• 更新日:2024/03/15

資格がなくてもWebデザイナーになることは可能です。ただし、資格取得に向けて勉強するとスキルアップにつながり、就職・転職の際にも有利に働きます。この記事では、Webデザイナーにおすすめの資格や、資格取得のメリット、ほかに磨いておきたいスキルなどを解説します。

Webデザイナー関連の資格を取得するメリット

Webデザイナー関連の資格取得を通じて、自己研鑽できます。Webデザイナー関連の資格を取得するメリットは以下の2つです。

  • スキルを証明でき、就職・転職で有利になる
  • 知識の偏りなく効率的に勉強でき、資格取得に向けモチベーションも維持できる

仕事獲得に有利になる

履歴書やポートフォリオに資格を記載できると、身につけているスキルを端的に証明できます。基本的な知識があるとアピールして、就職や転職を有利に進めましょう。即戦力の人材が求められる業務委託の案件に応募する際も、資格がある方が有利です。

体系的な知識を効率よく身につけられる

資格取得のために勉強するときは、網羅的に知識がまとめられた教材やカリキュラムを使用します。試験で頻出とされる部分は押さえつつ網羅的に知識を身につけておけば、引き出しが多いWebデザイナーになれるでしょう。

働き出してからも、基礎を理解できていれば成長スピードが見込めます。また、資格取得という目的があれば、モチベーションを高められるので効率的に勉強できます。

Webデザイナーにおすすめの資格8選

Webデザイナーにおすすめの資格として、以下の8つを詳細に解説します。

  • ウェブデザイン技能検定
  • ITパスポート試験
  • Photoshop(R)クリエイター能力試験
  • Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
  • Webクリエイター能力認定試験
  • HTML5プロフェッショナル認定試験
  • アドビ認定プロフェッショナル
  • Webデザイナー検定

1.【国家資格】ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は厚生労働省が認定する国家資格で、1~3級に分かれています。試験は筆記と実技で、資格を取得すると「技能士」を名乗れます。

3級がもっとも簡単なレベルで、受験資格はありません。一方、1級または2級の受験には実務経験などの受験資格が求められます。

2.【国家資格】ITパスポ-ト試験

ITパスポート試験は情報処理技術者試験の1つで、取得するとITに関する基礎的な知識を証明できます。経営や情報セキュリティなど出題範囲が幅広いITパスポート試験は、Webデザイナー以外にもさまざまな職種をターゲットとしています。

3.Photoshop(R)クリエイター能力試験

Photoshop(R)クリエイター能力認定試験では、Photoshop(R)によるコンテンツ制作スキルを問われます。指示に従った作業を正確かつ合理的に行うスタンダードコースと、創造性の高さが求められるエキスパートコースの2種類があります。

4.Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustrator(R)クリエイター能力認定試験では、Illustrator(R)によるコンテンツ制作スキルを問われます。Photoshop(R)クリエイター能力試験と同じく、スタンダードコースとエキスパートコースがあります。

5.Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験では、HTML5とCSSを重視して、デザインスキルとコーディングスキルをチェックします。試験は、実技のみのスタンダードコースと、実技と知識を見られるエキスパートコースから選べます。受験にあたり、学歴や年齢などは不問です。

6.HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験では、マークアップに関する知識とスキルを問われます。マークアップとは、HTMLタグを使ってWebサイトの構造を作ることです。マークアップすると、タイトルや見出し、リストなどでWebサイトを組み立てられます。試験はレベル1とレベル2に分かれており、レベル2を受験する際は、レベル1の認定取得が必要です。

7.アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定アソシエイトは2001年に名称が変更され、アドビ認定プロフェッショナルとなりました。試験ではAdobe社のソフトに関する知識とスキルを問われます。また、試験科目は、Photoshop(R)・Illustrator(R)・Premiere Proのソフト別に分かれています。

8.Webデザイナー検定

Webデザイナー検定は、Web制作に関わる人を対象とした試験です。Web制作後の評価・運用、知的財産権など出題範囲が幅広いため、資格取得によりWeb制作全体に関わる知識を網羅的に身につけられます。試験は、基礎的な知識を問うベーシックと、応用力を問うエキスパートの2つのコースで構成されています。また、いずれのコースも受験資格はありません。

