ITパスポート試験の難易度と合格率 | 受験に必要な知識・勉強時間まで解説
ITパスポートとは、ITに関する基礎的知識を証明する、経済産業省認定の国家試験です。試験の出題内容や、難易度・合格率について解説します。
個人情報保護法の対象となる個人情報が増え続ける中、個人情報を取り扱うさまざまなビジネスシーンにおける重要な存在、それが個人情報保護士です。本記事では、個人情報保護士を目指している人向けに、個人情報保護士認定試験の概要や試験の難易度、合格率、出題内容、個人情報管理に間連する資格などについて解説します。ぜひ参考にしてください。
企業が保有する顧客情報や従業員の個人情報は、外部からのサイバー攻撃や内部からの情報漏えいなど、さまざまなリスクにさらされています。そのような中で、個人情報保護に関する正しい理解と専門知識を有し、個人情報を適切に運用・管理するスキルを証明する資格として、個人情報保護士への注目が高まっています。
個人情報保護士は、個人情報保護法の全面施行に合わせて2005年から認定試験が始まった民間資格です。資格を得るには、個人情報保護士認定試験に合格して認定を受ける必要があります。
個人情報保護士認定試験の概要を以下の表にまとめました。
実施団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
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開催地域 | 札幌、仙台、東京、横浜、埼玉、千葉、名古屋、津、大阪、神戸、福岡、オンライン受験 |
年間実施回数 | 年4回(例年3月・6月・9月・12月) |
受験資格 | 国籍・年齢等に制限なし |
検定料 | 通常:11,000円(税込) 学割適用:7,700円(税込) ※この他、団体割引あり |
申し込み方法 | 協会から交付される受験申込書に所定の事項を記入して郵送で申し込むか、ホームページの専用フォームから申し込むことが可能。 ※申し込みの受付は先着順。定員に達した場合には、申し込み受け付け期間内でも断られる可能性あり。 |
支払方法 | クレジットカード払い・払込票・銀行振り込み |
試験科目 | 課題I:個人情報保護の総論(50問) 課題Ⅱ:個人情報保護の対策と情報セキュリティ(50問) |
試験時間 | 150分(課題I+課題Ⅱ) |
出題形式 | マークシート形式 |
合格基準 | 課題I:70%以上の正答率 課題Ⅱ:70% 以上の正答率 |
合格発表 | 試験日の約1ヵ月後に公式ホームページ上で発表 |
認定証書・認定カードの交付 | 認定証書は合格発表後1ヵ月程度で受験者個人宛てに交付 認定証書とあわせて認定カードを発行 |
有効期限 | 2年 ※所定の手続きにより有料で更新可能 |
個人情報保護士認定試験の出題範囲は、以下のとおりです。
課題 | 出題内容 | |
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課題Ⅰ 個人情報保護の総論 (50問) |
個人情報保護法の理解(40問) | 個人情報保護法の歴史 個人情報に関連する事件・事故 各種認定制度 個人情報の定義と分類 個人情報取扱事業者 条文に対する知識と理解 |
マイナンバー法の理解(10問) | 番号法の背景・概要 条文に対する知識と理解 |
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課題Ⅱ 個人情報保護の対策と情報セキュリティ (50問) |
脅威と対策 | 脅威と脆弱性に対する理解 |
組織的・人的セキュリティ | 組織体制の整備 人的管理の実務知識 |
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オフィスセキュリティ | 物理的管理の実務知識 | |
情報システムセキュリティ | 技術的管理の実務知識 |
本試験を実施している全日本情報学習振興協会によると、個人情報保護士認定試験の平均合格率は37.3%です。他の法律系の資格、たとえば司法書士の合格率が4~5%程度、行政書士の合格率が9~12%程度、社会保険労務士が6~7%程度であることを考えると、難易度ははるかに低いといえます。
合格の条件は課題ⅠおよびⅡでそれぞれ70%以上の正答率を達成することです。十分に勉強していれば問題なく合格できるでしょう。
個人情報保護士認定試験の合格に向けて勉強するにはいくつかの方法があります。方法ごとに異なる特徴について解説します。
1つ目が、通信講座を利用して学習する方法です。独学よりも費用はかかるものの、試験合格に向けて網羅すべき内容がすべて身につくよう体系的に組み立てられており、効率的に学習できるのが利点です。独学に自信がないと感じる人にはおすすめです。
個人情報保護士を目指す人向けに複数の通信講座が提供されています。それぞれ、料金やカリキュラムの違い、紙のテキストかeラーニングかという学習形態の違いなど、特徴が異なるので、自分に合った教材はどれかをよく検討しましょう。
