コンプライアンス研修とは? 目的や重要性、効果を高める実施方法などを解説

  • コンプライアンス研修とは? 目的や重要性、効果を高める実施方法などを解説

    公開日:2023.09.26

    更新日:2024.09.18

    昨今、企業のコンプライアンス違反が問題になっています。大きなトラブルを防ぐためには、従業員にコンプライアンスの知識を身につけてもらうことが必要です。全従業員に効率的に学ばせるために、コンプライアンス研修を行いましょう。この記事では、コンプライアンス研修の重要性や目的、研修テーマや効率的な研修方法まで解説します。ぜひ参考にしてください。

コンプライアンス研修とは

コンプライアンス研修は従業員がルールを守る意識を高め、社会人としての規範や人としての倫理観、責任感を養うための研修です。社内規範や企業としての倫理は、企業や属する業界によってさまざまです。しかしコンプライアンス違反が一度発生してしまえば、社会的な問題へと波及し、企業の信頼を著しく損なう事態にもなりかねません。そのため、企業は従業員ひとりひとりがコンプライアンスへの意識を高め、信頼を損なう行為をしないように注意を払う必要があります。コンプライアンス研修を通し、そうした意識を従業員の根底に根付かせ、社会から信頼されるに足る企業であることを伝えることが重要です。
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そもそもコンプライアンスとは

コンプライアンスとは、日本語にすると「法令順守」を意味します。法令とは企業が円滑な経営を行っていくために、守るべき法律すべてを指します。例えば正確な収入と支出の報告、法人税の納税、違法行為の禁止などです。しかし、コンプライアンスで守るべきなのは法令だけではなく、より広い概念を表しています。
 コンプライアンスにおいては、業務遂行における規定や社内ルールなどの社内規範も法令の一部に含まれます。また、より広義には社会の一般常識や良識、道徳観・倫理観などの社会規範もコンプライアンスです。そして企業が対外的に表明する企業理念や社会的責任、公序良俗などもコンプライアンスとして守る必要があります。
コンプライアンス自体は明確に範囲を定義されておらず、あくまで企業や従業員が自ら判断して守るべきかどうか判断しなければなりません。どこからがコンプライアンス違反になるのかを判断するためには、さまざまな状況や環境、慣習、第三者視点からの印象などが基準になります。
 企業と従業員がコンプライアンスへの意識を高めるには、さまざまなケースから学び、それぞれの従業員に判断基準を身に付けてもらうことが重要です。判断基準を身に付けるための学びの機会として、コンプライアンス研修を活用しましょう。

※参考:コンプライアンスとは?正しい意味や違反事例を解説!

コンプライアンス違反のリスク

例えばブラック企業やパワハラ・セクハラ、過重労働による自殺や死亡事例、情報漏えいなど、多くのコンプライアンス違反事例が起こっています。しかしコンプライアンス違反の事例はさまざまなものの、発生原因は限られている点に注目すべきです。
過去に発生したコンプライアンス違反の原因は、多くが以下の3点によるものです。

・知識・教育不足によるコンプライアンス意識の欠如
・過重労働や厳しいノルマによるプレッシャー
・組織としてのガバナンスの欠陥

コンプライアンス違反でよくある原因の1つが、企業や従業員の知識不足による意識の欠如です。コンプライアンスは時代とともに変化しており、10年前は問題がなかった行動でも、時代の変化によって問題視されることがあります。従業員に正しいコンプライアンスの知識がなければ、正しいと思ってした行動がコンプライアンス違反とされることもあるでしょう。
 
また過重労働や厳しいノルマを課している企業では、違反していると知りながら不正行為をしてしまう従業員もいます。こうした企業は組織の目標設定や教育制度、人事評価などに問題を抱えている可能性が高く、コンプライアンス違反が起こるべくして起こったと考えてよいでしょう。
 そもそも組織としてガバナンスに問題があり、コンプライアンスの管理、組織体系に問題がある企業もあります。コンプライアンス違反でどのようなリスクが発生するのか、正しく理解するためにもコンプライアンス研修の価値は高いです。

コンプライアンス研修が重要視される理由

研修により、従業員はどのようなことが違反であるかを知ることができます。更新される情報セキュリティに合わせ、継続的・定期的に行う必要があります。企業のコンプライアンスに関する項目の開示は、国際的にも指摘されており、投資を受けるためにも重要です。

