司法書士は独学でも合格可能?独学のポイントやメリット・デメリットを紹介
- 更新日:2023/07/14
超難関といわれている司法書士試験の合格を目指すとき、まず考えるのがどのような方法で学習すればいいのかということです。独学でも合格できるのか気になる人も多いでしょう。
本記事では、司法書士試験の合格を独学で目指す際のポイントや独学のメリット・デメリットを詳しく紹介します。ぜひ、学習方法を決める参考にしてみてください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- 司法書士試験に独学で合格することは不可能ではないが、難易度が高いため、相当の努力が必要。
- 独学で目指すメリットは「コストがかからない」「自分のペースで学習することができる」「仕事との両立をしやすい」。
- 独学で目指すデメリットは「最新の法改正への対応が難しい」「効率よく学習することが難しい」「モチベーションを保ちづらい」。
- 独学で目指す際は「学習計画をしっかりと立てる」「模試を受けて、理解度を確認する」ことが重要。
司法書士試験は独学でも合格可能?
司法書士試験に独学で合格する人は多くありませんが、不可能ではありません。ただし、難易度が高い国家試験なので、相当の努力が必要になります。実際に、短期間学習してみて、独学が自分に合っているか、合格する見込みはありそうかなどを検討してみてもいいでしょう。
司法書士試験の合格を独学で目指すメリット
独学にもメリットがあります。ここでは、司法書士試験の合格を独学で目指すメリットを紹介します。
コストがかからない
テキスト代を除けばコストがかからないのは、独学のメリットのひとつです。資格スクールやセミナーなどの通学講座に通うと、かなりの費用がかかる場合も多いです。また、場所によっては交通費も発生します。若い方などコストをあまりかけたくない場合には、独学がおすすめです。
自分のペースで学習することができる
理解度に合わせて自分のペースで学習を進められるのも独学のメリットです。スケジュールが決まっている通学講座などでは、理解が遅れると落ちこぼれてしまう可能性がありますが、独学では自分の弱点にじっくり取り組めます。また、主婦などまとまった時間や決まった時間を取りづらい方にも独学がおすすめです。
仕事との両立をしやすい
社会人になってから司法書士を目指す場合、仕事が忙しいなどの理由で通学講座に通えないことも多いでしょう。その点、独学なら自宅で取り組めるうえ学習時間も柔軟に変更できるので、仕事と学習の両立をしやすい面があります。ただし、難易度が高く学習範囲も広い試験ですので、長期的な学習計画をしっかりと立てておくことが重要です。
司法書士試験の合格を独学で目指すデメリット
独学で司法書士試験の合格を目指す場合には注意しておきたい点もあります。
最新の法改正への対応が難しい
独学の場合、自分でテキストを揃えることから始めなければなりません。毎年のように法改正が行われるため、市販のテキストでは最新情報に対応していない場合もあるので注意が必要です。個人で最新の法改正に対応した情報を選ぶことはとても大変で、時間もかかるでしょう。
出題傾向の変化などに対応するのも難しいです。できれば、最新情報の配信を受けられる手段やサービスを別に持っていたほうがいいでしょう。
効率よく学習することが難しい
司法書士試験は全部で11科目と広範囲にわたっているので、効率的に学習することが必要です。特に、問題数と配点が多く主要科目といわれる民法・不動産登記法・商法(会社法)・商業登記法をいかに効率的に学習するかが、合格のポイントといわれています。
独学の場合、学習量の配分やスケジューリングを自分でしなければなりません。過去に試験を受けた経験がある方でない限り、効率的な学習計画を自分で立てるのは難しいことです。
モチベーションを保ちづらい
独学では、長期間の学習計画のなかでモチベーションを保ちながら学習するのが難しいといえます。通常は1年以上学習を続けることになるので、ときには自分が成長しているのかわからなくなることもあるでしょう。理解できない内容が出てきて行き詰まってしまうこともあるかもしれません。独学は挫折してしまうリスクが高いので、自分を律してコツコツ学習する力が必要です。
司法書士試験の合格を独学で目指す際のポイントとは?
