eラーニングとは? 導入するメリット・デメリットや成功させるコツを解説

  • 公開日:2022.09.26

    更新日:2024.09.18

    eラーニングは研修や社員教育にかかるコストを抑えて、効率よく学習することができる教材です。ただし、導入にかかるコストや社員のモチベーション管理などには注意が必要です。この記事ではeラーニングのメリットやデメリット、失敗する場合の特徴などを解説します。eラーニングを導入する際に、ぜひ参考にしてください。

eラーニングとは

eラーニングとは、インターネットを利用したオンライン学習のことです。パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスを使って学習を行います。オンラインで講義を受講できるため、多数の社員の同時教育や研修などへの活用が可能です。学習の場所や時間を選ばないことで、社員に対する教育の効率を高められます。

eラーニングシステム(学習管理システム)とは

eラーニングシステム(学習管理システム)とは、インターネットを利用してオンライン学習ができるシステムのことです。パソコン・スマホ・タブレットなど、ネットワークに接続できる環境があれば、誰でも気軽に学習できる点が特徴です。またeラーニングシステムでは誰が、いつ、どの科目を学習したか管理画面で確認できるため、管理者側が学習状況を把握しやすいというメリットもあります。

eラーニングシステム(学習管理システム)でできること

eラーニングシステムは活用すれば便利な学習方法であり、学習者にとっても管理者にとっても、効率的な学習支援システムといえます。eラーニングシステムで具体的にどのようなことができるのか、学習者・管理者それぞれの視点で紹介します。

▼学習者視点

学習者視点でeラーニングシステムにできることは次の通りです。

・自分のペースで学べる
・ネットワーク環境があればどこでも学習できる
・何度でも繰り返し学べる
・様々な科目や内容が用意されている

eラーニングシステムはパソコンがあれば自宅、スマホ・タブレットなら外出先でも学べる便利なシステムです。時間と場所にも縛られることがなく、自分のペースで学習できる点が最大の特徴といえます。加えて、eラーニングシステムは通常の研修とは違い、何度でも繰り返し視聴し、復習できます。理解しきれなかった箇所を繰り返し見直すことができ、理解度を高められるでしょう。eラーニングシステムには複数の科目やプログラムが用意されており、学びたい内容に応じて選択できる点も重要なポイントです。学習者の興味に合わせて内容を選択しやすく、モチベーションを維持しながら学習を続けられます。


▼管理者視点

管理者視点でeラーニングシステムにできることは次の通りです。

・社員の学習管理ができる
・教育内容を統一できる
・スマホ・タブレット一台で全社員に学びを提供できる

管理者視点では、学習者である社員一人ひとりの学習状況が可視化できるため、サポートやフォローしやすい点で優れています。次々と先に進める学習者もいれば、思うように進めない人もいるなどさまざまです。管理者として社員の学習状況を確認できれば、個別に面談を行って学習方針を立てることもできます。また通常の集合研修やグループワークのように、学習者毎に教育内容の偏りが出にくい点も特徴です。誰もが同じ条件で学習できるため、基礎知識の習得や技術の底上げを目指す場合に利用しやすいでしょう。中小規模の会社であれば、タブレット1台を各部署に回して学べる点も優れています。コストを抑えて学習できるため、専門講師に依頼するよりも予算を圧縮できます。

eラーニングを行う目的

eラーニングを行う目的は企業によってさまざまですが、共通しているのは学習者と管理者のそれぞれに成長を促す目的があることです。それぞれの視点から具体的な目的について紹介します。

学習者視点

学習者視点でのeラーニングを行う目的は次の通りです。

・現場で使える知識を身に付ける
・モチベーションを維持する
・スキルアップ・キャリアアップにつなげる
・繰り返しの学習で理解を深める

eラーニングは学習者の知識・技術を底上げしつつ、実務で学びを活用できるようにすることが大きな目的です。また、学習を通してスキルアップ、将来的なキャリアアップにつなげることもできます。学びが実務で活かせればモチベーションアップにもなり、会社の生産性向上にも貢献できるでしょう。

