簿記3級って難しい?合格率や試験概要を解説【2024年最新】
試験に合格するためには、資格の概要を知って、受験対策を立てることが大切です。ここでは、簿記3級の取得を目指す人のために、資格の概要や試験の合格率、勉強の進め方などを詳しくご紹介します。
簿記は、初学者でも取り組みやすいことから人気が高い資格のひとつです。就職や転職に有利になるともいわれており、取得したいと考える人が多い傾向にあります。この記事では、簿記検定の内容をはじめ、簿記の難易度や合格に必要な勉強時間、今後の試験日程などを各級ごとに詳しく解説するので参考にしてください。
簿記の合格率は簿記3級が40~50%、簿記2級が20%程度、簿記1級が10%程度です。級によって合格率や難易度が大きく異なり、簿記3級は難易度が比較的低いのに対し、簿記1級は難関資格として知られています。
簿記検定は実際にどのくらいの人が合格しているのでしょうか。なお、合格率は「合格者数÷実受験者数」によって算出しており、申込をしても受験しなかった人数は除外しています。
従来は統一試験と呼ばれるペーパー形式のみでしたが、2020年12月よりネット試験が開始して、どちらも受けられるようになり、以降の統一試験の実受験者数は減少傾向にあるものの、第167回(2024.6.9実施)でもおよそ2万5千人が受験し、そのうち40%程度が合格しています。
第158回~第167回をみると、合格率は30~50%で推移しています。第158回は試験時間や出題形式の変更の影響で合格率下がったと考えられます。
簿記3級の合格率については、こちらの記事も参考にしてください。
簿記2級でも2020年12月よりネット試験が開始され、それまでの統一試験の実受験者数は毎回5〜7万人前後でしたが、以降の実受験者数は減少傾向にあり、第167回の実受験者数は直近10回のなかでも特に少なかったようです。
なお、2級も第158回からはそれまで120分だった試験時間が90分に変更されました。問題数についての変更はありません。
直近10回の合格率の平均は20%程度です。簿記2級は合格率の変動が激しく、第159回の合格率は30.6%、第157回は8.6%と3倍近い差があります。これほど変動が激しいのは問題の難易度の差が影響しているからです。
2級の合格率に関しては、こちらの記事もご覧ください。
簿記1級の実受験者数は、3級や2級と比較すると大幅に減ります。実受験者数は毎回8千〜1万2千人前後です。
また、ほとんどの回で合格者は数百人程度にとどまっています。合格率の低さから、難易度が高い試験であることがうかがえます。
簿記1級の合格率の平均は10%前後で、3級や2級と比べるとかなり低くなっています。また、合格率は第165回が16.8%、第162回は10.4%と、実施回によっても大きな差があります。
3級は簿記の入門資格ともいわれており、初めて受ける人にとっても難易度はそれほど高くありません。専門的な知識はある程度必要になりますが、暗記することが多いため、しっかりと対策をたてて勉強をすることで合格できる可能性があります。
3級の合格に必要な勉強時間は合計100時間程度です。100時間を期間に換算すると、勉強時間が1日に3~4時間で1カ月程度、1日に2~3時間なら3カ月程度、1日に30分~1時間であれば4~5カ月程度となります。
仕事の時間や生活リズムを考慮して、自分に合うスケジュールを立てましょう。勉強方法や参考書をじっくり読んだり、過去問題を繰り返し解いたりするのがおすすめです。
勉強時間については、こちらの記事も参考にしてください。
2級は3級に比べると格段に難しくなります。難易度が上がる大きな理由は、試験科目に「工業簿記」が加わるからです。
製造業で用いられる工業簿記は商業簿記とは異なり、勘定科目の分類などを暗記するだけでは対応できません。基本的な知識のほかに、レベルの高い計算をこなす必要があります。初心者はしっかり勉強をしなければ合格は難しいでしょう。
3級を飛び越えて初心者の状態で2級を受験する場合は、350~500時間の勉強時間が必要です。3級を取得している人や同等の知識がある人の場合は、通学・通信講座で150~250時間程度、独学なら250~350時間程度を目安とします。期間は4~6ヵ月が目安です。勉強は繰り返し問題集に取り組み、工業簿記の対策もたてましょう。
簿記2級の勉強時間についてはこちらの記事も参考にしてください。
簿記1級は合格率が10%前後と、難易度が非常に高い試験です。試験科目は商業簿記や工業簿記のほかに、会計学や原価計算など4科目に及び、試験範囲もおのずと広くなります。
