
介護福祉士の試験合格に必要な勉強とは?試験概要や勉強時間など詳しく解説
介護福祉士試験の概要や合格までの勉強時間、勉強方法などを解説します。働きながら介護福祉士を目指せる方法も紹介するので、試験対策に役立ててください。
介護福祉士の資格取得の勉強を始めるにあたり、気になるのは試験の難易度や合格率ではないでしょうか。合格のためには、事前に試験の難易度や合格率を把握し、しっかり対策することが重要です。
この記事では、介護福祉士の資格取得のメリットや合格率、他の福祉系資格と比較した難易度などを紹介します。これから介護福祉士の資格取得を目指す人は、ぜひ参考にしてください。
介護福祉士国家試験(筆記試験)の合格基準点は、総得点125点の60%程度を基準として、実施される年の問題の難易度を考慮し、決められます。
2023年度(令和5年度)・第36回介護福祉士国家試験(筆記試験)の合格基準点は67点でした。加えて「11科目群すべてで最低1問は正解すること」が合格の条件となっています。なお、2024年度(令和6年度)試験の合格発表は、令和7年3月24日(月曜日)14時です。
また、実技試験(令和6年度・第37回試験より廃止)の合格基準点は総得点100点に対し、得点53.33点でした。
介護福祉士国家試験の合格率は75%程度で推移しています(2019年度~2023年度試験の平均)。第36回(2023年度)介護福祉士国家試験の合格率は82.8%(受験者74,595人、合格者61,747人)、第35回(2022年度)の合格率は84.3%(受験者79,151人、合格者66,711人)でした。過去12年間の合格率の推移を見ると、受験資格が変更された第29回(2016年度)以降、上昇傾向にあると言えます。
他の国家資格と比較すると高い合格率となっており、筆記試験はマークシート方式であるため解答しやすく、1回で合格を目指せる試験だといえます。しかし、学習なしに合格することはできません。きちんと計画を立てて勉強する必要があります。
以下は過去12年間の介護福祉士国家試験の受験者、合格者数、合格率の推移です。
年度 | 合格者数 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第36回 2023年度 | 74,595 | 61,747 | 82.8% |
第35回 2022年度 | 79,151 | 66,711 | 84.3% |
第34回 2021年度 | 60,099 | 83,082 | 72.3% |
第33回 2020年度 | 59,975 | 84,483 | 71.0% |
第32回 2019年度 | 58,745 | 84,032 | 69.9% |
第31回 2018年度 | 69,736 | 94,610 | 73.7% |
第30回 2017年度 | 65,574 | 92,654 | 70.8% |
第29回 2016年度 | 55,031 | 76,323 | 72.1% |
第28回 2015年度 | 88,300 | 152,573 | 57.9% |
第27回 2014年度 | 93,760 | 153,808 | 61.0% |
第26回 2013年度 | 99,689 | 154,390 | 64.6% |
第25回 2012年度 | 87,797 | 136,375 | 64.4% |
介護福祉士国家試験の合格率は2019年度~2023年度試験の平均で75%程度で、他の国家資格と比較しても高く、難易度は低いほうだと言えます。同じ介護系の資格と比較しても、ケアマネジャーや社会福祉士より難易度は低いです。
ただし、受験資格として実務経験が必要であるなど、誰でも合格できるわけではありません。
介護福祉士とは、社会福祉専門職に関する国家資格で、別名「ケアワーカー」とも呼ばれます。主に、社会福祉施設で介護を必要とする人の食事や入浴などの介助を行います。また、介護現場で働くヘルパーに対して、介護の専門知識や技術を教える立場でもあり、現場のリーダーおよびスペシャリスト的な存在です。
介護福祉士国家試験は、介護福祉士資格を取得するための試験です。
筆記試験は年1回実施、「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」「総合問題」で構成されており、マークシート方式です。
※ご注意ください
介護福祉士国家試験では、令和6年度試験(令和7年1月26日実施)から実技試験が廃止されることになりました。
令和6年度試験(令和7年1月26日実施)の試験概要は下記をご確認ください。
介護福祉士は、介護の中で唯一の国家資格であるため、社会的信頼性が高いことが特徴です。介護福祉士の資格を取得することで、雇用側からは専門的な知識や技術を持っていると評価されます。全国どこでも通用する資格であることから、「安定して働き続けたい」と考える人におすすめの資格です。
介護福祉士の試験を受けるには受験資格を満たしている必要があります。 以下で、具体的な受験資格の満たし方について説明します。
養成施設ルートは、指定の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士国家試験を受験する方法です。介護福祉士養成施設とは、文部科学大臣および厚生労働大臣が指定した四年制大学や短期大学などのことを指します。高等学校を卒業した方や高等学校卒業程度認定試験に合格している方は、2年以上通うことが条件です。
福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設などを卒業した人は1年以上通う必要があります。
実務経験ルートは、介護業務の実務経験を積み、介護福祉士国家試験を受験する方法です。実務経験については、対象となる施設及び職種で従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上の条件を満たす必要があります。さらに、実務者研修を修了しなくてはなりません。
福祉系高校ルートは、福祉系高校等を卒業し、介護福祉士国家試験を受験する方法です。福祉系高校ルートの場合は、入学した年度によって資格取得までの流れが異なります。
