内定通知書とは?法的効力はある?必要な項目やメリット・デメリットを紹介

  • 内定通知書とは?法的効力はある?必要な項目やメリット・デメリットを紹介

    公開日:2024.07.09

    更新日:2024.07.09

    内定通知書は企業の採用が内定した志望者に対して、採用になることを通知する書類です。内定通知書の作成方式や記載内容に決まりはありませんが、企業の採用活動において非常に重要な要素となっています。この記事では内定通知書の概要や他の書類との違い、記載事項、作成のメリット・デメリットなどを解説します。

内定通知書とは何か

内定通知書は、採用が内定となった志望者に対し、企業が採用を通知する書類のことです。交付が義務付けられているものではありませんが、求職者を確保や内定者とのトラブルを避けるため、多くの企業が内定通知書を送付しています。

内定通知書に法的な効力はある?

内定通知書は採用の内定を通知するものですが、法的な効力はありません。つまり内定通知書を送付したとしても、企業側に必ず採用すべき義務が生じることはないのです。ただし内定通知書に内定承諾書を添付し、志望者が内定承諾書を返送することで内定が成立します。内定承諾書の提出で労働契約が締結されたことになるため、この場合は法的効力が発生します。

内定通知書を送付するタイミングの目安

内定通知書の送付は義務付けられていないため、明確なタイミングの目安はありません。
そのため最終選考後、すぐに送付する場合もあれば、数週間かかる場合もあります。ただしあまりに通知が遅すぎると志望者が他の企業に採用される可能性があるため、最終選考後、1週間から10日程度で送付するのが一般的です。またあまり通知が遅いと志望者から「問題のある会社なのでは?」と疑問を持たれるおそれもあります。優秀な人材を逃さないよう内定通知書はできる限り早期に送りましょう。

内定通知書の送付方法と注意点

内定通知書を送付する際は、不達のリスクを考慮して書留や簡易書留などの記録が残る方法を選択するのがよいでしょう。メールやチャットツール、SNSなどで連絡した場合、他の連絡に埋もれて見逃すおそれがあります。電話連絡のみの場合、「言った・言わない」の論争に巻き込まれるリスクがあります。リスクを未然に避けるためにも、基本は書留・簡易書留で行うなど、形が残る方法を選択するのがよいでしょう。

内定通知書と他の書類との違い

内定通知書には似たような名称、効力を持つ書類が複数存在します。

採用通知書との違い

採用通知書とは企業から求職者に採用が決定したことを伝える書類です。内定通知書は採用の決定ではなく、採用が内定したことを通知するものという点で違いがあります。 内定は労働契約が成立した状態をあらわすため、企業側から簡単に取り消すことはできません。また企業によっては内定通知書と採用通知書を兼ねているケースや、そもそも採用通知書を送らないケースもあります。紙コスト削減のためにメールや電話で採用を連絡するケースもあり、企業によって対応はさまざまです。

雇用契約書との違い

雇用契約書は企業と労働者が雇用契約を締結する契約書です。雇用契約を締結する際は雇用契約書を記載して保管し、双方に合意があったことを第三者に証明する手段ともなります。内定通知書とは異なり、雇用契約を締結することで雇用主と被用者の法的関係が生じます。内定通知書と雇用契約書を同封し、出社日に合わせて提出してもらう企業もあります。

内定承諾書との違い

内定承諾書は内定者が、内定を承諾して企業に入社することを誓約する書類で、企業が内定者に対し、入社の意思を確かめるための書類です。内定通知書は企業側から内定者に内定を通知するのに対し、内定承諾書は内定通知書と一緒に内定者に送られ、内定者から企業に返送する点が異なります。ただし 内定承諾書も内定通知書と同様、書類自体に法的拘束力はない点に注意しましょう。企業と志望者の労働契約が結ばれるのは、雇用契約の締結によります。 内定承諾書を通知することで内定辞退の可能性が減り、貴重な人材を逃すリスクが減るでしょう。 

労働条件通知書との違い

労働条件通知書は、内定者に企業での労働条件を通知するための書類です。労働条件は企業側から通知する義務があるため、内定通知書に同封されることが一般的です。労働条件通知書には、以下の内容が記載されています。