Webデザイナーの関連資格取得のための勉強法

資格取得の勉強方法は複数あるので、自分に合うやり方を選びましょう。以下の3つの勉強法を解説します。

  • 独学│コストを抑えて自分のペースで勉強したいならおすすめ・スクール│通学なら、直接講師に質問できるので理解がはやい
  • オンラインスクール、通信講座│は忙しい人でも勉強を続けやすい

市販の教材による独学

独学は、資格に対応した市販の教材を購入して勉強する方法です。独学には自分のペースで費用を抑えて勉強できる反面、わからない部分があってもアドバイスを得られにくい側面があります。また、選ぶ教材によっても勉強の質が左右されます。

スクール

スクールへ実際に足を運んで資格取得に向けて勉強する人もいます。スクールに通うと、一緒に勉強する仲間を得られ、直接講師に質問でき理解が深まります。一方、スクールに通うには、カリキュラムに合わせてスケジュールを調節しなければなりません。忙しい人は、スクールの活用が難しい場合があります。

オンラインスクール・通信講座

オンラインスクールや通信講座は、スクールとは異なり実地に通う必要がありません。時間と場所を選ばず勉強できるため、家事や育児、仕事などで忙しい人でも比較的勉強を続けられます。また、初学者をターゲットにしたカリキュラムが組まれていることが多く、知識ゼロの状態でも無理なく勉強についていけます。

Webデザイナー関連の資格を取得するときの注意点

Webデザイナーの資格取得は簡単ではありません。特に押さえておきたい部分は以下のとおりです。

  • ある程度基礎知識がある人でなければ独学は難しい
  • 受験料以外に勉強するための費用もかかる

未経験者の独学はハードルが高い

未経験者の独学は、ハードルが高いと挫折しやすいので、おすすめできません。独学だと指導者からのフィードバックを受けられないため、正しく知識を身につけられているか、効率よく勉強を進められているか判断が難しいためです。

受験料以外の費用も把握しておく

資格取得の過程で、受験料以外の費用も発生する点に注意しましょう。Webデザイナーの資格には実技を含むものもあり、勉強する時点で専用の機材やソフトの購入が必須です。ただし、資格取得に成功してスキルアップできれば、費用を回収できる可能性があります。

Webデザイナーの主な仕事

Webデザイナーの主な仕事内容を以下に示しました。

  • クライアントへのヒアリング
  • 競合調査
  • Webデザインの構成決定
  • 具体的なWebデザインの決定
  • コーディング
  • テスト

職場や案件によってはWebディレクターが担当する場合もありますが、まずはクライアントの意向を把握し、競合を調査してWebデザインの構成を決めます。

Webデザイナーは、Webデザインを具体的に決めます。コーディングやテストはプログラマーが行う場合もありますが、プログラミングできるWebデザイナーなら、デザインの決定からテストまで一貫して担当可能です。

Webデザイナーの働き方

Webデザイナーの働き方は、雇用契約と業務委託契約のどちらを結んでいるかで変わります。雇用契約で働くWebデザイナーの職場は、Web制作会社や一般企業などです。

業務委託契約を結ぶWebデザイナーは、いわゆるフリーランスと呼ばれる働き方です。フリーランスは好みや働き方を重視して仕事を選べますが、本業に加え営業・経理なども自分で行わなければなりません。

Webデザイナーに適性のある人の特徴

Webデザイナーに適性のある人の特徴は、以下のとおりです。

  • 好奇心が強く、新しいツールに抵抗がない人
  • 多角的な視点で考えられる人
  • チーム体制で仕事を進められる人

Webデザインの世界には、新しいトレンドやツールが続々と登場します。そのため、Webデザイナーには、新しいものを受け入れ、自分から情報をキャッチアップする姿勢が求められます。クライアントやターゲットに受け入れられるデザインを作るには、多角的な視点も重要です。

また、Webサイトの制作には立場の異なる多くの人が関わるため、協調性やコミュニケーションスキルも欠かせません。

日本の平均年収と比較したWebデザイナーの平均年収

「求人ボックス給料ナビ」のデータによると、正社員Webデザイナーの平均年収は340万円でした(2023年11月時点)。雇用されている人全体の平均年収よりも、Webデザイナーの平均年収は低い傾向が見られます。ただし、全体の給料幅は広いため、スキルや勤務地などの条件次第では、Webデザイナーでも高収入を狙える可能性があります。

Webディレクターの平均年収との比較

同じく「求人ボックス給料ナビ」のデータによると、2023年11月時点における正社員Webディレクターの平均年収は499万円で、Webデザイナーの収入を上回りました。

