• 更新日:2024/06/26

介護福祉士に興味があり、具体的な仕事内容について知りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。介護福祉士は国家資格であり、人気資格のうちの一つでもあります。

この記事では、介護福祉士の仕事内容に関して詳しく解説します。また、介護福祉士としてのやりがいや資格取得方法もあわせて紹介します。ぜひご自身のキャリア形成に役立ててください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 介護福祉士の仕事は、お年寄りや身体の不自由な方へ、食事や入浴などの介助サポートをすること。
  • また、利用者のやそのご家族からの相談に乗ったり、家事や身の回りのお世話を行う生活支援も行う。
  • 具体的には、「身体の介護」「生活の援助」「メンタルケア」「相談や助言」「マネジメント」の5つに分けられる。
  • 介護福祉士の資格を取得するには、「養成施設で学ぶ」「実務経験を積む」「福祉系高校等で学ぶ」「経済連携協定(EPA)ルートで学ぶ」の4つの方法がある。

介護福祉士の具体的な仕事内容

介護福祉士の仕事は、お年寄りや身体の不自由な方へ、食事や入浴などの介助サポートをすることです。利用者のやそのご家族からの相談に乗ったり、家事や身の回りのお世話を行う生活支援も行います。

ここからは、介護福祉士の具体的な仕事内容について詳しく解説していきます。

具体的な仕事内容

介護福祉士が行う介護の仕事は主に「身体の介護」「生活の援助」「メンタルケア」「相談や助言」「マネジメント」の5つに分けられます。身体の介護では、入浴や食事、着替えの補助等を行います。生活の援助は、食事の用意や買い物の代行、身の回りの整理整頓など利用者の生活のサポートを行います。

また、施設の場合であれば、利用者に楽しみをもって施設を利用してもらうためにレクリエーションを行うなど、メンタル面のサポートも行います。相談や助言、利用者の家族と介護の方針について相談したり、自宅で介護するうえでのアドバイスもします。また、チームリーダーとして介護スタッフの指導や、スタッフのタスク管理等のマネジメントも行う場合もあります。

このように介護福祉士の仕事は幅広く、介護業界において重要な位置づけです。

介護福祉士の一日のスケジュール

介護福祉士にはいくつかの勤務形態がありますが、ここでは、施設勤務の場合のスケジュールを紹介します。

まず、朝に出勤したら夜勤者から引き継ぎをします。その後、朝食の片付け、清掃、排泄介助、入浴介助などを行います。それらの仕事が終わる頃には昼の時間帯になるため、次は昼食の準備と食事介助です。その後、一度休憩に入り、午後からはレクリエーションなどを行います。午後にも、午前と同じく排泄介助や入浴介助をします。最後に一日の記録を介護記録帳へ記載して、夜勤者への引き継ぎを行い、勤務は終了です。

介護福祉士とホームヘルパーの異なる点

介護福祉士とホームヘルパーとでは、仕事内容が似ているところもありますが、異なる点もいくつかあります。ここでは、違いについて具体的に説明します。

仕事の幅が広がる

介護福祉士の資格を持っていると、ホームヘルパーよりかかわる仕事範囲が広くなります。具体的にいうと、メンタルケアや入浴・排泄の補助といった、知識や技術が必要な専門的な仕事は、現場のリーダー職に任されることもあるでしょう。介護においてさまざまな仕事にチャレンジしたい人は、介護福祉士の資格取得を目指すほうがいいでしょう。

給料が高い

介護福祉士の給与は、資格手当があるためホームヘルパーや、無資格の介護職員よりも高いです。経験を積んでリーダーになれば、より高い給与が期待できます。

また、介護福祉士は施設などから正職員として雇用されやすいというメリットもあります。さらに、国は2019年10月からキャリアのある介護福祉士などのうち、事業所で1人以上は月平均8万円以上の賃金アップ、または年収440万円以上となる賃金アップの処遇改善を行うことを決めました。

  • 参考:厚生労働省|介護人材の処遇改善について(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000452469.pdf)

これに対して介護福祉士の資格を保有していないホームヘルパーなどの場合は、どうしても給与は低くなりがちです。

介護福祉士としてのやりがい

介護福祉士として働くにあたって、どのようなやりがいがあるのかを説明します。

利用者の回復を間近で感じ、喜びを感じられる

介護福祉士は、利用者に対して、身体の介護や生活の援助、メンタルケアなどあらゆる面でのサポートをします。そのなかで、利用者が今までできなかったことができるようになったりすることもあるでしょう。そういった利用者の回復や変化を間近で感じ、自分のことのように喜びを感じられることが介護福祉士の仕事の魅力です。

直接、感謝の言葉をもらえる

介護福祉士は仕事をするなかで、利用者から「ありがとう」「助かった」などと直接、感謝の言葉をもらえることも多いです。利用者だけでなく、介護スタッフに対しても親身になって指導すれば、厚い信頼も得られます。感謝されることで人の役に立っていると実感でき、高いモチベーションで仕事をすることができるでしょう。