コンプライアンスに違反すれば企業としての信頼を失い、利益にも影響するでしょう。研修は、ルールによる規制ではなく、従業員1人ひとりの意識を高めることにつながり、リスク回避のために一体となってコンプライアンス問題に取り組めます。

企業で起こりやすいコンプライアンス違反例

企業で発生しやすいコンプライアンス違反には、どのようなケースがあるのかご紹介します。
・収支報告書の偽装・粉飾決算
・インサイダー取引
・ハラスメント行為(パワハラ・セクハラ・マタハラなど)
・個人情報・企業機密漏洩
・過重労働
・給与や手当を不当な理由で減額
・SNSにおける不適切な発言・動画の拡散

紹介した例は、コンプライアンス違反で問題になりやすい代表例です。
コンプライアンス違反は企業としての信頼を失墜させ、時には倒産につながるリスクがあります。
コンプライアンスへの意識を高めるためには、研修の実施に加えて相談窓口も設置し、組織として取り組んでいく意思を明確にすることが重要です。

コンプライアンス研修の目的

コンプライアンス研修が行われる3つの目的について、具体的に解説していきます。

法令から社会的ルールまで理解

コンプライアンスは、組織に所属する従業員ひとりひとりが理解すべき規範であり、日頃から意識して行動しなければなりません。新入社員から経営者まで、全てのビジネスマンがコンプライアンスを身に付けることで、法令や就業規則に則った行動ができます。特に新入社員は社会人としての意識、ビジネスにおける常識が未熟なため、コンプライアンス研修で社会における基本的なルールを身に付けることが重要です。社会人としてコンプライアンスの遵守が求められるのは、会社法・労働法・独占禁止法・下請法・個人情報保護法など多種多様です。こうした知識を学習するには、コンプライアンス研修で専門的な内容を学ぶのがよいでしょう。

コンプライアンス違反によるリスク回避

現代社会では、コンプライアンス違反による不祥事事例は数多くあります。横領のような重大事件のほか、持ち出し禁止の個人情報を社外に持ち出した事例、機密情報の漏洩など、事件の大小を問わず社会に影響を与えた事件は数えきれないほどです。コンプライアンス違反について学ぶのであれば、過去の不祥事事例を知ることで、社会的に許される行為とそうでない行為の区別がつくようになります。基本的には法令に違反しないことが大前提であり、そこに自社の就業規則も詳しく知ることで、コンプライアンスへの意識を高めることができるでしょう。

企業の価値を高める

コンプライアンス研修を通して、従業員のコンプライアンスへの意識を高めることは、企業の価値にもプラスになります。近年は、大手企業であってもコンプライアンスに違反する事例が発生し、企業のブランド価値を毀損しています。コンプライアンスについて学ぶことは、企業の価値を高めることに繋がり、機密情報や個人情報を取り扱う企業としての信頼を高めるうえでも重要です。マーケティング戦略の1つとして、企業の信頼性を高めることができれば、同業他社との差別化にもなります。

コンプライアンス研修のおすすめテーマ

コンプライアンスについて、社内での認知が必要なテーマを紹介します。自社の状況やリスクに応じた優先順位で取り組みましょう。

個人情報保護法など情報セキュリティ

企業にとって、顧客情報と社員の情報は重要な機密であり、保護すべき個人情報です。
コンプライアンス研修でも個人情報保護法などに基づいて、情報セキュリティを学習するのがおすすめです。個人情報保護に関するコンプライアンス研修では、次のような内容を学べます。

  • ・個人情報の含まれるデータの保管方法
  • ・個人情報に関する書類の廃棄方法
  • ・個人情報や機密情報を含む資料・データの取り扱い


近年、企業や公的機関職員が自宅に機密情報を持ち帰り、データの入ったUSBを紛失する事件が相次いでいます。個人情報の取り扱いは厳重に行うべきであり、コンプライアンス研修を通して意識付けが必要です。

SNSの取り扱い

今やスマホは1人1台持つのが当たり前になっており、誰でも気軽にSNSで情報発信できる時代です。 匿名性の高いSNSもありますが、不注意から個人情報が流出し、大問題になるケースも少なくありません。またSNSにアップした写真から個人の居場所を特定し、犯罪に巻き込まれるといった事案も発生しています。そのため企業においてもSNSの取り扱いについて、コンプライアンス研修で学ぶのは非常に重要です。
コンプライアンス研修で学ぶ内容としては、次のようなものがあります。