・労働契約期間(期間の定めの有無)
・就業場所
・業務内容
・始業・終業時刻
・休憩時間・休暇・推定残業時間
・給与額・計算方法・支払い方法
・解雇事由
・昇給に関する事項

この他にも退職金の規定や支給品、安全・衛生面などが細かく書かれています。労働条件通知書は内定者に労働条件を伝える重要な書類ですから、できる限り正確に内容を記載して通知することが重要です。

内定通知書の一般的な項目

内定通知書には法的効力はなく、様式、ルールもないため企業側が自由に記載事項を決定できますが、多くの企業で採用されているため、一般的とされる記載事項は決まっています。内定通知書の一般的な記載事項は次の通りです。

・日付
・宛名
・差出人
・タイトル
・頭語・結語
・挨拶
・内定の通知
・入社日
・同封した書類の内容と説明
・返送書類の宛先・期限
・連絡先・担当者名

同封の書類には、内定承諾書や労働条件通知書などが入ります。通知内容には明確な決まりはないため、一般的な記載事項以外は企業ならではのお礼文などを添えてもよいでしょう。

内定通知書を作成する際の注意点

内定通知書を作成する際は、書き間違いに注意することが最重要です。内定者の氏名や住所、入社日、労働条件など、送付する前に一つひとつチェックして間違いがないことを確認しましょう。特に内定通知書を複数人に送付する場合、名前や住所の書き間違いなどが発生しやすくなります。また同封する書類を間違えて、別の内定者に書類を送付してしまう可能性もあるため、作成した書類に間違いがないか、細かくチェックして正しい内容を記載してください。

内定通知書の作成交付のメリット・デメリット

内定通知書を作成・交付することで、企業や内定者・志望者にどんなメリットやデメリットがあるのかを紹介します。

メリット

内定通知書を作成・交付するメリットは主に2つです。まず企業側にとっては、能力が高く活躍が期待できる人材を確保できるメリットがあります。内定通知書を受け取った内定者・志望者は、通知書によって安心感を得て、入社してくれる可能性が高まります。内定通知書があることで「自分は歓迎されている」と感じるためです。また内定通知書は、会社への期待感や仕事へのモチベーションアップにも役立ちます。入社までに会社のことを深く理解しようとする気持ちが芽生えやすく、入社後も熱意を持って働いてくれるでしょう。

デメリット

内定通知書にはメリットがある一方で、わずかながらデメリットもあります。最も大きなデメリットは、内定通知書の作成・交付に伴う事務作業の負担です。内定通知書は内定者全員に送付するため、一人ひとりの宛名や住所、雇用条件などをチェックして作成しなければなりません。内定者が多いほど作業量は多くなるため、作業を分担しなければ担当者の負担が大きくなるでしょう。

Q&A

内定通知書の作成に関する、よくある質問を紹介します。

通知書に社印は必要?

内定通知書に社印は必要ありません。ただし内定通知書が本物であることを証明する目的で、内定通知書に社印を押すのはよいでしょう。もともと内定通知書は法律上の作成義務はなく、企業が自由に記載事項も決められる書類です。雇用契約書にはあらかじめ押印する場合もありますが、悪用のリスクがあるためおすすめしません。

内定通知書は正社員以外にも必要?

内定通知書を正社員以外にも送付するかどうかは、会社が自由に決定できます。企業によっても対応はさまざまで、内定者全員に送付するケースもあれば、正社員のみに送付するケースもあります。正社員には書面で、正社員以外には電話やメールで行うケースもあります。入社に向けてモチベーションを高めたい場合は、全員に対して通知するのがよいでしょう。

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まとめ

内定通知書とは何か、他の通知書や契約書との違い、一般的な記載事項などを解説しました。内定通知書の作成について発行義務、ルールはなく、法的効力もありませんが、多くの企業の採用活動で用いられています。内定通知書を交付しないと、有望な人材を他社に奪われてしまったり、内定者のモチベーション低下を招いたりします。また、トラブルを起こしてしまうと、企業イメージが大きくダウンしてしまうおそれがあるため、内定通知書は慎重に取り扱う必要があります。

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