組織風土改革とは何?実施のフレームワークと成功事例を解説

  • 組織風土改革とは何?実施のフレームワークと成功事例を解説

    公開日:2024.10.21

    更新日:

    組織風土改革とは、それぞれの企業が持つ風土や文化、慣習などを時代の変化に合わせたものに改革していくことです。組織風土は会社のビジョンや経営者の理念を反映しており、長い時間をかけて会社や社員に浸透していきます。この記事では組織風土改革とは何か、組織風土にはどんな種類があるのか、組織風土改革の具体例などを解説しています。

組織風土改革とは何?

組織風土改革とは、それぞれの企業が持つ風土や文化、慣習などを時代の変化に合わせたものに改革していくことです。組織風土は企業の歴史や経験から、社員の間で共通となっている価値観や習慣を指します。組織風土改革は、そうした長年の歴史から形作られてきたものを改革することであり、組織全体を改革していくには長い時間がかかります。

ビジネスの世界は常に変化しています。古い組織風土は時代に合わない価値観を持っていることが多く、そうした古い慣習や価値観をアップデートして、時代に合ったものへと変革していく。それが組織風土改革の最大の目的です。

組織風土改革による影響

組織風土改革は、所属する社員の意識や行動に影響を与えます。組織風土は企業の歴史や長年の慣習によって形成されるものであり、組織風土改革は一朝一夕には進みません。しかし時代の変化とともにビジネスの世界も進歩しており、時代に合わない組織風土は企業の業績や社員の働きに悪影響となる可能性があります。そこで必要となるのが組織風土改革です。組織風土改革に成功することで、企業には次のような変化があります。
・経営者の理念が浸透しやすくなる
・組織全体の生産性が向上する
・社員間の風通しが良くなる
・働きやすい職場環境になる
・人材育成の効率が高まる
・イノベーションにつながる

たとえば組織内に閉塞感が広がり、生産性の低下、社員のモチベーション低下などの課題がある場合、組織風土改革が一石を投じるきっかけになるでしょう。 組織風土改革を社員全体に周知して理解を求め、会社が一丸となって改革を進めていくことが大切です。

組織風土のパターンは4つ

企業の組織風土にはさまざまなタイプがあります。その中でも、4つのパターンが代表的です。組織風土のパターンと特徴についてみていきましょう。

ブリリアンス型

ブリリアンス型は組織風土が醸成されており、成果や目標達成への意識が高まっているタイプです。ブリリアンス型の組織風土がある会社には、次の特徴があります。

・チームの雰囲気が良く、明るい
・社員同士のつながりが強い
・自分の意見を述べやすく、のびのびと仕事ができる
・仕事に充実感がある
・人材の育成がスムーズに進む

良い組織風土であるブリリアンス型は、社員がお互いに協力して仕事を進める意識があり、同じ成果を求めて助け合える組織風土になっています。また仕事をやらされている意識ではなく、自分の裁量で働くことができ、ストレスが少ない点も特徴です。そのため社員のエンゲージメントが高く、離職率は低く、優秀な人材が多く在籍する傾向があります。仕事を通して成長する喜びも感じられるため、仕事に対してやりがいを持つ社員も多いです。

仲良しクラブ型

仲良しクラブ型の組織風土は、社員同士のつながりやチームワークは強い一方で、成果が上がりにくいタイプです。社員同士は仲が良いので働きやすい雰囲気はありますが、成果への意識は低く、無難に仕事をこなそうとする傾向があります。また社員同士の仲が良いために、お互いの関係を壊さないよう注意や指摘を避け、成長を阻害する要因になることも多いです。仲良しクラブ型の特徴は次のとおりです。

・仲良しの雰囲気はあるが、お互いに気を使っている
・重要な情報が共有されていない
・成果への意識が低い
・仲間の間違いや誤りを訂正しない
・不安感を抱きながら仕事をしている

経営者との距離が近すぎる中小企業の場合、経営者と友人のような関係になることがあります。しかし経営者との関係は上司と部下であり、ともに企業を支える存在です。仲良しクラブ型は組織の成長を停滞させ、いずれは生産性の低下につながるおそれがある組織風土と言えるでしょう。

ギスギス型

ギスギス型は社員の成果に対する意識は高い一方で、チームワークや人間関係が悪いタイプの組織風土です。ギスギス型では個々の社員が成果を求めて個人プレーに走りやすく、同僚のサポートや協力を行う意識が低い傾向があります。人間関係の悪さから職場の雰囲気が悪く、社員がお互いに足を引っ張り合うこともあります。ギスギス型の特徴は次のとおりです。

・社員同士のコミュニケーションが少ない
・ミスは他責思考という風潮がある
・仕事だけの人間関係になっている
・社員は自分の仕事ばかりに集中している
・社員同士で情報共有がされない

社員が個人の成果を求める傾向が強く、お互いに相談をしたり、失敗をフォローしたりするといった組織風土になりにくい状態です。上司も部下の失敗をフォローしたり、責任を取ったりすることはなく、責任転嫁することも多いです。チームとして連携する必要のない仕事では問題ないものの、協力が必要なプロジェクトでは失敗につながりやすく、離職率も高くなります。

腐敗型

腐敗型は社員同士の人間関係が悪く、成果に対する意識も低いタイプです。会社全体の雰囲気が良くないだけでなく、部署同士での連携や情報共有が進まず、仕事上の必要最低限の会話しかないことが多いです。そのため成果も上がりにくく、社員のモチベーションも低下しやすく、離職率も高くなります。腐敗型には次の特徴があります。

・組織全体の雰囲気が暗い
・社員同士のコミュニケーションが少ない
・仕事への関心が低い
・停滞感や閉塞感が広がっている

会社としての形は保てているものの、雰囲気が悪く、成果が上がらないだけでなく、最悪の場合は不正行為が増えることもあります。社会的なイメージも低下しやすく、早急な改善が必要な組織風土です。

組織風土改革が必要とされるケースとは?

