モチベーション研修とは?メリットや研修例を解説

  • モチベーション研修とは?メリットや研修例を解説

    公開日:2025.03.19

    更新日:2025.03.19

    モチベーションとは、人が特定の行動を起こしたり、目標に向かって努力を続けたりするための心理的なエネルギーや意欲のことです。社員のモチベーションが低い会社では、主体的に働く社員が少なく、業務効率や生産性の低下、離職率の増加などの問題が発生しやすくなります。 この記事ではモチベーション研修の目的やメリット、研修プログラム例、成功のポイントなどを詳しく解説します。

モチベーションとは?

モチベーションとは、人が特定の行動を起こしたり、目標に向かって努力を続けたりするための心理的なエネルギーや意欲のことです。モチベーションの高さは、その方向性や強さ、持続性などで決まります。モチベーションは、個人の行動や成果だけでなく、組織や社会全体の成功に影響があります。そのため、個人の内面にある欲求や動機にも視点を広げつつ、それを引き出す環境づくりが重要です。

モチベーションの種類

モチベーションには、自らの内側から発生する内発的動機付けと、外部の人や環境などから引き出される外発的動機付けの2種類があります。 それぞれの詳しい特徴は次の通りです。

・内発的動機付け:自分の興味や好奇心、ワクワク感など、行動に伴う楽しさによって意欲が湧き上がるものです。例えば「新しい知識を学びたい」「自己成長したい」「もっと上手になりたい」といった、自分の内面から湧き出るやる気などがこれに当たります。
・外発的動機付け:報酬や評価、罰を避けることなど、外部から与えられる影響によって行動が促進されるモチベーションです。例えば「出世・昇進したい」「給料を上げたい」「叱責を受けたくない」など、外部の要因で意欲を高めるケースが当てはまります。
モチベーションにおける内発的動機付けと外発的動機付けは、どちらか一方だけを重視すればよいものではありません。どちらも高められるように、組織として支援策や働きやすい環境を構築していくことが重要です。

モチベーション研修の目的とは?

モチベーション研修は、従業員の意欲を高めて主体的な行動と思考ができるように成長を促すとともに、組織を成長させることを目的としています。研修では若手社員向けと管理職向けで異なるアプローチが求められる点が特徴として挙げられます。若手社員向けの研修では、自己分析を通して自分のモチベーションを客観的に把握し、それぞれに合わせた目標設定とそれを達成する力を育てることが重要です。その結果、社員の意識が変化して自己成長を目指すようになり、仕事への充実感が得られるようになるでしょう。また管理職の研修では、部下のモチベーションを引き出す方法が焦点となります。 特に部下との人間関係の構築やキャリアプランの共有が重要です。管理職向けの研修では部下との面談や話し合いを通して将来像を明確にし、達成可能な目標とそれに見合う評価やキャリアを具体的に示すことで、部下のモチベーションを高めることにつながります。さらに モチベーション研修の受講には、意欲向上や個人のスキルアップ、組織全体の生産性向上といった直接的な効果だけでなく、従業員の離職防止やキャリア形成の促進といった副次的な効果も期待できます。モチベーション研修は、個人と組織の両方にポジティブな影響をもたらす重要な研修です。

モチベーション研修を行うメリット

モチベーション研修を行うことで、社員や企業にどのようなメリットがあるのか、3つのポイントを紹介します。

社員の主体性が高まる

モチベーション研修を実施するメリットの1つは、社員の主体性が高まることです。モチベーション研修では、社員の内面にあるモチベーション低下の原因を分析し、解決策を模索したり、内発的動機付けを行ったりする内容が含まれます。社員が主体的に働くには、内発的動機付けが重要な要素であり、イノベーションや新しい価値の創造にもつながっていきます。モチベーション研修を通して、社員が自分自身を客観的に見つめる機会となり、自分の将来像や仕事の面白さに気付くことができるでしょう。

管理職のマネジメントスキルが向上する

モチベーション研修は、管理職のマネジメントスキル向上にもつながります。モチベーション研修では、管理職向けに部下のモチベーションを高める方法や、部下や後輩との適切なコミュニケーション手法を学びます。多くの管理職にとって悩みや課題となりやすい部下のモチベーション向上や、目標に合わせた指導、フィードバックの仕方なども学習できます。これにより、管理職は部下との信頼関係を構築しやすくなり、組織全体のパフォーマンス向上や離職率の低下といった成果につながります。

