• 更新日:2024/07/10

高齢化が進む中で、介護や福祉関連の仕事に興味がわき、ケアマネジャーを目指したいと考える人も多いのではないでしょうか。この記事では、ケアマネジャーの仕事内容や給料、資格の取得方法などについて解説していきます。ぜひキャリアプランの参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • ケアマネジャーとは、要介護者のケアプランのマネジメントをする人。
  • ケアマネジャーになるには受験資格を得て試験に合格するのが最初のステップ。
  • 合格に必要な学習期間は最低6ヵ月程度。
  • 試験は毎年10月に1回実施される。

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?

ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」で、要介護者が自立した生活を送るために、ケアプランのマネジメントをする人を指します。国家資格ではなく、各都道府県が試験を実施し、資格証を交付しています。介護保険制度の知識に基づき適切なケアマネジメントを行わなければならないため、幅広い知識が要求されます。

主な職場は、自宅介護を受ける人のための介護サービスを展開している居宅介護支援事業所や、特別養護老人ホームなどの施設、自治体の介護相談の窓口となる地域包括支援センターなどです。また、介護用具のレンタル事業を展開している民間企業に勤める場合もあります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには?

試験に合格すればすぐにケアマネジャーになれるわけではありません。ここからは、ケアマネジャーになるためのステップを紹介していきます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験に合格

まずは、ケアマネジャー試験に合格することが最初のステップです。前述の指定業務で実務経験を積むことで受験資格を得られます。毎年1回行われる試験を受験し、合格を目指します。

介護支援専門員実務研修の受講・修了

ケアマネジャーになるには、試験に合格した後、介護支援専門員実務研修を受講し、修了する必要があります。所定の研修機関にて、講義形式と演習形式合わせて87時間の研修と居宅介護支援事業所での3日程度の実習を受けます。主な内容は、ケアプランの作成や、要介護認定するうえでの知識の習得など、ケアマネジャーとして働くためのより実践的なものです。

介護支援専門員資格登録簿への登録

研修を無事終えたら3カ月以内に、介護支援専門員資格登録簿に登録をする必要があります。各都道府県で申請先が違ったり、書類様式が異なっていたりするので、不測の事態に備えてできるだけ早めに登録しましょう。しかし、登録するだけではケアマネジャーになれません。後述の介護支援専門員証の交付を受ける必要があります。

介護支援専門員証の交付

介護支援専門員資格登録簿への登録の際、併せて介護支援専門員証の交付申請をします。申請後1カ月ほどで交付されることで、ケアマネジャーとして従事できるようになります。有効期間は5年間で、満了日までに研修を受けて更新する必要があります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格とは?

ここからは、ケアマネジャーの資格の詳細を見ていきましょう。取得方法や取得メリットなどを紹介していきます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の取得方法は?

ケアマネジャーの資格を取得するためには、試験への合格が必須です。試験の受験資格は、指定業務を5年以上かつ900日以上経験することで得られます。試験に合格した後、研修を受講して修了し、ケアマネジャーとして登録され資格証の交付がなされると、ケアマネジャーとして勤務可能です。

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の取得メリットは?

ケアマネジャーの資格を取得すればさまざまなメリットが生まれます。以下で見ていきましょう。


キャリアアップ

前述の通り、実務未経験では受験できないので、取得難易度は比較的高めです。そのため、介護業界のキャリアにおいて、一つの到達点ともいえるでしょう。

資格を取得すれば、仕事の幅が広がるのは間違いありません。介護の現場を離れ、ケアプランの作成業務などを一任されたり、利用者の情報に基づき的確なケアサービスの調整を行ったりと、介護の司令塔としても活躍できます。


就職・転職に有利

スキルの証明になるため、一度取得してしまえば、介護業界での信用度が全体的に上がるといえます。取得難易度が高めなので、持っていれば待遇面の向上も期待できるでしょう。


ワークライフバランスがとれる

ケアマネジャーの業務は、主に日中の勤務となるので、ライフスタイルを崩さずに勤務できます。利用者数によっては忙しくなることもありますが、利用者宅への訪問などもある程度調整しながらスケジュールを組めるため、時間の融通が利くでしょう。

また、結婚や育児などによるライフステージの変化に合わせて働きやすいため、魅力的な資格と言えます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格がなくなる?

