• 更新日:2024/03/14

色彩がもたらす心理的効果を利用したカラーコーディネートの専門知識やスキルは、プライベートだけでなく、さまざまな仕事に役立ちます。この記事では、カラーコーディネートに興味があり、仕事にできないかと検討中の人向けに、実際の仕事にしていく方法や活躍できる業種・職種などを解説します。ぜひ参考にしてください。

カラーコーディネートとは

カラーコーディネートとは、複数の色を組み合わせることで、目的に応じたイメージを作り出す知識やスキルのことです。多数の色の中から効果的な配色を考えることで、洋服やインテリアのコーディネート、食品の開発など、さまざまなジャンルに活用できます。また、カラーコーディネートを実際の仕事につなげるには、色彩の効果や特性を論理的に理解する必要があります。

カラーコーディネートを仕事にするためには

カラーコーディネートを仕事にするためには、カラーコーディネートの専門知識とスキルを身につける必要があります。いくつかの方法をご紹介しましょう。

  • 大学や短大、専門学校などで専門知識を学ぶ
  • 色彩やカラーコーディネート関連の資格を取得する
  • 色彩の知識・スキルが身につく企業や部署への配属を希望する

学校で知識を学習する

第一の方法は、学校でデザインとカラーコーディネートの基礎知識や技術を学習することです。大学や短大でデザイン・色彩関連の科目を履修するほか、服飾・デザイン系の専門学校で色彩関の授業を選択するなどして知識を習得できます。

資格を取得する

カラーコーディネートの仕事をする上で、特に資格の取得は必須ではありません。ただ、色彩関連の資格を取得しておけば、カラーコーディネートに関してある程度の知識やスキルを保持している証明にはなります。

就職時に色彩に関連する企業・部署を希望する

一般企業に就職して商品企画部門やデザイン部門などへの配属を希望したり、クライアントの目的に合わせてファッション戦略やパーソナルブランディングを提案するイメージコンサルタント系の企業などに就職したりする方法もあります。企業で働く場合、カラーコーディネート以外にも、その業界や業務に関連する知識や技術も求められます。

カラーコーディネートに関する資格

カラーコーディネートに関する国家資格はありませんが、いくつかの民間資格があります。

  • 個々人に似合う色を提案する力が養われる「パーソナルカラリスト検定」
  • 色彩のメカニズムや理論の知識やカラーコーディネートの技術が問われる「色彩検定」
  • 色彩の知識を仕事で活用する実践力が養われる「カラーコーディネーター検定」

パーソナルカラリスト検定

一般社団法人日本カラリスト協会が認定する資格です。「人と色」に着目し、1人ひとりに似合う色を提案できるよう色彩知識を身につけ、配色調和の力を養うための資格試験です。仕事だけでなく日常生活にも役立ちます。

色彩検定

公益社団法人色彩検定協会(A・F・T)が主催し、文部科学省が後援する資格試験です。色彩のメカニズムや理論に関する知識、カラーコーディネートの技術を証明する内容で、3級・2級・1級・UC級の4つのレベルに分かれています。

カラーコーディネーター検定試験

東京商工会議所が主催する民間の検定試験です。色の性質や特性、色彩の知識や、色の持つ効果を活かす実践的な技能が問われる試験です。アドバンスクラスとスタンダードクラスの2つのレベルが設定されています。

カラーコーディネートの仕事で活躍できる業界

カラーコーディネートの仕事で活躍できる業界としては、以下が挙げられます。

  • 衣料品のデザイン・製造・流通・販売を行うファッション業界
  • 美容室やエステサロンなどの美容業界や、化粧品の企画・製造・販売を手がける化粧品業界
  • インテリア商品の開発・製造・販売を行うインテリア業界や、建築物を造る建築業界
  • 出版物の企画・編集・発行を手がける出版業界や、広告の企画・提案・配信などを手がける広告業界
  • 飲食店や食品開発などの飲食業界
  • 医療・福祉サービスを提供する医療福祉業界

ファッション業界

服飾系・アパレル系などとも呼ばれます。デパートや量販店、専門店など衣料品を売る小売業やセレクトショップ、衣料品のデザイン・製造・流通を手がけるアパレルメーカー、原材料を扱う生地・繊維メーカーなど幅広い業種が含まれます。

美容業界・化粧品業界

肌や髪、身体などを美しく整えるためのビジネスで、美容室やエステサロン、ネイルサロンなどが含まれます。化粧品業界は化粧品の開発、製造、販売を手がける業種で、化粧品メーカーや、デパートの化粧品売り場、ネットショップなどがあります。