職場環境の改善につながる

モチベーション研修を実施することで、職場環境の改善も期待できます。モチベーション研修では、社員同士や上司と部下のコミュニケーションのほか、コミュニケーション技術も学ぶため、職場内の人間関係改善につながります。また管理職が部下の個性や適切な距離感、接し方や指導法の基礎を身につけることで、社員が働きやすい環境と組織風土を作れるでしょう。その結果、組織全体の風通しが良くなり、社員間または部署間の協力体制が強化されることで、社員が意欲的に働ける職場環境が醸成できます。

モチベーション研修のプログラム例

モチベーション研修のプログラム例について、対象となる社員別に4例紹介します。

若手・中堅社員向け:セルフモチベーションアップ研修

手・中堅社員が意欲的に働くには、まず自分の中にある価値観やニーズを理解することが必要になります。自分自身が何を望んでいるか理解することで、将来のビジョンやキャリアの方向性が定められ、仕事に目的意識を持って取り組めるようになるからです。 ※セルフモチベーションアップ研修
では、自分自身を客観視して分析することで、自分がどんな働き方をしたいのか、会社にどのように貢献できるのかが把握できます。具体的なプログラムの目的・カリキュラム・研修の流れは次の通りです。
目的 ・自分が大切にしていること、強みを棚卸してキャリアプラン作成に活かす
・自社の戦略と自分の強みを把握し、成長の方向性を明確にする
・自分のキャリアプラン実現に向けた内発的動機付けを高める
カリキュラム 1.自己戦略の重要性
(1)会社の方針と自らのキャリア
(2)うまくいくキャリア設計のためには
2.自己戦略の立て方
(1)自己戦略とは
(2)自己戦略策定実行の5ステップ
3.自己理念を整理する
(1)自分について振り返る
(2)理念とは
(3)演習:自己理念の整理
4.自己分析をする
(1)自己分析のポイント
(2)自己分析の進め方
(3)演習:自分の強み・弱みの導出
5.組織を分析する
(1)自社の環境分析
(2)SWOT分析
(3)周囲からの期待の整理
(4)演習:自社の環境分析、周囲からの期待の整理
6.自己の貢献領域を決める
(1)領域とは
(2)将来の貢献内容を考えるクロス分析
(3)演習:将来の貢献領域と現在の貢献領域の導出
7.自己戦略策定シートを策定する
(1)自己戦略策定シートの作成の留意点
(2)演習:自己戦略策定シートの作成
8.内発的動機付けを高めるために
(1)職務特性モデル
(2)仕事の有意味感を高める3つの特性
(3)スキルの多様性の高め方
(4)タスクの完結性の高め方
(5)タスクの重要性の高め方
9.内発的動機付けを高めるために
(1)自己決定感と内発的動機付け
(2)自己決定感の高め方
研修の流れ Step1.「自己分析」の考え方と手法を実践
Step2.自己戦略を立てるための「組織分析」の考え方と手法を習得する
Step3.「自己領域設定」の考え方と手法を学習
Step4.戦略実行のためのセルフ・モチベーション・アップの方法を習得

若手・中堅が仕事で最大限のパフォーマンスを発揮し、キャリアアップを図れるように、自分について深く理解することから始めましょう。

若手・中堅社員向け:セルフマネジメントトレーニング研修

若手・中堅社員は入社から数年が経過し、1人でも業務を遂行できる能力を持っています。一方で日々の仕事や繰り返しの業務にモチベーションが低下し、パフォーマンスが低下しやすいのも特徴です。 ※セルフマネジメントトレーニング研修
では、ストレスと向き合う力や壁にぶつかっても立ち直る力、人間関係を良好に保つ力など、安定したパフォーマンスを発揮できるスキルが身につきます。具体的なプログラムの目的・カリキュラム・研修の流れは次の通りです。
目的 ・ストレスの原因を理解し、軽減するための自己基盤力が身につく
・ストレスから素早く立ち直るレジリエンス力を高める
・アサーティブコミュニケーションを身につけて人間関係を円滑にする
カリキュラム 1.自己基盤力を高めるセルフマネジメント基礎
(1)セルフマネジメントの考え方
(2)感情コントロールの考え方
(3)モチベーション・コントロールの考え方
(4)演習:感情とモチベーションをコントロールするための自己分析