管理者視点

管理者視点でeラーニングを行う目的は次の通りです。

・社員の知識・技術の定着度を確認する
・いつでもどこでも学習できる環境を提供する
・成長を促し、即戦力となる人材を育てる
・感染リスクを防止する
・コストを抑えて効率的に研修を実施する

管理者視点でのeラーニングの目的は、学習者とは若干異なり、社員の学習状況の管理、人材育成に重点が置かれます。研修にかかるコストを軽減しつつ、早期に人材を育成する効果を期待しています。

eラーニングの歴史

eラーニングは近年、どこの企業でも取り入れられていますが、歴史を遡るとかなり以前から原型が存在していました。インターネットの普及やスマホ・タブレットなどのデバイスの多角化により、利用者が急速に増えています。eラーニングの歴史はどのようなものか、詳しく解説していきます。

eラーニングのはじまり

eラーニングのはじまりとされるコンピュータを使用した学習方法は、1950年代にアメリカでCAIという考え方が出てきたことから始まりました。CAIは「コンピュータを利用した学習支援」という考え方で、従来の集合型研修の問題点を解決し、効率化を図るものでした。従来はインストラクターと学習者が一か所に集まり、長時間話を聴いて、その内容を逐一上司や会社に報告しなければならないという非効率な方法でした。ビデオ教材という方法も後に登場しますが、根本的な課題解決にはならないことが課題とされていました。そのため学習する場所を選ぶ必要がなく、インストラクターへの依頼費用を抑え、管理者側が学習内容を管理しやすいというメリットから、CAIの考え方が注目を浴び始めます。しかし当時はインターネットはおろか、コンピュータがようやく普及を始めた段階で、現代のようなシステム構築は困難という問題点がありました。そのため、この時点ではCAIに基づいた教育支援は、スムーズに進まなかったのです。

eラーニングの発展

eラーニングが発展するきっかけになったのが、1990年代に入ってパソコンが普及したことです。パソコンが急速に発達・普及する中で、CAIがCBT(コンピュータ・ベースド・トレーニング)という考え方に変化しました。加えて、大容量のCD-ROMに動画や音声を教材として記憶させ、実際に教材として用いられるようになりました。この頃からeラーニングという言葉が登場し、一般家庭でもパソコンの普及率が高まっていきます。特に1995年頃は家庭用パソコンOSの先駆けともいえる「Window95」が発売され、それまで一部の人しか扱えなかったコンピュータが、家庭で誰でも扱えるように環境が大きく変わりました。こうした流れに乗って、CBTによる教育はさらに発展していきます。しかしこの当時でも今ほど簡単に教材を用意できる環境はできておらず、教材作成のコスト、誤りの修正が困難、管理者側での一元管理ができないという課題は残っていました。そのため、CBTが普及するまでにはもう少しの時間を要します。

インターネットによる学習システムの確立

日本におけるeラーニングの環境に大きな変化が生じたのは、2000年に政府が打ち出した「e-Japan構想」がきっかけです。この構想は日本型IT社会の実現を目指すという目標のもと、5年以内に超高速ネットワークインフラを整備することが重点政策に掲げられます。さらに、2001年には「日本イーラーニングコンソシム」が設立され、eラーニングを普及させる流れが加速しました。2000年代はインターネット環境の大幅な変化があった時代でもあり、企業内で独自のネットワークシステムを整備する企業も多く現れます。そして、eラーニングの手法も従来のCD-ROMを利用したCBTから、WBT(ウェブ・ベースド・トレーニング)に変化していきます。CBTでは、個人のパソコンにCD-ROMなどを教材として配布してきましたが、WBTではインターネットを通じて教材を配信する方向に大きくシフトしました。ネットワークを利用する企業も増えたことで、WBTでのeラーニングシステムは急速に普及し始めます。これは企業だけに留まらず、学校などの教育機関でも利用されるようになり、eラーニングは日本全体で利用されるケースが多くなりました。さらに、技術の進歩に伴ってLMS(ラーニング・マネジメント・システム)というものも登場し、オンライン上で教材の配布も可能になりました。LMSの登場は管理者にとっても大きなメリットでした。

