統率力とは?統率力がある人の特徴と身に着ける方法を解説!

統率力とは?

統率力とは組織やチームをまとめ、人を率いていく力のことです。リーダーが人を率いていくには、チームをまとめあげる統率力が欠かせません。近い意味合いの言葉には、リーダーシップやマネジメントもあります。統率力とリーダーシップ、マネジメントの違いはどこにあるのかご紹介します。

リーダーシップやマネジメントとの違い

統率力とリーダーシップは似ていますが、正確にはリーダーシップの中に含まれる資質です。リーダーシップには組織やチームを率いるために、部下とのコミュニケーション、目標の共有、カリスマ性などの資質を生かすことが含まれています。その中でも統率力は、チームや部下をまとめあげる能力です。つまり、統率力だけが高くてもリーダーシップとはいえず、リーダーシップを構成する1つの要素と考えるのがよいでしょう。
一方、マネジメントは目標を達成するために、人材や資源の使い方、役割の振り分け、スケジューリングなどを考えて効率化していく方法です。
マネジメントは現状の組織や資源の有効活用を考え、目標達成を目指す点が特徴です。
そのため統率力がチームや部下を指揮する能力とするなら、マネジメントは指揮している部下を管理する技術です。
リーダーシップもマネジメントも統率力と意味合いは近いですが、区別して考えましょう。
参考:リーダーシップとは? マネジメントとの違いやPM理論なども解説

参考:マネジメントとは? 期待される役割と能力の高め方を解説

企業に統率力のある人材が求められる理由

なぜ企業には、統率力のある人材が求められるのでしょうか。
その背景には、日本企業を取り巻くさまざまな理由があります。
重要な2つの理由をご紹介します。

優秀な人材の流出を防ぐ

日本は労働人口が減少局面にあり、一部の大企業以外は人材不足の状態です。かつては団塊の世代で労働人口も多く、年功序列・終身雇用制が当たり前でした。しかし現代では終身雇用制は形骸化しており、優秀な人材は転職やヘッドハンティングされる時代になりました。優秀な人材が流出する理由の1つには、魅力的な上司がいない点が大きく関係します。統率力の高い上司は部下をうまくまとめ、チームや組織の団結力、エンゲージメントを高めてくれます。逆に統率力の低い上司を持つチームは団結力が低く、組織に貢献しようとする意欲も低くなってしまうでしょう。団結力やエンゲージメントの低ければ、優秀な人材の離職を招くことになり、企業にとって大きな損失です。

生産性を重視する社会構造

企業にとって生産性、利益は組織を続けていくうえで重要な要素です。日本においては新型コロナウイルス流行以降、経営の効率化やIoTの普及により、企業の生産性が重視されるようになりました。しかし企業が生産性を重視する一方で、それを指揮する人材が不足しているのが現状です。日本企業の99%は中小企業であり、規模の小さい企業ほど人材不足が深刻で、労働者の高齢化から生産効率も低下しています。生産性の低い企業は生き残れない社会になっていることも、統率力のある人材が求められる理由です。

統率力のある人の特徴

統率力のある人とはどのような人なのか、特徴をご紹介します。

決断力と責任感のある人

統率力のある人は、チームの意見を総合して最終的な決断ができる人です。
仕事をしていくには日々の決断が必要です。決断しなければならない場面で決められない人は、責任感を持てない人と評価されてしまいます。その点、統率力のある人は自分の責任で決断を下し、部下に対しても責任を負わせることはありません。自分の知っている情報と周囲から得た情報を基に判断し、決断できる人は仲間からも信頼されるでしょう。

コミュニケーション能力の高い人

統率力の高い人は人から信頼を得て、うまくまとめる力があります。
人をまとめるためには、積極的にコミュニケーションをとり、関係性を作っていく能力の高さが求められます。特に規模の大きいプロジェクトやダイバーシティな企業では、さまざまな年齢、文化、価値観を持つ人々が集まるため、コミュニケーション能力の高さが重要です。お互いのことを理解しなければ団結力は生まれず、優れた組織やチームにはなりません。統率力の高い人がいることで、チームが一丸となって目標を共有できるでしょう。

実務能力が高い人

リーダーや管理職として統率力を発揮するには、実務能力も必要です。なぜなら、人をまとめるには業界や職種に関する深い知識、高度な技術がなければうまくいかないからです。実務能力が高い人は何をすべきかいち早く判断し、周囲に的確な指示を出せます。正しい判断力も身に付いていることから、統率力の高い人は実務能力も高い特徴があります。

先頭に立って行動できる人

統率力の高い人は、誰かに言われずとも率先して先頭に立ち、行動できる人という特徴があります。チームで動いている時は、常に同じことをするわけではなく、難しい状況に直面することもあるでしょう。難局に直面した時こそ先頭に立ち、冷静な判断でチームを引っ張っていける人は統率力が高いと考えられます。
そして、ただ人を引っ張るだけでなく、周囲の意見も取り入れて正しい道へと進める人にはリーダーとしての資質があります。

