G検定とは?試験の難易度・合格率・効率的な勉強方法を解説
- 更新日:2024/07/02
G検定とは、AIやディープラーニング分野に関する知識量を示す資格のことです。近年では、AIやディープラーニングに関する知識をもつ人材への需要が高まっており、G検定の重要性も年々大きくなっているといえます。この記事では、G検定の概要や取得するメリット、対策方法などを解説するので、受験や検討の参考にしてください。
G検定とは
G検定とは、AIとディープラーニング分野に関連する民間資格のことで、正式名称は「ジェネラリスト検定」です。
- G検定はAIやディープラーニングに関する基礎知識を証明するための試験
- G検定同様の資格に、エンジニア向けのE資格がある
G検定の概要
G検定(ジェネラリスト検定)とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する資格です。G検定に合格すれば、AI・ディープラーニング活用のためのリテラシーを有していることを証明できます。近年ではビジネスにおけるAI活用が増え、AIやディープラーニングに関する知識の需要が高まっているため、G検定への注目度も上昇傾向です。
また、ジェネラリストとは、JDLAによれば「適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有している人材」を指しています。つまりG検定に合格していることは、AIおよびディープラーニング分野の知識が豊富だというだけでなく、それを業務に対して適切に運用できるということです。業務の効率化や最適化にも役立ちます。
G検定とE資格の違いとは?
G検定とE資格は、どちらもディープラーニングの活用に関して、リテラシーを有しているかを認定する点で似ています。しかし、試験で問われる内容には、知識の用途に大きな違いがあるといえるでしょう。
G検定は主にビジネス向けの資格で、ビジネスシーンでAIを活用する際に必要とされる、倫理や法律などを含む基礎知識に関する検定です。一方、E資格はエンジニア向けの資格で、AIを実装するための実践的な知識とスキルを問われます。
G検定の試験概要・試験日・出題範囲について
G検定を受けようと考える際は、試験の概要やスケジュールについて把握しておく必要があります。
- G検定は受験資格がなく誰でも受験可能
- 試験は、2024年は9回、奇数月に行われる
- 試験日の約8日前までに申込み、自宅で受験する
G検定の試験概要
G検定は受験資格に制限のない試験です。受験費用は一般と学生とで違い、それぞれ以下のとおりです。
- 一般:13,200円(税込)
- 学生:5,500円(税込)
G検定の日程・申込み期間
G検定は通常、奇数月に実施されています。2022年までは年3回の実施でしたが、2023年からは5回、2024年では9回に増加しているため、今後も変動の可能性があり受験時には確認が必要です。なお2024年の場合、開催日程は以下のとおりです。
- 2024年1月13日(土) 13:00~15:00
- 2024年3月8日(金) 16:00~18:00
- 2024年3月9日(土) 13:00~15:00
- 2024年5月11日(土) 13:00~15:00
- 2024年7月5日(金) 16:00~18:00
- 2024年7月6日(土) 13:00~15:00
- 2024年9月7日(土) 13:00~15:00
- 2024年11月8日(金) 16:00~18:00
- 2024年11月9日(土) 13:00~15:00
- 参考:G検定とは|一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】(https://www.jdla.org/certificate/general/)
G検定の出題範囲
G検定の出題内容は、以下の分野に分かれています。
- AI(人工知能)の定義や動向、分野における問題
- 機械学習の手法
- ディープラーニングの概要や手法、社会実装に向けて
- 数理と統計
G検定の問題数・時間
G検定の問題数は220問程度で、問題のタイプは多肢選択式の知識問題です。G検定の例題は、上記の協会のWebサイトで確認できます。また、試験時間は120分となっています。問題数を鑑みると解答時間が足りなくなることも多く、「実際に最後の問題まで到達することは難しい」という口コミも見られるため注意が必要です。
G検定の難易度・合格率
G検定は誰でも受験できるものの、簡単に合格できる試験ではありません。G検定の難易度や合格率は以下のとおりです。
- 難易度は職業や経験によって差が大きく、合格者の業種は偏りがある
- 合格率は60~70%程度で特に低いわけではない
G検定の難易度
G検定はIT未経験者でも合格可能ですが、知識や経験のない状態での合格は難しいでしょう。G検定の合格者は、以下の3業種のいずれかに従事している人が4割を占めます。
- ソフトウェア業
- 情報処理・提供サービス業
- コンピュータおよび周辺機器製造または販売業
一般的に、G検定は難易度が高いと考えられている資格試験です。G検定が難しい理由として以下の要素が挙げられます。
- 出題範囲が広い
- 専門知識が問われる
- 問題数に対して時間が短い
G検定合格に必要な学習時間
一般的に、G検定の合格に必要な学習時間は約30~40時間といわれています。しかし、これはG検定合格における平均的な学習時間であり、ITやAIの知識がない状態で合格を目指すのならば、さらに多くの学習時間が必要になるケースもあります。
反対に、すでにAIの基礎知識がある状態ならば、少ない時間で合格できる可能性があるでしょう。とはいえ、学習時間ゼロで合格できるほどの試験ではありません。
- 参考:キカガク|【G検定合格者が語る!】G検定とは?試験概要から学習方法までご紹介!(https://www.kikagaku.co.jp/blog/g-certificate)
