ビジネスマナーとは?言葉遣いや服装などの基本マナーやポイントを解説

  • ビジネスマナーとは?言葉遣いや服装などの基本マナーやポイントを解説

    公開日:2024.04.26

    更新日:2024.04.26

    ビジネスマナーは、社会人が働く上で必要となる作法です。ビジネスマナーは細かいものまで挙げると無数にありますが、いつの時代も変わらず重要であるため、若いうちからしっかり身につけていきましょう。この記事ではビジネスマナーの5つの基本からコミュニケーションスキル習得のポイント、人間関係を良好にするビジネスマナーまで詳しく解説しています。

ビジネスマナーとは何か

ビジネスマナーとは、社会人が社内・社外の人と働き、交流するうえで必要となるマナー全般を指します。ビジネスマナーは基本となるマナーのほか、業界・職種によってさまざまなマナーがあります。基本となるマナーとは身だしなみ、挨拶、名刺交換、来客・電話対応です。ビジネスマナーは新入社員向けの研修で必要不可欠であり、社会人として人と関わるには大切なスキルです。 ビジネスマナーの習得は社会人としての意識を醸成することに役立ちます。

ビジネスマナー5つの基本

ビジネスマナーは人間関係を良好に保つものであり、基本となる5つのポイントがあります。
・明るい表情を心がける
・元気よく挨拶する
・身だしなみに気を付ける
・勤務中の態度に気を付ける
・就業中のマナー

1.明るい表情を心がける

ビジネスマナーの基本の1つ目は、明るい表情を心がけることです。常にニコニコする必要はありませんが、相手と話すときは不快感を与えないためにも、明るい表情になるよう意識しましょう。例えばオフィスの受付やコンビニのレジで、不貞腐れた表情や不機嫌そうな人に対応されれば、少なからず嫌な気分になるはずです。
逆に明るい表情で挨拶や声かけをされれば、嫌な気分になる人はいないでしょう。また明るい表情に加えて、相手の顔をしっかり見て話すことも大切です。相手の目を見るのが苦手な人は、目ではなく眉間や鼻先、おでこなどを見るようにしても問題はありません。

2.元気よく挨拶する

ビジネスマナーの基本2つ目は、元気よく挨拶することです。挨拶はコミュニケーションの基本であり、第一印象や今後の仕事に関わる重要な要素です。相手にもしっかりと伝わる声量、発音を意識して挨拶しましょう。挨拶する際は次のポイントを意識すると、より相手に好印象を与えられます。
・自分から進んで挨拶する
・相手の顔を見て挨拶する
・社内外問わず誰にでも挨拶する
特に自分の所属する部署以外の人や、役職や職業に関係なく同じように挨拶すると、関わるすべての人が清々しい気持ちになれます。ビジネスにおいては挨拶がすべての始まりですから、気持ちのこもった挨拶をすることが大切です。

3.身だしなみに気を付ける

ビジネスマナーの基本3つ目は、身だしなみに気を付けることです。人の第一印象は最初の7秒で決まるという「メラビアンの法則」があります。 第一印象で「清潔感のない人」「身だしなみを気にしない人」など、悪い印象を与えるとその印象を覆すのは困難になります。 特にビジネスにおいて、身だしなみが整っていない人は、相手に好感を与え、信頼を得るのは難しいとされています。
例えば、高級レストランの店員が茶髪にピアス、シワだらけのシャツ、汚れた靴、伸びたひげをそのままにしていれば、店全体の評価が悪くなるでしょう。身だしなみは自分への評価だけでなく、企業のイメージにもつながります。高級なスーツや靴を身に着ける必要はありませんが、清潔感のある身だしなみを心がけることが大切です。

身だしなみのチェック項目

自分の身だしなみを整える際には、以下の項目をチェックしましょう。

・髪:色・長さは適切か、寝ぐせはないか
・スーツ・シャツ:シワやシミはないか、袖口や襟元は汚れていないか
・ネクタイ:きちんと結べているか、緩みや曲がりはないか
・ボトムス:丈の長さは適切か、傷みやほつれはないか、裾が汚れていないか
・靴:泥汚れはないか、傷みはないか、TPOに合っているか
・ひげ(男性):きちんと剃っているか、切りそろえているか
・メイク(女性):派手すぎるメイクになっていないか、香水が強すぎないか