「ケアマネジャー不要論」は、厚生労働省でケアマネジャーの資質の向上が議論されたことをきっかけに唱えられるようになりました。しかし、実際には廃止にするのではなく、研修内容や研修時間の見直し、国家資格化の意見があるなど、ケアマネジャーの資質を向上させる動きが見られます。

介護業界におけるその重要性を鑑みても、ケアマネジャーがすぐになくなるとは考えにくいでしょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験とは?

正式名称「介護支援専門員実務研修受講試験」、通称・ケアマネジャー試験は、毎年10月頃に年1回の頻度で実施されます。「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」からの出題で、計60問、マークシート形式(大半の都道府県で採用)による試験となっています。

それぞれの分野ごとに70%以上の正答率を獲得することが合格基準です。合格ラインは問題の難易度によって毎年調整されます。


ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験資格とは?

前述の通り、指定業務に定められた期間就いていれば受験資格が得られます。具体的には、医師、歯科医師、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士などの実務、または生活相談員、支援相談員、相談支援専門員などの相談援助業務を5年以上かつ900日以上経験しなければなりません。

2017年までは、介護職員初任者研修の資格を有し、かつ5年の実務経験がある場合、または資格がなくても10年以上の実務経験がある場合でも受験資格を得られましたが、2018年からは受験資格を得られる条件が狭まり、これらの場合には資格を得られなくなっています。


ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の難易度とは?

2023年(令和5年)のケアマネジャー試験受験者数は5万6,494人に対し、合格者数は11,844人で、合格率は21.0%となっています。合格率をみても、ケアマネジャー試験は介護福祉系の資格の中では比較的難易度が高いといえるでしょう。


ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の取得までの期間の目安とは?

取得のハードルが高い資格とはいえ、短期での取得も可能です。特に通信講座などでは短期での取得を目指したコースも複数あります。ユーキャンのケアマネジャー講座であれば、標準学習期間は6ヵ月と設定されており、無理のないスケジュールで合格を目指せます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の学習方法とは?

独学やスクールへの通学、通信講座などが学習方法として挙げられます。一定期間の実務経験が受験資格となっている以上、仕事をしながら適切なカリキュラムに沿って学習を進める方法がより効率的です。

通信講座ではカリキュラムが設定されており、独学よりモチベーションを維持しやすいといえます。通学より費用を抑えられる点もメリットといえるでしょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには最短でどれくらい?

ケアマネジャーの受験資格を満たしている場合

前述の通り、ケアマネジャー受験には受験資格を満たす必要があり、すでに満たしている方は最短で1年ほどでケアマネジャーになることができます。合格に必要な学習期間は6ヵ月ほどですが、合格発表まで約2ヵ月、試験合格後も介護支援専門員実務研修の受講や介護支援専門員資格登録簿への登録、介護支援専門員証の交付など、必要な手順が多いため、約1年ほど見ておいた方がよいでしょう。

介護福祉士資格を持っている場合

受験資格を満たす実務経験はないが、介護福祉士の資格を持っている場合、ケアマネジャーになるには最短で5年が必要です。ケアマネジャー試験の受験資格として「介護福祉士としての実務経験を5年以上(かつ900日以上)積むこと」が定められているためです。

介護福祉士の資格を持っていて、ケアマネジャー試験の受験を考えている方は、介護福祉士としての実務経験年数を確認してみましょう。パートや非常勤など雇用形態に関係なく、通算5年以上(かつ900日以上)の条件を満たしていればで試験を受けられます。

また、実務経験としてカウントできるのは、試験前日までとなっています。そのため、ケアマネジャー試験の申し込みをする時点で実務経験の条件を満たしていない場合でも、試験の受験は可能です。
ただし、介護福祉士資格を取得する前の介護業務は、実務経験にカウントされないため、注意が必要です。

無資格で介護業務未経験の場合

現在、無資格の場合、ケアマネジャーになるには最短で8年が必要です。前述のとおり、ケアマネジャーの受験資格の要件として「介護福祉士などの資格」と「5年(かつ900日以上)の実務経験」が必要となります。そのため、まずはケアマネジャー試験の受験資格を満たすために、介護福祉士の資格取得を目指すのが一般的です。 そして、介護福祉士の資格を取得するには「介護現場で3年以上の実務経験」と「介護福祉士実務者研修の修了」が必要です。ですから、無資格でかつ介護業務が未経験の方が、ケアマネジャーになるには最短で8年程かかります。長い道のりに感じますが、ケアマネジャーは介護系職種の中でも給与が高い職種であり、キャリアアップの面でもメリットが大きく、目指す価値がある資格といえます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の試験日は?