インテリア業界・建築業界

インテリア商品の開発・製造・販売を行う業界です。家具メーカーや生活雑貨メーカー、内装メーカー、小売店、商社などが含まれます。建築業界は一般住宅やマンション、ビル、商業施設などの建物を建築する業界で、設計・建設・内装工事などさまざまな業種が含まれます。

出版業界・広告業界

出版業界は書籍や雑誌、電子媒体などの企画・編集・発行を手がける業種で、出版社や出版取次、書店などが含まれます。広告業界は広告主の依頼を受けてテレビやWeb、紙媒体などでの広告企画や公開、イベントの企画・運営などを手がける業種です。

飲食業界

飲食業界とは、レストランやカフェ、居酒屋などといった飲食店での料理や飲み物を提供する業種を指しますが、コンビニエンスストアや弁当屋、惣菜店、フードデリバリーチェーンなども含まれます。さらに、チェーン店の本社あるいは店舗での食品・メニューの商品開発、食材の調達なども含まれます。

医療福祉業

医療や福祉を必要とする人にサービスを提供する業種です。医療業界には、病院やクリニックなど、医師や歯科医師・看護師などが医療行為・医療類似行為を行う事業所、医療に関連するサービスを提供する業者などが含まれます。福祉業界は、主に児童や高齢者、障害者などに社会福祉・介護などのサービスを提供する業種全般を指します。

カラーコーディネートが仕事になる主な職種

カラーコーディネートを仕事にできる主な職種は、以下のとおりです。

  • 商品やデザインに使用する色を提案するカラーコーディネーター
  • インテリアの提案やコーディネートを行うインテリアコーディネーター
  • 飲食店のメニューや食品、食空間の開発を行うフードコーディネーター
  • 撮影現場や舞台などの出演者の衣装を担当するスタイリスト
  • グラフィックや空間、ファッションなど各種デザインを手がけるデザイナー
  • 色の効果を用いて人を癒すカラーセラピスト

カラーコーディネーター

カラーアドバイザー、カラーコンサルタントなどとも呼ばれる職種で、色に関する専門知識を活かして、商品企画やデザインにおける色の効果的な組み合わせや選定を提案する専門家です。衣料品や店舗ディスプレイ、家電製品など、活躍の場は多岐にわたります。

インテリアコーディネーター

インテリアに関する顧客の要望を聞き、アドバイスやコーディネートを行う仕事です。色彩だけでなく、家具、壁紙などのインテリア、住宅や商品に関する知識や技術も必要です。一般住宅や宿泊施設、オフィス、学校など幅広い現場で活躍できます。

フードコーディネーター

食の知識や経験を活かして、食品やメニューなどの開発・演出・運営などを行う職種です。飲食店でのメニュー開発、食品メーカーでの商品開発、飲食店や料理教室などといった食空間の演出などの仕事をこなします。

スタイリスト

ファッション業界の職種の1つです。写真・動画撮影現場の衣装や、映画、舞台、テレビなどの出演者が身につける衣装を担当したりするメディア向けの仕事と、個人向けに服装の提案を行うパーソナルスタイリストの仕事の2つに分けられます。

デザイナー

ファッションデザイナーやWebデザイナー、グラフィックデザイナー、建築デザイナーなどさまざまな職種があります。活躍する現場もゲーム・広告のグラフィック、病院や商業施設といった建築・空間の設計、商品のパッケージデザインなど多岐にわたります。

カラーセラピスト

色の心理的効果を利用してカウンセリングやアドバイスを行い、相談者の心身のバランスを整えたり、気持ちを癒したりするスペシャリストです。医療や福祉の現場以外にも、教育機関や民間企業などでも活躍しています。

カラーコーディネートを仕事にするやりがい

カラーコーディネートを仕事にすることで、次のようなやりがいが得られます。

  • アパレルや飲食、医療・福祉など知識を活用できる場が多岐にわたり、経験を積んでスキルを蓄積できる
  • 試行錯誤を通じて新たな商品やアイデアなどを生み出し、売上・満足度向上に貢献できるだけでなく、消費者から個人向けサービスなら直接喜びの声を聞く機会もある

知識を活かせる場が多い

色に関する知識を基に、たとえば、アパレル業界や飲食業界、医療・福祉業界などさまざまな場所で活躍できます。カラーコーディネートで得た経験は自身のスキルとして蓄積され、さらなる成長や活躍の場の拡大へとつなげられます。

売上や満足度の向上に貢献できる

色の効果的な活用による試行錯誤を通じて新たなアイデアや人に喜ばれる商品・サービスなどを生み出し、売上向上や満足度アップに貢献できます。個人向けサービスの場合は、利用者から直接喜びの声を聞くことで、やりがいを感じられるでしょう。

