問題解決能力とは?問題解決能力の高い人の特徴、問題解決の流れ、鍛える方法を徹底解説

  • 問題解決能力とは?問題解決能力の高い人の特徴、問題解決の流れ、鍛える方法を徹底解説

    公開日:2024.12.27

    更新日:2024.12.27

    問題解決能力とは、企業や個人が抱える課題・問題の原因を特定し、その正しい解決策を考案し、実行していく能力のことです。社員一人ひとりの問題解決能力が高くなると論理的思考力や批判的思考の展開が早くなり、的確な判断と改善策の決定へとつながります。この記事では問題解決能力の概要、種類、問題解決能力を高める方法、問題解決へと導くための手順などを詳しく解説します。

問題解決能力とは何?

問題解決能力は企業や個人が抱える課題・問題の原因を特定し、その正しい解決策を考案し、実行していく能力です。問題解決能力は業務効率に大きな影響を与えるものであり、この能力が高い人ほど素早い判断と的確な指示ができるようになります。経験豊富な社員ほど知識やスキル、経験に基づいて、適切な問題解決の方策を見つけ出せる傾向があります。

問題解決能力が高い人の8つの特徴

ビジネスシーンにおいて、問題解決能力の高い人には次のような特徴があります。

・問題の原因を深く考えられる
・論理的思考力が高い
・柔軟な発想力を持っている
・決断力と実行力がある
・コミュニケーション能力が高い
・ベネフィットとリスクのバランスを重視する
・振り返りや改善を日常的に行っている
・学習意欲が高い

こうした特徴を持つ人は、直面する問題に対しても正面から向き合い、正しい解決策を見つけ出す能力に長けている傾向があります。

問題解決能力が低い人の8つの特徴

問題解決能力の低い人にはどんな特徴があるのかについてもみていきましょう。

・物事の表面だけを捉えている
・論理的思考力が低い
・対応の柔軟性が低い
・コミュニケーションが苦手
・批判はするが代替案を出さない
・行動に移すまでが遅い
・振り返りや反省をしない
・学習意欲が低い

上記の特徴に多く当てはまる人は、問題解決能力が低い人である可能性があります。

問題解決能力が求められる問題の種類

問題には3つの種類あるとされ、「発生型」「設定型」「設定型」に分けられます。それぞれどのような問題で、どこに原因があることが多いのかを紹介します。

1.発生型

発生型の問題とは、人が意図しなくても自然に発生する問題です。発生型の問題は目に見えやすく、原因も分析しやすいことから解決策も出しやすいとされています。例えば、営業での利益が落ちた場合です。この場合、営業の利益が減った原因が何かを分析するのは比較的容易であり、原因さえ把握できれば改善策も見出せるでしょう。注意したいのは、見えている問題に注目し、隠れている問題を見落としてしまうケースです。問題の本質的な原因を追及することが、発生型の問題を解決するために重要となります。

2.設定型

設定型の問題は、自ら目標を設定し、目標達成までに生じる問題のことを指します。発生型とは違い、自らの目標やゴールを設定して問題を発見していく点が特徴です。ここでの問題とは、目標という理想を達成するまでの道のりにおける、現実とのギャップを意味します。例えば医師になるという目標を設定した場合、医学部へ進学するために苦手科目を克服すること、勉強時間の確保や効率的な学習スタイルを発見することなどが課題と考えられます。設定型の問題は設定した目標へ向けて、自ら努力して解決へと向かっていくことが重要です。

3.潜在型

潜在型の問題は、表面化していないけれど将来発生する可能性が高い問題です。例えば、1つのミスで大きな問題が発生する可能性のある事象に対し、チェック機能が十分に働いていないケースが考えられます。チェックでひとまずは問題を回避できていても、わずかな見落としがあればそれが大きな問題へとつながります。潜在型の問題は問題が発生してから気付くパターンが多いため、ミスにつながる前のインシデントや、業務の中で課題と感じる部分を発見し、PDCAを回したり、早期に改善策を検討したりすることが重要となります。

問題解決能力を高めるメリットとは?

問題解決能力を高めることで、企業や社員にどんなメリットがあるのか紹介します。

社員の思考力が高まる

問題解決能力の高さは社員の思考力を高め、問題の根本的な原因を探る能力を高めることにつながります。ビジネスの問題を解決するには、論理的思考力や仮説思考が必須だからです。問題解決能力を突き詰めることで、現在の状況を情報から客観的に判断し、最適な解決策を見出していくことができるでしょう。

対応能力が高まる

問題解決能力が高まると、物事に対する対応能力も身につきます。問題解決能力とは柔軟な思考により問題の解決方法を探る能力であり、思考の過程でさまざまな状況を想定します。想定していない状況であっても、問題解決能力が高ければ、原因を分析して最適な対応ができるようになります。

仕事の質が向上する

仕事の質も、問題解決能力の向上に比例して高まっていきます。ビジネスの世界は変化が激しく、外部環境の変化で問題が生じることもあります。外部環境の変化によって生じた問題であっても、自社で対応して臨機応変な対応をしなければ、成長を続けるのは難しいでしょう。問題解決能力の高い社員が多ければ、状況に合わせて良い方向へと導き、生産性の高い仕事をしてくれることが期待できます。

