• 更新日:2023/07/11

WebサイトやWebアプリケーションを開発するうえで、プログラミング言語の学習は欠かせません。しかしプログラミング言語には数多くの種類があり、プログラミングを学習するうえでどの言語にするか悩む人は少なくありません。そのような初心者に向いている言語の1つが「PHP」です。PHPの学習を検討している人は、参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • PHPとは、WebアプリケーションやWebサイト開発に使用されるプログラミング言語で、Webページに「動き」を与えられる。
  • PHPは、「Web開発に特化した言語」「動的型付け言語」という2つの特徴がある。
  • WebサイトやWebアプリケーションにPHPを使用すると、さまざまなメリットがある一方、デメリットも存在する。
  • 比較的学びやすいとされるPHPの基本的な記述ルールや文法を解説。
  • PHPの主な学び方は、スクールに通うか、オンライン学習サイトで学ぶかの2通り。

PHPとは

PHPとは、WebアプリケーションやWebサイト開発に使用されることの多いプログラミング言語です。シンプルさに重きを置いた、「スクリプト言語」に分類されます。HTMLに組み込むことで、Webページに「動き」を与えられます。

2021年にW3Techsが発表したデータでは、世界中で公開されるWebサイトのうち、約79%にPHPが使用されています。ただし、Web開発全般に適しているわけではありません。

PHPの特徴

PHPにはどのような特徴があるのでしょうか。PHPのおもな特徴を、2つ解説します。

Web開発に特化した言語

PHPはWebページに動きをつけるために開発された、Web開発に特化したプログラミング言語です。そのためWebサイト、Webアプリケーションによく使用されます。Webページ制作で頻繁に使うような機能は、公開されているライブラリを使用することで簡単に実装できます。

動的型付け言語

PHPは「動的型付け言語」に分類されます。動的型付け言語とは、同じURLでも閲覧者や時間帯などによって、表示される内容が変わるものです。HTMLと組み合わせて使用できることも特徴です。

PHPのメリット

WebサイトやWebアプリケーションにPHPを使用するとどのようなメリットがあるのか、解説します。

構文がシンプルでわかりやすい

PHPの構文はシンプルに記述でき、初心者でも理解しやすいことが特徴です。初心者が実際にプログラムを作りながら覚える言語として最適でしょう。またPHPは、自動で型の調整などを行ってくれます。型とは、変数に格納するデータの種類のことです。覚えることが少ないため、バグがわかりやすいとされています。

インターネット上で多くの情報を得られる

PHPは昔(1994年)からあり、ずっと高いシェアを維持しているため、関連する情報がインターネット上に豊富にあります。サンプルのソースコードや関数の記述方法などに加え、エラーが出た際の対処法や効率のいい書き方なども見つかります。調べれば必要な情報が出てくるため、わからないことが理由の挫折を防げるでしょう。

学習コストが低い

PHPは他の言語と比較して構文がシンプルで、情報を得やすいため、あまり時間をかけず習得できます。また、Webサイトや書籍などの日本語教材を利用することで、学習コストも抑えられます。

フレームワークが豊富で強力

PHPにはフレームワークが豊富にあり、強力です。フレームワークとは、必要な機能があらかじめ入った枠組みのことです。フレームワークがあることで開発工数を短縮でき、開発の生産性を向上させられます。

PHPのデメリット

メリットの多いPHPですが、一方でデメリットも存在します。おもなデメリットを3つ解説します。

Web以外の開発には向かない

PHPは、WebサイトやWebアプリケーションの開発が得意です。反面、それら以外の開発には向きません。スマートフォンのアプリを作りたい場合は、他の言語を学習したほうがいいでしょう。

セキュリティがやや甘め

PHPは、脆弱性のあるプログラミング言語だといわれています。脆弱性とは、セキュリティの弱点です。さまざまなサービスに使用されるため、不正アクセスされるケースがあります。バージョンアップにより対策が進んでいますが、プログラミングの仕方によっては脆弱性が発生することもあるでしょう。

自由度が高すぎる

PHPは自由度が高いため、意味的に同じ処理であっても複数の書き方で記述できます。そのため、記述がばらつきやすくなっています。バグを見逃したり、危険なコードを書いてしまったりすることもあるため、注意が必要です。

PHPの記述ルール

比較的学びやすいとされるPHPの基本的な記述ルールを、流れに沿って解説します。

「.php」の拡張子をつける

「.php」の拡張子をつけることが、1番シンプルにPHPのコードを記述する方法です。たとえば「index.php」のように「.php」をつけると、サーバーがPHPファイルと認識します。

コードを書く場所

PHPの基本的な記述ルールとして、開始タグ「 」と書きます。その間の2行目に、表示させたい内容を記述しましょう。

1つのコードの最後には、セミコロン(;)をつける

PHPでは、セミコロン(;)を付けることで、プログラムの行の終わりを意味します。コードを記述するときには、1つのコードが終わるごとに、必ず(;)を付けて区切りましょう。

コメントの記述方法

コメントとは、プログラムの記述内容を、あとでわかりやすいようにするメモ書きのことです。コメントはなくてもいいですが、あとで見直すときのために書いておいたほうが安心でしょう。行の頭に「//」や「#」と書くことでコメントと認識できます。

