チームビルディングとは?意味やメリット、実施方法やオンラインでの取り入れ方を解説

  • 公開日:2023.11.01

    更新日:2023.11.01

    チームビルディングは、チームづくりや運用において重要な手法です。企業が成果を上げるには、効果的にチームを機能させるため、チームビルディングに取り組む必要があります。この記事では、チームビルディングの意味や目的などを解説します。効果的にチームビルディングを行うための方法も具体的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

チームビルディングとは

チームビルディングには以下の意味や目的があります。

  • ・メンバーが能力を発揮できるようにチームの目標や目的を共有
  • ・新人や若手のコミュニケーションの強化

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

チームビルディングの意味

チームビルディングとは、メンバーが能力を発揮できるようなチームをつくる取り組みのことです。 ビジネスにおけるチームのあり方は年々変化しています。以前はリーダーが一方的に指示するチーム形態が主流だったものの、現在ではパフォーマンスを発揮しにくいと感じる人が多いでしょう。

チームの定義

ビジネスにおけるチームとは、共通の目標や目的を共有する組織を指しています。集められたメンバーの能力や技術、特性、資格などを活用し、目標達成を目指す集団です。優れたパフォーマンスのチームをつくるためには、チームビルディングの考え方が重要となります。漠然と集団で動くのではなく、それぞれを活かす工夫が必要です。

チームビルディングの対象者

チームビルディングの対象者は、経営層から若手までプロジェクトに関わるすべての人が含まれます。とりわけ新人や若手の従業員は、他メンバーとのコミュニケーションが不足しているため、チームビルディングによって関係を強化することが重要です。また、リーダーシップが求められる管理職や中堅の従業員には、より高度なチームビルディングが求められます。

チームビルディングが目指すもの

チームビルディングは下記3つを目指しています。
それぞれについて詳しく解説します。

パフォーマンスの向上

チームビルディングの大きな目的の1つは、チームのパフォーマンス向上です。 チームビルディングを実施すると、メンバーの業務プロセスや感情、認知などが可視化されます。

これらを理解することで、お互いの感じ方や動き方を新しいアイデアや行動の参考にすることが可能です。結果としてチーム内での信頼や結束につながり、相互作用としてパフォーマンスが上がると考えられています。

メンバーの関係強化

チームメンバーの関係強化も、チームビルディングの目的の1つです。チームビルディングを実施すると、チーム内のコミュニケーションが促進されます。コミュニケーションによって信頼関係ができ、お互いに気づいたところを指摘したり、プロジェクトをブラッシュアップできたりするため、業務効率の改善や新たなアイデアの創出に役立つでしょう。

共通のマインドセット形成

チームビルディングによって、チームにマインドセットが形成されます。マインドセットとは、物事の見方や価値観、判断基準、信念などのことです。共通のマインドセットがあることで、チームの結束力が高まります。プロジェクトに対しても、思いを1つにして取り組むことができるため、より業績を上げやすくなるでしょう。

チームビルディングによるメリット

チームビルディングには、主に5つのメリットがあります。

  • ・コミュニケーションの活性化による課題解決力、ノウハウの共有
  • ・メンバーのモチベーション向上、協力体制の強化
  • ・新たなアイデアの創出
  • ・チームメンバーの心理的安全性の向上による生産性向上
  • ・市場の変化に対する柔軟な対応力の強化

コミュニケーションの活性化

チームビルディングによるメリットの1つ目は、世代や役職を超えたコミュニケーションの活性化です。コミュニケーションがとれていると、連絡不備や相談漏れなども防げます。相互に連携がとれているチームでは、課題解決やノウハウの共有がスムーズになり、チーム内が話しにくい雰囲気になる場面も少なくなります。

チームのモチベーション向上

チームビルディングはモチベーションの向上にも役立ちます。お互いの信頼関係のなかで切磋琢磨でき、またメンバー同士で弱みを補えるよう、協力体制を築けるためです。モチベーションが高いチームほど、成果も高い傾向にあります。モチベーションが高ければ意欲的に業務を進められ、生産性やクオリティを上げられるでしょう。

新たなアイデアにつながる

チームビルディングは、新たなアイデアをもたらす手段の1つです。チームには多様な価値観の人材が集まっていますが、1人ひとりがそれぞれ自分の考えだけを温めていても、自分自身の価値観に依拠するアイデアしか生み出せません。チームビルディングによって意見交換が活発になれば、今までになかったアイデアが出てくる可能性が高まります。