G検定の合格率
G検定の合格率は、試験の実施回によって異なります。これまでの試験における合格率はおよそ60~70%です。2022年第1回G検定の合格率は62.1%となっており、一般的な資格試験や検定と比べて特段に低いわけではありません。
ただし、前述したようにIT業界従事者の合格者が多いことから、未経験者にとっては簡単に合格できる試験ではないといえます。
G検定学習によるメリット
G検定の内容を学習すると、専門的な知識が身について業務の幅を広げやすくなります。具体的なメリットは以下のとおりです。
- AIやディープラーニング関連の知識が得られる
- 業界・業種を問わず幅広い業務で学んだ知識を活用できる
- 需要の高い分野だけに、転職市場で有利になりやすい
AI・ディープラーニングの知識が身につく
G検定の合格に向けた学習によって、AIが発展した背景や事例、業務への具体的な活用方法を知識として身につけられます。AIやディープラーニングはメリットが注目されがちですが、セキュリティやデータ品質などの問題点もあります。AIやディープラーニングに関する誤った認識を排除し、正しい知識の習得にはG検定の学習が効果的です。
普段の業務に活用できる
業界・業種にかかわらず、今後はAIと無関係ではありません。G検定の学習を通してAIに関する知識が身につけば、業務効率化や成果向上につながるチャンスがあります。たとえば、AIを用いた商材に関して他社に営業する場合、前提知識があれば営業トークに説得力が生まれ、契約につなげやすいでしょう。
スキルアップや転職に活かせる
G検定の学習内容や資格は、転職やスキルアップに活かせます。現状、ITやAIに関連する人材は不足しているため、需要が高い分野です。G検定を取得していれば専門的なスキルを証明でき、転職でのアピールポイントとなる可能性は高いでしょう。需要の高まりに対して人材が少ない今こそ、G検定が活かせるシーンは多いといえます。
G検定の受験がおすすめの人
G検定の受験は、どのような業界の人にもおすすめできる試験です。日本ディープラーニング協会では「G検定を誰に勧めたいか」という調査を実施しています。調査結果によると、約40%にもおよぶ回答者が「働く業界に限らず、すべての人」にG検定を勧めたいと回答していました。
近年はAIが普及し、IT業界やAI関連の事業に従事している人はもちろんのこと、ITとは関連性のない業界であっても、仕事を効率的に進めるためにはAIの利用が欠かせません。また、仕事以外のプライベートなシーンでも、スマートフォンや家電などを中心にAIの利用場面が増え、業界や立場を問わずAIに関連する知識を身につける必要性が高まっています。
G検定の対策方法
G検定の試験を合格するためには、効果的な学習を行うことが近道です。具体的な対策方法は以下の2種類です。
- 日本ディープラーニング協会のテキストを使って自力で学習する
- 効率性を重視するならG検定対策講座の受講がおすすめ
独学で学習する
独学で合格を目指す際は「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」の公式テキストが役立ちます。G検定の試験内容は公式テキストからの出題となるため、出題範囲は全てカバーできるほか、価格が安く済むのも魅力です。
G検定の対策問題集や対策アプリなどもあり、知識のインプットとアウトプットを繰り返せます。ただし、独学は学習の自由度が高い反面、質問できる相手がいないため、難易度の高い問題でつまずきやすい点がデメリットです。
講座を受講する
G検定対策講座の受講により、知識を体系的に学ぶことが可能です。対策講座の教材やテキストは、G検定の公式テキストの内容が網羅されています。講座の内容で分からない点があっても質問できるため、早期に疑問が解消できるのもメリットです。
独学の場合、効率的に学習できなかったり、モチベーションを保てなかったりする人も少なくありません。講座は学習を継続していくための仕組みが用意されているため、短期間で合格を勝ち取りやすいといえます。
G検定を受ける前に
G検定を受ける前に、より簡単な試験を受けておくこともおすすめです。徐々に受験する試験の難易度を高め、ステップアップしていくことで、G検定の学習も無理なく進められるでしょう。
G検定の前に受けたい試験には、たとえば「ITパスポート」などがあります。「ITパスポート」はITの基礎知識や、システム活用のヒント、業務への活かし方などが身につく試験です。なかにはAIやビッグデータ、IoTの基礎知識も含まれているため、後々G検定にも役立ちます。
類似の関連資格
G検定にはいくつか類似した資格もあるため、G検定の前後で取得を検討してもいいかもしれません。より難易度が低いものとしては「AI実装検定 B級」や「統計検定 DS基礎」があります。前者はAIを実装するための基礎知識、後者はAIで使われるデータの処理や読み取りの知識などが問われる資格です。
より難易度が高いものに「AI実装検定 A級」「AWS 機械学習専門認定資格」「E資格」があります。G検定の取得後にステップアップするなら、E資格を目指といいでしょう。
まとめ
G検定は、昨今需要の高まるAIやディープラーニングに関連する知識が問われる資格です。資格取得によって現職でのステップアップはもちろん、就職や転職にも大いに役立ちます。ただし、ある程度AIの基礎知識がない人にとっては難易度が高い資格です。そこで、まずはITパスポートを取得し、G検定の基礎を固めるのがおすすめです。
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- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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