  • ●受講者の進捗状況を把握できる
  • ●教材データを保管する必要がない
  • ●インストラクターと双方向のやりとりが可能
  • ●テストやレポートの実施・採点までオンラインで可能
こうした変化によって、管理者側の手間が大幅に減ったことで、WBTとLMSがそれまでのeラーニングの常識を大きく変えることになりました。

スマートデバイスによる普及

eラーニングの普及について語るうえで、もう1つ欠かせない大きな変化があります。それは2000年代後半から登場し、今や1人1台持つのが当たり前になったスマートフォンやタブレット端末の普及です。スマートデバイスは持ち運べるパソコンとして、いつでもどこでも何度でもすき間時間に学習することを可能にしました。通勤中の電車の中はもちろん、仕事の休憩時間でも研修が受けられるようになり、それまで以上に効率的なeラーニングを実現しました。スマートデバイスは持ち運びしやすく、一か所に集まらなければ研修を行えなかった製造業・接客業・サービス業でも、気軽に研修を受けられるメリットがあります。また近年のeラーニングでは利用者同士のコミュニティ機能を搭載しており、同じ学習をした者が集まって、意見交換や支援を行えるように進化しています。会社で利用した場合は、部署を問わずコミュニケーションを促進でき、部署間の交流や連携による生産性の向上に繋がっているケースも少なくありません

eラーニングの今後の展望

eラーニングは今や企業でも学校でも当たり前に取り入れられ、一般的な研修方法として受け入れられています。特にコロナ禍以降はテレワークやオンラインが社会全体に普及し、心理的・技術的なハードルも大幅に下がっています。その中で今後のeラーニングに必要とされるものは、対面で行っていた研修にどれだけ近づけるかという課題と、AIを活用した変化です。eラーニングは便利なシステムですが、対面での研修のように五感で感じ取ることはできず、あくまで動画や音声、文字による学習に限られます。リアルタイムでインストラクターと繋がり、人間の五感をどうやってeラーニングで生かしていくのか、この点が今後の成長の鍵となってくるでしょう。またAIの進歩も目覚ましく、2023年にはAIの知能が人間の知能の総和を超えるともいわれています。AIを活用したeラーニングも今後ますます普及していくでしょう。eラーニングは時代と共に姿を変え、より効率的な方法へと進化し続けています。時代の変化に合わせたシステムを採用し、企業にとって最適なサービスを選び続けることを意識していきましょう。

eラーニングの導入に必要なもの

eラーニングの導入にあたって、必要なものをみていきましょう。

学習管理システム(LMS:learning management system)

eラーニングはカテゴリーや単元、チーム毎に学習領域が分かれており、教材に応じて管理プログラムを用意するよりも、まとめて管理できるシステムの方が便利です。そこで学習管理システムを利用すれば、学習者の進捗状況把握、教材の管理・作成・保存、部署毎の学習者登録などが可能になります。また、その他にも次のようなメリットがあります。

  • ●教材毎に管理プログラムを作成する手間が不要で、工数とコストを大幅に削減できる
  • ●LMSを利用すればeラーニングの実施・教材作成などが簡単に行える
  • ●eラーニングに関わる全ての情報を企業が一元的に管理できる
上記のメリットがあることから、eラーニングにおいて学習管理システムを準備することは、管理者側にも大きなメリットです。

学習教材

eラーニングを運用するためには、学習管理システムと合わせて、学習教材も必須です。どれほど便利な学習管理システムを導入しても、学習教材の質が悪ければeラーニングの効果は期待できません。学習教材はさまざまな種類があるため、企業の業種・働き方・職場環境に合わせて適切なものを選択しましょう。

  • ●画像やテキスト(スライド型教材)
  • ●動画(ビデオ型教材)
  • ●テスト形式(演習型教材)
自分のペースで受講するならスライド型、複数人でまとめて受講するならビデオ型、振り返りや実践的な能力を身に付けるなら演習型が向いています。学習教材は自作も可能で、オーサリングツールという編集用ソフトウェアを利用して、管理者が作成することもできます。