周囲を意識できる人

リーダーとして人を率いていくには、自分の周囲にいる仲間ひとりひとりへの意識を向けることも重要です。統率力の高い人は人をしっかりと観察し、仕事やメンタルのフォロー、意欲を高められるように関わることを得意としています。統率力の高い人は仲間を引っ張っていくだけでなく、人に高い関心を持ち、仲間が最高のパフォーマンスを発揮できるように気遣いができる特徴があります

統率力を身に着ける方法

リーダーや管理職が統率力を身に付けるために、どんな方法があるのかご紹介します。

多くの実践経験を積む

統率力を身に付けるには、多くの実践経験を積むことが効果的です。仕事でチームをまとめるだけでなく、会議の司会やイベントの開催・進行、講演会のグループワークの仕切りなど、人をまとめる経験を積極的に増やすことが重要です。司会や幹事を任されるには、日頃から上司や部下の信頼を得ていなければなりません。人からの信頼がない状態でまとめ役を申し出ても、周囲からの協力は得られず、スムーズに進行することは難しいでしょう。まずは日々の小さな業務、後輩への指導などからスタートし、徐々に大きなことにチャレンジしてください。経験なしに多くのメンバーの統率を取ることはできませんから、経験を振り返ってできたこと、できなかったことを反省しましょう。何度も経験と反省を繰り返すことで、人をまとめていくにはどうすべきか、正しい判断力が身に付きます。

人に頼ることを覚える

統率力の高い人とは、何でも自分で解決できる人ではなく、必要な時には人の手を借りてでも目標へ向かっていける人です。能力の高い人ほど自分の能力に頼りきりで、人を頼ることができない傾向があります。自分だけで対応できる状況なら問題はありませんが、未知の領域や自分の苦手分野でトラブルが発生した場合は対応できないでしょう。チームや部下の成長を促すためには、すべてを自分が行うのではなく、任せられる部分は仲間を頼ることも重要です。ワンマンタイプのリーダーは円滑に回るうちは良いですが、リーダーに対処できないケースが来た時に弱い傾向があります。統率力の高い人とは自分の長所と短所を正確に理解し、人に任せたほうが良い部分は任せられる人です。ただし人を頼るとは丸投げすることではなく、自分もフォローに入りながら、一緒に仕事を完遂することを意味します。部下のミスは自分の責任と考え、フォローしていくことも良いリーダーの条件です。

自分の中の判断基準を持つ

統率力を高めるには素早く的確な判断力、判断したら貫き通す決断力も必要です。
判断力と決断力を磨くには、多くの経験を通して物事を多角的に捉える視点を持ち、自分だけの判断基準を持つことが重要です。判断基準を持たないままリーダーになると、何か起こる度に判断に迷うだけでなく、毎回判断が変わってしまう可能性があります。重要な判断ほどミスがあってはいけませんから、明確な基準を持つことは統率力を高めるうえで重要なポイントです。自分だけの判断基準を持つには、判断を人任せにするのではなく、ちょっとしたことでも「自分ならどう判断するか」を想像することが必要です。人の判断を見たうえで、なぜその判断に至ったのか、自分なら何を基準に判断するか、それぞれの判断で起こる結果まで想定しましょう。何度も繰り返すうちに自分の判断基準が明確になり、素早く的確な判断ができるようになります。

人に信頼してもらえる行動を意識する

統率力の高い人は仲間からの信頼が厚く、重要な場面で頼りにされます。社会人として働く以上、自分の行動の責任は自分がとらなければなりません。ひとつひとつの仕事を自分のこととして正面から受け止め、責任を持ってやり遂げることが周囲からの信頼につながります。仲間の仕事まですべて手伝う必要はありませんが、自分の仕事に余裕がある時は、周囲への気遣いを見せることも重要です。日頃から仕事を人任せにするのではなく、自分で考えて行動していくことが信頼につながります。統率力を高めるには、周りから信頼してもらえる行動を意識的に行いましょう。

研修やセミナーを受ける

統率力を意識的に高めるには、研修やセミナーを受ける方法も効果的です。統率力向上セミナーやリーダーシップ研修など、統率力とリーダーシップが高められる研修を利用しましょう。すでにリーダーや管理職になっている人だけでなく、従業員全員が受けることをおすすめします。自社に組織やチームの統率を取れる人材がいない時は、研修やセミナーで統率力を高めることで、将来会社を支える人材を育成できます。

統率力は経験を積むだけでなく学ぶことでも高められる

統率力を高めるには、人をまとめたり、仕切ったりする経験を積むことが重要です。経験を積むことで正しい判断力が身に付き、人へ指示すること、行動への責任感も持てるようになるでしょう。また、統率力を高めるには統率力向上セミナーやリーダーシップ研修を受講し、知識を得ることもおすすめです。統率力は個人の資質や人間性も影響しますが、経験や知識も重要なポイントです。人材不足やリーダーになる人は、さまざまな経験と学習を通して統率力を高めましょう。

まとめ

統率力とは組織やチームをまとめ、人を率いていく力のことです。統率力を高めるには、人をまとめたり、仕切るなど経験をつみましょう。またセミナーや講座を受講することでも知識を得ることは可能です。ユーキャンのリーダーの基本講座では、はじめてリーダーになる方でも、基礎から学ぶ事ができます。ぜひご活用ください。

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