ダイバーシティ研修とは?【具体例あり】必要性や内容、注意点を解説

  • ダイバーシティ研修とは?【具体例あり】必要性や内容、注意点を解説

    公開日:2024.04.01

    更新日:2024.04.01

    ダイバーシティ研修は年齢・性別・人種・障害の有無などに関係なく、誰もが自分の能力を活用できる職場環境を実現するために必要な研修です。 人は自分と異なる特性や視点をすぐに受け入れることは難しいため、ダイバーシティ研修を通して働く人の多様性を理解し、視野を広げることが目的です。本記事ではダイバーシティ研修について、概要や具体的な種類と内容、注意点などを解説します。

ダイバーシティ研修とはどういうものか?

ダイバーシティは多様性を意味する言葉で、年齢、性別、国籍、人種、障害の有無などの異なる特性を持つ人材が、社会や国、組織、集団、職場、チームなど特定の枠組みの中で共存している状態を指します。
社会においては、それぞれの能力を最大限発揮して、企業の競争力の向上を目指すことを意味します。ダイバーシティ研修は、さまざまな特性や価値観の違いを理解し、相互理解を深めていくことが主な目的です。日本では終身雇用制が主流だった影響で、古い価値観や企業風土がそのままに残っている企業も少なくありません。
また単一の価値観しかない企業では、イノベーションにもつながりにくくなります。ダイバーシティで違った視点が入れば、イノベーションを巻き起こす可能性も期待されます。
ダイバーシティ研修は異なる文化・社会的背景を持つ人であっても、組織の一員として広く受け入れるための土壌を醸成するために必要な研修といえます。

ダイバーシティが必要とされている理由

なぜ近年になってダイバーシティが注目され、必要とされているのか理由をみていきましょう。

・人材不足の解消
・グローバル化への対応
・視野を広げる

3つの理由とその背景を紹介します。

人材不足の解消

ダイバーシティが必要とされる1つ目の理由は、日本社会の人材不足の解消です。
日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少局面に入ったとされています。生産年齢人口が減少することは、労働力人口の減少も加速するため、企業の大小に関係なく、どの企業でも人材確保は重要な課題です。そこで国の内外や人種、障害の有無を問わないダイバーシティを実現することで、人材不足解消につなげようとする狙いがあります。異なる背景を持つ人々であっても、お互いの配慮によって本来の能力を十分に発揮し、企業の成長に貢献してくれることが見込めます。

グローバル化への対応

ダイバーシティが必要とされる2つ目の理由が、グローバル化への対応です。
海外では多様性を認めたダイバーシティだけでなく、個々の能力を業務に活かすインクルージョンを重視する潮流が強まっています。日本ではダイバーシティの推進が叫ばれていますが、グローバル化に対応するにはインクルージョンも大事な視点です。世界的なトレンドに乗り遅れないという観点から、国内企業でもダイバーシティが注目されています。

視野を広げる

ダイバーシティは視野を広げるという理由でも、注目されています。
日本でイノベーションが少ない背景には、同じ業界で人材が固定化されており、新しい人材が入りにくい点があるとされています。そこでダイバーシティを推進すれば、組織で働く社員の視野を広げ、イノベーションにつながりやすいことが注目されている理由です。
関連コラム:ダイバーシティとは?意味や使い方、取り組み事例を解説!

ダイバーシティ研修の種類と内容【具体例】

ダイバーシティ研修の種類と内容については、次のようなものがあります。

種類内容
女性活躍推進研修女性が働きやすい環境を実現し、リーダーや管理職としての活躍を推進する研修
外国人活躍推進研修外国人の人材を受け入れるための知識や理解を深め、環境作りと採用活動を促進するための研修
シニア活躍推進研修定年退職後も働き続けてもらうため、シニア世代の特質を理解し、働きやすい環境を調整するための研修
障がい者活躍推進研修さまざまな障がいがあること、障がい者の特性を理解したうえで、働きやすい環境を作るための研修

①女性活躍推進研修

女性活躍推進研修では、企業における女性の活躍を促し、組織を活性化するために、妊娠・出産などのライフイベントを経験しても働きやすい環境を整えることを目的とした研修です。
女性活躍推進研修の内容には、以下のようなものがあります。
● 問題解決力向上研修
● ワーキングマザー向け研修
● 人事担当者向け研修
● ワークライフバランス研修
● 男性向け育休取得研修
女性はライフイベントの影響によりキャリアデザインが変わったり、キャリアアップの機会をなくすケースがあります。
女性活躍推進研修はダイバーシティを実現するために、必要な評価制度やキャリア支援の具体的な方法などを学びます。
また働き方の多様化に伴い、子育てをしながらのリモートワークや時短勤務などへの対応も喫緊の課題になっています。
法制度の要点はもちろん、働き方改革に必要な知識や視点も学べる研修もあります。

