人事担当者が資格を取得するメリット
人事担当者が資格を取得するメリットは、以下の3つです。それぞれについて、解説します。
- ・日々の仕事に活かせる
- ・人事評価の向上につながる
- ・キャリアアップする機会を提供できる
日々の仕事に活かせる
人事担当者が資格を取得するメリットの1つに、日々の仕事に活かせることが挙げられます。資格を取得する過程では、専門的な知識やスキルが学べます。また、採用に関わる資格を取得できれば、採用方法の構築にも役立つでしょう。
人事評価の向上につながる
資格を取得した人事担当者は、専門的なスキルを持つことを証明できるため、社内における自分自身の評価向上につながります。専門的なスキルを持つ従業員は、企業にとって重要な人材になります。
キャリアアップする機会を提供できる
人事は未経験者の活躍が難しいため、人事に役立つ資格を持った人事担当者の市場価値は高い傾向にあります。人事担当者が資格を取得できれば、企業としてもキャリアアップの機会を提供できます。
人事担当者に必要とされるスキル
人事担当者には、4つの必要とされるスキルがあります。以下で、それぞれについて解説します。
- ・コミュニケーションスキル
- ・コンプライアンスの理解
- ・マルチタスクスキル
- ・プレゼンテーションスキル
コミュニケーションスキル
人事担当者は社内外の関わりが多い立場であることから、コミュニケーションスキルが欠かせません。学生から経営層まで、さまざまな相手の話を聞いたり、自分の考えを伝えたりするスキルが求められます。
コンプライアンスの理解
人事担当者は、従業員や求職者の個人情報や企業の機密情報を扱います。そのため、コンプライアンスを正しく理解して、人事担当者自らが社内の手本となる振る舞いが求められます。
マルチタスクスキル
人事担当者の業務範囲は広く、業務ごとに頭を切り替えて対応しなければなりません。また、企業規模が小さくなればなるほど、人事以外の業務も担当するケースが多いようです。人事担当者には、複数の業務を同時に対応できるマルチタスクスキルが必要です。
プレゼンテーションスキル
人事担当者には、プレゼンテーションスキルも必要です。人事担当者の多くは、企業説明会や研修を開催してプレゼンテーションをする機会があります。そのため、プレゼンテーションスキルだけではなく、資料作成スキルも必要です。
コンプライアン業務に必要な基礎スキルが身につく資格スが重要視されている理由とは
人事担当者が業務に必要な基礎スキルを身につけるには、以下の4つの資格がおすすめです。それぞれの資格の概要や受験資格、合格率について解説します。
- ・人事総務検定
- ・MOS(マイクロソフト ・オフィス・スペシャリスト)
- ・個人情報保護士
- ・ビジネス・キャリア検定
人事総務検定
人事総務検定は、人事や総務としてのスキルを証明できる資格です。人事や総務を担当するために必要な実務能力や、基礎知識を身につけられます。試験のレベルは、人事総務・担当者レベルの3級、主任レベルの2級、課長レベルの1級があります。
※参考:人事総務検定について(http://jinjisoumukentei.akibare.ne.jp/)
受験資格
3級に受験資格はありません。2級を受験できるのは3級に合格して認定を受けた人のみです。ただし、共通して特別講習の受講が必要です。1級は2級の認定を受けて、かつ受験日に日本在住であること、人事総務スキルアップ検定協会に登録している人が受験できます。
合格率
人事総務検定の合格率は、現時点で非公開となっています。
MOS(マイクロソフト ・オフィス・スペシャリスト)
MOSは、WordやExcel、PowerPointなどのマイクロソフト・オフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。特にWordやExcelは、人事事務で頻繁に使うソフトであるため、MOSを取得していると作業効率の向上につながります。
受験資格
受験資格は特にありません。ソフトウェアごと、バージョンごとに試験が行われるため、自分に合うレベルから受験することをおすすめします。
合格率
MOSの合格率は、公式には発表されていませんが、一般レベルの合格率は約80%、上級レベル(エキスパート)の合格率は約60%といわれています。目安として押さえておきましょう。
個人情報保護士
個人情報保護士とは、企業が保有する社内外の個人情報を保護するために、高いスキルがあることを証明できる資格です。企業が持つ個人情報を、情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクから保護し、正しく管理するために役立ちます。試験は年4回実施され、全国各地の試験会場の他にオンラインでも受験できます。
※参考TOP | 個人情報保護士認定試験(https://www.joho-gakushu.or.jp/piip/)
受験資格
受験資格はありません。年齢や国籍に制限はないため、誰でも受験できます。
合格率
個人情報保護士の過去の平均合格率は37.3%です。「課題Ⅰ」「課題Ⅱ」で、各70%以上の解答率で合格となります。
※参考人事に必要な主な資格8選|人事の仕事に役立つ他の資格3選などを紹介 | ITエンジニア派遣なら夢テクノロジー(https://www.yume-tec.co.jp/column/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/3990#i-2)ビジネス・キャリア検定
ビジネス・キャリア検定は、職務を成し遂げるために必要な知識を身につけることを目的とした検定です。試験は以下の通り、8分野に分かれています。
- ・人事、人材開発、労務管理
- ・経理、財務管理
- ・営業、マーケティング
- ・生産管理
- ・企業法務、総務
- ・ロジスティクス
- ・経営情報システム
- ・経営戦略
受験資格
受験資格はなく、どのレベルからでも誰でも受験できます。
合格率
ビジネス・キャリア検定の平均合格率は、等級により異なります。
- ・1級 10%程度
- ・2級 30%程度
- ・3級 50〜70%程度
- ・BASIC 80%程度
人事担当者のキャリアアップに役立つ資格
