インフラとは?要素や構築の手順、コツなどを解説

  • インフラとは?要素や構築の手順、コツなどを解説

    公開日:2023.08.08

    更新日:2023.08.08

    近年はインフラという言葉がさまざまな意味で使われており、正確な意味が分からない人もいるでしょう。この記事では、 インフラやITインフラの意味、構成する要素などを解説しています。インフラに関する知識を深めたかったり、自社のインフラ整備を検討したりしている人は、参考にしてください。

インフラとは?

インフラという言葉には、さまざまな意味が含まれます。以下の2点を解説します。

  • ・インフラの意味
  • ・教育における意味

インフラの意味

インフラとは、社会や経済、国民の生活を支える基盤のことです。電気やガス、水道、道路、公共交通機関など、それがないと生活が成り立たないものを指します。現在ではインターネットやサーバーもインフラの1つとなっており、通信インフラとも呼ばれます。

企業が所有し、事業や業務に欠かせない設備も、インフラと呼ぶことがあります。インフラは定期的に整備し、維持し続けることが大切です。

教育における意味

教育においても同様に、欠かせないものを指します。たとえば、ITに関する教育を実施するのであれば、ネット ワークや電源の確保などの整備・維持が欠かせません。予算はかかりますが、インフラへの予算計上は重要です。

ITインフラとは?

ITインフラとはどのようなものか、以下の2点を解説します。

  • ・ITインフラの意味
  • ・ネットワークとの違い

ITインフラの意味

ITインフラとは、ITに関するものの基盤となる設備です。ITインフラを構成する要素は幅広く、多岐にわたります。具体的には、サーバーやパソコンなどのハードウェア、OSやミドルウェアなどのソフトウェア、インターネットやLANなどのネットワークがITインフラに該当します。

直接目にする機会は少ないものの、業務に不可欠な要素です。情報保全にも関わるため、おろそかにできない重要なものです。

ネットワークとの違い

ITインフラとは、パソコンやサーバーなどのハードウェアから、ネットワークを構築するインターネットや、LANなどの機器・サービスまでを含みます。ネットワークは、通信技術を提供するための機器や構成を指します。

サーバーやストレージといった機器ではなく、ルーターやスイッチといったネットワークに欠かせない機器や構成に限定している点が、ITインフラとの違いです。

ITインフラを構成する要素

ITインフラを構成する要素は、以下の2点が挙げられます。それぞれを解説します。

  • 1.ハードウェア
  • 2.ソフトウェア

1.ハードウェア

ハードウェアとは、サーバーやパソコン、ストレージ、ネットワークなどの物理的な設備のことを指します。サーバーとは、複数のパソコンからの要求を処理し、サービスを提供するコンピューターです。パソコンはパーソナルコンピューターの略称で、主に個人が作業に使用するコンピューターです。

ストレージはHDDやSSDなど、情報を保存するための機器をいいます。近年では、さまざまな業務において膨大なデータを活用するケースが増加しており、ストレージの重要度が増しています。

2.ソフトウェア

ハードウェアが物理的な設備であるのに対し、ソフトウェアは非物理的な設備を指します。ソフトウェアには、具体的にはOSとミドルウェアが含まれます。 OS(オペレーティングシステム)は、サーバーやパソコンを管理し、動作に必要なソフトウェアのことです。一般的なOSとして、WindowsやmacOSなどが挙げられます。
ミドルウェアは、OSと各アプリケーションの中間に位置して繋ぐソフトウェアのことです。OSのみでは実行できない、複雑な処理を担っています。

ITインフラの2つの形態

ITインフラには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型という2つの形態があります。それぞれどのようなものなのか、その特徴や、メリット・デメリットについて解説します。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社内にサーバーやネットワーク機器を構築し、社内で運営するものです。設計の自由度が高く、自社で管理・運営するため、情報漏えいのリスクを抑えられます。ただし、初期費用が高額になります。また、社内のネットワークに接続していない端末は管理できず、自社から離れた場所からは利用しにくいでしょう。

クラウド型

クラウド型は、クラウド事業者から提供されるサーバーをインターネットを通して利用するものです。 すでに用意された設備を利用するため、契約後に即導入できます。必要な範囲に応じて容量を決められ、自社の拡大・縮小に応じて増減することも容易です。

