コールセンターの研修が必要な理由
コールセンターの研修が必要な理由は、以下の通りです。
- ・業務を効率化できる
- ・顧客満足度を向上させる
ここでは、それぞれの必要性や研修のメリットなどについて解説します。
業務を効率化できる
コールセンターの研修を行うと、オペレーターのスキルが向上して業務を効率化できます。例えば、商品やサービスの知識を身につけると、顧客1人あたりのオペレーターの対応時間が減少し、同時に1人あたりの対応可能な顧客数が増え、コールセンター全体の業務効率化につながります。
コールセンターには、問い合わせが増えるピークタイムがあります。こうした時間帯にオペレーターが全員ふさがり、一時的にコールセンターがつながりづらくなると、、顧客は企業に対するイメージを落としかねません。研修によって、対応時間の効率化を達成できれば、コールセンター全体で対応できる人数を増やすことが可能です。
また、問い合わせから解決までがスムーズになり、電話対応の時間や手間が軽くなることで顧客の利便性が向上し、企業のイメージ向上にもつながります。
顧客満足度を向上させる
コールセンターに問い合わせがあった際の適切な対応は、顧客満足度の向上にもつながります。オペレーターは商品やサービスに関する問い合わせだけでなく、クレーム対応も求められます。適切なクレームの対応は、その後の顧客満足度に大きく影響するからです。
コールセンターの研修では、問い合わせた顧客に対して、真摯に向き合うことを学ばせましょう。研修で学んだ内容を実践することで、丁寧な顧客対応が実践でき、より顧客に喜ばれるようになります。顧客満足度の向上は会社の利益につながるだけでなく、顧客から直接意見を聞き、商品改良やサービス開発につなげることも可能です。
コールセンターの研修内容
コールセンターの研修内容は、以下の通りです。
- ・座学研修
- ・端末や機器を操作する研修
- ・ロールプレイング研修
- ・クレーム対応の研修
- ・OJT研修
ここでは、それぞれの研修内容について解説します。
座学研修
座学研修では、コールセンター業務に必要な基本知識を学びます。研修内容は、業務の内容、商品やサービスの基礎知識、注意点、正しい言葉づかいなどです。オペレーターは音声のみで対応をするので、言葉づかいなどには特に注意しなければなりません。
またコールセンターでは商品やサービス情報、顧客の個人情報などを扱います。オペレーターは業務上の規則や注意事項を理解し、違反しないよう対応することが求められます。クレーム対応後の会社への報告方法なども座学研修で学びます。
端末や機器を操作する研修
コールセンターの業務で使う端末や機器の操作方法を学ぶ研修です。オペレーターは電話機やパソコン、タブレットなどの操作を学び、スムーズに問い合わせに対応する必要があります。実際の業務では、問い合わせを受けながら顧客の情報を入力したり、ログを参照して調べ物をしたりするケースがあります。そのため、研修で端末や機器などの操作に慣れておかなければなりません。
勤務先ごとに使用する端末や機器は異なります。コールセンターの業務経験を問わず、研修で使用方法や注意点を学ぶことが必要です。
ロールプレイング研修
ロールプレイング研修とは、実際に電話がかかってきたことを想定し、対応方法を学ぶものです。顧客からの問い合わせを想定したシナリオをもとに、同僚や先輩社員などを相手にして対応の練習を行います。実際の問い合わせを想定するロールプレイングの内容は、一般的な問い合わせへの基本対応、クレーム対応(レベルに応じて、初期・一般・高難易度等)などがあります。
ロールプレイング研修は、まず問い合わせに対して、台本(トークスクリプト)通り対応できることを目指します。研修では、対応のやり取りを録音し、講師からフィードバックや改善点を指摘してもらい、繰り返し練習します。
クレーム対応の研修
クレームを受けた場合を想定して、基本姿勢や対応方法、謝罪の仕方などを学ぶ研修です。研修を通して、問い合わせに丁寧かつ迅速に対応することの重要性を学べます。また、クレームに対して冷静に対応できる方法が身につきます。
クレームを入れる顧客は、冷静でなかったりオペレーターの対応自体を指摘したりする場合があります。研修で適切かつ迅速な対応方法を学び、さまざまなクレームに対処するスキルを身につけることが重要です。問い合わせのパターン別の対応方法やクレームの初期対応、適切な謝罪の方法なども学習します。
関連リンク: 営業クレーム対応講座
OJT研修
OJT(On-the-Job Training)とは、実際の業務を通じて行う研修です。実践的な対応スキルが身につくため、オペレーターとして業務を始めやすくなります。指導役の人やリーダー層の人がオペレーターの近くで待機して、サポートをしながら問い合わせへの対応を行います。
OJTは実践を通して実務に必要な対応方法やスキルを学べるだけでなく、対応した後に先輩や上司から直接アドバイスをもらえる点がメリットです。アドバイスをもとに改善を繰り返すことで、オペレーターがより成長しやすくなります。
関連コラム: OJTとは? 導入する目的やメリット・デメリット、成功に導く3つのポイントも解説
コールセンターの研修に必要な期間
コールセンターの研修に必要な期間の目安は、最低でも1か月とされています。扱う商品やサービスに専門知識が必要な場合は、3か月程度かけて研修を実施する場合もあります。
コールセンター研修で習得するスキルや知識
コールセンターの研修で習得するスキルや知識は、以下の通りです。
- ・正しい敬語や丁寧な言葉づかい
- ・判断力、クレーム対応力
- ・コミュニケーションスキル
- ・パソコン操作のスキル
- ・商品やサービスの知識
ここでは、それぞれのスキルについて解説します。
正しい敬語や丁寧な言葉づかい