ここでは、司法書士試験の合格を独学で目指すために重要なポイントを2つ紹介します。
学習計画をしっかりと立てる
司法書士試験は、司法試験と匹敵する難易度ともいわれている試験です。学習時間は通常3,000時間前後、短い人でも2,000時間ほど必要だといわれています。2,000時間を1年で確保しようとすれば1日あたり5~6時間となるので、仕事が忙しい社会人のなかにはは難しい人も多いでしょう。年単位の長期的な学習計画を立てる必要があります。
学習計画で重要なのは科目ごとの学習時間の配分です。科目数が多いので、出題量が多い主要科目を重点的に学習するなどの工夫しましょう。
模試を受けて、理解度を確認する
独学の場合、学習の進捗具合が分からなくなることもあります。ある程度学習が進んだ段階で、模試を受けてみるのがおすすめです。模試の結果を見れば、現在の自分の実力が客観的にわかるでしょう。また、試験の雰囲気をつかめるのもメリットといえます。
ただし、試験直前に受ける模試はあまり結果を意識しないことが大切です。動揺したり慢心したりするなど、よくない影響が出ないように気を付けましょう。
どんな人が、司法書士の独学に向いている?
メリットもデメリットもあるのが独学です。どのような人が独学に向いているのでしょうか。
学習のスケジューリングと実行が得意な人
独学には学習計画をしっかり立て、実行する力が必要です。どの時期までにどこまで終わらせるか、模擬試験の結果を分析して学習計画をどのように変更するかなど、しっかり自分をコントロールできる人が独学に向いています。
テキストの重要ポイントを自力で理解できる人
独学は基本的に一方通行の学習といえます。講師に質問することはできません。また、市販の参考書は知識を網羅的に記述しているだけのものも多く、理解をサポートしてくれる工夫が乏しいといえます。
そのため、テキストを自力で理解して重要ポイントをまとめることが重要です。これができる方は通学講座や通信教育などを活用しなくても、スピーディに学習を進められる可能性があります。しかし、市販のテキストだけで効率的に学習をすることは非常に難易度が高く、実践できる人は多くはないでしょう。
独学以外に司法書士を目指す方法は?
司法書士試験の合格を独学で目指す人は少数派といえます。ここでは独学以外の代表的な方法である通学講座と通信教育について紹介します。
通学講座
通学講座に通うメリットの一つは、効率的に学習できるようにスケジュール管理をしてもらえることです。自分で学習計画を立てるのが苦手な方におすすめの方法といえます。同じ目標を持つ仲間ができるのもメリットです。
一方で、社会人向けに夜間に開校しているところもありますが、急な残業などで通えないことがあった場合に困るため、多忙な方にはあまり向きません。また、費用が高額な場合も多いです。メリットとデメリットを比較すると通学講座はあまりおすすめできません。おすすめは通信教育です。
通信教育
通信教育は独学より費用はかかります。しかし、デメリットはこの程度であり、メリットのほうが大きく上回ります。まず、空き時間を利用して学習できるため、仕事が忙しい社会人、家事や子育てに忙しい主婦も取り組みやすいといえます。
スケジュールを組み、自分のペースで学習できるのもメリットです。独学と違い、テキストや内容ごとに学習時間の目安が示されているのでスケジューリングが苦手な人も安心です。 また、テキスト選びからしなければならない独学と違い、ポイントを押さえたテキストを初めから利用できます。疑問を解決できるサポートがあるので学習につまずきにくく、モチベーションも保ちやすいのも独学と違う点です。
まとめ
司法書士になるには、難易度の高い国家試験に合格する必要があります。独学にもメリットはありますが、効率的な学習をするには通信教育がおすすめです。
司法書士を最短ルートで目指すなら、ユーキャンの司法書士講座がおすすめです。市販の本にはない使い勝手のいい教材、過去問題集から分析された試験によく出る問題集で合格力を育てます。全11回の添削、メール・郵便による質問、法改正などの有益な情報配信サービスもあるので、初学者でも安心して学習を続けられます。
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 司法書士試験の合格に必要な勉強時間は?
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一般的に、司法書士試験の合格までにかかる勉強時間は3,000時間前後。1日8時間勉強できる方であれば約1年間、1日4時間であれば約2年間かかる計算になります。ただし、知識がまったくない状態で勉強し始める場合と予備知識があって勉強を始める場合では、勉強時間が変わってきます。
- 司法書士試験の難易度は?
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司法書士試験の難易度は非常に高く、最難関国家資格のひとつ。合格率は3~4%台で他の国家資格試験と比較しても合格率は低いです。合格者数は例年500人~600人台となっており、狭き門と言えるでしょう。
司法書士は、身近な街の法律家として活躍できる、今後ますます注目される存在。難関な国家資格として知られていますが、努力次第で好収入・高ニーズが望め、社会的ステータスも非常に高い点が魅力です。
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