2つ目の方法は、この試験の実施団体である全日本情報学習振興協会が開催する試験対策講習会への参加です。約6時間のカリキュラムを通じて、要点を絞って解説してくれるため、出題されやすい内容をしっかり把握できます。
実施団体によれば、この講習会の参加者は、他の受験者よりも高い確率で合格しているとのことです。十分な学習時間が取れない中でも一発合格を目指したい人におすすめです。
3つ目の方法は、公式テキストや参考テキストを利用した独学です。独学の場合、三日坊主にならないよう、厳しくスケジュールを管理し、モチベーションを維持する必要があります。自己管理に自信があり、自分のペースで学習を進めたい人、あるいは費用を抑えたい人には独学がおすすめです。
試験対策用にさまざまなテキストや問題集が出版されています。特に公式テキストは試験に向けてマスターすべき内容が網羅され、信頼性が高い教材です。
現在、企業において個人情報保護士としての専門的な業務を任されるケースはまだまだ少ない状況です。しかし、AIを用いたビッグデータ解析など、企業におけるデータ活用がますます増える中で、個人情報保護の責任者の設置は、多くの企業にとって将来的に死活問題になり得ます。
個人情報を適切に管理・活用できる専門家としての知識・スキルを備えた個人情報保護士は、現場のリーダーとして活躍できる可能性があります。
民間企業の中には、個人情報保護士の資格取得を推奨するところもあります。実際、多数の個人情報に触れる機会がある法務や人事、総務といった部門では、個人情報保護士のスキルを活かして活躍できるでしょう。
登録情報や購買履歴など多数の顧客情報が集積される通販会社や小売店、地域住民に関する膨大な個人情報を預かる地方自治体なども、個人情報保護士の資格が活かせる現場です。
個人情報保護士の業務との関連性が高く、あわせて取得しておくとより仕事の幅が広まる可能性がある資格を、いくつかご紹介します。
情報セキュリティ管理士は、個人情報保護士と同様、全日本情報学習振興協会が設定している資格です。試験では個人情報の管理に関する知識が問われます。ネットワーク技術者ら情報処理や情報セキュリティに関わるITの専門家はもとより、人事や総務、経理などの事務職、営業職、管理職など、幅広い職種において取得が推奨されています。
上級個人情報保護士は、全日本情報学習振興協会が設定している資格の一つで、個人情報保護士の上位資格にあたります。個人情報保護に関して、法律部分でのより深く正確な理解と、ビジネスの現場で直面する課題を適切に処理する実践力が問われます。
個人情報保護の専門家としてさらなるスキルアップを目指したい人におすすめの資格です。
マイナンバー実務検定とは、個人情報管理に関する資格の中でもマイナンバー制度に特化した資格です。マイナンバーにかかわるさまざまな法制度を適切に理解し、特定個人情報(マイナンバーやマイナンバーに対応する符号をその内容に含む個人情報)を保護し、適切に取り扱うための知識・スキルが問われます。
前述の情報セキュリティ管理士や上級個人情報保護士と同様、全日本情報学習振興協会から資格が付与されます。1級・2級・3級の3つのレベルが設定されています。
ITパスポートとは、経済産業省が認定している情報処理技術者試験のうち、入門レベルにあたる試験です。IT・ビジネスに関する基礎知識を有していることを証明する国家試験として、エンジニアを目指す人だけでなく、事務や営業職など、職種を問わず幅広い層に人気があります。
転職や就職でもアピールできるため、学生や社会人など、年間20万人を超える人が受験しています。
個人情報保護法下で保護すべき個人情報の種類が増え、企業による個人データ活用の幅も広がっている現在、内部からの情報漏洩は大きな脅威です。
個人情報保護の専門知識を有し、個人情報を適切に運用・管理できる人材として、個人情報保護士が活躍できるシーンは今後さらに増えるものと予想されます。
個人情報保護士を目指すには、通信講座や試験対策講習会、テキストや問題集を用いた独学など、いくつかの方法があります。
個人情報保護士は他の関連する資格と合わせて取得することで、今後の転職や就職の際にアピール材料として活用できるとともに、業務の幅も広がります。同じく人気が高いITパスポートと合わせての取得がおすすめです。
1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
独学でITパスポートに合格することは可能ですが、自己管理能力が必要となるため、よりスムーズに合格を目指すなら、通信講座の利用もオススメです。
ITパスポートとは、ITに関する基礎的知識を証明する、経済産業省認定の国家試験です。パソコンやインターネットを使うのが当たり前の時代。技術者だけではなく幅広い層に正しい知識が必要であることから、2009年4月に新設されました。Iパスとも呼ばれ、年齢、性別、職種を問わず人気資格です。