  • ・業務に関する情報の発信
  • ・個人情報・機密情報・顧客情報の取り扱い
  • ・SNS上での誹謗・中傷
  • ・公序良俗に反する情報発信

社会人としては基本的な内容ですが、基本だからこそ今一度学んでおくべきです。

ハラスメント

ハラスメントは従業員の生産性、モチベーションにも関わる大きな問題です。組織として解決に取り組まなければ、企業の信用は失墜し、多額の賠償金を支払うことになるでしょう。ハラスメントにはパワハラ、セクハラ、マタハラのほか、パタハラ、モラハラなど50種類以上のハラスメントがあります。ハラスメントは企業の就労環境や人間関係の影響が大きく、意識的に組織改革を行わなければ解決しません。また数年前までならハラスメントと認定されなかったことでも、知らないうちにハラスメントとして認定されるケースもあります。常に最新の情報を知っておくためにも、コンプライアンス研修でハラスメントの定義や種類を学び、加害者と被害者の双方を減らす努力が必要です。

著作権などの侵害

著作権や肖像権などの侵害に関する問題も、コンプライアンス研修で学べます。例えば、他社のWebサイトのイラストや個人が撮影した写真、個人の許可を得ずに掲載した写真などを無断で使用すれば、著作権や肖像権の侵害として訴訟される可能性があります。たとえ著作権フリーのイラストや写真であっても、掲載している管理者の設定した規約に違反すれば、著作権違反となる可能性が高いです。 著作権や肖像権は普段あまり意識されませんが、ビジネスにおいては信頼に大きく関わる問題です。知らないうちに著作権や肖像権に違反しないためにも、コンプライアンス研修で学ぶ意義があります。特に新入社員にとって著作権や肖像権は身近で関わりのない法律であり、学んでおく必要性は高いといえます。

下請法

下請法とは「下請代金支払遅延等防止法」が正式名称であり、下請事業者を保護するための法律です。実は、下請法は企業のコンプライアンスで最も問題となる法律であり、現場レベルでは下請法が遵守されていないケースが多々あります。そのため現場で働く従業員はもちろん、経営者・管理職まで、幅広い役職の人がコンプライアンス研修で下請法を学ぶ価値は大きいです。下請法のコンプライアンス研修では、次のような内容を学べます。

  • ・下請法に関連する法律
  • ・下請法が適用される取引の種類
  • ・下請法における義務
  • ・禁止事項
  • ・違反と罰則

他にも発注から納品、代金支払いという取引の流れに沿って、下請法がどのような場面で関係しているのかを具体的に学習できます。コンプライアンス研修を受講することで、下請法における実践的な取引について学ぶ機会になります。

コンプライアンス研修の事例やネタの集め方とは

企業や社員の行動規範にもなるコンプライアンスを学ぶには、目的や業種に応じて事例やネタを探すのがおすすめです。ネタ・事例探しの方法を3つ紹介します。

同業他社の事例で探す

企業のコンプライアンスを学ぶには、自社の属する業界の他社の情報を収集してみましょう。よくある例として、小売業の産地偽装、医療・介護業界の虐待、IT業界の顧客情報漏洩などがわかりやすいでしょう。同業他社の事例を参考にすることで、自社にも共通する要素を見つけやすく、実際の業務場面をイメージしながら学べます。また同業他社の事例を学べば、自社ならどう改善していくか、現状の課題は何かが明確化できます。コンプライアンス研修は単に企業イメージ向上や社員の質の改善だけでなく、組織全体の生産性や作業効率改善にも果的です。

法律や人権をテーマに探す

コンプライアンスの問題事例でよくあるのが、法律や人権に関するテーマです。現代社会で問題になるパワハラやセクハラ、いじめなども人権問題の中で重要なテーマです。ダイバーシティや多様性への理解も、人権の観点から学ぶべき内容といえます。また企業や業界に関連した法律は、年度によって改正されることも多く、コンプライアンス研修に組み込みたいテーマです。法務省や厚生労働省のホームページを参考に、コンプライアンス研修に組み込む内容を検討しましょう。ただし法改正に関しては法律の専門知識が必要となるため、初心者には難しい内容も多いです。そのため、コンプライアンス研修を専門的に提供している事業者に依頼すれば、法改正のポイントや注意点もまとめて学べておすすめです。

