• 更新日:2022/07/27

医療事務は国家資格ではなく民間資格であり、種類は1つでなく、数多くの医療事務資格が存在します。
資格によって難易度や合格率が違うため、どれを目指すべきか悩ましい人も多いでしょう。この記事では主要な医療事務資格の難易度や合格率を元に狙うべき資格を紹介します。

医療事務資格の種類と試験の難易度

一般的に「医療事務」と呼ばれていますが、これは1つの資格ではなく、医療現場の事務に関する資格ということで、その種類は数多く存在します。

また、医療事務は国家資格ではなく、全て民間団体や主催学校などの認定資格=民間資格となります。そのため、医療事務関連の求人に応募する際に資格は必須ではありませんが、面接で資格の有無を問われることがあるため、医療事務の資格を取得していると就職に有利な場合があります。


資格の種類が多い医療事務ですが、どの資格を取得していても仕事内容は基本的に同じで、主に病院の受付や会計、レセプト(診療報酬明細書)作成業務を担当します。体力勝負のお仕事ではないため、年齢を気にせず働ける点が魅力です。
前述の通り、医療事務資格には多くの種類がありますが、代表的な資格は以下の4つです。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))は、医療事務に関係する資格のなかでも受験者数が多い資格です。試験は毎月実施され、各都道府県指定の会場に行って受験します。診療報酬請求事務をはじめとする医療事務の業務内容全般について幅広く問われます。勉強に必要な期間は、通信講座の場合3ヵ月~6ヵ月程度です。

試験は「学科」「実技I」「実技II」の3つから構成されます。 合格率は50~60%です。

医療事務管理士(技能認定振興協会)

医科医療事務管理士技能認定試験は合格すると、医療事務のスキルを証明することができます。医療事務のエキスパートとして活躍できるため、この資格を取得しているだけで就職活動を有利に進めることが可能です。

医療事務管理士技能認定試験は2ヵ月ごとに試験が実施されます。合格率は約50%です。
学科試験では知識問題10問(マークシート形式)、実技試験ではレセプト作成・点検問題が3問(外来2問、入院1問)が出題されます。勉強に必要な期間は、通信講座の場合5ヵ月程度です。

診療報酬請求事務能力認定試験(日本医療保険事務協会)

医療事務系の資格としてはもっとも難しい資格で、公益財団法人 日本医療保険事務協会主催の資格試験です。

診療報酬請求事務と、受付・会計・オペレーター業務など全般を行うスキルを問われます。試験では、学科試験および実技試験を実施します。勉強に必要な期間は、通信講座の場合9ヵ月程度です。合格率は約30%で、医療事務資格では最難関となっています。

医療事務認定実務者(R)(全国医療福祉教育協会)

医療事務認定実務者は2016年に開設された比較的新しい資格であり、医療事務の実務に関する基礎知識が身についていることを証明することができます。

主に医療事務に関する基礎知識と、診療報酬明細書(レセプト)作成などが出題され、他の試験と比べると、全てマークシート形式の試験となるため、初心者にもおすすめの医療事務の資格です。合格率は約60~80%と、ご紹介した資格の中では最も難易度の低い試験です。 診療報酬請求事務を重点的に学習する他の3資格とは異なり、接遇・マナーなど、受付業務に必要な知識を重点的に学習します。初めて医療事務に従事する方向けの資格といえるでしょう。

試験はマークシート形式の学科試験30問と、マークシート形式の実技試験(外来1症例のレセプト作成)から構成されます。参考資料やノート、電卓を試験会場に持ち込めるため、チャレンジしやすい資格試験です。なお、勉強に必要な期間は通信講座の場合4ヵ月程度です。(当社で開講している医療事務講座で取得できる資格はこの資格です。)


医療事務の仕事内容には、どんな業務があるの?

医療事務を、単に「病院で働く一般事務」のように思われている方は多いかもしれません。しかし、医療事務の仕事内容は一般事務とは少し異なります。
医療事務の仕事内容は、大きく以下の3つに分けられます。

【1】受付業務
【2】会計業務
【3】請求業務


この3つ以外にも、書類の整理整頓や電話応対など、病院の雑務をこなす必要があります。

まとめ

医療事務の仕事内容は、一般事務よりも人とコミュニケーションを取る機会が多いという特徴があります。1日中パソコンに向かうのではなく、患者さんとのコミュニケーションを楽しみながら仕事ができる医療事務は、一般事務にはない魅力を持っているといえるでしょう。また、患者さんとうまくコミュニケーションが取れれば、業務のスムーズな進行はもちろん、勤務する医療機関のイメージアップにも役立ちます。
患者さんとの良好な関係を築くためには、接遇やマナーの知識が大変役に立ちます。医療事務資格の中には接遇やマナーを重視した資格があるため、まずはそのような基礎的な知識を身につけられる資格の取得を目指してはいかがでしょうか。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

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