PHPの基本的な文法

これまで紹介した記述ルールに続いて、記述に必要なPHPの基本的な文法を解説します。

変数

変数とは、任意の文字列や数字を入れておく箱のようなものです。箱に任意のデータを入れておき、必要なときにその箱を設置すると、いつでも同じ中身が使用できます。何度も同じ情報を使う場合に便利です。

演算子

演算子とは、さまざまな計算を実行する記号です。計算の結果、任意の値から別の値が生み出されます。四則演算を行う「算術演算子」、2つの式や値を比較する「比較演算子」、論理和(OR)・論理積(AND)・否定(NOT)の演算を行う「論理演算子」などがあります。

if文・while文

if文とは、指定した条件式が当てはまるときは処理をし、当てはまらない場合は処理しないという命令文です。while文とは、指定した条件式に当てはまる間は処理を繰り返す命令文です。どちらも、WordPressでカスタマイズをする際に使われます。

関数

関数とは、いくつかの処理を集めた命令の定義です。頻繁に使う処理がまとめられており、複雑な処理をシンプルに行えます。関数を使うと行数を減らせるので、バグを防ぐ効果が期待できます。

PHPの学習方法

PHPを学ぶにはどのような方法があるのでしょうか。この項目では、そのおもな2つの方法を解説します。

スクールに通う

PHPは多くのWebサイトで利用されるため、スクールで取り扱うところも多くなっています。スクールであれば直接指導を受けられるため、効率的に学習できます。わからないこともすぐに聞け、ともに学習する仲間がいるためモチベーションを保ちやすいでしょう。ただし、比較的高額な費用が必要です。

オンライン学習サイトで学ぶ

PHPを独学で学ぶ場合、無料で利用できるオンライン学習サイトがいくつもあります。ソースコードを組み上げる流れを、動画で見られるWebサイトもあります。ソースコードは合っていても設定を間違えていることがあるため、流れを動画で見られるWebサイトはおすすめです。

まとめ

PHPはWebサイトやWebアプリケーションの開発に適したプログラミング言語です。多くのWebサイトに使用され、かつ構文がシンプルなため初心者が学ぶことに向いています。独学での学習も可能ですが、スクールであればともに学習する仲間がおり、モチベーションを維持しやすいでしょう。

ユーキャンのプログラミング・Web制作入門講座には、PHPに特化したプログラミング入門コースが用意されています。未経験者に最適化したカリキュラムが提供され、好きなタイミングでオンライン個人レッスンが受けられます。PHPの学習に興味のある人は、受講を検討してはいかがでしょうか。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

プログラミングは独学で身につけられる?

プログラミングは高度な技術で独学では習得が難しいと思われがちですが、無料でプログラミングが学べるサイトや動画なども利用できるため、独学での習得は可能です。プログラミングを学ぶ目的を整理し、自分に合った学習教材を選ぶことが大切です。

HTMLとは?

HTMLとは、HyperText Markup Languageの略で、マークアップ言語の1つです。マークアップとは、文章の構成や役割を示すことを意味します。HTMLはWebサイトを作成する際に、コンピューターへ構成指示を出し、表示したい文章や写真などの情報を形作ります。

CSSとは?

CSS(Cascading Style Sheets)とは、Webサイトのサイズや色、レイアウトなどを設定するためのプログラミング言語です。CSSは「シーエスエス」や「スタイルシート」などと呼ばれており、背景の色の変更や画像の設置、文字のフォントや色などの幅広いデザインを定義する際に使用されます。

Webデザインは独学で習得できる?

独学でもWebデザイナーになることは可能ですが、独学でWebデザインを学び、クライアントから案件を得て仕事につなげるまでには、Webデザインに必要な仕事内容やスキルを具体的に理解したうえで、学習を進める必要があります。独学からフリーランスを目指すには、副業で実績を経験を積むといった段階を踏むことが一般的です。

プログラミングの仕事の平均年収は?

プログラミングの仕事の年収は、プログラミングスキルや経験年数、専門性、企業規模などによって、大きく異なります。さらに、若くても高いスキルが認められれば高収入を得られる可能性がある仕事です。
厚生労働省の調査ではプログラマーの平均年収は、全国平均で523万円となっています。

講座との相性を確かめよう

講座との相性を確かめよう

プログラミング・Web制作入門講座があなたに向いているのか相性診断でチェック!
80%以上の相性なら今すぐ申し込みして、人気の専門資格を手に入れよう!

3ヵ月で、IT人材のスタートラインに!

2030年にはIT人材が78.7万人不足すると言われるほど、今、ITスキルを持つ人材が必要とされています。当講座はプログラミング/webデザイン教育を提供するコードキャンプ社と提携。知識ゼロからIT人材としてのスタートラインに立つことを目指すオンライン完結型カリキュラムです。普段の学習はもちろん、経験豊富な講師との個人レッスンもすべてパソコンを利用しウェブ上で行うことができます。
また、「こういうことができるようになりたい」という要望に合わせて、多様なコースをご用意しています。HTML/CSSを学べるWeb制作入門コース、Photoshopを学べるWebデザイン入門コース、PHPを学べるプログラミング入門コースの3つの基本のコースに加え、お得なセット受講コースもご用意しています。