学習支援者(メンター)

eラーニングを利用した学習の中でも、近年必要とされているのが学習支援者です。メンターや学習アドバイザー、チューターとも呼ばれ、学習者の学びをサポートし、モチベーションを高める役割があります。メンターは、指導者的な立ち位置で学習者をサポートする存在です。学習アドバイザーは学習者へのトータルケア、チューターは主に学習者の疑問・質問に答えるのが役割です。eラーニングは個人の主体性に任せる側面があることから、モチベーションの維持が最大の課題であり、効率的な運用を進めるなら注意しなければなりません。その点、学習支援者の存在は学習者の意欲低下を防ぎ、理解の促進に繋がるため、eラーニングの導入成功においては重要な鍵になります。

受講者用の端末(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)

eラーニングを導入する際は、受講者用の端末を用意することも重要です。現行のeラーニングは、ほとんどがパソコン・スマートフォン・タブレットで利用できるようになっています。そのため学習者が個人の端末を利用し、eラーニングを受けられるようにするほか、企業としても端末の貸し出しを考えましょう。特にITリテラシーの低いベテラン社員の場合、スマートフォンを利用した学習がうまくいかないことも考えられます。iPhoneやandroidというOSの違いによってもアプリの扱いは異なるため、受講者の利用端末に配慮する必要性は高いです。企業の端末を貸し出し、手順通りの操作でeラーニングが利用できるようにすれば、学習の進捗や普及率が高まる効果が期待できます。

eラーニングを導入するメリットとデメリット

eラーニング導入にはさまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。学習者・管理者にとってどのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく解説します。

学習者視点から見たメリット・デメリット

学習者側にとってのメリット・デメリットについて、一覧でみていきましょう

【メリット】
・いつでも好きな場所で学習できる
・理解度に応じて学習内容が選べる
・繰り返し学習できる
・慣れたら倍速で視聴できる
・学習してすぐにテストできる
・実技の学習がしにくい

【デメリット】
・オンライン環境が必要
・社員同士のコミュニケーションができない
・講師へのリアルタイムでの質問ができない


まず、メリットから解説していきます。学習者にとってeラーニングの最大のメリットは、いつでも好きな場所で学習できることです。インターネットにつながる環境さえあれば、スマホでも学習できることが大きな魅力です。動画をダウンロードできるタイプなら、自宅でダウンロードし、ネットワーク環境のない場所でも視聴できます。学習者の理解度に応じて内容を選択でき、何度でも視聴できる点もメリットです。理解できるまで何度でも学習できますから、分からない部分をそのままにしておくことがなくなります。視聴速度も等速~2倍速程度まで選べるものがあり、慣れてくれば視聴時間を短縮できます。そして教材によっては学んだ内容をすぐにテストでき、インプットとアウトプットを同時にできる点も強みです。

一方、eラーニングならではのデメリットもあります。最大のデメリットは、実技の学習には不向きという点です。eラーニングは座学で知識を学んだり、手順を見て覚えたりするのには向いていますが、実技は自分で試行錯誤するしかありません。講師がその場にいないため、改善点を自分で見つけることになります。基本的にオンライン環境が必要であり、通信環境によっては視聴できず、通信容量も消費するデメリットもあります。社内のインターネットや自宅のWi-Fi、外出先のフリーWi-Fiなどの環境が必須です。集合研修とは違い、社員同士や講師とのコミュニケーションが取れない点もデメリットといえます。特に疑問をその場で質問できない点は、学習のモチベーションを下げる原因になるおそれがあります。

管理者視点から見たメリット・デメリット

管理者側にとってのメリット・デメリットについて、一覧でみていきましょう。

【メリット】

・研修コストが削減しやすい
・全社員に学びを提供できる
・社員の学習状況を管理できる
・最新の知識が得られる
・教材のアップデートがしやすい
・学習者に合わせたカリキュラムを組みやすい

