司法書士とは?仕事内容や目指す方法・適性など解説
司法書士資格の取得を検討しているものの、具体的な仕事内容や適性などの詳細を把握できていない人もいるかもしれません。司法書士を目指す人に向けて、司法書士の仕事内容や適性について解説します。
司法書士試験は、文系の国家資格のなかでも特に難易度が高いといわれています。この記事では、司法書士試験の難易度について、税理士試験と比較しながら解説しますので参考にしてください。
司法書士とは、法律についての高度な知識が必要となる書類の作成や手続きを依頼者の代理で行うために必要な資格です。司法書士になるためには、司法書士試験に合格、または法務大臣からの認可という2つの方法があります。
司法書士試験に特別な受験資格はなく、申し込めば誰でも受験可能です。それに対し、法務大臣から認可を受けるためには、経歴に関する条件を満たす必要があります。具体的には、法務事務官や裁判所書記官などとして10年以上、もしくは簡易裁判所判事・副検事として5年以上在職していたという経歴が必要です。
司法書士の資格を取得すれば、独立して自分の事務所を開所でき、努力次第では高い収入が得られます。
司法書士試験の難易度は非常に高く、最難関国家資格のひとつです。合格率は例年3~5%台となっており、他の国家資格試験と比較しても合格率は低く、難易度が高い試験です。合格者数は例年500人~600人台となっており、狭き門と言えるでしょう。その分、メリットの大きい資格でもあります。
司法書士試験の合格率は、2020年度は約5%で、例年の3~4%台と大きな違いはありませんでした。文系の国家資格の中でも最難関資格のひとつといわれており、試験に合格するためには、多くの勉強時間が必要となります。司法書士試験に合格した後は、司法書士として活躍する機会を得て、活躍している人が多いです。
司法書士試験とよく比較される資格試験として、税理士試験があります。税理士は、税務処理や納税書類の作成などを専門的に行う国家資格です。一般的には、税理士試験よりも司法書士試験のほうが難易度は高いといわれています。
2020年度の税理士の合格率は約20%です。司法書士試験は、相対評価で合否が判断されることと、基準点という関門があるため、合格率が低くなっています。
年度によっても変化しますが、司法書士試験の合格率は3~4%台となっています。過去5年間の受験者数・合格者数・合格率の推移はそれぞれ以下のとおりです。
実施年(年度) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
令和2年度 | 11,494 | 595 | 5.2 |
平成31年度 | 13,683 | 601 | 4.4 |
平成30年度 | 14,387 | 621 | 4.3 |
平成29年度 | 15,440 | 629 | 4.1 |
平成28年度 | 16,725 | 660 | 3.9 |
司法書士試験の合格者は、女性よりも男性のほうが多い傾向があります。過去5年間の合格者の男女比率を見てみると、男性は約76~77%、女性は約22~23%となっています。過去5年間の合格者に関して、実際の男女比は以下のとおりです。
実施年(年度) | 合格者数(人) | 男性の割合(%) | 女性の割合(%) |
---|---|---|---|
令和2年度 | 595 | 73.4 | 26.6 |
平成31年度 | 601 | 77.5 | 22.5 |
平成30年度 | 621 | 77.1 | 22.9 |
平成29年度 | 629 | 76.2 | 23.8 |
平成28年度 | 660 | 76.2 | 23.8 |
司法書士試験に合格するためには、一般的に3,000時間前後の勉強時間が必要だといわれています。ただし、なかには勉強の効率を高めることにより、2,000時間前後の勉強時間で司法書士試験に合格している人もいます。
試験勉強に専念できる時間を多く取れない社会人の場合は、できるだけ効率的な勉強をすることで短い期間での合格を目指すことも少なくありません。1年半の勉強期間での合格を目指すのであれば、最低でも1日4時間、週6日の勉強をノルマと考える必要があります。
司法書士試験は難しいといわれていますが、それはなぜなのでしょうか。ここでは、その理由について解説します。
司法書士試験の難易度が高い理由の一つとして、相対評価で合格者が決まる点があげられます。相対評価とは、受験者のうち点数がいい上位者だけを合格にする方法のことです。そのため、たとえ去年の合格点以上を取れていても、その年の全体の平均点が高ければ不合格となる可能性があります。
司法書士試験では「基準点」が定められています。午前の択一問題、午後の択一問題、記述問題と3つの問題があり、それぞれに基準点が設けられています。3つの問題のうち1つでも基準点を満たしていない場合は、残りの2つの試験が基準点を満たし、かつ合格点をこえていても不合格となる、関門が設定されています。
3つすべての基準点を満たすには、各分野をそれぞれきちんと理解しておく必要があるため、司法書士試験は難しいといわれているのです。
司法書士試験には特別な受験資格がないため、最初から合格を目指す気のない「記念受験」も少なくないといわれています。合格を目指して勉強してきた人に限って算出すれば、合格率はもっと高くなる可能性があります。
平成31年度の司法書士試験で午前午後の択一問題の基準点を満たし、記述式問題の採点をしてもらえた人は約2,000人で、最終的な合格者数は601人です。計画的にきちんと勉強してきた受験者の合格率は、3割を超えているとも考えられています。
司法書士試験に合格するのは簡単ではありませんが、しっかり勉強して試験に挑めば、合格できる可能性は少なくありません。資格が取得できた後は、活躍できる場が広がります。
ユーキャンの司法書士講座では、紙のテキストとデジタルテキストの両方を提供するため、効率的に勉強をすすめられます。問題集は過去の問題を分析して作られているので、実際の試験に合った勉強が行えます。司法書士試験を受ける人は、受講を検討してください。
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一般的に、司法書士試験の合格までにかかる勉強時間は3,000時間前後。1日8時間勉強できる方であれば約1年間、1日4時間であれば約2年間かかる計算になります。ただし、知識がまったくない状態で勉強し始める場合と予備知識があって勉強を始める場合では、勉強時間が変わってきます。
司法書士試験に独学で合格する人は多くありませんが、不可能ではありません。ただし、難易度が高い国家試験なので、相当の努力が必要になります。実際に、短期間学習してみて、独学が自分に合っているか、合格する見込みはありそうかなどを検討してみてもいいでしょう。
試験内容は公式には筆記試験と同じ内容であるとされていますが、実際には不動産登記法、商業登記法、司法書士法の3つの科目からしか出題されません。面接官から口頭で問題を出され、それに対して解答する面接方式です。解答が合っているかだけでなく、論理的に説明できているかどうかも審査されます。面接は1人15分程度で筆記試験を突破できる方であれば難易度は高くありません。
司法書士は、身近な街の法律家として活躍できる、今後ますます注目される存在。難関な国家資格として知られていますが、努力次第で好収入・高ニーズが望め、社会的ステータスも非常に高い点が魅力です。
資格取得後は、不動産の登記・商業登記などの業務のほか、簡易裁判所における代理・裁判事務、遺言・相続に関する助言、成年後見業務などの業務に携わることができます。最近ではインターネットでの営業も可能なので、自宅を事務所に比較的低資金で開業できるのも魅力です。
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