特定行政書士とは?行政書士との違い
特定行政書士の概要や不服申し立て手続きの代理業務、想定される事例、なるための方法などについて解説します。
行政書士とは、官公署に提出する書類の作成や提出手続きの代行などを行う専門家です。行政書士を始めとした士業はバッジをつけるため、バッジにあこがれを持っている人もいるのではないでしょうか。この記事では、行政書士のバッジの特徴や手に入れる方法、その他のバッジの特徴などを解説するため、ぜひ参考にしてください。
行政書士のバッジは、行政書士であることを示すためのものです。一般的にはバッジと呼ばれるケースも多いですが、正式には「徽章(きしょう)」と呼びます。
行政書士は、官公署に提出する書類を作成したり、提出手続きの代行をしたりと、法律系の士業のなかでも業務範囲が広く、国民に密着したサービスを提供しています。
行政書士の業務は多岐にわたりますが、街の法律家としての親しみや困っている人の心に寄り添う謙虚さ、真心を持って職務に当たることが大切である、という思いが込められているようです。行政書士会に入った後に、桐箱に入ったバッジが手渡されます。これから行政書士として困っている人のサポートをする、という決意を噛みしめる人も多いようです。
行政書士のバッジのモデルはコスモスです。コスモスの花びらと行政書士の「行」という字が篆(てん)書体でデザインされています。篆書体とは、漢字の書体の一種で、重厚かつ風格のある印影を形作ります。
元々は古代中国で使われていた書体ですが、日本に伝わり現在でも重要度の高い印鑑などで使われています。古代文字の書体は、伝統や歴史を感じられるでしょう。
コスモスの花びらと中央部分に「行」の字というシンプルなデザインではありますが、洗練されており気品が感じられるデザインです。行政書士のバッジは、ネジ式とピン式があります。自分でどちらかを選択することができるため、着けやすいほうを選ぶといいでしょう。
バッジのデザインは、行政書士の役割や使命を表すもので、「調和と真心」という意味があります。これは、コスモスの花言葉からきています。コスモスの花言葉は「調和」と「移り変わらない心」となっており、この花言葉が由来となりました。
調和と真心は、行政書士の使命にもぴったりと当てはまります。行政書士会連合会では、行政書士の使命を以下のように定義しています。
バッジを持つのは行政書士だけではありません。たとえば、社会保険労務士や公認会計士、税理士、弁護士などといったその他の士業もバッジを持っています。それぞれの使命をわかりやすく表したデザインとなっており、各士業によってデザインは変わります。
弁護士の場合には、「自由と正義・公正と平等」を表したデザインが特徴です。バッジには、ひまわりと天秤がデザインされており、ひまわりが正義と自由、天秤が公正と平等を表しているようです。税理士のバッジにデザインされているのは、日輪に桜です。
外側を縁取る縁が日本の「日」を示しており、日本の国花である桜をあしらうことで、「日ともにどこまでも進行(隆昌)する」という意味を表しているとされています。
弁理士のバッジには「正義と国家繁栄」という意味が込められており、菊と桐がデザインされています。菊が正義を、桐が国家繁栄を意味します。このように、士業にはそれぞれバッジがあり、各士業の使命を表したデザインが施されています。
行政書士は、業務中は行政書士のバッジを着用することと決められています。これは、行政書士徽章等規則第3条第1項によって定められた規則です。しかし、実際には普段は着用していないケースもあるようです。普段から着用している人やまったく着用しない人、式典や行事などの公の場でしか着用しない人など、人によってさまざまです。
着用義務は行政書士会のルールで、法律ではありません。そのため、着用しなかったからと言って罰則などもなく、普段は着用しないという人も一定数いるようです。しかし、バッジをつけることで行政書士としての自覚をより強く持てたり、気が引き締まったりするといったメリットもあります。また、バッジを着けていることで仕事につながる可能性もあるため、特別な事情がない場合は着用しておくといいでしょう。