トラブル・違反事例から探す

企業の業務上発生しやすいトラブル、社会通念上問題となる違反事例からネタを探すのもおすすめです。例えば、組織形態や業種・業界を問わず発生しやすいハラスメントの事例、自分の利益のために不正を行った事例、知的財産権の侵害事例などです。裁判にもなった事例であれば、裁判例検索で最高裁判所判例から労働事件、知的財産の判例まで検索できます。
また有名な事件や判例であれば、弁護士事務所のサイトにも掲載されているものがあるため、許可を得たうえで解説とともに研修に取り入れるのがよいでしょう。より詳しい内容を学びたい場合は、法律の専門家に依頼して研修すると社員の理解につながります。

参考:「裁判例検索」https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

コンプライアンス研修の流れ

コンプライアンス研修のステップについて、4つの段階でご紹介します。

コンプライアンスの認識レベルを調査

最初にやることとして、従業員全員に対してコンプライアンスの認識レベルを調査します。従業員がコンプライアンスについてどれだけ理解し、どのような点に日頃から注意を払っているのか、違反になると考えられる行為をどう捉えているかアンケートを行います。クローズドクエスチョンだけでなく、具体的に答えるオープンクエスチョンも織り交ぜ、ひとりひとりの認識を確認してください。この時注意すべき点は、階層や職種別の認識も分類することです。
 例えば従業員がコンプライアンスのどの点を意識しているか、従業員から見た上司のコンプライアンス意識、企業のコンプライアンスにおける課題なども調査します。
また管理職がコンプライアンスをどのように捉えているか確認し、従業員の認識との違いも比較しましょう。

盛り込むべき内容の検討

調査結果が出たら、次はコンプライアンス違反につながるリスク、改善が必要なポイントを洗い出しましょう。個人情報の漏洩やサイバーセキュリティへの意識、ハラスメント行為などのコンプライアンス違反のリスクが高いものに優先順位をつけていきます。
この際、コンプライアンスの意識が高い内容について、階層と職種別に洗い出しておくことがポイントです。
 例えば若手であればサイバーセキュリティへの意識が高い反面、SNSによる不適切発言や個人情報漏洩への意識が低い可能性があります。また、管理職はハラスメントやサイバーセキュリティへの意識が低い可能性があります。それぞれの特徴を把握したうえで、どのターゲットにどのようなコンプライアンス研修を行うべきか内容を検討してください。

カリキュラムの策定・実施

研修の内容が決まったら、カリキュラムの策定と実施です。研修は階層や職種、部署に合わせてカリキュラムを策定し、それぞれに以下の流れで実施します。

1,コンプライアンスの基本と概要について学ぶ
2,講義や動画を視聴してコンプライアンスの知識を学ぶ
3,事例から正しい行動や対処法を学ぶ
4,現場で実践する

コンプライアンスについて理解しているつもりでも、実際には断片的な情報しか知識がないこともあります。最初はコンプライアンスの基本と、正しい知識を身に付けることから始めましょう。基礎となる知識が身に付けられたら、次は過去に起こったコンプライアンス違反の事例から正しい行動や対処法を学びます。可能なら自社の業種や業界と同じ企業の事例を用いると、具体的な対処法がイメージしやすくなります。最後に実践でコンプライアンスを意識して行動し、部署内で情報を共有してもらうことが重要です。従業員同士でコンプライアンス違反の可能性を指摘させて意識を高めるとともに、予防的な行動を促しましょう。

振り返りと調査

最後に研修全体を振り返り、再度意識調査を行います。研修前と研修後の調査結果を比較し、研修の成果がどの程度あったか測定しましょう。コンプライアンス違反は気の緩みによっても発生しやすく、一度だけの調査では不十分です。一定の期間を置いてコンプライアンスへの意識を調査し、リスクを早めに発見・対処することが重要です。またコンプライアンスは時代によって変化するため、定期的に研修の機会を設ける必要があります。何度も研修を行い、組織全体のコンプライアンス意識を高めてください。

コンプライアンス研修の効果を出すための3つのポイント

コンプライアンス研修の効果を出すためのポイントは、テーマや環境、タイミングの3つです。具体的に解説します。

1、対象者によってテーマを変える

コンプライアンス研修の効果を出すためには、研修の対象者によってテーマを変えるのが効果的です。例えば、新入社員を対象とした研修と管理職を対象とした研修では、当然ながら目的もテーマも全く違います。対象者によってテーマを変える場合は、次のような内容にしましょう。

