• 更新日:2024/08/01

希少価値が高く、身近な街の法律家として活躍できる司法書士ですが、試験の難易度は非常に高く、最難関国家資格のひとつです。この記事では、司法書士試験の概要や全体の流れ、合格率について解説します。ぜひ参考にしてください。

司法書士試験の流れについて

司法書士になるためには、まず司法書士試験に合格する必要があります。司法書士試験について、出願から合格発表までの流れを紹介します。

5月 願書提出 司法書士試験では、毎年5月上旬から中旬にかけて願書を提出します。願書は、法務局や地方法務局で入手できます。窓口に直接出向くのが難しい場合は、郵送での請求もできます。
7月 筆記試験 筆記試験は、例年7月の第1日曜日または第2日曜日に実施されます。試験は、午前の部と午後の部に分けられ、1日かけて行われます。8月に試験問題の正解および基準点が発表されるので確認しましょう。
10月 口述試験 9月下旬から10月上旬頃に、筆記試験の合否が発表されます。筆記試験の合格者のみ、口述試験の受験が可能です。口述試験は10月中旬頃に実施されます。
11月 最終合格発表 司法書士試験の最終合格発表は、例年10月下旬頃から11月上旬頃に行われます。合格者の受験番号および氏名が法務局で掲示されるほか、法務省のホームページにも合格者の受験番号が掲載されます。

司法書士 筆記試験の概要・日程【2024年度(令和6年度)】

2024年度(令和6年度)の司法書士の筆記試験の概要・日程は以下です。

受験資格 年齢・性別・学歴などの制限はなく、どなたでも受験が可能です。
出願期間 2024年5月7日(火)~5月17日(金)
試験日 2024年7月7日(日)
基準点発表日 2024年8月13日(火)
筆記試験合格発表 2024年10月3日(木)
試験科目 【午前の部】
科目:憲法、民法、商法(会社法・その他の商法分野に関する法令)、刑法
出題形式:マークシートによる多肢択一式
出題数:35問

【午後の部】
科目:民事訴訟法、民事保全法、民事執行法、司法書士法、供託法、不動産登記法、商業登記法
出題形式:マークシート方式による多肢択一式および記述式(書式)
出題数:多肢択一式/35問、記述式(書式)/2問
※記述式は不動産登記法1問、商業登記法1問
  • 令和6年度から筆記試験記述式問題が2問で140点満点となります。

司法書士 筆記試験の科目・出題数・配点【2024年度(令和6年度)】

1次試験である筆記試験は、11科目から出題され、そのうち4科目(民法、商法、不動産登記法、商業登記法)からの出題が全体の7~8割を占めます。
また、筆記試験には択一と記述の問題があり、記述は不動産登記法と商業登記法の2科目です。
2024年度(令和6年度)の司法書士 筆記試験の科目・出題数・配点は以下です。

【午前の部 9:30~11:30(2時間)】

科目 多肢択一式 記述式
憲法 3問
民法 20問
刑法 3問
商法(会社法を含む) 9問

【午後の部 13:00~16:00(3時間)】

科目 多肢択一式 記述式
民事訴訟法 5問
民事保全法 1問
民事執行法 1問
司法書士法 1問
供託法 3問
不動産登記法 16問 1問
商業登記法 8問 1問

筆記試験科目の配点

科目 出題数 配点
午前の部 多肢択一式 35問 105点満点
午後の部 多肢択一式 35問 105点満点
午後の部 記述式 2問 140点満点
  • 令和6年度から筆記試験記述式問題が2問で140点満点となります。

司法書士 口述試験の概要・日程【2024年度(令和6年度)】

2024年度(令和6年度)の司法書士の筆記試験の概要・日程は以下です。

受験資格 今回または前回の筆記試験合格者
※口述試験を実施する法務局から、筆記試験の合格者に対して口述試験受験票が発送されます。
※前年度筆記試験合格者は筆記試験免除申請を行うことで受験することができます。
試験日 2024年10月15日(火)
最終合格発表 2024年11月5日(火)
試験科目 科目:不動産登記法、商業登記法、司法書士法
出題形式:個別面接

司法書士試験の合格率は4~5%台

司法書士試験の合格率は4~5%台となっています。過去5年間の受験者数・合格者数・合格率の推移はそれぞれ以下のとおりです。

実施年(年度) 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
令和5年度 13,372 695 5.2
令和4年度 12,727 660 5.2
令和3年度 11,925 613 5.1
令和2年度 11,494 595 5.2
平成31年度 13,683 601 4.4

司法書士試験の合格点

司法書士試験に合格するためには、「3つの基準点」を超える必要があります。試験は1問3点で、午前の部(択一式)の満点105点、午後の部(択一式)の満点105点、午後の部(記述式)の満点70点です。試験後に各部の合格基準点と総合点の合格基準点が公示され、合格するにはこれらの条件を全て満たしている必要があります。過去5年間の合格基準点と合格点は以下のとおりです。

実施年(年度) 択一式基準点
(各105点中)
記述式基準点
(70点中)
基準点合計
(280点中)
合格点
(280点中)
令和5年度 午前の部:78点
午後の部:75点
30.5点 183.5点 211.0点
令和4年度 午前の部:81点
午後の部:75点
35.0点 191.0点 216.5点
令和3年度 午前の部:81点
午後の部:66点
34.0点 181.0点 208.5点
令和2年度 午前の部:75点
午後の部:72点
32.0点 179.0点 205.5点
平成31年度 午前の部:75点
午後の部:66点
32.5点 173.5点 197.0点
  • 令和6年度から筆記試験記述式問題が2問で140点満点となります。

ただし、条件を満たしていれば必ず合格するとは限りません。司法書士試験はあらかじめ合格者数を決めておく「相対評価」なので、合格点を越えた人のなかで成績上位者だけが合格となります。

まとめ

司法書士は、数ある国家資格のなかでも非常に難易度が高い資格です。試験範囲も広く、漫然と学習をするのではなく、しっかりと効率的に学習することが大切です。
難関資格だからこそ、社会的ステータスやニーズも高く、就・転職、キャリアアップ、独立開業など、資格取得後のメリットも大きく、チャレンジする価値のある資格です。

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この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

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よくある質問

司法書士になるには?

司法書士になるためには、司法書士試験に合格し、司法書士名簿に登録し、司法書士会に入会する必要があります。年齢制限はなく、高校生などの未成年者でも受験できます。

司法書士試験の難易度は?

司法書士試験の難易度は非常に高く、最難関国家資格のひとつ。合格率は3~4%台で他の国家資格試験と比較しても合格率は低いです。合格者数は例年500人~600人台となっており、狭き門と言えるでしょう。

司法書士は独学でも合格できる?

司法書士試験に独学で合格する人は多くありませんが、不可能ではありません。ただし、難易度が高い国家試験なので、相当の努力が必要になります。実際に、短期間学習してみて、独学が自分に合っているか、合格する見込みはありそうかなどを検討してみてもいいでしょう。

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司法書士は、身近な街の法律家として活躍できる、今後ますます注目される存在。難関な国家資格として知られていますが、努力次第で好収入・高ニーズが望め、社会的ステータスも非常に高い点が魅力です。
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