介護福祉士の資格を取得する方法

介護福祉士の資格を取得するには、さまざまな方法があります。ここでは具体的な方法について4つ紹介します。

養成施設で学ぶ

養成施設ルートは、高校等を卒業後に介護福祉士養成施設に通い卒業することで、受験資格を得る方法です。具体的には、「高校等を卒業後に2年制以上の介護福祉士養成施設を卒業すること」または「高校等を卒業後に福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれかを卒業し、1年制以上の介護福祉士養成施設を卒業すること」が受験資格を得る条件です。養成施設ルートの場合も実技試験は免除となります。

実務経験を積む

実務経験ルートは、実務経験を積んで国家試験の受験資格を得る方法なので、働きながら介護福祉士を目指す場合に向いています。従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上の実務経験が必要です。また、実務経験に加えて実務者研修を修了する必要もあります。そのうち、1つでも条件を満たしていないと受験資格を得ることができません。

ただし、介護職員基礎研修を修了している場合は、喀痰吸引等研修を受講し修了すれば、介護福祉士の受験資格を得ることができます。実務経験ルートで受験する場合は、実技試験は免除となり筆記試験のみとなります。

福祉系高校等で学ぶ

福祉系高校ルートは、福祉系高校等で必要なカリキュラムを修めて卒業し、受験資格を得る方法です。受験資格は、「福祉系高校等に2009年度以降に入学して、新カリキュラムを履修し卒業すること」「福祉系高校等に2008年度以前に入学し、旧カリキュラムを履修し卒業すること」「2009年度以降に特例高校等に入学して卒業後に9カ月以上の介護等の実務経験を積むこと」です。なお、特例高校等の場合は、介護技術講習を修了していなければ、実技試験を受ける必要があります。

経済連携協定(EPA)ルートで学ぶ

経済連携協定(EPA)とは貿易の自由化に加え、投資や人の移動など幅広い経済関係の強化を目的とした協定のことです。EPAルートとは、これに基づきインドネシア人やフィリピン人、ベトナム人といったEPA介護福祉士候補者が資格を得る方法で、日本人は対象外です。


※ご注意ください!(2024年6月更新)
介護福祉士国家試験では、令和6年度試験(令和7年1月26日実施)から実技試験が廃止されることになりました。
令和6年度試験(令和7年1月26日実施)の試験概要は下記をご確認ください。

まとめ

介護福祉士の仕事内容は幅広いです。介護者から感謝されることも多く、やりがいのある仕事でもあります。介護においてさまざまな仕事にチャレンジしたい人は、ぜひ介護福祉士の資格取得を目指しましょう。

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よくある質問

介護福祉士とは?

介護福祉士とは、介護に取り組むために必要な知識やスキルを認める国家資格です。介護福祉士は「ケアワーカー」ともよばれており、社会福祉施設などで介護を必要としている人の身の回りのあらゆる手助けを行います。食事、入浴、排泄などの身体介助だけでなく、日常生活の援助も業務のうちです。

介護福祉士の給料・年収は?

介護職の給料は、雇用形態や地域によって異なり、正職員の給与額の幅はかなり広く、経験やスキルによっても変わってきます。また、資格の有無や事業所の種類によっても異なり、有資格の介護福祉士の平均月収は31万円程度で、平均年収は330万円~410万円ほどになります。

介護福祉士国家試験の合格率、難易度は?

介護福祉士国家試験の合格率は約70%です。他の国家資格と比較すると高い合格率となっており、筆記試験はマークシート方式であるため解答しやすく、難易度は低い方だと言えます。同じ介護系の資格と比較するとケアマネジャーや社会福祉士より難易度は低いです。ただし、受験資格として実務経験が必要であるなど、誰でも合格できるわけではありません。

介護福祉士試験合格に必要な勉強時間は?

介護福祉士国家試験の合格までのトータル勉強時間は、250時間程度を見ておくといいでしょう。たとえば、3カ月の勉強期間ならば、1日当たり2~3時間の勉強が必要です。働きながら無理なく勉強するには、半年は勉強期間として確保しておけば、1日1時間~1時間半程度の勉強で済むため、生活リズムを崩すことなく知識を身につけることができます。

介護福祉士実務者研修とは?

2016年度より、介護福祉士国家試験を「実務経験ルート(実務経験3年以上)」で受験する場合は、併せて実務者研修の修了が義務付けられました。この介護福祉士実務者研修は、よりよい介護を提供するための技術や知識を身につけることを目的に実施されています。

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介護福祉士とは、お年寄りや身体の不自由な方の介護をする専門職。食事や入浴、車いすでの移動補助などの身体介護や、利用者への相談・助言を行います。介護サービスの中心となる重要な存在として、介護関係の仕事に就いている方には広く認知された国家資格です。介護のプロとしての「証明」になるため、信頼や評価が大きくアップ! 資格手当などの待遇アップや昇給なども期待できます。介護の現場でさらに活躍したい方はもちろん、介護福祉関係の就職・転職を目指す方におすすめの資格です。
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