採用通知書の目的とは?内定通知書との違い、例文や注意点を解説

  • 採用通知書の目的とは?内定通知書との違い、例文や注意点を解説

    公開日:2024.10.18

    更新日:

    企業に応募した人の中から、一定の基準を通過した求職者に対して採用する旨を通知するのが採用通知書です。採用通知書は求職者の採用決定を知らせるものであり、内定通知書とは異なった性質を持っています。この記事では採用通知書についての概要や内定通知書との違い、記載項目の一覧、添え状の例文などを詳しく解説します。

採用通知書とは何?

企業に応募した人の中から、一定の基準を通過した求職者に対して採用する旨を通知するのが採用通知書です。求職者は他の企業にも並行して応募している場合があるため、採用通知書を送ることで「私たちの会社はあなたを待っています」と伝えることができます。

採用通知書には決まった形はなく、電話やメール、SNSなど通知ができればどのような形式でも伝えられます。ただし、相手に誤解を与えないためには、適切な文言を記載した書類として郵送するのが望ましいです。

採用通知書の目的

採用通知書の目的は、求職者に自社で採用が決定したと知らせることです。あくまで採用決定を通知することが目的であり、通知後に求職者が断ったとしても、採用通知書が法的拘束力を持つことはありません。一方で、採用通知書は採用決定を伝えるだけでなく、採用決定で他社より一歩リードする意図もあります。求職者は複数の企業に応募するのが一般的であり、他の企業の面接も受けてから良い会社を選ぼうとする傾向があるからです。

そのため、採用通知書があると安心感につながるとともに、求職者が「この会社に必要とされている」と感じ、入社を決断してくれる可能性を高められます。つまり、採用通知書には求職者の関心を会社に向けさせ、人材確保しやすくする効果があることになります。

採用通知書と内定通知書の違いについて

採用通知書と近い性質を持つものに内定通知書があります。内定とは会社での採用が決定し、求職者も入社する意思がある状態を指します。つまり、内定通知書は採用が決定し、求職者からの同意も得られた状態での通知書のことです。一見すると採用通知書と似たような意味に思えますが、内定通知書は求職者が入社の意思を表明することで、労働契約を締結する効果を持つ点が大きな違いです。そのため、求職者が内定通知書に対して承諾を行えば、法的拘束力が生じ、それ以降は内定の取り消しが難しくなります。

一方、採用通知書は採用決定を通知するだけであり、求職者の同意は必要なく、法的拘束力も発生しません。似ている2つの通知書ですが、意味が全く違う点に注意しましょう。

不採用通知書について

不採用通知書とは、採用通知書とは逆に、検討の結果不採用となったことを伝える書面です。不採用を伝えるということは、求職者にとってはネガティブな情報であり、伝え方次第では企業イメージを損なうリスクがあります。不採用通知書の内容次第では求職者に悪い印象を与え、SNSなどを通じて悪評を流される可能性も考えられます。そのため、不採用通知書であっても企業イメージを維持するため、できる限りマイナスイメージを避けるのがよいでしょう。断られる相手の心情への配慮を示し、丁寧な言葉遣いを心掛けることが大切です。

採用通知書に同封する主な書類

採用通知書を合格者に郵送する際は、次の書類を同封するのが基本です。

・添え状
・入社承諾書または入社誓約書
・入社承諾書・入社誓約書を返送するための封筒

添え状とは、採用決定の旨を伝えるとともに、同封した他の書類の内容や返送期限などを伝えるためのビジネス文書です。ビジネス文書を送付する際には、添え状を同封するのがビジネスマナーとされています。そして、採用決定に対して求職者の同意や入社の意思を確認するため、入社承諾書または入社誓約書を同封します。承諾書・誓約書には本人の署名や捺印などを行ってもらい、返信用封筒で郵送してもらいましょう。返信用封筒には社名・住所を記載し、切手も貼付しておくのが基本です。

採用通知書に記載する項目一覧

採用通知書には、採用決定の記述以外にも基本的な記載項目がいくつかあります。
どのような項目が記載されるのか紹介します。

日付・氏名

採用通知書も一般的なビジネス文書と同様、右上に採用通知書を送付した日付、左側に求職者の氏名を記載します。注意すべき点は書類を作成した日付ではなく、送付した日付とする点です。そして、求職者の氏名の最後に「様」または「殿」などの敬称をつけましょう。

