新入社員教育に必要なポイントは?教育方法の具体例も解説!

  • 新入社員教育に必要なポイントは?教育方法の具体例も解説!

    公開日:2024.07.12

    更新日:2024.07.12

    新人教育とは新入社員向けに行う研修・教育のことで、一般的に4月からスタートします。数日で終わるものから数か月続くものまで、企業によってさまざまな研修が行われます。この記事では新人教育について、教育に必要なスキルから育成のポイント、育成方法まで新人教育に必要な内容を解説します。

新人教育の目的

多くの企業では4月に新人が入社し、入社に合わせて研修が本格化します。新人には社会人としての経験がなく、社会人の常識が十分に身についていないことも珍しくありません。そこで重要になるのが新人教育です。 新人教育には、会社の理念や風土、価値観などを理解してもらい、業務に必要なスキルと知識を身に着け、環境に適応するための下地をつくるといった目的があります。また、同じ新人同士の顔合わせとチームワーク、人間関係を構築するという目的もあります。会社で働くにはチームワークや報連相、リーダーシップも必要です。新人教育を通して会社で必要なスキルを理解してもらい、組織運営に必要な人材へと成長してもらうことが重要なポイントです。

新人教育を行う上でのポイント5つ

新入社員向けに新人教育を行う場合は、成長を促すとともに、会社に定着できるようにカリキュラムを組むことが重要です。
新人教育のポイントを5つに分けて紹介します。

・仕事の意義・目的への理解を促進する
・業務手順と全体の工程を俯瞰して伝える
・手本を見せながら実際の業務をこなす
・業務に対する評価とフィードバックを行う
・チェックシートで理解度や進捗状況を振り返る

仕事の意義・目的への理解を促進する

社会人になってからは、勉強のように決まった答えはなく、毎日の業務に自分なりの意義ややりがいを見つけていく必要があります。1つのミスが信頼や業績を左右することもあるため、常に真剣に取り組まなければなりません。新入社員によくある傾向として、学生気分が抜けず、仕事へのモチベーションが低いという問題があります。新人教育では会社の仕事にはどんな意義があるのか、会社が社会に対してどんな責任を持っているかを伝えることが大切です。また、一つひとつの業務にどんな目的があるのか伝えることで、新入社員は仕事へのモチベーションを高められるでしょう。

業務手順と全体の工程を俯瞰して伝える

新人教育を行う際は知識を詰め込むだけでなく、どのような手順で業務を進めるのか、全体の工程はどうなっているかを伝えることも重要です。進め方としては、まず全体の工程を実際に見ながら説明し、次に細かな業務手順を説明します。全体の工程を確認することで、新入社員が自分の業務の意味を理解し、前向きに取り組めるようになるからです。ただし業務手順を教える際はすべてを一度に伝えるのではなく、理解を促すために少しずつ教えることがポイントです。一度に教えてもすべてを理解して習得することは困難どころか、モチベーション低下を招きかねません。また新入社員が指導内容を振り返れるように、説明内容はマニュアル化しておきましょう。マニュアルには、フローチャートなどの図を用いると理解が促進できます。

手本を見せながら実際の業務をこなす

新人教育では先輩社員が実際の業務の手本を見せながら、業務をやらせてみる方法が効率的です。 先輩社員が実演することで具体的な進め方が理解でき、業務をこなす際の参考になります。手本を見せる際のポイントは、教えるべき内容と自分で考えるべき内容を区別することです。すべてを教えてしまうと新入社員の成長につながらず、言われた通りのことしかできなくなる可能性があります。最初は上手くできなくても、取り組む中で生じる疑問を相談するよう促し、コミュニケーションを取ることが大切です。

業務に対する評価とフィードバックを行う

新入社員が業務に取り組んだら、その成果に対して評価を行い、フィードバックしていくことも必要です。取り組んだ業務の中でできた部分を評価し、できなかった部分には改善策の提案やフィードバックを行いましょう。評価を行う際は、できなかったことを叱責するのではなく、どうすれば次は上手くいくかを一緒に考えることが大切です。新入社員は慣れない業務に戸惑いながら進めているため、できないことの方が多くて当然です。失敗を叱責するとモチベーションを低下させ、自己肯定感を下げるおそれがあります。
「どうすれば次につながるのか」をアドバイスすることで、仕事へのモチベーションアップにつながります。