カラーコーディネートの仕事で苦労する点

カラーコーディネートの仕事をする場合に苦労する点としては、主に以下の2つが挙げられます。

  • カラーコーディネートの知識やスキルがあっても、専門職として活躍できる場は少ない
  • 資格取得は必須ではないため誰でも名乗れるが、資格があれば知識やスキルの証明となる

カラーコーディネート専門の仕事は多くはない

カラーコーディネートの知識やスキルを活かせる業界は多いものの、専門職として採用する企業は多くないのが現状です。ましてやフリーランスとして案件を獲得するのはさらに困難です。色彩の専門性だけでは収入を確立するのはやや難しいといえます。

資格取得は必須ではない

カラーコーディネートの仕事に必須資格は存在しません。ただ、誰でもカラーコーディネーターという肩書を名乗れる中で、色彩関連の資格があれば、知識取得やスキルの証明や強みとして活用できるでしょう。

カラーコーディネートの仕事の将来性

ここ数年、色の効果や効能の認知度は広まりつつあるため、今後、色の専門家としてのニーズが高まる可能性があります。実際、ファッションや建築、インテリア、広告など、さまざまな企業で役立つスキルなので、今後も活躍の場がさらに広がると予想されます。

カラーコーディネートの学習時間の目安

目安として1日30~60分程度、約6ヵ月の学習で、配色の知識やパーソナルカラーの特徴など、資格試験の準備に必要な範囲を網羅できます。通信講座を利用しての学習なら、仕事をしながらのスキルアップも両立しやすいでしょう。

カラーコーディネートの仕事が向いている人

最後に、カラーコーディネートの仕事が向いている人の特徴をいくつか解説します。

  • 色彩に高い興味を持ち、手法の変化を柔軟に取り入れて提案に活かせる
  • 世間や消費者の間の流行、ニーズの変化などに高い関心がある
  • 相手のニーズを引き出し効果的なアドバイスを行うための提案力とコミュニケーション力を備えている

色彩に興味があり、フレキシブルな考えの人

色彩への強い興味があれば探求心も旺盛なので、その分興味専門知識の学習は進みやすくなります。色の組み合わせは決まりがありつつも、時代とともに変化していくものなので、そうしたトレンドをキャッチして柔軟に対応できる力は欠かせません。

流行や消費者の生活への関心が高い人

流行や消費者の生活へのニーズは時代によって変わるので、それらの変化に合った提案が必要です。強い好奇心があれば、ファッションやライフスタイルなど、世の中の変化を敏感にキャッチし、最新情報を収集してインプットに活かせます。

提案力がある人

色の組み合わせやイメージなどに関するアイディア・アドバイスを社内やクライアント、顧客などに提案し、説明する必要があるので、提案力が求められます。相手のニーズや意見に耳を傾け、納得や同意を得るために、高度なコミュニケーション力も必要です。

まとめ

カラーコーディネートは、ファッションや美容・化粧品、インテリア、建築など幅広い業種で活かせるスキルです。色の効果や効能の認知度が高まりつつある今、仕事としての将来性が期待されます。

カラーコーディネートを勉強するには、学校で学ぶ、色彩・デザイン関連の仕事をするなどの方法があります。通信講座なら、仕事との両立を図りながらカラーコーディネートの専門知識が学べます。

なかでもユーキャンの「カラーコーディネート講座」は在宅で楽しみながら学んで、色彩の知識とセンスが身につき、6ヵ月後にはパーソナルカラリスト検定試験で2級・3級同時に合格できる力を養成できるのがメリットです。詳しい情報は以下でご確認ください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

色彩検定に、受験資格はある?

色彩検定には、受検資格はありません。そのため、誰でも受検することができます!

色彩検定の検定料は?

検定料は、級によって異なり、6,000円~15,000円。

色に関わる資格は何がある?

色に関する検定は、色彩検定、カラーコーディネーター検定試験、パーソナルカラリスト検定、色彩士検定と様々あり、それぞれで強みや特色、身につく知識が異なります。

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カラーコーディネートは、たくさんの色から微妙な違いを見極めて、効果的に色をコーディネートすることができるスキル。
色彩に関する基本的なノウハウをしっかりと習得できるので、ファッションや化粧品、ヘアメイクやブライダル業界はもちろん、広告・宣伝、出版、デザイン関係と、活躍の場はたくさん! また、インテリアや服装のコーディネートスキルも学べるので、日常生活でも効果を発揮できます。
ユーキャンの「カラーコーディネート」講座のメインテキストは、オールカラー! 他にも、カラーカードを切り貼りしながら配色のイメージが覚えられる「ワークブック」など、副教材も充実しています。受講生に人気の「パーソナルカラー診断」を受ければ、自分にぴったり似合う色がわかるので、普段の服装のコーディネートやメイクに活かせるのも魅力! 楽しみながらセンスが磨けます。
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