チームの生産性向上

チームビルディングによって生産性が向上することは、大きなメリットであるといえます。 チームビルディングがうまく運用されていると、チーム内での心理的安全性が確保され、ミスを恐れず業務を進められるためです。

心理的安全性とは、チーム内の誰もが安心して自分の意見を発信できる環境を指します。1人の行動が各メンバーの成長にもつながり、全体的な成果が上がるでしょう。

市場の変化に強くなる

市場の変化に強くなることも、チームビルディングのメリットです。ビジネスでは市場の変化に対して、柔軟な対応が求められます。チームビルディングによって組織の力が強まっていれば、困難な状況でもチーム内でさまざまなアイデアを出し合うことができ、柔軟な対応が可能になるでしょう。

チームビルディングのステップとは?

チームビルディングには、5つのステップがあります。

1.形成期

チームの初期を形成期と呼びます。この段階ではチームが形成されたばかりで、チームビルディングにおいてもチーム内で自分がどのような役割を果たすべきか、メンバーそれぞれが理解していません。

したがって形成期には、メンバー同士が互いを探り合い、相互理解を進めることが大切です。この段階で生産性が上がるわけではなく、後々チームが機能するための重要な段階といえます。

2.混乱期

チームメンバーがお互いをある程度、理解し始めると、理解できた内容をもとに自分との違いを発見し、互いに対立を始める時期が訪れます。これが混乱期です。

チームとしての共通目標は明確になっていますが、それぞれの考える手段が違うために意見が割れてしまいます。しかし対立は、ブラッシュアップできればさらなる成長につながるため、対立を活かせるよう、議論を重ねることが重要です。

3.統一期

統一期は、メンバーが互いの考えを理解し合う段階です。メンバー同士でチーム内での役割を自覚し、自分が不足している部分は得意な人に助けを求めたり、逆に手を貸したりして、効率よく動けるようになってきます。この頃になると生産性が向上し始め、チームが安定に向かっていくためメンバーにも落ち着きが出る時期です。

4.機能期

チームがチームとして機能し始める段階を、機能期と呼びます。統一された目標に向かって個人がそれぞれ能力を発揮し、協働が確立されていく段階です。この頃になるとワークフローができあがっているため、メンバーの動きがスムーズになります。結果も出始めて、メンバーもやりがいを感じることが多くなるでしょう。

5.散会期

散会期は、チームとしてのプロジェクトが終了する段階です。チームとしてこれまで達成してきたことを振り返り、チームビルディングの効果を検証しましょう。

基本的に、プロジェクトの成功を納めたチームであれば、散会期はメンバーの悲哀とともに訪れることになります。しかし、これまでの功績をお互いに讃えることは、次のチームで能力を発揮するための布石にもなります。

チームビルディングの方法

チームビルディングを実際に行う方法は以下の2つがあります。

  • ・明確な目標を定めることで、終了時に達成度を測れる
  • ・メンバーの役割を明確にすることで、個々の業務に集中できる

目標の設定

チームビルディングの方法の1つが、明確な目標の設定です。明確な目標を定めることで、チームとして、またチームの中の個人として、自分自身がどのように動くべきかを個々で考え、実践できます。

重要なのは、組織だけでなく個人についても目標を決めておくことです。プロジェクトの終了時には、成果から目標の達成度を測れるため、チームビルディングが成功したか否かの指標となります。

役割の明確化

チームビルディングにおいては、役割の明確化も求められます。役割をはっきりさせ、各メンバーが互いの責任を理解することで、チームとして効率よく動くことができるようになるためです。 役割がはっきりしていれば、チームメンバーはそれぞれ自分の業務に集中できます。業務外のことを専門のスタッフに任せることで生産性がアップするでしょう。

チームビルディングに役立つゲーム

チームビルディングには、ゲームを活用することがおすすめです。
チームビルディングに役立つゲームを3つ紹介します。

  • ・メンバー同士のコミュニケーションのきっかけとなる「アイスブレイク」
  • ・チームメンバーとリーダーの信頼を構築するための「リーダーズインテグレーション」
  • ・チーム全体の結束力を高める「体験型のアクティビティ」

アイスブレイク

アイスブレイクは、メンバー同士のコミュニケーションのきっかけとなるゲームです。特定のゲームを指す言葉ではなく、ゲームによって気持ちのうえでの氷を溶かし、互いの壁を壊すことを指します。