Webディレクターの年収が高い理由は、プロジェクトの初期段階に相当する上流工程を担当するためです。上流工程への参画には責任が伴う分、高収入が見込めます。


Webデザイナーは将来性がある仕事

Webデザイナーの将来は明るいと予想されます。「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、インターネットを介した取引は今後も増える見込みです。インターネット上で取引するためには、窓口となるWebサイトが必要です。従って、Webサイトの制作にかかわるWebデザイナーの仕事は、今後も増えると予想されます。

活躍するためにはスキルが必要

将来性があるWebデザイナーですが、活躍し続けるにはスキルを磨き続けなければなりません。市場のWebデザイナーは多く、スキルが未熟な人は淘汰される恐れがあります。また、専門性がなくてもWebサイトを制作できる、ノーコード・ローコードツールも登場しています。

長く活躍するWebデザイナーに必要なスキル

Webデザイナーには幅広いスキルが必要です。特に重視されるポイントは以下のとおりです。

  • クライアントの意向に合うWebデザインを作るには、ヒアリングスキル・企画力が問われる
  • デザインの基礎知識やツールの操作スキルも求められる
  • プログラミングできると仕事の幅が広がる
  • Webサイトの集客力アップ、コンバージョンアップには、マーケティングスキルが必要

ヒアリングスキル・企画力

クライアントの目的をかなえるWebサイトを作るには、ヒアリングスキルと企画力が必要です。クライアントはWebの専門家ではないため、先方の意向をくみ取り提案していく積極性が求められます。将来的にWebディレクターとして上流工程で活躍したい人は特に、ヒアリングスキルと企画力を養いましょう。

デザインの基礎知識やツールを扱うスキル

ポスターやチラシのデザインでも必要とされる、レイアウトや配色といったデザインの基礎知識を身につけましょう。加えてデザインツールの操作スキルも求められます。多くの職場や案件で使われるPhotoshopやIllustratorは、多くのWebデザイナーがマスターしています。

プログラミングスキル

Webデザイナーはデザインのみを担当し、コーディングはプログラマー任せという現場も少なくありません。ただし、プログラミングスキルを身につけておけば、コーディングのしやすさを考慮したWebデザインを提案できます。また、コーディングも担当できると仕事の幅が広がります。

マーケティングスキル

集客力アップ、コンバージョンアップを狙うには、マーケティングスキルが求められます。見た目のデザインにこだわるのみでは、Webサイトの目的を達成できません。SEOやUX/UIも重視して、ユーザー目線でサイトを設計・運営しましょう。

まとめ

Webデザイナーが資格を取得すると、スキルアップにつながり仕事を獲得しやすくなります。資格取得には、ユーキャンのプログラミング・Web制作入門講座がおすすめです。

ユーキャンの「プログラミング・Web制作入門講座」は、未経験者でも安心して勉強できるカリキュラムが組まれており、オンライン個別レッスンで習熟度を高められます。人気の3分野から選べるコース制(Web制作入門コース(HTML/CSS)・Webデザイン入門コース(Illustrator)・プログラミング入門コース(PHP))です。

ユーキャンの「プログラミング・Web制作入門講座」に興味のある人は、ぜひ受講をご検討ください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

プログラミングは独学で身につけられる?

プログラミングは高度な技術で独学では習得が難しいと思われがちですが、無料でプログラミングが学べるサイトや動画なども利用できるため、独学での習得は可能です。プログラミングを学ぶ目的を整理し、自分に合った学習教材を選ぶことが大切です。

HTMLとは?

HTMLとは、HyperText Markup Languageの略で、マークアップ言語の1つです。マークアップとは、文章の構成や役割を示すことを意味します。HTMLはWebサイトを作成する際に、コンピューターへ構成指示を出し、表示したい文章や写真などの情報を形作ります。

CSSとは?

CSS(Cascading Style Sheets)とは、Webサイトのサイズや色、レイアウトなどを設定するためのプログラミング言語です。CSSは「シーエスエス」や「スタイルシート」などと呼ばれており、背景の色の変更や画像の設置、文字のフォントや色などの幅広いデザインを定義する際に使用されます。

PHPとは?

PHPとは、WebアプリケーションやWebサイト開発に使用されることの多いプログラミング言語です。シンプルさに重きを置いた、「スクリプト言語」に分類されます。HTMLに組み込むことで、Webページに「動き」を与えられます。

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