  • ・新入社員を対象とした場合:コンプライアンスの基礎知識
  • ・主任・係長クラスを対象とした場合:具体的な事例を基にした対処法
  • ・マネジメント・経営者クラスを対象とした場合:組織としてのコンプライアンスの仕組み作り

上記のように対象者を階層別に分類し、それぞれのクラスに応じたコンプライアンス研修テーマを設定すべきです。新入社員や若手の場合は、社会人としての常識を学ぶ意味で、コンプライアンスの基礎から研修を行いましょう。部署のリーダーや主任、係長クラスなら、現場レベルで注意すべきコンプライアンス違反の事例、具体的な対処法を学ぶことで、部下への適切な指導が行えます。マネジメント層や経営層なら、組織としてコンプライアンスを遵守する仕組み作り、組織全体のコンプライアンス意識を高めるルール設定などの研修を行うべきです。

2、研修をする環境を整える

コンプライアンス研修を行う場合は、職場で実施できる環境を整えるだけでなく、従業員が参加しやすく、学びやすい環境を整えることも重要です。職場でコンプライアンス研修を行う場合、日時を限定して会議室などを貸し切り、仕事の合間や勤務時間後に研修を受けなければなりません。しかし従業員にはさまざまなライフスタイルがあり、誰もが研修を受けられるとは限りません。そのため、どの従業員でも同じようにコンプライアンス研修を受けられるように、業務内容そのものを見直したり、オンラインセミナーも導入して、研修しやすい環境を整えることが大切です。また研修に参加できなかった方や、振り返りを行いたい方向けに、録画した内容を繰り返し閲覧できるようにすることも重要です。

3、何度もコンプライアンス研修を行う

コンプライアンス研修は1回だけ行うのではなく、何回も繰り返し行うことで効果を発揮するものです。年に数回のコンプライアンス研修を行っている企業は多いですが、組織が大きくなるほどコンプライアンス研修を行うことは難しくなります。しかしたとえ難しくても、次のようなタイミングでコンプライアンス研修は行うべきです。

  • ・新入社員の入社後
  • ・社内規定や組織体制の変更があった時
  • ・同業他社にコンプライアンス違反や社会的な問題が発生した時
  • ・社内でコンプライアンス違反が発生した、または発生しそうな時

上記のタイミングは、組織の変化による従業員の意識の変容、新社会人向けの教育としてコンプライアンス研修を行うべきタイミングです。また、同じ業界の企業や自社にコンプライアンスに関わる問題が発生している時も、予防策としてコンプライアンス研修を行いましょう。上記のタイミングを基本として、それ以外の時期でも定期的にコンプライアンス研修を実施し、社員に共通したルールを認識してもらうことが大事です。

コンプライアンス研修を外部に依頼して実施する方法

コンプライアンス研修の社内での実施が難しい場合は、外部の専門家に依頼するといいでしょう。外部に依頼する方法は3種類あります。具体的に解説します。

オンライン・eラーニング

オンライン・eラーニングを使った研修は、インターネットに接続できる環境であれば、どこでもできます。個人で好きな時間に学ぶことも、企業内で集合研修を行うことも可能です。研修のコストが比較的かからず、社内に専門知識を持つ人材がいない場合でも、質の高い研修を実施できます。

eラーニングは、グループワークなど実技や実践ができないことが多い点がデメリットですが、社内で研修を行えば研修のノウハウがたまります。企業ごとにカスタマイズ可能なオンライン研修もあります。

講師による対面研修

講師による対面研修は、自社に合わせてカスタマイズ可能な点がメリットです。弁護士やコンプライアンス研修講師など、専門家に依頼して社内で研修を行います。講師に直接質問ができますが、コストがかかる点がデメリットです。

まとめ

企業におけるコンプライアンスの重要性は高まっています。自社の違反対策のため、コンプライアンス研修を行いましょう。想定されるリスクに応じたテーマを選定し、適切なタイミングで、継続的に行うことで効果が見込めます。研修は自社で行う方法と外部に委託する方法がありますが、従業員の勤務スタイルやコスト面を考慮して選びましょう。
ユーキャンの法人向け人材育成サービスは丁寧なヒアリングで課題を抽出し、法人様ごとにフィットするご提案をいたします。ぜひご相談ください。 

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