そのため警察官になるのなら、受験勉強のポイントを把握することも重要です。

  • 警察官試験の詳細はホームページに公開されているため、欠かさずチェックする
  • 無理な勉強スケジュールは避け、1日に必要な勉強時間を明確にする
  • 勉強時間の目安は、だいたい800~1200時間

試験の詳細を把握する

まずは警察官の試験の詳細を把握し、どのような知識・技術が必要なのか確認することがポイントです。必要な知識・技術を絞り込むことで、効率のいい勉強が実現可能となります。試験の詳細を把握していなかったり、ほかの警察試験と間違えていたりすると、勉強の成果を本番に活かせません。しっかりと成果を出すためにも、試験の詳細確認から始めるのが重要です。

警察官試験の詳細は、先に解説したようにホームページで公開されています。毎年内容は更新されるので、スケジュールを確認するためにも、ホームページのチェックは欠かさず実施しましょう。

試験日を意識した勉強が必要

試験日を意識し、その日までに万全の準備ができるように勉強することが合格につながります。試験日間近になってから慌てて勉強を開始しても、合格に必要な知識が身につかない可能性が高いです。無理な勉強スケジュールは体調を崩す原因になり、健康的な状態で試験を受けられないケースも懸念されます。

受験する試験日から逆算して、1日に必要な勉強時間を明確にすることもポイントの1つです。毎日コツコツと勉強を繰り返し、学習を継続することが合格の基本です。特に学校や仕事で忙しい人は、1日のなかに隙間時間をみつけて、細かく勉強していくプロセスが重要となります。

勉強時間の目安

警察官試験に合格するための勉強時間の目安は、だいたい800~1200時間程度になります。あくまで1つの目安ですが、1,000時間以上は勉強するつもりでいる必要があります。また、警察官になるには勉強に加えて、体力試験に合格するための運動も必要です。体力をつける時間の確保も、忘れずに行いましょう。

警察官採用試験に最適な勉強方法とは?

警察官採用試験を受験する際には、最適とされる勉強方法があります。事前に具体的な勉強方法を把握し、自分の学習に取り入れるのがおすすめです。

  • 参考書や問題集は基礎を繰り返し勉強できるため、試験の基本を理解できる
  • 警察官採用試験では、第2次試験から面接や口述試験を行うケースが多いため、実践形式での練習が重要
  • 専門の学習コースを受講することで、専門の教材やテキスト、困ったときのサポートを受けられる

以下では、警察官採用試験の合格を目指すうえで最適とされる勉強方法を解説します。

参考書や問題集を活用する

参考書や問題集を活用する方法は、先にも触れたように受験に向けた準備の基本です。どのような問題が出るのか、どのように考えて答えるべきなのか、基礎から勉強することが可能となります。複数の書籍を繰り返し勉強し直し、試験を深くまで理解することが重要です。自分に合う参考書や問題集を探して、より効率的な学習を目指すのも1つの方法です。

面接対策も忘れず実施する

警察官採用試験では、第2次試験から面接や口述試験を行うケースがほとんどです。どのような質問がされるのか、最適な回答は何かといった点を、事前に考えて練習しておく必要もあります。できれば周囲に協力してもらい、面接を実践形式で練習できるのが理想です。

実践形式で面接を体験すると、自分のいいところとダメなところが明確になります。その点を考慮して練習を重ねることで、本番では自信を持って面接に臨めるでしょう。

専門の学習コースを受講する

警察官の試験対策を支援する学習コースを受講することも、合格に近づくためのポイントになります。専門の教材やテキストの提供、短期間での充実した勉強、困ったときのサポートなど、学習コースを受講には多くのメリットがあります。

1人で独学することには多くの不安がつきまとい、ときには自信やモチベーションをなくしてしまう可能性もあります。専門の学習コースを受講することで、勉強へのやる気を維持し、警察官になるためのプロセスをスムーズに進められるでしょう。

警察官を目指すのなら「ユーキャン」の「大卒公務員受験対策講座|警察官・消防官コース」の受講がおすすめ

「ユーキャン」は警察官を目指す人に向けて、専門の学習コースを提供しています。「大卒公務員受験対策講座|警察官・消防官コース」では、警察官になるために必要な知識の習得を、専門のテキストを通して行えます。論文の添削や動画を使った面接対策など、さまざまな方法で学習支援が実施される点も魅力です。

当講座では、スマートフォンを使って手軽に学べるため、移動時間や隙間時間を有効活用できます。初めてでも無理なく6ヵ月で、試験に合格できるレベルの知識を身につけられるため、短期間で警察官になれる可能性があります。

まとめ

警察官になるには、専用の試験を受けて合格する必要があります。試験は決して簡単な内容ではないため、しっかりと勉強時間を確保して合格に向けた準備をする必要があります。この機会に警察官になるための試験の詳細を、ぜひ確認してみてください。

警察官になるための勉強をするのなら、「ユーキャン」の「大卒公務員受験対策講座|警察官・消防官コース」の利用がおすすめです。試験に出やすい範囲を効率よく学べる教材とテキストの提供や、あなた専用の「パーソナルスケジュール」の提案など、豊富な支援を行っています。この機会に「ユーキャン」を活用し、警察官採用試験の合格を目指してみてはいかがでしょうか。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

国家公務員試験の難易度は?

一概には言い切れないが、国家公務員試験の難易度は高いと言えます。国家公務員の倍率をみると、国家総合職の倍率は10.8倍と高く、国家一般職(行政職)では3.8倍と比較的低いことが分かります。 また、同じ国家一般職でも行政職以外は2.1倍とさらに低い倍率となっています。

国家公務員試験は併願できる?

日程が重ならなければ国家公務員試験を併願が可能です。。たとえば、国家総合職と裁判所事務官一般職(大卒程度)の併願などが考えられます。国家公務員の試験は、たとえ職種が違っていても出題傾向が似ていることが特徴です。また、国家公務員一般職と地方上級公務員試験を併願する人もいます。

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