ケアマネジャーを最短で目指す場合、ケアマネジャー試験の試験日や試験申し込みに関するスケジュールを事前にしっかり確認しておきましょう。ケアマネジャー試験は毎年10月に1回のみとなりますので、逃さないよう注意が必要です。

例年のスケジュールは以下の通りです。

4~5月頃:受験詳細の公表・受験申込書類の取り寄せ

受験するためには受験する都道府県より『受験要項』を取り寄せる必要があります。4~5月頃に配布時期・受験申込受付期間の詳細が公表されます。早いところで5月中に配布が始まりますので早めに取り寄せましょう。
受験詳細の公表や申込み手続き期間は都道府県によって異なります。受験する都道府県を決めて、各都道府県のホームページや広報紙などを確認するようにしましょう。

5~7月頃:受験の申込み手続き

申込みにあたっては、実務経験を証明する証明書も必要になります。揃える時間も考慮して、早めに準備しましょう。

試験の約1ヵ月前:受験表の発送

申込み書類は審査され、問題なければ、受験票が送付されます。受験票を受け取ったら、試験会場を確認しましょう。

10月:本試験日

試験は午前10時~12時までの120分間です。
※点字受験者は1.5倍、弱視等受験者は1.3倍の試験時間で実施。

11月下旬~12月上旬:合格発表

郵送で合否が通知されます。ホームページに掲載される都道府県もあります。

まとめ

ケアマネジャーの資格は取得難易度が比較的高いため、効率良く学習を進める必要があります。

2001年度~2022年度で84,352名の合格者を輩出したユーキャンのケアマネジャー講座なら、オリジナル教材「でるケアBest200」で過去の出題傾向をつかめるので、初めてでも無理なく短期合格を目指せます。また、教育訓練給付制度の対象講座なので、制度を利用すれば学費の20%が支給されます。ぜひ、受講を検討してみてはいかがでしょうか。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

ケアマネジャー試験は独学で合格できる?

ケアマネジャー試験は独学でも合格可能です。ただし、モチベーションの維持が難しいといったデメリットもあるため、独学で続けられるか不安な方には、通信講座や通学講座がおすすめです。

ケアマネジャー試験の難易度は?

ケアマネジャー試験の合格率はわずか10~20%ですので、他の介護系資格と比較して難易度は高いといえます。

ケアマネジャーの就職先は?

主な職場は、自宅介護を受ける人のための介護サービスを展開している居宅介護支援事業所や、特別養護老人ホームなどの施設、自治体の介護相談の窓口となる地域包括支援センターなどです。また、介護用具のレンタル事業を展開している民間企業に勤める場合もあります。

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ケアマネジャー(ケアマネージャー)とは、介護保険制度の中核を担う資格です。介護を必要とする方と、福祉・医療・保健のサービスとを結ぶ「架け橋」となる重要な役割を担っています。超高齢社会の今、要介護者の増加によって、ケアマネジャー(ケアマネージャー)の需要は高まっています。現在、介護福祉士や社会福祉士など介護・福祉関連の仕事に就いていて、キャリアアップを目指したい方におすすめの資格です。ケアマネの資格の取得によって、ケアプランの立案、サービスの調整、モニタリングなど、扱える業務の幅が大きく広がります。有資格者は、介護業界における就職・転職はもちろん、結婚・出産後の再就職にも有利です。
ユーキャンのケアマネージャー講座は、効率よく学べる工夫が満載。試験の出題傾向に沿ってムダなく学べるテキストに加え、特に試験に出がちな重要なポイントをコンパクトにまとめた「でるケアBest200」などの便利な副教材も充実。ケアマネジャー試験は、5肢複択でほとんどの都道府県が論文試験や実技試験がないマークシート方式を採用。解答しやすい試験と言えます。本講座で、合格のポイントをきちんと押さえながら学習を進めれば、初めてでもムリなくケアマネ試験合格を目指すことができます。働きながらでも無理なく学べるカリキュラムなので、忙しい方も安心して受講できます。