一つひとつが評価される要素ですから、しっかり整えてイメージアップを目指しましょう。

4.勤務中の態度に気を付ける

ビジネスマナーの基本4つ目は、勤務中の態度に気を付けることです。人間はその日の体調、人間関係のトラブル、ストレスなどで気分が浮き沈みするものです。しかし、事情を知らない相手には失礼な態度に見えてしまうため、感情を持ち込まないようにしましょう。また、相手に不快感を与えないためにも、次の行動にも十分注意しましょう。

・あくび
・悪口・陰口
・ひそひそ話
・不貞腐れた態度
・無視
・返事が小さい
・指示されてもすぐ動かない
このような行動は目の前にいる相手だけではなく、周囲にいる人にも不快感を与えます。
思い当たるものがある場合は注意しましょう。

5.就業中のマナー

ビジネスマナーの基本として、就業中のマナーを守ることも大切です。

時間厳守

社会人にとっては、1分1秒でも貴重な時間です。タイムパフォーマンス(タイパ)という言葉があるように、時間に対して得られる利益も意識する人が増えています。
特にビジネスシーンで重要なのが、相手との約束の時間を守ることと、始業時間を守ることです。どちらも社会人としては基本的なことですが、守れていないと信頼を損なう重要なマナーです。

人の名前を覚える

社会人は学生時代以上に多くの人と関わります。人の顔と名前を正しく覚えるのは、ビジネスマナーの基本です。名前の間違いは失礼にあたり、信用を落とす原因になるので注意しましょう。

聞く時の姿勢

相手から話しかけられた際は、相手のほうに顔と体を向けるのもマナーです。しっかりと相手の話を聞き、相手の立場になって考えれば好感をもってもうらうことでき、周囲からの評価も変わるでしょう。

感謝を伝える

感謝の言葉は人間関係を円滑にする重要なものです。ちょっとしたことでも感謝を伝えれば、相手も悪い気はしません。人から何かをしてもらったとき、手伝ってもらったときは、きちんと「ありがとう」の言葉を伝えられるようになりましょう。

嘘はつかない

ビジネスで嘘をつくと、虚偽報告として大きな問題になることもあります。後で嘘が判明したときには、自分の信用を著しく損なうでしょう。相手に信頼してもらうためにも、嘘はつかず、誠意のある対応を大切にしてください。

金銭や物の貸し借りをしない

社員同士での金銭、物の貸し借りにも注意が必要です。後になってトラブルに発展し、社内で他の人にまで迷惑をかける可能性があります。やむを得ずお金を借りなければならない場合は、できるだけすぐに返しましょう。

公平公正に接する

社会人である以上、個人的な好き嫌いや感情を排して、誰に対しても公平公正に接することも大切です。仕事をするうえで、私情を挟むと多くの人からの信用を失います。

コミュニケーションスキルの習得

会社員が上司や同僚と円滑に業務を遂行するには、コミュニケーションスキルの習得が不可欠です。コミュニケーションスキルの習得において、重要な3つのポイントを紹介します。

・職場の人間関係におけるポイント
・話し方のポイント
・敬語・言葉遣いのポイント

職場の人間関係におけるポイント

職場での人間関係におけるポイントは次の3つです。

・批判は口にしない
・改善できるポイントをまとめる
・立場をわきまえて発言する

批判は口にしない

職場の人間関係を良好に保つことは、気持ちよく仕事をしていく上で大事なポイントです。しかし職場にはさまざまなタイプの人がいるため、不満に思うこともあるでしょう。
注意すべき点として、どれほど批判したい気持ちが強くても、それを口にするのは良くないということです。 特に相手がいない場面で不満を口にすると、自分自身の信頼を大きく落とす要因になります。不満があるときは、相手に直接伝えることが大切です。