【デメリット】

・IT知識・リテラシーが必須
・習熟度にバラつきが出やすい
・学習に強制力がない

管理者側のメリットについて解説します。eラーニングは管理者にとって、研修コストを削減しつつ質の高いカリキュラムを提供できる方法です。通常、集合研修を行うには講師の依頼料や交通費、研修会場の費用、その他諸経費が必要になります。しかしeラーニングなら社員毎にアカウントが割り振られ、その数に応じて費用が発生するうえ、集合研修に比べて大幅に安く済みます。全社員を対象に、平等に学びの機会を与えられる点もメリットです。意欲のある社員ほど高い効果が期待でき、スキルアップ・キャリアアップにつながります。管理者が学習状況を管理しやすく、社員一人ひとりへのフォローアップもしやすいです。必要に応じて個別のカリキュラムを構築すれば、より高いレベルで学習も可能です。一方で、少ないながらデメリットもあります。まず、管理者側に十分なIT知識とITリテラシーが求められることです。システム画面の操作はもちろん、学習者からシステムについての質問が来た場合に備え、システムへの理解が必要になるからです。また集合研修に比べると、eラーニングには学習への強制力がない点もデメリットとなります。学習意欲の低い人が現れた場合に、どうやって利用を促すかが課題になります。学習意欲の高い人と低い人が現れれば、結果的に習熟度にもバラつきが生じるでしょう。社員の自主性に任せつつ、一定の強制力を持たせる対策が必要です。

eラーニングと他の教育方法の費用の違い

eラーニングはインターネットを利用した通信教育に近い学習方法ですが、他の学習方法との費用面に違いがあります。通信教育や通学型教育、集合研修との費用面での違いについて解説します。

eラーニングと通信教育、通学型教育の費用の比較

eラーニングと通信教育、通学型教育との費用を比較します。まず、必要な費用を一覧にすると次の通りです。

・講座費用(2週間)
・入学金
・交通費
・講師依頼料
・教材費

これらをすべて含めて計算すると、社員1人あたりの費用相場は以下のようになります。

各学習形態の1人あたりの費用相場

eラーニング:7,000~9,000円
通信教育  :2万5,000~3万円
通学型教育 :3万6,000~4万円

eラーニングの場合、通信教育や通学型教育に必要な入学金、交通費、講師依頼料、教材費などがほとんど発生しません。そのため、他の教育方法に比べると1人あたりの費用が大幅に安く抑えられます。また一度に数百人分の契約をすることも可能で、社員数の多い企業ほどコストを抑えながら学習環境を提供できるでしょう。

eラーニングと集合研修の費用の比較

eラーニングと集合研修での費用の違いについても比較します。集合研修の場合、必要になる費用を一覧にすると次の通りです。

・宿泊費用(1泊2日×5回)
・受講者数(500人)
・食費
・交通費
・研修会場費
・講師依頼料
・教材費
・システム利用料

これらの費用を含めて、eラーニングと集合研修の費用相場を比較すると次のようになります。

各学習形態の費用相場
eラーニング:250万~260万円
集合研修  :1,000万~1,200万円

eラーニングの場合、必要な費用は講師依頼料と教材費、システム利用料のみで済むため、集合研修に比べて大幅に費用を抑えられます。また集合研修の場合、勤務として扱われることから人件費も発生します。研修費用に加えて人件費も加算すると、費用の違いはより明確になるでしょう。

eラーニング導入事例

以下は、eラーニングを導入した2つの企業の事例です。新入社員と管理職向けに導入した詳細をご紹介します。

株式会社バイク王&カンパニー

株式会社バイク王&カンパニーは、「成績や営業効率を上げたい」「新しいことにチャレンジしたい」という社員の声からeラーニングを採用しました。新入社員向けの教材として活用することで、教材を学んだ社員は自身の業務や数値などに表れています。

社員が入社した後にeラーニングを活用して、早い段階で昇進につなげています。同社は営業職の社員が多いため、学習の進捗を管理できる点が自社の方針に合っていたことで成功しました。
事例詳細はこちら

伊勢半グループ

伊勢半グループは新任管理職の研修用にeラーニングを導入したことで、社員の業務に対する不安を解消させました。eラーニングを採用したことで管理者を登用する際の公平な試験が実施できるようになり、試験にかかる作問や試験監督、採点などの負担の軽減にもつなげています。