2.仕事のパフォーマンスを支えるストレスマネジメント
(1)ストレスマネジメントの基本
(2)ストレスを感じた際の捉え方の確認
(3)ストレッサーに対する予防策の考え方
(4)演習:自らのストレッサーの検討と予防策の立案

3.ストレスから素早く立ち直るレジリエンス
(1)レジリエンスの考え方
(2)レジリエンスを高めるための要素
(3)リフレーミング
(4)演習:レジリエンスを高めるための方策の検討

4.周囲との人間関係を円滑にするアサーティブ・コミュニケーション
(1)アサーティブ・コミュニケーションの基本
(2)対人認知の心理的な枠組み
(3)自らの意見を伝えるコミュニケーション法
(4)相手を受容するためのリスニング法

5.セルフマネジメントを実践するための行動計画
(1)セルフマネジメントの行動計画の立案
(2)演習:セルフマネジメントを実践するための行動計画シートの作成
研修の流れ Step1.セルフマネジメントの概念とポイントが理解できる
Step2.ストレスマネジメントが身につく
Step3.レジリエンスの高め方が理解できる
Step4.アサーティブ・コミュニケーションを理解し、実践できる
若手・中堅社員は仕事や職場に慣れを感じ、パフォーマンスが低下しやすい時期です。そのような時期にセルフマネジメントトレーニング研修を受けることで、ストレスとの向き合い方や対処法を学び、離職率の低下効果が期待できます。

主体性発揮研修

社員に主体性を持った業務を行ってもらいたいなら、 ※主体性発揮研修 がおすすめです。主体性発揮研修では、社員自らが「選択」「決定」「行動」を考え、ビジネスにおける実践力を高められます。自分だけの軸や内発的動機付け、経験学習を通して、自律した人材へと育成します。具体的なプログラムの目的・カリキュラム・研修の流れは次の通りです。
目的 ・自分の軸を見つめ直し、主体的に強化できる
・今後進むべき目的や障害の乗り越え方が理化できる
・失敗から学ぶ「経験学習」が習得できる
カリキュラム 1.研修のゴールを設定する
・講師の経歴、失敗・経験談
・各自の研修参加目的と目標を明確にする

2.主体性を発揮するとは
・主体性を発揮している人とは?
・主体性発揮度チェックシート
・主体性を発揮するとできること(意味、意義、メリット)

3.主体性を発揮するための前提とステップ
・主体性を構成するための3つの前提と4ステップ
・主体性にブレーキをかける要因
・べき論、失敗したくない、事実のジャッジ
・捉え方=選択理論、般若心経からの学び
・主体性を発揮していくための4つのステップ

4.自分軸(内的基準)作り
・外的基準と内的基準~日本人は外的基準に侵されている
・自身の過去と未来から大事なキーワードを探る
・自分軸の言葉と、他人軸の言葉の違い

5.目の前の障害物を気にせず目的地を目指す
・目的地を将来に仮置きする
・L字ワーク(潜在意識活用)
・未来からの声を耳に傾ける

6.内なる動機と失敗から学ぶ経験学習
・内発的動機付け要因の発掘
・自分の壁を超えるワーク
・経験学習モデル 内政と反省の違い

7.明日から主体性をどう発揮するか⁉
・3つの前提の4つのステップ全体の振り返り
・今後のアクションプランを作成する
研修の流れ Step1.主体性の必要性、阻害するブレーキ要因が理解できる
Step2.「自分軸」を作り「目的地」を定める
Step3.「内なる動機付け」と失敗経験から学ぶ「経験学習」が理解できる

管理職(課長・部長)向け:コーチ養成研修

課長・部長以上の管理職に対しては、部下や後輩のモチベーションを高め、人材を育成するコーチ養成研修がおすすめです。管理職はマネジメント業務が主体になりますが、同時に意思決定や人財育成も重要な役割となります。コーチ養成研修では、管理職として求められるコーチングスキルを習得し、社員を「人財」へと育て上げ、パフォーマンスを高める方法が学べます。具体的なプログラムの目的・カリキュラム・研修の流れは次の通りです。
目的 ・脳と心の関係性からパフォーマンスの因果律が理解できる
・コーチとしてのマインドセットが身につけられる
・コーチングの基礎スキルを習得する
カリキュラム 1.マインドの仕組みと使い方
(1)知覚の仕組み
(2)マインドの仕組み
(3)ゴール(目標)設定のポイント
(4)ゴール達成マインドの作り方