改善できるポイントをまとめる

職場の人間関係を良くするには、会社で改善できるポイントを自分なりにまとめ、行動や計画を示していくことがポイントです。すべてが完璧な会社は存在しませんから、改善することで働きやすくなることがあれば、積極的に働きかけましょう。

立場をわきまえて発言する

社会人になると新人、若手、中堅、ベテラン、管理職などさまざまな立場があります。
それぞれの立場で視点が違い、物事の捉え方や行動も意識しなければなりません。新人のうちは同僚との距離感がわからず、友人感覚で接してしまうこともあるでしょう。しかしお互いの立場を正しく把握し、適切な距離感を持って発言することが大切です。

話し方のポイント

話し方にも意識すべきポイントがあります。聞く時と話す時それぞれについて紹介します。

聞く時

相手と会話をする際は、「聞く」ことが重要です。ただし「聞く」ではなく、しっかりと相手の話を心で受けとめ、「聴く」ことを大切にしましょう。 会話の途中のあいづち、相手の目を見ること、話を遮らないこと、重要な部分はメモすることなどが「聴く」にあたります。 真剣に聴く姿勢が相手に伝われば、自然と信頼関係が生まれます。

話す時

ビジネスシーンでの会話では、簡潔明瞭に意図を伝えることがポイントです。伝えるべき内容をまとめることに加え、相手に視線を合わせたり、ボディランゲージを活用したりするのも効果的です。また、真面目なシーンではしっかりと引き締めた雰囲気を出しつつ、集中力が切れてきたらユーモアを交えるのもよいでしょう。会話するときは背筋も伸ばし、相手が不快に感じない態度を意識してください。

敬語・言葉遣いのポイント

社会人が社内外で多くの人と関わる際、敬語・言葉遣いが非常に重要です。 言葉遣いひとつで相手からの印象は大きく変わり、相手からの信用を得やすくなります。 特に会話において、相手への敬意と丁寧な言葉遣いは意識すべきポイントです。具体的にどのような点を意識すべきか2点紹介します。

相手に敬意を払う

会話の中に敬語を使用していても、相手への敬意や尊重の意思がなければ信頼関係を築くのは難しいです。敬語が苦手でうまく言葉が出てこないときは、無理に使う必要はありません。敬語を使いこなすことよりも、大切なのは相手に敬意をもって接し、自分と相手の立場の違いをわきまえることです。

表現を和らげる

相手と会話をする際は、直接的な表現よりもクッション言葉や肯定的表現も活用しましょう。クッション言葉と肯定的表現には、言葉の表現を和らげる効果があり、穏やかに会話を進めることができます。表現を和らげることで相手との会話のキャッチボールもしやすくなり、信頼関係構築にもつなげやすいでしょう。

来客・訪問・電話対応のスキルの習得

社会人は来客・訪問・電話対応のスキルも身に付けなければなりません。それぞれの場面で意識すべきポイントを紹介します。

来客時の対応

来客時はどのような相手に対しても、丁寧な対応を心がけることが大切です。自分から挨拶し、誰にどのような用件かを尋ねましょう。特に来客と話すときは、次のポイントは守るべきです。

・どのような相手にも笑顔で話しかける
・人によって態度を変えない
・待たせない
・来客の目的を把握し、必要な人物に正確に伝える

いずれも基本的なビジネスマナーですが、どれか1つでもできていないと相手からの信頼を大きく損なうものです。常に意識して、来客に対して失礼のない対応を行いましょう。

訪問時の対応

取引先や顧客の元を訪問する際のマナーについてもみていきましょう。
訪問準備のポイントを紹介します。

・身だしなみは整っているか
・名刺は十分用意できているか
・取引先に提示する資料・書類に不備はないか
・話す内容の確認

次に、訪問した際は次のマナーを守りましょう。
・時間厳守
・連絡先・目的地をメモする
・予定した時間より早く訪問しない
・相手に会う前にコート類は脱いでおく
・携帯電話はマナーモードにする
また受付で訪問理由を伝える際は、会社名・名前・相手の部署と名前・用件を伝えることも欠かせません。