会社名・代表者氏名

採用通知書には差出人である会社名と、代表者(代表取締役)の氏名も記載します。いずれも書類の右上、求職者の氏名よりも下になる位置に記入しましょう。 記入する際は、会社の正式名称の「株式会社〇〇 代表取締役△△」と正確に記入してください。そして、最後に代表者氏名の後に会社の社判を押せば完了です。

応募へのお礼の言葉

採用通知書の冒頭には、採用試験に応募してくれたことへのお礼の言葉を書きます。

この点は採用通知書・内定通知書・不採用通知書のいずれも共通です。応募してくれたことへの感謝を伝えることで、求職者への印象が良くなります。

採用決定のお知らせ

応募へのお礼に続いて、採用決定のお知らせを記載します。採用決定については、しっかりと伝わりやすい文章で書くことを意識しましょう。一般的には「慎重に選考を行った結果、弊社で採用することを決定いたしました」と書くことが多いです。

同封書類の内容

採用決定通知書を送付する際は、採用決定の通知と合わせて、求職者の入社意思を確認する必要があります。そのため、入社承諾書・入社誓約書、労働条件通知書なども同封書類とすることが多いです。採用決定通知書の書面にも、どのような書類が同封されているか記載するのが一般的です。ただし、必ず同封しなければならないわけではないため、後日電話連絡などで本人の意思を確認し、改めて郵送したり、入社初日に記載してもらったりすることもあります。

書類の返信期限

採用通知書と同封する書類がある場合は、書類の返信期限も設けましょう。入社日が4月1日の場合、入社日の1~2週間前に設定することが多いです。返信期限が未定の場合は、入社予定日を記載して提出してもらうのがよいでしょう。

入社日時

入社日は採用担当者が口頭で伝えている場合でも、採用通知書にも明記しておくのが原則です。この際には入社日だけでなく、入社当日は何時にどこまで来てほしいか記載しておくのがよいでしょう。新卒採用の場合は他の求職者と同じ場所を指定し、集まったところから説明を行うのが一般的です。しかし中途採用の場合は個別の対応が必要になるため、何時にどこに集合するか書くことで求職者が迷わずにすみます。

採用担当者の連絡先

採用通知書には求職者からの疑問や質問、確認事項の連絡ができるように採用担当者の連絡先を記載します。記載するのは企業の代表電話番号、採用担当者の携帯電話番号、メールアドレスなどつながりやすいものなら何でも問題ありません。そして採用担当者の氏名も明記し、違う社員が出てもすぐに連絡が取れるよう配慮しましょう。

労働条件

採用通知書には労働条件も記載しましょう。記載する項目は次の内容です。

・雇用形態
・賃金
・就業条件
・就業時間
・就業規則

労働条件が求人票の内容と食い違っていると、求職者からのイメージダウンになるため注意しましょう。労働条件通知書は採用通知書に同封するか、別途送付する方法もあります。

採用通知書の例文

参考として、採用通知書の基本となる例文を紹介します。テンプレートとしてご活用ください。

本テンプレートを使用する際は、必要箇所を自社・担当者名に変更するなどして活用してください。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 

令和631 

 

〇〇 〇〇 様 

 

株式会社△△△△ 

〇〇県〇〇市〇〇 

連絡先:123-4567-890 

人事部採用担当者 〇〇 〇〇 

 

採用通知書 

 

拝啓 

 

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 

この度は、弊社求人にご応募頂きまして、誠にありがとうございました。 

また、先日はお忙しい中、弊社までご足労頂きましたこと、重ねてお礼申し上げます。 

 

さて、慎重な選考の結果、貴殿を弊社社員として採用することが決定しましたので、ご連絡申し上げます。 

入社日は令和641日、弊社講堂にて予定しております。 

つきましては、社印採用に伴う手続きを行いますので、同封の入社承諾書に必要事項をご記入のうえ、期限までにご返送いただくようお願いいたします。 

 