オンプレミス型では、自社の設備以上に拡張する場合は新たな設備を用意しなければなりません。ただし、セキュリティに関してはサービスを提供している企業任せになり、自由度は低くなります。

ITインフラ構築の手順

ITインフラの構築の主な4つの流れや手順を、以下でそれぞれ解説します。

  • 1.目的と計画の明確化
  • 2.開発や構築
  • 3.運用テスト
  • 4.運用と改善

1.目的と計画の明確化

はじめに自社の課題を確認し、ITインフラを構築する目的と計画を明確化します。規模を想定し、UIや機能、性能など、システムの仕様を決めます。UIとは、ユーザーインターフェースと呼ばれ、アプリケーションのデザインやパソコンなどのユーザーが接する部分のことです。

円滑な運用のためには、開発担当と現場の従業員がこの段階で細かな打ち合わせを実施し、お互いの要求をすり合わせることが大切です。はじめに明確にすることで、先の段階で目的が揺らぐのを防ぎます。その後、業者に委託する場合は、業者の選定を行います。

2.開発や構築

続いて、具体的なシステム開発や設計に進みます。開発の順番は、基本的なUI設計からはじまり、細かな仕様に向けて進みます。適宜、業者にレビューを伝えることで、行き違いを防止できます。また、機能を向上させることに加えて、事故や災害など非常事態に備えなければなりません。

3.運用テスト

開発や構築が完了したのち、計画通りに動作するかをテストで確認します。個別の機器でテストする単体テスト、他の機器との連携が適切に行われるかを確認する結合テスト、実際の運用時の耐久性を満たすかを確認するための総合テストと、段階的に進めていきます。

問題が発見された場合は、その時点で修正します。同時に運用ルールを作成しておくと、問題が発生した際に適切な対応を取りやすくなるでしょう。

4.運用と改善

テストで発見された問題点の修正をすべて終えたら、運用開始へと進みます。従業員に実際に使用してもらうなかで、テストでは発見されなかった問題点が明るみになる可能性もあります。 使った人から、都度、問題点や改善点を提案してもらい、1つずつ解決しましょう。 問題が発生した場合の保守管理も運用に含まれます。

ITインフラ構築時の注意点

ITインフラを構築する際は、以下の3つのことに注意しましょう。

  • ・安全性
  • ・快適性
  • ・BCP(事業継続計画)

安全性

不正アクセスを防ぐためには、セキュリティ対策が重要です。ネットワークに接続されている限り、インターネット上にあるウイルスの感染リスクがつきまといます。企業の機密情報や顧客の個人情報などの流出には、常に気を付けなければなりません。万一、情報が漏洩すると、企業の存続にまで影響を及ぼすケースもあります。

ファイアウォールをはじめとするセキュリティの強化に加え、情報の取扱いルールを設定しておきましょう。人為的な情報漏えいのリスクもあるため、研修によってルール厳守や安全意識の向上を徹底することが大切です。

快適性

安全性に加え、自社のITインフラが快適に使用できるかも重要です。サーバーの処理能力を高めてネットワークを高速化することで、業務の効果率や、従業員のストレス軽減につながります。また、快適に使うためにはUIも重要です。

近年では在宅勤務が増加しており、社外からも社内インフラにアクセス可能にする必要があります。業務の効率化はもちろん、従業員のことを考え、快適性を意識しましょう。

BCP(事業継続計画)

BCP(事業継続計画)とは、Business Continuity Planの略称です。具体的には、緊急事態が発生した場合に資産への被害を最小限に抑え、早期の事業の復旧を目指す計画のことを指します。 BCPを用意していない企業に緊急事態が発生すると、正しい対策ができず、事業に重大な影響が発生したり、廃業せざるを得なくなったりすることも考えられます。
BCPのなかでも、ITシステムにまつわる部分をIT-BCPと呼びます。ただし、ITシステムのみが復旧しても事業継続は難しいため、企業全体のBCPを設定しておきましょう。

まとめ

インフラとは、生活において欠かせないものです。現在ではネットワークもインフラに含まれ、ITインフラと呼ばれます。 ITインフラとはIT関連の基盤となる設備であり、オンプレミス型とクラウド型の2つの形態があります。自社で構築する場合は、正しい手順に沿って進めましょう。

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