EPA(経済連携協定)ルートは、EPA介護福祉士候補者のための受験ルートのことです。EPA介護福祉士候補者とは、日本の介護福祉士の資格取得を目指すインドネシア人、フィリピン人及びベトナム人の志望者を指します。日本人は対象外です。
実務経験ルートの場合、介護等の実務経験が積める「施設・事業」「職種」でない場合は、受験資格として認められません。また、従事日数と従業期間は両方の条件を満たす必要があります。
例えば、従事日数(540日以上)は満たしていても、従業期間3年以上(1,095日以上)を満たしていない場合は受験資格を得られないので注意しましょう。
また、従事日数と従業期間の条件を満たしていても、実務者研修を修了していない場合は受験できません。実務経験ルートは条件を1つでも満たしていないと受験資格が得られないため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
介護福祉士と他の福祉系資格との合格率の違いについても見ていきましょう。
社会福祉士は「ソーシャルワーカー」とも呼ばれます。介護福祉士と同じく国家資格であり、社会的信用度が高いことが特徴です。日常生活を営むのが困難な人に対して、アドバイスを行ったり、利用できるサービスを紹介したりする相談支援を行います。社会福祉士の合格率は年度によって異なり、令和5年度は58.1%、令和4年度は44.2%、令和3年度は31.1%でした。介護福祉士と比べると難易度は高く、1回で合格することは難しいといえます。
精神保健福祉士とは、「精神科ソーシャルワーカー」とも呼ばれ、精神に障がいがある人たちの相談支援を行い、社会復帰をサポートしたり、精神保健福祉センターなどの施設で相談を受けたりする国家資格です。精神保健福祉士の合格率は令和5年度70.4%、令和4年度は71.1%、令和3年度は65.6%でした。社会福祉士よりは難易度は低い傾向にありますが、介護福祉士よりは高いといえます。
以上のことから、介護福祉士は他の福祉系資格と比べると難易度が低く、国家資格の取得を目指すなら比較的狙いやすいことがわかります。
介護福祉士国家試験には、筆記試験があります。出題領域をご紹介します。
「人間と社会」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」の3領域から63問、「介護」「総合問題」の2領域から62問が出題。「総合問題」はすべての分野から出題されるため、横断的な知識が求められます。また、合格するには11科目群すべてで得点し、かつ難易度で補正した点数以上を獲得する必要があります。
介護福祉士国家試験の合格率は他の福祉系資格に比べて高いですが、確実に合格するためには独学ではなく通信講座の活用がおすすめです。通信講座では、体系化された教材を利用して効率的に勉強を進められます。また不明な点も質問できるので安心です。
介護福祉士の資格を取得すると、仕事の幅が広がったり、転職に有利になったりするなどさまざまなメリットがあります。合格率は2019年度~2023年度試験の平均で75%と高めなので、福祉系資格のなかでは取得しやすいと言えます。受験資格を満たしている場合は、挑戦してみましょう。
試験勉強においては、「ユーキャンの介護福祉士講座」を活用すると効率よく勉強することができます。教材は図解やイラストを豊富に使用しているため、初めて学ぶ人でもわかりやすいものになっています。これから介護福祉士の資格取得を目指す人は、ぜひ一お問い合わせください。
1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
介護職の給料は、雇用形態や地域によって異なり、正職員の給与額の幅はかなり広く、経験やスキルによっても変わってきます。また、資格の有無や事業所の種類によっても異なり、有資格の介護福祉士の平均月収は31万円程度で、平均年収は330万円~410万円ほどになります。
介護福祉士の仕事は主に「身体の介護」「生活の援助」「メンタルケア」「相談や助言」「マネジメント」の5つに分けられます。具体的には、入浴や食事、着替えの補助等、食事の用意や買い物の代行、身の回りの整理整頓など利用者の生活のサポートを行います。また、施設の場合レクリエーションを行ったり、利用者の家族と介護の方針について相談したりもします。その他、チームのマネジメントを行う場合もあります。
介護福祉士国家試験の合格までのトータル勉強時間は、250時間程度を見ておくといいでしょう。たとえば、3カ月の勉強期間ならば、1日当たり2~3時間の勉強が必要です。働きながら無理なく勉強するには、半年は勉強期間として確保しておけば、1日1時間~1時間半程度の勉強で済むため、生活リズムを崩すことなく知識を身につけることができます。
介護福祉士国家試験の合格までのトータル勉強時間は、250時間程度を見ておくといいでしょう。たとえば、3カ月の勉強期間ならば、1日当たり2~3時間の勉強が必要です。働きながら無理なく勉強するには、半年は勉強期間として確保しておけば、1日1時間~1時間半程度の勉強で済むため、生活リズムを崩すことなく知識を身につけることができます。
2016年度より、介護福祉士国家試験を「実務経験ルート(実務経験3年以上)」で受験する場合は、併せて実務者研修の修了が義務付けられました。この介護福祉士実務者研修は、よりよい介護を提供するための技術や知識を身につけることを目的に実施されています。
介護福祉士とは、お年寄りや身体の不自由な方の介護をする専門職。食事や入浴、車いすでの移動補助などの身体介護や、利用者への相談・助言を行います。介護サービスの中心となる重要な存在として、介護関係の仕事に就いている方には広く認知された国家資格です。介護のプロとしての「証明」になるため、信頼や評価が大きくアップ! 資格手当などの待遇アップや昇給なども期待できます。介護の現場でさらに活躍したい方はもちろん、介護福祉関係の就職・転職を目指す方におすすめの資格です。
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