②外国人活躍推進研修

外国人活躍推進研修は、組織内における外国人への偏見や差別を是正し、ともに働く仲間として理解すべきポイントを学べる内容になっています。
外国人活躍推進研修の具体的なテーマには次のようなものがあります。
● 異文化理解研修
● グローバル人材育成研修
● 外国人労働者受け入れ研修
異文化理解とは、単に外国人労働者の社会的・文化的背景だけを学ぶものではありません。
海外のビジネススタイルや働き方への意識も含め、一緒に働くうえで理解を妨げる要因になりやすい意識の違いを学ぶものです。
外国人活躍推進研修を受講することで、社員全員に外国人労働者との接し方や必要な労働環境の整備、サポート体制など準備を促す効果が期待できます。

③シニア活躍推進研修

シニア活躍推進研修は、60歳以降のキャリアやライフプランを支援し、シニア人材や高齢者層として迎え入れるための研修です。シニア人材が定年後の自分の人生、働き方を考え、職場で受け入れるための環境や体制を整備するのに役立ちます。具体的な内容は次の通りです。
● 年代別の課題解決
● 元管理職を活用した人材育成
● 再雇用者向けOA研修
● マインドチェンジ研修
シニア人材は役職を経験した方も多数いるため、定年後も経験を活かした人材育成やアドバイザーとして活躍してもらう方法があります。また役職がなくなっても新たなキャリアデザインができるように、企業として支援していくことも必要になるでしょう。研修ではシニア人材をどう活用していくべきか、考え方の基礎となる知識が学べます。

④障がい者活躍推進研修

障がい者活躍推進研修は、障がい者について正しい理解のもと、人事や採用、業務への活用に必要な知識が学べる研修です。
特に人事担当者は障がい者に関する法律を身に付け、障がい者を受け入れる体制を整えておく必要があります。
障がい者活躍推進研修の内容は次のようなものです。
● 障がい者雇用の基本知識
● 発達障害への理解
● 障がい者と働くための理解と対応
● 身体・知的・精神障害の違い
障がい者について正しい知識を持てば、リスクマネジメントにもつながり、トラブルを緩和できます。
既存の社員も障がい者も双方が理解し合い、働きやすい職場を作るために役立つ研修です。

ダイバーシティ研修実施時の注意点

ダイバーシティ研修は経営戦略上、重要な位置づけにあります。
一方で、効果を高めるには注意点を守り、適切に運用することも大切です。
どのような注意点があるのか紹介します。

管理職・マネージャーをメインに設定する

ダイバーシティを推進するには、職場の管理職やマネージャーを中心に進めなければなりません。
一般の社員では業務レベルでの連携はできても、制度設計や職場環境の調整は難しいからです。
そのため、まずは管理職・マネージャーがダイバーシティへの理解を深め、職場環境の調整を進める必要があります。
特にダイバーシティではコミュニケーションが重要で、良好な人間関係の構築が課題です。
管理職・マネージャーはコミュニケーションを円滑に行い、業務内容や職場での役割を明確にしましょう。

ディスカッションタイムを設ける

ダイバーシティを推進するには、社員がお互いを理解するためのディスカッションタイムも必要です。
ディスカッションタイムではお互いの意見や価値観を語り合い、相互理解を促す効果が期待できます。
ここでは業務上で予想されるさまざまなケースを設定し、正しい対応を話し合います。
ただし意見の食い違いで人間関係が破綻する危険もあるため、管理者がファシリテーターとなり、場をコントロールすることも意識しましょう。

方向性を定める

ダイバーシティは闇雲に推進するのではなく、取り組みの方向性を定めておくと研修もしやすくなります。
女性社員をもっと活躍させたいなら女性活躍推進研修、障がい者雇用を充実させたいなら障がい者活躍推進研修など、企業の事情に合わせた研修を選びましょう。
ダイバーシティは非常に幅広い領域があるため、すべての研修を短期間で行うのは困難です。
まずは方向性を1つに定め、目的に合わせてダイバーシティ研修を進めてください。

ダイバーシティ経営とは?

ダイバーシティ経営とは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を手供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義されています。注意すべき点は、多様性そのものを高めるために推進するのではなく、経営戦略として不可欠な人材を確保し、職場環境の整備を行うことを目的にしていることです。多様な人材を活用して企業としての経営上の成果を上げることが、ダイバーシティ経営といえます。

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ユーキャンのダイバーシティ研修には、次のメリットがあります。
● 社員の先入観や偏見を払拭できる
● あらゆる人が働きやすい環境作りにつながる
● 企業イメージの向上
● 具体的な行動指針が理解できる
研修にはさまざまな内容と、女性・シニア・障がい者などさまざまな属性を対象としたものがあります。
ダイバーシティ研修を推進しようと考えていても、「どんな研修を選べばよいかわからない」という場合もユーキャンにご相談ください。
オーダーメイドの研修プランを提案し、企業のニーズに合わせた研修内容を提供します。

まとめ

今回はダイバーシティ研修とは何か、必要とされる理由と具体的な内容、注意点などを解説しました。
人材不足が深刻化する日本企業にとって、ダイバーシティは重要な経営戦略の1つになりつつあります。
性別や年齢、国籍、障がいの有無を問わず、誰もが働ける社会になれば、人材不足の解消へ一歩近づきます。すぐに企業の仕組みや風土を変えるのは難しいですが、研修を通して理解を深めれば、働きやすい職場へと変化していくでしょう。

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