2024年(令和6年)宅建試験日と申込みスケジュールは?
2024年(令和6年)の申込みから合格発表までのスケジュール、試験概要や申込み方法、試験を受ける際の注意点などを解説します。
宅建士(宅地建物取引士、通称宅建)は不動産業界で働いていれば、一度は取得を考える資格です。不動産業界への就職・転職や、会社によっては年収アップに有利になることもあり、多くの人が取得を目指します。
宅建の試験や出題内容はどのようなものなのでしょうか。この記事では、これから試験を受ける人のために、宅建試験の最新スケジュールや試験概要や試験内容を解説します。また、宅建が役立つ業界、勉強時間の目安なども紹介しますので、宅建の資格を取ろうと考えている人はぜひ参考にしてください。
宅建の正式名称は、「宅地建物取引士」です。不動産に関わる資格であり、宅地・建物の売買や、賃貸を仲介する業務(宅地建物取引業)を行う際に必要となる専門知識を持った士業の一つです。例年20万人前後が受験する国家資格で、国内最大規模といわれています。
宅地建物取引業を行う企業では、従業員5人のうち宅建士を、その事務所に必ず1人配置する義務があります。
宅建の試験形式は、4肢択一式のマークシート式です。計50問で1問1点となり、記述式の問題はありません。出題科目は大きく4科目に分かれ、「宅建業法」「権利関係(民法など)」「法令上の制限」「税・その他」となっています。権利関係などは過去の判例などからも出題されるため、しっかりとした対策が必要です。
宅建業法とは、「宅地建物取引業法」のことで、不動産取引の際に弱者となる買主・借主を保護する目的で定められた特別法です。重要事項の説明、免許の効力、クーリングオフについてなど、基礎的な問題がメインとなります。
宅建業法は50問中20問と多くの割合を占めており、得点もとりやすい科目です。テキストや過去問から傾向を把握し、暗記できるようじっくりと取り組みましょう。
基礎的な問題が多いため、きちんと取り組めばすんなりと理解できる科目です。出題数が最も多く得点を稼ぎやすいため、この科目に関しては優先的に学習を進めましょう。
不動産に関わる取引では民法が適用されるため、宅建士には必須の科目です。民法の基礎だけではなく、借地借家法、不動産登記法、区分所有法なども範囲となります。
権利関係のなかでは、民法が一番学習しづらい分野です。民法は1000条を超える条文があり、全てを暗記するわけにはいきません。また、最新の判例知識までを出題範囲としているため幅が広いのが特徴です。
権利関係は、全50問中14問を占めており、宅建業法に次いで問題数が多い科目です。しっかりと時間を取り、学習しましょう。学習のコツは、当事者になったつもりで問題を読む、過去問をしっかり繰り返す、基本事項を理解しておくことです。
土地を購入したとしても、どこでも自由に建物を建てられるわけではありません。高さや場所など、土地ごとに法令で決められた制限は数多くあります。こうした制限は土地の価格に大きく関わり、宅建士の専門知識として重要な科目です。
宅建試験では、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、土地区画整理法、農地法、宅地造成等規制法などから出題されます。専門用語も多く理解しづらいため、最初はなかなか学習がスムーズに進みません。しかし、出題されるポイントは大体同じですので、そのポイントを確実に覚えれば高得点を獲得することも可能です。
法令上の制限は全50問中8問と、全体の割合も少ない科目です。用語や文章を暗記するだけではなく、過去問を繰り返し解きながら重要なポイントの理解を深めましょう。
税金に関する問題では、固定資産税や登録免許税など、不動産関係の税が出題範囲となります。税金は複雑であり、苦手意識をもつ人も多い科目です。しかし、宅建試験で出題されるのは、不動産に関する税金のみなので、覚えるのに時間はかかりません。基本的な知識を覚えてしまえば大丈夫です。
税以外の出題では、鑑定評価基準、土地・建物などから出題されます。この科目の出題数も8問と少ないため、あまり深堀せず、必要な暗記箇所に真摯に取り組みましょう。
宅地建物取引士として働くためには、まず資格試験に合格しなければなりません。合格したら、実務経験や講習修了などの要件を満たしたうえで、試験を行った都道府県知事へ登録申請します。登録後、宅地建物取引士証の交付申請を行い宅地建物取引士証が交付されれば、宅建士としての仕事を行うことが可能になります。
なお、宅地建物取引証の交付を受けようとする者は法定講習を受講しなければならないのが原則です。しかし、試験に合格後1年以内に交付を申請する場合は受講は不要です。
