目標を達成する方法・流れ
自身や会社、チームの目標を達成するには、目標設定や具体的な行動を策定するなど、適切な流れを辿っていくことが大切です。目標達成に向けた方法・流れについて解説します。
適切な目標を設定する
目標達成に向けて行動するには、まず大前提となる目標を適切に設定することが重要です。目標とは「自分のなりたい姿」や「理想とする状態」であり、現状よりも改善できるよう意識して設定します。しかし目標はとにかく高くすれば良いわけではなく、努力すれば無理なく到達できることが最も重要です。ありがちな失敗としては、到底達成できない目標を設定した結果、目標達成できないだけでなく、モチベーションまで低下してしまうパターンです。 モチベーションを維持しながら目標を達成するには、現在の自分の状況を客観視し、着実に達成できる目標を設定することを意識しましょう。
具体的な行動を策定
適切な目標が設定できたら、次は具体的な行動・計画を策定します。マラソンに例えるなら、目標はゴールであり、行動・計画の策定は道中のコースです。どのようなペース配分をすべきか、どこに難所があるのかを把握し、どう行動すれば目標達成につなげられるか検討しましょう。また行動や計画を策定する際に、現実的には難しい課題や要因が判明した場合は、目標設定そのものが適切でない可能性があります。その場合、もう一度目標設定から練り直し、再度具体的な行動の策定へと移行していくことが重要です。
実行・振り返り
目標達成に向けて行動した結果について、現在の達成状況を振り返ることも欠かせません。目標設定と行動計画を立てても、実践しているうちに計画から大きく外れてしまうパターンも珍しくありません。目標にどれくらい近づけたか、自分の行動は適切だったかなどを毎週または毎月振り返り、行動計画の修正を行うことが大切です。振り返るなかで、順調に目標達成ができそうなら計画はそのままにするのか、さらに先の目標を目指すのかといった余裕も生まれるでしょう。また目標達成に向けて障害がある場合は、どうすれば解決できるか、改善策のフィードバックにもなるはずです。
目標達成が出来ない原因
目標達成ができない原因はさまざまなものがあり、その原因を明確化することが重要です。どのような原因が隠れていることがあるのか、4つの原因を解説します。
目標に具体性がない
目標達成ができない原因の1つに、目標が具体性を欠いているもの、曖昧な内容になっているケースが考えられます。 目標が具体性を欠いていると、目標達成に向けた行動計画も曖昧になり、適切な行動が取りにくくなります。 具体性のない目標とは、例えば「店舗の売上をアップする」「顧客との契約数を増やす」「コンプライアンス意識を高める」などです。目標の具体性を持たせるには、定量的に数値で把握できる内容にすることが大切です。
実現不可能な目標または計画になっている
目標は努力によって十分到達できる内容にすることが重要であり、実現不可能な目標や計画では設定してもほとんど意味がありません。毎月の利益が100万円ほどの部署の目標に対し、いきなり「毎月の利益を1億円にする」という目標を設定しても、それが不可能なことは容易に想像できるはずです。実現不可能な目標・計画は自分自身のモチベーションを低下させるだけでなく、部署またはチームのモチベーションにも悪影響を与えます。適度な難しさと、やりがいにつながる目標を設定することが、モチベーションを高めるには効果的です。
目標とスキルが見合っていない
目標自体は具体的でわかりやすいものでも、本人の実力が伴っていない場合もあります。特に新人や若手では、自分の能力を正確に把握できておらず、過大な目標を設定してしまうことがあります。目標と本人のレベルが釣り合っていないと、目標達成も行動計画も難しく、モチベーションが低下する可能性が高いです。目標設定する際は、上司や先輩社員からの客観的な意見も取り入れ、適切なレベルに合わせましょう。
進捗管理が適切に行われていない
目標達成に向けて、時期に応じた進捗状況の管理も非常に重要です。目標の評価時期が近いにもかかわらず、実際にはほとんどの目標が達成できていないケースもあります。進捗管理は基本的に目標を立てた本人が行いますが、定期的に上司からのフォローも必要です。特に目標達成が遅れている人がいると判断したら、早期に介入し、達成状況の把握と行動計画の修正が必要でしょう。
目標を達成するための秘訣・コツ