また、10点に満たない科目が1つでもあると不合格となってしまうことも難易度を上げている理由のひとつです。4科目をまんべんなく勉強しなければいけません。
簿記1級の勉強時間は、独学なら1,000~2,000時間、通学・通信講座でも500~800時間は必要になります。仮に、通学・通信講座で1日に2時間程度勉強しても10カ月以上はかかります。
勉強のコツはテキストの読み込みに加えて、問題を解く練習も積極的に行うことです。過去問題から出題パターンをつかむことも大切です。
簿記1級の勉強時間についてはこちらの記事も参考にしてください。
各試験に合格すると、何ができるようになり次に何を目指すべきなのでしょうか。合格後の有用性や目指すべき目標を解説します。
簿記3級は履歴書に記載でき、就職や転職での評価が上がります。特に、経理職を目指す場合は取得しておくべき資格です。
3級の合格後は、さらに上の簿記2級の取得を目指しましょう。また、ファイナンシャルプランナーや中小企業診断士などの資格を取得することで、専門性の高い職を目指すことも可能になります。
簿記3級の有用性についてはこちらの記事も参考にしてください。
簿記2級の合格後は簿記1級の取得を目指すのがおすすめです。
また、税理士試験は職歴や学歴などの受験資格を満たしていれば、簿記1級を取得していなくても受験が可能です。受験資格を満たしている人は、1級を飛ばして税理士試験を受験してもいいでしょう。
簿記1級は専門的な知識が身についているため、さまざまな企業で一目置かれます。
合格後は公認会計士や税理士の資格取得を目指すほか、大企業への転職をしてステップアップを目指すなど選択肢が広がります。転職して待遇アップを実現したり、会計のプロフェッショナルなど専門的な業務へ転換したりすることも可能です。
実施回 | 試験日 | 級 | 受験料(税込) |
---|---|---|---|
第169回 | 2025年2月23日(日) | 2級・3級 | 1級:8,800円 2級:5,500円 3級:3,300円 |
第168回 | 2024年11月17日(日) | 1級・2級・3級 | |
第167回 | 2024年6月9日(日) | 1級・2級・3級 |
簿記検定は3級・2級が年に3回、1級は年に2回の試験があります。3級は各日2回試験が施行される予定です(商工会議所によっては1回のみの場合もあります)。
申込受付日時や申込方法は商工会議所ごとに異なるため、試験日の2カ月前になったら受験を希望する商工会議所で確認しましょう。
2020年12月よりネット試験が導入されました。2021年9月の時点で、対象は3級と2級のみで、2024年9月時点で1級は対象外です。
ネット試験は日本商工会議所指定の試験センターに設置されたパソコンで解答を入力し、終了後すぐに合否がわかります。 各試験センターが定める日時で随時実施 されており、試験問題は受験者ごとに異なります。受験料は統一試験と同額です。
経営成績と財政状況を明らかにする技能が身につく簿記検定は、就職や転職、キャリアアップに役立つ資格のひとつです。簿記の入門資格といわれている3級でも履歴書に記載が可能なので、まずは簿記3級の試験から挑戦してみましょう。
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簿記の取得により、「志望企業の財務状況を把握できる」「経理の仕事内容が理解できる」といった理由から、企業から高ニーズな資格であり、就職・転職活動での書類選考でも有利になります。
簿記検定の受験には、年齢・性別・学歴・職歴などの制限はありません。どなたでも受験可能です。
日本商工会議所は、難易度に差はないと発表していますが、最新の合格率はネット試験の方が高い傾向です。統一試験は試験回によって合格率・難易度に差が出ることもあるので、過去の試験傾向を確認しておくとよいでしょう。
簿記とは、帳簿をつけるために必要な技能のこと。実務で役立つ経理、会計の基礎知識が習得できるので、会計や財務の知識を得ようというときの、はじめの一歩にぴったりの資格。将来的に、簿記2級へとステップアップも見込めるため、経理・会計のスペシャリストへの第一歩になる資格です。
簿記の有資格者はニーズが安定しているので、職・転職が有利に!資格は生涯有効なので、出産・子育て後の再就職にも役立ちます。
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