管理者としての全体認識や知識部分を学習でき、職務につく不安の低減につなげています。社員が「何をすべきか」の判断が明確になり、意思をもって自主的に行動できるようになりました。
事例詳細はこちら

eラーニングの実際の使い方

eラーニングの実際の使い方は、学習者と管理者それぞれの視点から考えるのがわかりやすいです。それぞれの使い方について、視点毎に解説します。

学習者

まず学習者にとっての使い方としては、学びの観点から見やすさ・使いやすさ・わかりやすさの3点が重要です。学習する度に煩雑な手間が掛かるようでは、準備段階で学習者が意欲を失ってしまいます。若い世代だけでなく、ベテランにもわかりやすいインターフェースを用意し、学習しやすい環境を提供しましょう。また教材は受講して終わりではなく、受講後の簡単なレポートやアンケートを用意し、疑問を管理職と講師に質問できる環境設定も重要です。さらに学習者のモチベーションを維持するには、学習者同士でコミュニケーションを取れるツールがあると便利です。eラーニング自体は個別に受講するものですが、社内で一緒に学んでいるという連帯感があれば、学習への意欲に繋がります。以上を踏まえたうえで、学習者の視点でeラーニングを効果的に使うなら、次のようなポイントが必要です。

  • 1.インプット学習の充実
  • 2.インプット後のアウトプット学習の環境
  • 3.学習者同士のコミュニケーション・コミュニティ
  • 4.スケジュールの設定
  • 5.学習後の質問権
まずインプット学習では、動画を視聴するだけでなく、テキストや電子教材もセットになっていると効率的です。特にスマホしか持っていない方の場合、画面が小さくて文字が見えにくいため、テキストで音声と合わせて視聴することになります。加えてリアルタイムで受講できるシステムもあれば、その場で質問もできるので効率的でしょう。インプット学習だけでは実践に結びつかないことから、アウトプット学習も用意しておくべきです。受講後の簡単なテストやレポート、アンケートを実施することで、受講した内容がどの程度身に付いているか分析します。人間は1日経過すれば、学んだことのほとんどを忘れてしまいます。学習内容を記憶に定着させるためにも、インプット学習後早期の振り返りを大切にすべきです。

管理者

管理者の視点での使いやすいeラーニングは、学習者の学習管理を行いやすく、直感的で多機能さを実現したシステムのものです。管理者は立場上、日常的に部下の業務管理を行っているため、管理に工数が必要なeラーニングシステムは好まれません。eラーニングを効率的に運用するために、最低限「学習管理システム」を搭載したサービスを選ぶべきです。その点を踏まえて、次のポイントが充実しているサービスを選びましょう。

  • 1.受講者登録機能
  • 2.履修登録機能
  • 3.教材作成機能
  • 4.コース作成機能
  • 5.受講管理機能
  • 6.メンタリング機能
部署毎に管理者を配置するのが一般的ですから、受講者登録機能で部署によるグループ分けを行い、誰に対して何を受講させるか登録する機能は必要です。教材についても、提供されている物だけでなく、アウトプット学習への利用や社内研修への活用などのために、教材作成機能があると便利です。受講管理機能では、学習者がどの単元まで進んでいるか把握でき、遅れている社員には声掛けを行う判断材料になります。そして、メンタリング機能も非常に重要です。eラーニングでは一方的に動画視聴で学習することになるため、双方向のやりとりが難しいという特性があります。メンタリング機能があれば、他の学習者に知られることなく、ひとりひとりの学習をサポートできます。こうした機能を最大限活用し、学習者の効率を最大化するのが管理者側のeラーニングの使い方です。

まとめ

eラーニングは研修や教育などの学習効率を高め、コストを削減するために有効な手段です。ただし、教材の質を高めたりモチベーションを維持したりする工夫は必要です。質の高い教育を提供するために、社内の体制の整備やeラーニングの提供会社が持つ知見やノウハウの活用を検討するといいでしょう。

法人向け人材育成のユーキャンは丁寧なヒアリングで課題を抽出し、その法人様にフィットする提案をします。60年以上の歴史があり、累計受講生数2,100万人が受講しました。eラーニングを導入する際は、ぜひユーキャンの講座をご活用ください。

eラーニング一覧はこちら

お気軽にお問合わせください

ページトップに戻る