行政書士のバッジはどのように入手すればいいのでしょうか。実は行政書士のバッジは無料で支給されるものではありません。行政書士バッジの入手方法は以下のとおりです。
行政書士試験に合格した後は、行政書士会に行政書士登録を申請して登録・入会します。入会後には新入会員登録交付式と説明会が行われますが、その際に行政書士バッジが3,000円で販売されます。木製の立派な箱に入れられて渡されるため、特別感やバッジの重みなどを感じられるでしょう。
オークションサイトやフリマアプリで、行政書士のバッジが出品されているケースもあります。ただし、そのバッジが本当に本物なのかどうかはわかりません。なかには偽物のバッジを販売しているケースもあり、見極めが難しいです。
偽物を購入してしまう可能性も捨てきれないため、行政書士会から購入したほうが安心でしょう。オークションサイトなどを活用する際には、自己責任です。リスクを考慮するなら、利用は控えたほうが無難でしょう。
破損や紛失した場合には、行政書士会で新しいバッジを購入できます。バッジを再交付する際には、会員証と行政書士徽章再交付申請書が必要となるため、事前に用意してから申請するといいでしょう。再交付にかかる費用も3,000円程度です。
特定行政書士の資格を取得するメリットは、おもに3つあります。1つ目は不服申し立てに関する知識が身につくことです。2つ目は業務領域を拡大でき、案件獲得が期待できることです。3つ目としては研修に参加するなかで向上心の強い行政書士とのつながりが生まれることが挙げられます。
特定行政書士バッジとは、特定行政書士として認定された人が持てるバッジです。
特定行政書士制度とは行政書士でも、行政不服申立て手続きの代理業務が行える制度です。
本来、不服申立てなどの手続きは、法的な手続きとなるため弁護士しかできない業務とされていました。しかし、平成26年12月27日に行政書士法改正が施行されたことで、特定行政書士制度が始まりました。これにより、特定行政書士として認められた場合は、不服申立て手続きの代理業務が可能となります。
特定行政書士の資格を取得するには、日本行政書士会連合会が実施する法定研修の過程を修了したうえで、認定試験に合格しなければいけません。認定試験に合格することで、特定行政書士として認定されます。
特定行政書士のバッジは、表のデザインは行政書士のバッジと変わらずコスモスの花びらと「行」の字がデザインされています。しかし、大きさが異なり行政書士のバッジよりも、ひと回り大きくなっているため、より存在感があります。
また、純銀製で作られており裏には5桁のシリアルナンバーが入っています。紛失した際には届出が必要となるため注意しましょう。購入は行政書士向けのネット通販から行えますが、年1回の受注期間内に注文する必要があります。
行政書士に関連するバッジとしては、補助者バッジも挙げられます。この項目では、補助者とは何なのか、補助者バッジの特徴を解説します。
補助者とは、行政書士の仕事をサポートする人を指します。たとえば、行政書士が依頼を受けた書類の下書きや書類の提出、顧客対応などの業務を行うことになるため、一般的な事務員とは業務内容が異なります。補助者は行政書士の資格を有していなくても、行政書士の監督下で行政書士業務を行えます。ただし、行政書士会に補助者として登録しなければ、補助者として認められません。補助者として名乗ったからといって、誰でも補助者になれるわけではないため注意しましょう。
補助者のバッジのデザインは、行政書士とは異なります。コスモスの花びらがデザインされている点は共通ですが、中央には「補」という字が入っています。また、補助者バッジの色は銀です。行政書士バッジは金色になっているため、違いがわかりやすいでしょう。補助者として登録されることで会員証とバッジが送付されてきます。
行政書士のバッジには、ひまわりと「行」の字がデザインされており、「調和と真心」という意味が込められています。行政書士のバッジは、行政書士登録後に行政書士会から購入できます。オークションなどに出品されているケースもありますが、偽物の可能性もあるため推奨はできません。
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