コールセンター研修は、オペレーターとしての正しい敬語や丁寧な言葉づかいなどが身につきます。研修を通じて、ビジネスマンとしての話し方など、基礎力の向上が期待できます。言い回しの表現やクッション言葉などを使い分けることで、業務に限らず日常生活でも活用できる話し方の習得が可能です。また、丁寧語・謙譲語・尊敬語などの使い分けも身につけられます。
言葉づかいの違いによる印象を学び、オペレーターの話し方のスキルを高めることで、企業のイメージアップにつなげましょう。
判断力、クレーム対応力
コールセンターの業務は、商品やサービスに対する顧客の疑問やクレームなどに真摯に向き合い、対応することです。コールセンター研修を受けることで、問い合わせに対する判断力や、クレーム対応力などのスキルが身につきます。
研修では業務を想定して、相手の求めていることを冷静に判断したり、何をすれば喜んでもらえるかを察したりするスキルを習得します。
コミュニケーションスキル
コールセンターの研修を通じて、幅広いコミュニケーションスキルが身につけられます。例えば、敬語やクッション言葉の使い方、傾聴力、対応力などです。コールセンターの業務は、限られた時間のなかで相手の要望を聴き取り、対応する必要があり、オペレーターのコミュニケーションスキルの向上は重要です。
オペレーターには、問い合わせに対して適切な確認や回答をし、早期に顧客ニーズを満たすことが求められます。研修を通じて、臨機応変なコミュニケーションスキルが習得できます。また、発信業務(コールセンターから顧客に対し電話する)の場合は、営業や販売のスキルも身につきます。
関連リンク:コミュニケーションスキルを高めるならビジネスコミュニケーション講座
パソコン操作のスキル
オペレーターは、電話対応と並行してパソコンへ入力したり、問い合わせ情報を調べたりします。研修では、電話をしながらタイピングをする練習を行います。研修を通して、パソコンをスムーズに操作できるようになり、ITスキルの向上が可能です。
業務中は、タイピングの正確性と速度が求められ、研修中にパソコン操作に慣れる必要があります。ただし、コールセンターの業務で使うのは専用のツールです。ワードやエクセルといった一般的なオフィス系ソフトの高度なスキルは求められないことが一般的です。
商品やサービスの知識
オペレーターは問い合わせをした顧客の問題を解決するために、商品やサービスの知識が必要です。扱う商品やサービスによって、知識を学ぶ期間は異なります。たとえば、金融商品のような専門知識が必要な場合は1〜3か月程の研修が必要です。
コールセンターの業務では、問い合わせ対応のマニュアルが用意されています。ただし、オペレーターは問い合わせにスムーズに対応するためにも、研修で商品やサービスの基礎知識を学ばなければなりません。もし、問い合わせ対応中に確認のための保留時間が長くなると、そのことがクレームにもつながるため注意が必要です。
コールセンターの研修を成功させるポイント
コールセンターの研修を成功させるポイントは、以下の通りです。
- ・モチベーションを維持させる
- ・オペレーターの対応の均一化
- ・最新版の業務マニュアルやFAQを共有する
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
モチベーションを維持させる
オペレーターの業務は、問い合わせに対して臨機応変な対応が求められます。しかし、問い合わせの内容は質問だけでなくクレームも含まれるため、1日中これらに対応していると、オペレーターは疲弊します。対応しているうちに、精神的な疲労を感じ、オペレーターのモチベーションが下がる場合もあります。
こうした事態が、コールセンター全体の質の低下につながる可能性もあり、注意が必要です。研修では、コールセンターの重要性や価値を認識できるような内容も伝え、オペレーター自身がモチベーションを維持できるよう工夫しましょう。
オペレーターの対応の均一化
研修時は、オペレーターによって対応に差が出ないことを意識しましょう。顧客対応の差が生まれると、顧客が企業に不信感を抱きやすくなるためです。コールセンターの対応は、全員が同じ内容を話すことや、対応の質が同じであることが求められます。対応の品質が同じであると、企業の信頼につながりやすくなります。
オペレーターの人数が多い職場は、1人ひとりのスキルや対応力に差が出やすい傾向にあります。同じ研修を受けた場合でも、同じスキルや対応力になるわけではありません。研修前にオペレーターのスキルを把握し、個々人の苦手な部分を補填できる研修を実施しましょう。
最新版の業務マニュアルやFAQを共有する
業務マニュアルやFAQは随時更新し、問い合わせに最新の内容で対応できる体制を整えましょう。それぞれ3〜6か月に1回の割合で更新する必要があります。また、研修の際は最新版を使うようにすると同時に、トークスクリプトも繰り返し改善します。
研修で使用するマニュアルやFAQは、実際に業務で使う最新版を使用しましょう。オペレーターが想定外の問い合わせやクレームを受けた場合、研修マニュアルと実際の業務のマニュアルの内容が異なったり、古いものを使用したりしていると、新人オペレーターは情報の真偽を判断できません。
対応方法が分からず、新人オペレーターがパニックになったり、顧客に間違えた情報を伝えたりする可能性があるため、どちらも最新版を揃えておくようにしましょう。
まとめ
コールセンターの研修は、業務を効率化するために必要な取り組みです。オペレーターの対応は、顧客満足度の向上や、企業のイメージにも直結します。真摯な姿勢や柔軟な対応が、顧客の企業に対する印象を左右します。研修でオペレーターの教育を行い、問い合わせのスムーズな対応や、対応力の均一化を目指しましょう。
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