電話対応のマナー

ビジネスシーンでは、電話対応は切っても切れない関係にあります。チャットやメールが普及し、ビジネスでもプライベードでも、電話が使われる割合は減少しつつあります。新人の頃は電話対応が怖く、着信音が鳴るのを不安に思う方も少なくありません。
しかし、ビジネスシーンでは現在でも電話による連絡が多く、電話対応を完全になくすのは難しいため電話対応のマナーを身に付ける必要があります。
一般的な電話対応のマナーは、次の通りです。

・電話は3コール以内に取る
・会社名・部署名・名前を名乗る
・3コール以上鳴ってから出た場合は「お待たせしました」と一言付け加える
・程よい声の大きさで、はっきりとした口調で話す
・会話の内容はメモを取る
・必要があれば聴いた内容を復唱して確認する
・相手が電話を切るのを待つ

電話対応は相手の顔が見えないからこそ、普段以上に丁寧かつはっきりとした口調で話す必要があります。 大きな声やこもった声では相手に伝わりにくいため、明るめで程よい声音を意識しましょう。取り次ぐ場合は、転送、保留を利用することも大切なマナーです。

名刺交換のマナー

社会人は初対面の相手や自己紹介の際、自分の名前と所属を表明するために名刺交換をいます。名刺は自分の顔の代わりにもなるため、渡し方と受け取り方のマナーをしっかり習得しましょう。また名刺が汚れていたり、折れ曲がったりしていると、相手に対しても失礼になるため注意してください。名刺を渡す際は次のポイントを守ることが大切です。

・内ポケットまたは名刺入れから名刺を取り出し、両手で持つ
・相手の正面に立ち、相手と向き合う位置に移動する
・自分が訪問した場合、自分から名乗り名刺を渡す
・名刺を渡す際は会社名・名字を伝え、15度くらいの角度でお辞儀をしながら渡す
・相手が名刺を受け取ったら、半歩程度下がって「よろしくお願いいたします」といい、お辞儀をする

次に自分が名刺を受け取るときは次のポイントを守りましょう。

・名刺を差し出されたら「頂戴します」といって両手で受け取る
・受け取る際も15度の角度でお辞儀をする
・名刺の名前を確認し、相手の名字に敬称をつけて確認する
・「ありがとうございます」の一言を伝える
・名刺はすぐにしまわず、両手で胸の位置に持ったまま席に座る
・相手の名刺は自分の左前に名刺入れを置き、その上に置く

上記が基本的な名刺交換のマナーです。

訪問客案内時のマナー

大きなオフィスビルの場合、訪問客に対する案内も重要な対応の1つです。
訪問客は用事のある相手や部署名はわかっていても、どのフロアにいるどの人物なのかまで把握できていないことがあります。受付で用件を確認して場所だけを伝えても、オフィス内で迷ってしまう可能性もあります。そのため訪問客に対しては必要に応じて案内を行い、しっかりと目的地まで誘導しましょう。訪問客の多くは時間を決めて予約しているケースが多いため、用事のある部署や担当者に連絡して確認することも大切です。
また、可能であれば適度な声かけを行い、オフィスの説明や世間話にも対応できるとより好印象です。訪問客に対して細かな配慮ができるようになると、会社への評価も高まります。

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まとめ

今回はビジネスマナーの基本やコミュニケーションスキルの習得、ビジネスシーンでの活用方法などを解説しました。 ビジネスマナーは社会人の基本であり、社内・社外で信頼関係を構築するための根幹になるスキルです。相手と誠実に向き合い、敬意を払い、対等で公正な人間関係を結んでいくにはビジネスマナーが必須です。 新人時代や若手のうちにビジネスマナーを身につけておけば、その後の社会人生活でも大いに役立つはずです。ビジネスマナーは内容が幅広く、今回紹介した以外にもたくさんあるため、身につけてもらいたい内容、予算、期間に合った研修を活用しましょう。

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