アイスブレイクの代表的な手法は、アイデアを自由に出す「チームブレーンストーミング」や、複数の事項についてウソかホントかを話し合いで見破る「ウソ、ホント?」などです。

リーダーズインテグレーション

リーダーズインテグレーションは、チームメンバーとリーダーの信頼関係をつくるためのワークショップです。リーダーがチームメンバーに対して自己紹介や、これまでの業績紹介を行い、リーダーのいない場でチームメンバーがリーダーへの意見をまとめ、後にリーダーはこれに答えます。

体験型のアクティビティ

チームビルディングでは体験型のアクティビティが効果的です。アクティビティはチームの結束力を高める効果があり、またアクティビティの中でお互いの性格や考え方が明らかになるため、相互理解を深める効果も期待できるでしょう。ゲームの具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

条件プレゼン

条件プレゼンとは、メンバーを何チームかに分けて、特定のキーワードをもとにプレゼンを行ってもらうゲームです。キーワードは3つで、最後に審査員が「最も面白い」と評価したチームが勝利となります。チームでプレゼンテーションを計画したり、できるだけ面白いことを考えたりすることで、人間関係を強化できるのがメリットです。

ジェスチャーゲーム

ジェスチャーゲームは、出題者がお題についてジェスチャーで表現し、残りの人がお題のキーワードを当てるゲームです。単純ですが、動きの面白さや伝える側の必死さもあり、チームメンバーの笑顔を引き出すことができます。ジェスチャーゲームには、チーム内の対立を緩和できる、上下関係をマイルドなものにできるといったメリットがあります。

質問ゲーム

質問ゲームは、チームを質問者と回答者とに分け、回答者に対して何でもいいので質問し、回答者はそれに答えるというゲームです。1対1で質問するのがスタンダードな方法ですが、1人に対して他の全員で質問をする方法もあります。プライベートな質問も含まれるため、チームメンバーのさまざまな顔を知ることができ、チームの一体感が高まりやすい手法です。

オンラインでもチームビルディングは可能

対面だけでなく、オンラインでもチームビルディングは可能です。オンラインなら1か所に集まる必要がなく、スキマ時間も活かせます。オンラインでのチームビルディングは、テレワークを取り入れる企業でも導入しやすい点がメリットです。会議システムを使いゲームをすることもできますが、現在ではチームビルディングを想定した有料のシステムも登場しています。

チームビルディングの際の注意点

チームビルディングを行う際に注意したいポイントが主に3つあります。

  • ・チームは人数だけでなく、お互いの苦手分野を補えるように編成する
  • ・目標の共有は重要だが、個々が能動的・積極的に取り組める必要がある
  • ・メンバーの主体性も重要だが、業務を任せきりにしない

それぞれ解説します。

チーム編成を意識する

まずはチームをつくるにあたり、チーム編成を意識しましょう。チームに必要なのは人数だけではありません。さまざまな能力やスキルを持つ人材が集まることで、成果につながるチームができます。お互いの苦手分野を補い合えるように編成することがポイントです。

目標を強制しない

チームビルディングにおいては、目標を共有することが重要です。しかし、チームやメンバーに目標を強制してしまうと、モチベーション低下につながることもあります。 そこで、メンバーが能動的、積極的に取り組めるような目標設定が必要です。メンバーそれぞれが目標をどう捉えているかヒアリングし、納得のできる目標を設定しましょう。

業務を丸投げしない

業務については、ある程度メンバーの自主性に任せることも必要です。しかし、丸投げをしてしまうと、業務の意義が分からず生産性が下がる場合もあります。そこで、業務内容はメンバーの任せきりにせず、チーム責任者が常に目を配り、内容を把握しておくことをおすすめします。業務の意味、ミッションなどをわかりやすくメンバーに説明することも重要です。

企業がチームビルディングを取り入れる方法

チームビルディングを社内に取り入れるなら、講座の受講や研修の実施も1つの方法です。一律でチームビルディングについて学ぶことで、従業員がチームビルディングの必要性や効果について理解できます。短期間でチームビルディングのポイントを身につけられるため、自分自身がチームの一員としての行動を考えるきっかけにもなるでしょう。

まとめ

チームビルディングとは、チームとして最高のパフォーマンスを実現するための手法です。チームの形成からどれだけ手早くチーム内を統一し、チームを機能的なものにできるかが、生産性アップのポイントとなります。 早期にチームを機能させるためには、チームビルディングの重要性を従業員が個々に理解しておくことが近道です。

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