目標を達成するための秘訣やコツも存在します。コツを押さえて取り組むことで効率良く目標を達成できます。目標達成の成功率を高めるために、どのようなポイントを意識すべきなのか紹介します。
目標を細かく設定する
目標を達成するには、最初から大きな目標だけを立てるのではなく、中間目標となる小目標をいくつも設定するのが効果的ですスポーツに例えるなら「オリンピックに出場する」という大目標を叶えるために、地方大会や全国大会で好成績を収めること、スキルを磨くことなどが小目標となります。目標を細かく設定する理由は、大目標だけでは目標に近づいているか実感しにくく、モチベーションの維持が難しくなる点が大きいです。小目標を設定しておくことで、自分が大目標達成にどこまで進んでいるか、現状を把握しやすくなります。また小目標を設定しておけば、小目標達成までの行動計画も策定しやすくなり、迷うことなく実行できるでしょう。
行動をルーティン化する
目標を達成するには、日頃から努力を続けることが不可欠です。目標達成に必要な行動を日々のルーティンにできれば、自然とスキルが身につき、目標達成にも近づいていきます。逆にルーティン化せずに日々を過ごしていると、いざ必要な場面で実力を発揮できず、思わぬ失敗をするリスクが高まります。また日頃から作業や業務に取り組んでルーティン化できれば、初めて行動するときのような緊張感やプレッシャーも感じにくいでしょう。意識的に行っていた行動を無意識でも行えるようにルーティン化できれば、目標達成への大きな一歩となります。
同僚や仲間の力も借りる
自分が設定した目標を周囲の仲間や同僚にも宣言し、達成までのプロセスで力を借りることも目標達成の大切な手段の1つです。周囲の人に自分の目標を宣言するということは、自分の言葉に責任を持ち、達成へ向けたプレッシャーをかけることになります。自分の中だけで目標を設定しても「誰にも知られていないから楽な目標にしてもいい」と考えてしまいがちです。周囲の人に宣言して自分自身を追い込むと同時に、人を頼りにしやすい状況を作りましょう。自分にとっては難しい目標でも、さまざまな人の視点でアドバイスを受けることにより、具体的な行動計画が立てやすくなることがあります。1つの考えに固執するのではなく、他者の意見も素直に聞き入れ、より良い方法を模索することが目標達成の鍵になります。
目標達成のメリットを明確化する
目標達成後の未来を予測し、自分にどんなメリットが待っているか明確にすることもモチベーションアップにつながります。 メリットが明確になるほど、人は成功に向けて努力する意欲が湧いてきます。よくある失敗例は、上司に言われて仕方なく目標を設定したため、明確なメリットを実感できないケースです。自分で考えた目標でないことも関係していますが、自分にとってメリットがわかりにくいため、モチベーションにならないパターンといえるでしょう。逆に自分で考えてメリットも明確なら、自分の将来像やキャリアプランにもプラスとなり行動計画も具体化しやすくなります。中長期的な成長の視点も入れながら、目標とメリットを明確化することをおすすめします。
自分自身をねぎらう
目標を達成するには、常に張り詰めているだけではなく、適度にリラックスして体と心をリフレッシュすることも欠かせません。人は誰でも調子ややる気に波があり、いつでも絶好調とは限りません。しかし意識的にリラックスしたり自分をねぎらったりすることで、調子の良い状態をキープすることができます。「小目標を達成したらグルメを楽しむ」「今月も頑張ったからマッサージを受ける」など、ちょっとしたご褒美で構いません。仕事とプライベートにメリハリをつけることで、より良い仕事へとつながります。「思い通りに進まない」「頑張らないといけないのにやる気が出ない」と感じたら、自分をねぎらって気持ちを切り替えることが秘訣です。
まとめ
目標達成には適切な目標を設定し、具体的な行動を計画して着実に実行していくという流れが大切です。最初の目標設定でつまずいてしまうと、その後の行動やモチベーションにも悪影響を与えます。社員一人ひとりが自分の能力やスキルを正しく理解し、的確な目標を設定できるよう支援していく必要があるでしょう。また同じ部署で働く上司は部下の目標を把握したうえで、定期的に進捗状況の管理とフォローを行うことが重要です。目標を立てたらそのまま放置するのではなく、会社として社員の目標達成に向けて手伝っていく体制作りを進めてください。