チェックシートで理解度や進捗状況を振り返る


新人教育では定期的に上司との面談を行い、チェックシートを用いた振り返りも行いましょう。新人教育の内容をどの程度理解できているか、現在の進捗状況がどうなっているかを管理者が知ることは重要です。理解が不十分なままで進んでしまうと、言われたことしかできない社員になるおそれがあります。時間はかかっても、一つひとつをチェックシートで振り返り、理解の状況を把握してください。ただし、モチベーションを維持しながら働いてもらうためにも、細かい内容にこだわりすぎないことが大事です。

人教育に用いられる主な手法

現代の新人教育には、さまざまな方法があります。その中でも多くの企業で用いられており、効果的とされている教育手法を3つ紹介します。

Off-JT

Off-JTとは「Off the Job Training」の略称で、職場外で行う研修や教育のことを指します。一般的な研修は社内で、先輩社員によるスキルの実演や講義が中心です。Off-JTは社外の専門講師に依頼し、ビジネススキルや体系的な学習を行うことを目的にしています。新人教育ではビジネスマナーをOff-JTで行うケースが多く、1日で学ぶ内容もあれば、数か月かけてじっくり学ぶ内容もあります。ただしOff-JTは外部に依頼する分、コストも発生する点には注意が必要です。

OJT

OJTとは「On the Job Training」の略称で、現場での業務を通じて実践的な学びを得る教育です。Off-JTとは逆に、職場内での業務から学ぶことになるため、多くの新入社員にとっては身近な手法といえるでしょう。指導者は先輩社員が担当するのが一般的で、業務のノウハウを振り返りながら指導します。Off-JTに比べて低コストで、業務時間の合間に行いやすいというメリットがあります。営業職や技術職など、幅広い職種で活用できる点もメリットです。反面、指導者の力量によって教育の成果が変わるため、先輩社員にも一定の指導力が求められます。

集合研修

集合研修は、社内で行うOff-JTのことです。社内の会議場や講堂など、広い場所を利用して社員に講義や演習などを行います。低コストで実施できることに加え、新入社員同士の結束につながる点がメリットです。研修を通じて、同じ学び、同じ時間を共有することで、新入社員同士の仲が深まっていきます。仕事外でも遊んだり、悩みを相談したりするようになり、お互いの存在が心の支えやモチベーションになることもあるでしょう。ただし集合研修もOJT同様、 Off-JT は指導者のスキルが求められます。講師となる社員は十分な経験を持つこと、指導力が高いことが重要です。社内に適切な人材がいない場合は、講師に来てもらうケースもあります。専門的な内容を学ばせる場合は、外部講師に依頼するのがおすすめです。

業務を通して教育を行うOJT制度

業務を通して学ぶOJTには、指導者側にも一定のスキルが求められます。OJT制度を用いる場合に、指導者に求められるスキルを紹介します。

コーチング・ティーチング

コーチングはアドバイスを与え、自ら答えを見つけられるように導くことです。一方、ティーチングは答えを教えることを意味します。 コーチングは教え導く必要があるため、高いスキルが求められます。OJTをカリキュラムに組み込む場合は、コーチングが必要不可欠になるため、OJT担当の社員向けに研修を用意しましょう。ティーチング・コーチングの得意・不得意は人によってさまざまですが、どちらのスキルも経験を通して高められます。新人教育を成功させるためにも、社員向け教育でスキルを学んでもらうことが大切です。

メンタルケア

新入社員は慣れない仕事や環境に置かれ、失敗することもあります。失敗で落ち込み、挫折してしまう新入社員も珍しくありません。そのため上司や先輩社員にメンタルケアについて学ばせ、新入社員の悩みを軽減できる体制を整えましょう。特にOJTは新入社員と指導者が1対1で行うため、外部からは何が起こっているか把握しにくいことがあります。

異変を早期発見するためにも、組織が一丸となってメンタルケアへの理解を深めることが大切です。

まとめ

新入社員の教育について、目的やポイント、代表的な手法、スキルなどを解説しました。
組織の基盤を強化し、生産性を高めるには新人教育が必須です。 しかし自社にとって適切な方法で学びを提供できないと、新入社員のモチベーション低下を招くおそれもあります。新人教育でどのような効果を期待するのか、どんな成長を遂げてほしいのかを明確にすることで、効果的なカリキュラムを計画できるでしょう。

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