宅建の資格を取るメリットは、不動産業界などへの転職が有利になることです。未経験では応募ができない企業でも、宅建の資格保持者は応募可となる企業は多いです。そのため、子育てなどでブランクがある主婦や、大学生の就職にも有利です。
宅建士として働く人は、独立開業をしたり、キャリアアップを狙って取得を目指すケースもあります。勤務先によっては数万単位の資格手当がつくため、資格を取ることで年収アップを目指せるのです。
宅建の資格は、不動産業界だけではなく、金融業や駐車場業にも役立ちます。融資や不動産購入などの際には不動産価値を見極める知識が必要ですが、宅建士は不動産に関するプロフェッショナルなので周囲からも頼りにされます。宅建の資格があれば、幅広い分野で活躍できるでしょう。
そんな宅建の資格試験には、一部免除制度もあります。免除を受けるための条件は所定の登録講習を修了することですが、登録講習を受けるには条件が2つあります。
これらを満たしている人のみが、登録講習を受けることができ、修了すれば問題の一部(例年は5問)を免除されます。なお、免除を受けるかわりに試験時間が10分短くなるので注意が必要です。また、登録講習を受けるには別途費用がかかります。
年代別の宅建資格試験の受験状況は現在は公表されていませんが、ここでは公表されていた2017年度(平成29年度)のデータを紹介します。
宅建の資格試験は、毎年難易度にばらつきがあるものの、例年ほぼ15%前後の合格率です。受験者数(71,590人)、合格者数(12,010人)ともに一番多いのは20代で、合格率も16.8%と最も高くなっています。次いで30代(受験者数55,647人、合格者数8,994人、合格率16.2%)、40代(受験者数44,693人、合格者数6,637人、合格率14.9%)と続きますが、学歴や経験問わず、だれでも受けることができるため受験者の年代も幅広くなっており、20代未満の受験者も一定の数いらっしゃいます。
宅建は不動産や民法に関する知識を必要とするため、勉強にかかる時間も個人差が大きいです。事前に民法などの予備知識があったり、不動産業務の経験があったりする場合には、最短100時間の勉強で合格する人もいます。慣れない初心者は500時間ほど必要なため、合格を目指すためには、最低でも300時間は確保しておくとよいでしょう。
1日2時間の勉強であれば150日ほどかかる計算ですので、宅建の問題などに慣れていない場合、少なくとも半年以上は欲しいところです。試験の日程から逆算し、余裕のある学習計画を立てましょう。
宅建の資格試験は、毎年20万人前後が参加する人気の資格ですが、難易度はそこまで高くないといわれています。独学でもしっかり対策を立てて学習すれば合格を狙えるので、ぜひ取得を検討してみましょう。効率のよい学習法として、通信講座を受講するのもおすすめです。
ユーキャンでは、「宅地建物取引士講座」を開講しています。ユーキャンの教材は合格に近づく7割の問題や、過去問題の攻略など、効率的に学べるよう作られています。独学では理解しづらい問題も、充実のサポート体制で質問することが可能です。スムーズに資格取得するために、ぜひ検討してみてください。
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宅建士の年収は、年齢・地域・企業規模・独立など、働く条件によって大きく異なります。企業勤務の場合、平均年収は約470万円~626万円程度です。
宅建士の年収は物価や不動産価格に依存するため、都市圏は年収が高い傾向にあります。
不動産の専門家として独立開業するには、宅建士と宅地建物取引業免許の取得が必要です。宅建士で独立開業する際は、会社設立費や事務所初期費など300~400万円ほどが必要といわれています。
不動産業での独立には、自由度が高い、在庫を抱える必要がない、高収入が目指せるといったメリットがあります。独立開業で成功した人の中には年収1000万円以上になる方も。
ただし、資金が不十分だと失敗のリスクも高まるため、確かな計画性が不可欠です。
まず、不動産会社では宅建資格保有者が欠かせない存在です。不動産の売買や賃貸借の仲介を行う会社では、従業員5名につき1名以上の宅建士を設置することが義務付けられています。
他にも、住宅メーカーなどの建築業や銀行・保険会社などの金融業、不動産管理会社など、宅建士資格により応募できる求人の幅が広がります。
不動産関連の仕事に直結するエキスパート資格である宅建。不動産売買や賃貸の仲介に不可欠な国家資格です。宅建資格取得によって、物件の取引条件や手付け金、登記、不動産に関する条件など重要事項の説明や、重要事項説明書への記名、契約後のトラブル防止となる37条書面の記入など、不動産関連の職種での重要な手続きに携わることができます。
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