人事担当者のキャリアアップに役立つおすすめの資格は、以下の4つです。それぞれの概要や受験資格、合格率について解説します。
- ・産業カウンセラー
- ・キャリアコンサルタント
- ・マイナンバー実務検定
- ・コーチング検定
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、働く人が抱える問題の解決を支援する人材として認定されている資格です。例えば、職場の人間関係やキャリア形成に悩む従業員の相談を受けます。メンタルヘルスの知識を持つ人事担当者は多くないため、産業カウンセラーを取得できるとキャリアアップにつながりやすいでしょう。
※参考:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会(https://www.counselor.or.jp/)
受験資格
受験資格を得るためには、日本産業カウンセラー協会が行う養成講座を修了する必要があります。
合格率
2022年度の産業カウンセラーの合格率は58.4%です。
※参考:合否結果について|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会(https://www.counselor.or.jp/examination/tabid/112/Default.aspx)キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、キャリアに悩む人を手助けするための国家資格です。キャリアコンサルタントを取得できると、従業員の相談に応じて、キャリアに関する助言や指導ができます。
※参考国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト | 国家資格 キャリアコンサルタント試験(https://www.jcda-careerex.org/)
受験資格
キャリアコンサルタントを受験するには、以下のようにいくつかの条件があります。
- ・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
- ・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
- ・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
合格率
2023年に実施された第22回のキャリアコンサルタントの合格率は、59.3%になります。※参考試験結果|国家資格キャリアコンサルタント試験|487summary.pdf(https://www.jcda-careerex.org/files/result/487summary.pdf)
マイナンバー実務検定
マイナンバー実務検定とは、マイナンバーを適正に扱う知識が身につく検定です。マイナンバー制度は2016年から施行されたものの、人事担当者のなかには正しく理解できていない人も多いため、専門的な知識を身につけるためにもおすすめの資格です。マイナンバー実務検定には、3級・2級・1級の等級があります。企業で活用するなら、2級以上の取得がおすすめです。
※参考:マイナンバー・マイナンバー制度を理解する-マイナンバー実務検定(https://www.my-number.or.jp/)
受験資格
マイナンバー実務検定を受験するために、特別な資格は必要ありません。
合格率
マイナンバー実務検定の過去の平均合格率は、3級が80%程度、1級と2級は50%程度とされています。
※参考:人事に必要な主な資格8選|人事の仕事に役立つ他の資格3選などを紹介 | ITエンジニア派遣なら夢テクノロジー(https://www.yume-tec.co.jp/column/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/3990#i-2)コーチング検定
コーチング検定とは、コーチングの能力を認定する資格です。コーチングとは、相手が自発的に答えを見つけて行動できるように、相手との対話にて質問や助言をしながら、支援する人材育成法です。コーチング検定は民間資格であり、さまざまな組織・団体が独自に主催しています。
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受験資格
さまざまな組織や団体が検定を設けているため、受験資格はそれぞれ異なります。
合格率
コーチング検定の合格率は、主催する組織や団体により異なります。
人事のスペシャリストを育成する際に役立つ資格
人事担当者のスペシャリストを育成する際におすすめの資格は、以下の通りです。7つの資格、それぞれについて解説します。
- ・衛生管理者
- ・社会保険労務士
- ・メンタルヘルス・マネジメント検定
- ・日商簿記検定
- ・採用コンサルタント
- ・外国人雇用管理主任者
- ・マーケティング検定
衛生管理者
衛生管理者は、衛生的で安全な環境で従業員が働けるよう、環境を管理するスキルを認定する資格です。50人以上の従業員がいる事業場では、衛生管理者を1人以上選任する必要があります。衛生管理者の仕事は、就労中の労働災害防止のほかに、労働者に対して衛生教育を行ったり、衛生委員会を運営したりすることも含まれます。
※参考:公益財団法人 安全衛生技術試験協会(https://www.exam.or.jp/)
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受験資格
衛生管理者の受験資格は、最終学歴と労働衛生の実務経験年数によって定められています。詳しくは、公式サイトを確認してください。
※参考:受験資格(第一種衛生管理者・第二種衛生管理者)(https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku502.htm)
合格率
2020年度実施における衛生管理者の合格率は、以下の通りです。
- ・第一種衛生管理者 43.8%
- ・第二種衛生管理者 52.8%
※参考:人事担当者が取得しておくべき資格とは? 取得の難易度を紹介 | 労務・制度 | コラム|経営と人材をつなげるビジネスメディア「HUMAN CAPITAL サポネット」(https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20220714125923.html)