2.コーチに必要なマインド
(1)ピグマリオン効果とゴーレム効果
(2)ラポール形成
(3)コーチ自身がエビデンス

3.コーチに必要なスキル
(1)質問のスキル
(2)傾聴のスキル

4.コーチングのサイクル
(1)コーチングのサイクル
(2)各サイクルのポイント
(3)ロールプレイング
研修の流れ Step1.マインドの仕組みの全体像が理解できる
Step2.コーチとしてのマインドセットがわかる
Step3.コーチとしてのスキルが身につく
Step4.コーチングを実践できる

モチベーション研修を成功させるポイント

モチベーション研修を成功させ、実務で力を発揮するにはどのような教育を行うかが重要です。モチベーション研修の効果を高めるための重要なポイントについて、3点紹介します。

社員のモチベーションを把握する

モチベーション研修を実施する前には、必ず社員のモチベーションを調査・把握しておく必要があります。本来モチベーションとは人の内心に関わるものであり、仕事への意欲や向き合い方はさまざまです。そのためモチベーション研修を行うにしても、初めに社員のモチベーションを把握しておかなければ、本当の意味で効果的な研修とはなりません。研修開始前に研修会社のモチベーションサーベイ(測定・分析)を活用し、社員のモチベーションの高低、モチベーションに影響を及ぼす要因、モチベーションを高めるうえでの課題を分析しましょう。社員のモチベーションの状況や課題が明確化できれば、モチベーション研修の方向性も決めやすくなります。自社のモチベーションの課題を把握し、課題解決に役立つモチベーション研修を選択しましょう。

研修の目的・目標(ゴール)を設定する

社員のモチベーション状況を把握できたら、次は研修の目的・目標(ゴール)を設定します。モチベーション研修は研修を受けて終わりではなく、研修後に社員がどうなっているのが望ましいのか、何を学んでもらいたいかを明確化することが重要です。例えばモチベーションの上がらない若手社員が受講するなら「受講後にモチベーションを高める方法を身につけ、セルフマネジメントができるようになる」といった目標です。研修の目的や目標が明確に設定されていれば、受講する社員も目的意識を持って学習できます。社員が前向きな気持ちで研修へと取り組めるように、研修担当者は社員の階層や状況に合わせた目的・目標設定を行いましょう。

振り返り・フィードバックの機会を設ける

モチベーション研修を成功させ、効果を高めるには研修後に振り返りとフィードバックの場を設けることが重要です。研修直後は社員のモチベーションは高まり、しばらくの間は維持できるでしょう。しかし対策を取らなければ時間の経過とともにモチベーションは下がり、元の状態へと戻ってしまいます。そのような状況を避けるには、研修後に受講者と講師、上司などを交えて、学んだ内容を振り返ったり、フィードバックをしたりするのが効果的です。モチベーション研修で立てた目標や行動計画の通りに実行できているか、できていないとしたら何が課題かを分析することで、社員のモチベーションを維持しやすくなります。また振り返りを通して研修の課題が発見できれば、次回以降の研修での改善点にもなるでしょう。振り返りの機会は受講した社員だけでなく、会社にとってもより良い研修へとつなげる手掛かりとなります。

社員の主体性を高めるならユーキャンにお任せください

ユーキャンの研修では、ビジネスシーンで必要なスキルや知識を基礎から応用まで幅広く提供しています。集合研修やオンライン、eラーニングまで企業のニーズに合わせた実施形式を用意しており、受講後のサポート体制まで完備しています。またユーキャンではモチベーション研修に加え、関連研修やeラーニングなど目的別の豊富な研修を提供している点も特徴です。関連講座として、 ※人財育成(コーチング)講座※セルフモチベーション講座※目標設定講座などもご用意しています。さらにユーキャンの研修では知識のインプットだけでなく、演習やテストを通した知識・スキルのアウトプットと経験の蓄積にも重点を置いています。ヒアリングを通して企業課題を明確化し、担当者との綿密な相談のうえで最適な研修カリキュラムを提案させていただきます。

まとめ

企業が安定した経営を続け、市場競争力を高めるには社員のモチベーションアップが欠かせません。日本では生産年齢人口の減少や若年層の出世欲の減退、早期離職など、さまざまな問題が企業を取り巻いています。既存人材の意欲を高め、離職を防止する観点からもモチベーション研修は重要です。すべての社員が会社に魅力を感じ、熱意を持って働き続けられるように、キャリア形成支援や働きやすい環境の形成に注力しましょう。

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