労働条件につきましては別途通知いたします。 

まずは取り急ぎ書面をもちまして、通知申し上げます。 

 

なお、応募書類は弊社人事部にてお預かりさせていただきますので、ご了承ください。 

 

今後とも引き続き、宜しくお願い申し上げます。 

 

敬具 

 

同封書類 

・添え状 1 

・入社承諾書 1 

・返送用封筒 1 

 

提出期限:〇年〇月〇日 

 

その他質問やご不明点がございましたら、下記までご連絡ください。 

 

本件に関する問い合わせ先 

人事部採用担当:〇〇 〇〇 

電話番号:000-0000-0000 

メールアドレス:〇〇@〇〇〇〇.co.jp 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

採用通知書に関する3つの注意点

採用通知書を作成する際の注意点を3点解説します。

面接から1週間以内に送付する

採用通知書を送る場合は、面接から1週間以内に行うのが望ましいです。採用決定の通知が遅れれば、その分求職者は次の企業に気持ちが向いてしまい、入社する可能性が低くなります。そのため、遅くても面接が終了してから1週間以内に通知すれば、求職者の入社意欲を高められます。求職者は複数の会社に応募し、就職・転職活動を行っている人が多いため、先に採用決定を伝えることが大切です。面接から採用通知までに時間がかかると、求職者の会社に対するイメージが悪くなるため、面接から2~3日以内に結果を出すのが理想的です。採用通知書を郵送する前に、結果が分かった時点で電話やメールで連絡するのもよいでしょう。求職者の内定辞退を避けるためにも、素早い採用決定と通知を心がけることが重要です。

書留で郵送する

採用通知書を送付する際は、通常の郵便物のようにポスト投函するのではなく、簡易書留や特定記録郵便などを選択しましょう。書留サービスなら確実に求職者へと届けられるだけでなく、追跡サービスも利用可能だからです。求職者にとっても他の郵便物と紛れて見落とすリスクが減り、安心して受け取れます。また採用通知書が求職者に届いたことを確認するため、電話やメールで連絡を入れておくと確実性が高まります。採用通知書・内定通知書・不採用通知書のいずれにおいても、書留で郵送するのが基本です。その他にも、送付時に封筒や書類が折れ曲がらないように、適切なサイズの封筒を選ぶことも大切です。封筒の表面には赤字で「採用通知書在中」など、どんな書類が同封されているかわかりやすくしておくと好印象となります。

押印する

採用通知書を送る際は、求職者の信頼を得る意味でも押印を行い、会社が発行した真正な書類であることを証明することをおすすめします。求職者の視点では、社判が押されているかどうかで信頼できる書類と判断できるため、非常に重要なポイントです。また可能性は低いですが、採用通知書の悪用を避ける意味でも押印の有無は効果的です。いたずらのために採用決定の書類をコピーし、他者に送りつけるといった行為を防止できます。会社と求職者の双方にとって、押印によって本物の書類であると証明するのは大切といえるでしょう。

人材育成のことならユーキャンへ

人材育成でお悩みなら、ユーキャンにご相談ください。企業の人材育成を円滑に行うには、教育カリキュラムはもちろん、活躍できる人材を見抜く人事担当者のスキルも必要です。入社後に即戦力になりうる人材、仕事に対して意欲的な人材、専門知識を持つ人材など自社に必要な人材を選びましょう。そして将来活躍できる人材へと育成するため、適切な教育カリキュラムや育成制度、職場環境整備も進めるべきです。ユーキャンは人材育成の基本や会社の人事制度設計のポイント、実践的な学びで人を育てる研修内容を多数用意しています。

まとめ

今回は採用通知書について、内定通知書・不採用通知書との違い、同封する書類、記載項目一覧、具体的な例文などを解説しました。採用通知書は多くの企業で活用されており、人材採用・確保における大切な施策となっています。求職者目線でも素早い採用決定の通知は、入社意思を固め、会社選びのポイントになっています。求職者に対して誠意ある対応を行い、優秀な人材を逃さないためにも採用通知書を効果的に活用しましょう 。

お気軽にお問合わせください

ページトップに戻る