問題解決を行う流れ・手順

問題を解決するには、適切な手順を踏むことが大切です。問題解決までの流れを3つの工程で紹介します。

1.問題の本質を正しくとらえる

問題を解決するには、まず問題の本質は何かを正確に捉えることが重要です。この段階で間違っていると、その後の思考や解決策も本質からズレてしまうため、非常に重要な工程です。

ここでの「問題の本質」とは、問題の根底と発生している問題を構造的に分析し、因果関係を論理的に結びつけることを指します。例えば次のようなケースでは、問題解決能力の高い人と低い人では問題の本質の捉え方にさまざまな違いがあります。

【市場調査で顧客満足度が低いという結果が出た】
・問題解決能力の低い人:「社員の仕事の質が低いせいだから、業務プロセスを効率化しよう」「顧客への接遇を改善するために接遇研修を行おう」
・問題解決能力の高い人:「そもそも、なぜ顧客満足度が低くなったのか分析しよう」「これまでの顧客と今の顧客のニーズにどんな違いが出ているのだろうか」
問題解決能力が低い場合、結果への対策こそ講じますが、対症療法のような対応となりがちです。根本的な問題を解決するには、目の前の事象がなぜ起こっているのかを考え、結果とのつながりを論理的に捉える力が求められます。

2.解決策の決定と道筋の計画

問題の本質を洗い出したら、次に具体的な解決策の決定と解決までの道筋を計画します。解決策の決定や計画では、MECE(ミーシー)やロジックツリーを活用して合理的な解決策を決定し、無駄のない計画を立案することが重要です。先述のケースでいえば、現在の顧客にはどんな不満があるのか、商品やサービスの品質、顧客対応などどの部分に課題があるのかを分析するのがポイントです。顧客の不満やニーズに対して、会社として適切な答えを出せていないからこそ不満や問題につながることはよくあります。自社が行ってきた対応で足りない部分、どのような顧客に訴求したいのかを検討し、綿密な計画の下で実行しましょう。

3.批判的思考の習得

批判的思考とは、前提事実を明確にしつつ、多角的かつ論理的に物事を捉える思考法の一種です。批判的といっても、本当に批判するのではなく「本当にこれで正しいのか」「なぜそうなったのか」と疑問を持ち続ける思考を指します。批判的思考は自分の主観や感情を排除し、事実だけに基づいて意思決定する点が特徴です。人間の思考は主観や感情に大きく左右されやすいため、チームで問題解決に取り組む際も、批判的思考ができる人材は必要です。批判的思考を習得して問題の解決策について検討し、効果的な施策を打ち出しましょう。

問題解決能力を高める方法

ビジネスシーンで問題解決能力を高める方法を3つ紹介します。

参考書や周囲の人から学ぶ

問題解決能力を高めるためにすぐできる方法の1つに、参考書や周囲の人から学ぶというものがあります。職場の中に問題解決能力の高い人がいるなら、その人の考え方や行動を観察してみるのがおすすめです。問題解決能力の高い人は論理的思考にも優れており、無駄のない考え方や行動をしているパターンが多いからです。まずは周囲の参考にできる人を真似てみて、そこから自分なりの問題解決方法を確立していくのがよいでしょう。また書籍にも問題解決能力や批判的思考について書かれたものがあるため、書籍で知識を得るのも効果的です。ただし、書籍で得た知識はアウトプットしなければ身につきません。知識をインプットしたら、仕事や日常生活でアウトプットのトレーニングを行いましょう。

「なぜ」を考えながら過ごす

問題解決能力を高めるには、日頃から「なぜ」という批判的思考を巡らせることが大切です。 問題解決能力は急に身につくものではなく、日頃から疑問を持つことで問題の本質や原因を見抜く目が養われます。ビジネスシーンにおいても、ちょっとした「なぜ」を持ち続けることで、論理的思考力と問題解決能力が高められます。また「なぜ」と考える思考を身につけていれば、予想外のトラブルが発生しても、即座に対応する能力も向上するでしょう。

日常に潜む問題と原因を探す

問題解決能力を高めるには、日常生活に潜むさまざまな問題と原因を探す方法も効果的です。日常生活にある問題と原因を探り、自分なりの解決策を決定しましょう。例えば「毎月2万円のお小遣いがあるが、すべて使い切ってしまう」という問題があるとします。この場合、お小遣いを何に使っているのか、なぜ足りなくなるのか、お小遣いからいくら貯金したいのかといった原因と目的を洗い出すことから始めます。さまざまな情報を集めていくうちに、どうすれば目標を達成できるのか考えるようになり、正しい解決策へとたどり着けるようになるでしょう。問題解決能力はトレーニングの積み重ねで高められますから、日常で問題だと思ったことは原因を探り、解決策を見つける習慣を身につけてください。

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まとめ

問題解決能力はビジネスでもプライベートでも、企業や個人においても重要な能力です。問題解決能力を高めることで直面するさまざまな問題を効率的に解決し、企業価値やキャリアを高めるうえでも役立ちます。一方で、この能力を高めるには日々のトレーニングはもちろん、自己学習も重要です。毎日の業務でも論理的思考を巡らせながら取り組み、振り返りと改善点を発見する努力が欠かせません。まずは自分自身やチームにどんな課題があるか洗い出し、自分なりの解決策を考えてみましょう。小さな課題でも、解決策を考えることがトレーニングとなり、問題解決能力が高まります。

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