社会保険労務士
社会保険労務士とは、社会保険労務士法に基づいたスキルを認定する資格です。社会保険労務士の資格を取得できれば、社会保険や労務管理、雇用などに関わる問題に対して、適切に対処できます。
※参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト(https://www.sharosi-siken.or.jp/)
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受験資格
社会保険労務士の受験資格は、「学歴」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた国家試験合格」の3つの条件のうち、いずれか1つを満たさなければなりません。受験を申し込む際には、「受験資格証明書」の書類を提出する必要があります。詳しくは、公式サイトを確認してください。
※参考:受験資格について|社会保険労務士試験オフィシャルサイト(https://www.sharosi-siken.or.jp/exam/)
合格率
2022年8月に実施された第54回の試験では、合格率は5.3%でした。
※参考:厚生労働省|第54回 社会保険労務士試験の合格者発表
(https://www.sharosi-siken.or.jp/wp-content/uploads/2022/10/info_2201_gyousei_happyou.pdf)
メンタルヘルス・マネジメント検定(R)
メンタルヘルス・マネジメント検定とは、メンタルケアの知識や対処法を学ぶことを目的とした検定です。人事担当者がメンタルヘルス・マネジメントの資格を習得できれば、労働環境で発生する問題を未然に防ぎ、従業員が健康的に働ける環境づくりに役立ちます。
※参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験 | 働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりのために(https://www.mental-health.ne.jp/)
通信教育で学ぶならユーキャンのメンタルヘルス・マネジメント検定(R)講座
受験資格
メンタルヘルス・マネジメント検定を受験するために必要な資格は、特にありません。
合格率
2022年11月に実施された、第33回メンタルヘルス・マネジメント検定の合格率は、以下の通りです。
- ・Ⅰ種(マスターコース):17.6%
- ・Ⅱ種(ラインケアコース):58.2%
- ・Ⅲ種(セルフケアコース):69.4%
※参考:結果・受験者データ | 試験のご紹介 | メンタルヘルス・マネジメント検定試験
(https://www.mental-health.ne.jp/data/)
日商簿記検定
日商簿記検定は、会計知識や経営分析に必要な知識が身につく検定で、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施しています。2級を取得できると、企業活動や会計実務に活用できるレベルのため、人事担当者のスキルアップに役立つことが期待できます。日商簿記検定の受験方法は、筆記試験とネット試験の2種類です。
※参考:公式 | 商工会議所の検定試験(https://www.kentei.ne.jp/)
通信教育で学ぶならユーキャンの日商簿記検定2級講座、日商簿記検定3級講座
受験資格
日商簿記検定に必要な受験資格や制限などは、特にありません。
合格率
2022年・2023年に実施された日商簿記検定の統一試験の合格率は、以下の通りです。
- ・1級:10.4%(2022年11月)
- ・2級:24.8%(2023年2月)
- ・3級:36.5%(2023年2月)
採用コンサルタント
採用コンサルタントは、経営視点で人事や採用業務のあり方を学べる資格です。3ヵ月の通信講座に、スクーリング、認定試験の約4カ月のカリキュラムになります。試験では、採用計画や予算管理、採用手順など、採用に関わる幅広い知識について問われます。人事担当者が採用コンサルタントの資格を取得すると、市場に左右されずに、客観的な視点で採用を行えます。
受験資格
採用コンサルタントを受験するためには、実務経験が2年以上で成年に達している必要があります。
合格率
採用コンサルタントの合格率は、非公開となっています。
外国人雇用管理主任者
外国人雇用管理主任者は、外国人雇用についての専門的な知識が身につく資格です。日本は近年、人手不足が深刻化しており、外国人労働者を雇用する企業が増えています。人事担当者が外国人雇用管理主任者を取得すると、外国人雇用に関する基礎知識をはじめ、在留資格や特定技能ビザなどの知識を習得できるため、外国人雇用に関わる業務に役立ちます。
※参考:外国人雇用管理主任者試験 - 外国人雇用支援センター(https://eacf.jp/exam/)
受験資格
外国人雇用管理主任者には、特別な受験資格の必要はありません。
合格率
外国人雇用管理主任者の合格率は非公開です。
マーケティング検定
マーケティング検定は、基本から応用まで、マーケティングの理論が身につく検定です。近年の採用活動では、マーケティングの視点を取り入れる企業が増えています。マーケティング検定を取得することにより、人事担当者はマーケティングの知識が身につき、人事業務でも役立つことが期待できます。
※参考:公益社団法人日本マーケティング協会-マーケティング検定(https://www.jma2-jp.org/marken)
eラーニングで学べてすぐに使えるマーケティング(実践)講座
受験資格
マーケティング検定の2級・3級は、受験する際に必要な条件はありません。1級は、2級試験合格者のみ受験が可能です。
合格率
マーケティング検定の合格率は非公開です。
まとめ
人事担当者が資格を取得すると、仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながるなどの多くのメリットが得られます。
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