組織風土にはさまざまなタイプがありますが、その中でも組織風土改革が必要とされる細かなケースはいろいろとあります。 自社がどのタイプの組織風土か理解したうえで、どのようなケースで改革が必要になるかみていきましょう。

・社員の成長意識が低く、現状維持を優先している
・不要な業務にもかかわらず時間をかけて行っている
・前例を踏襲することに固執している
・業界や社会の動きに対して鈍感になっている
・コミュニケーションが少なく、ハラスメント行為が増えている
・管理職が部下の行動を管理できていない
・社員の早期離職率が高い
・仕事に対して責任を取らない社員が多い
・職場の雰囲気がギスギスしている
・仕事が属人化している
・新しい仕事に挑戦する意欲が低い

このような傾向がみられる場合には、組織風土改革が必要な可能性があります。組織風土の醸成には長い時間がかかりますから、当てはまるケースがある場合は、早急に改革を進めましょう。

組織風土改革を行うメリット

組織風土改革は、組織を改善するうえで大切な施策です。では組織風土改革を行うことで、会社にどんなメリットがあるのかみていきましょう。

生産性が向上する

組織風土改革によって社内の雰囲気が変われば、会社の生産性向上に結びつきます。良い組織風土のある会社では、社員同士の横のつながりが強く、お互いに成長を目指す文化や社風が根付いています。社員一人ひとりが仕事に対する責任感を持つことにより「組織の利益=自分の利益」と捉えることができるからです。生産性の低下した会社の場合、社員が仕事や会社の利益に対して他人事の意識があり、現状を良くしようとする考え方が欠如していることが多いです。組織風土改革を通じて社員の意識に変化を起こし、生産性の向上につなげやすい点が大きなメリットといえます。

従業員エンゲージメントの向上につながる

組織風土改革を進めると社員にとって働きがいのある職場に変化するため、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。社員がのびのびと働きやすい雰囲気が醸成され、社員同士の信頼関係も構築しやすくなります。その結果、社員の中にチームの一員としての意識が芽生え、会社に自分の居場所を確立できるようになるでしょう。また会社における自分の役割を認識できるようになり、自分に求められる働きを理解できる点も大きいです。自分の行動に責任を持って働くようになり、会社に貢献しようとする意欲も高まります。

社員の働きやすい環境になる

組織風土を良い方向に変革すると、社員同士のコミュニケーションが活性化され、人間関係が良好になります。組織風土のタイプでも紹介したとおり、ギスギス型や腐敗型の組織風土では、社員同士のコミュニケーションが少なく、生産性も低くなる可能性が高いです。一方、社員同士のコミュニケーションが円滑なら業務の情報共有も進みやすく、社員が相互の状況をリアルタイムで把握できます。社員がお互いの業務状況を確認しながら仕事を進められれば、自然と働きやすい職場へと変わっていくでしょう。

人材育成が活性化される

良い組織風土は人材育成でも良い影響があります。社員が会社のビジョンや理念、経営方針を理解することで、若手の育成にも自信を持ちながら教育を進められます。教育を受ける社員も仕事へのモチベーションが高まり、会社やチームに貢献する意識を持つようになるでしょう。組織風土は社員の働きだけでなく、先輩から教わる後輩社員にも大きな影響を与えることを理解することが大切です。

ビジョンの共有が促進できる

組織風土改革を推進することで、会社と社員の間で目指すべき未来やビジョンが共有しやすくなる点もメリットです。社員の働く意欲が低い会社や、チームワークの悪い会社では、会社の掲げるビジョンが社員に浸透していないケースがあります。会社が何のために事業をしており、将来何をしようと考えているのか知らなければ、社員の仕事へのモチベーションは上がりません。ビジョンというゴールが設定されていてこそ、社員のモチベーションは高まり、同じ方向性に歩むことができるからです。社員とともに同じ未来を目指すためにも、組織風土改革で会社の理念やビジョンが浸透しやすい環境を作りましょう。

組織風土改革の具体例

組織風土改革を進めるための、具体的な施策の例について紹介します。

社員の自律性を高める

企業の組織風土を変えるには、一人ひとりの社員が自主的に考え、動こうとする文化が必要です。停滞した組織風土の中では、社員にも活力がなく、変化をおそれる傾向があるからです。そこで社員に組織風土改革への理解を促し、自主的に動ける社員を一人でも多くしていくことが対策になります。特に経営者や管理職から社員に向けて、会社にどんな課題があるか、解決のために何をすべきか、将来どんな会社になってほしいかを伝えることが大切です。単に「企業の業績が良くないから生産性を高めたい」「赤字だから経費削減に協力してほしい」では、漠然としすぎていて社員も不安になります。社員が「現在の組織風土を変える必要がある」と認識し、それぞれの行動で変えていけることを理解してもらう努力が重要です。そして自律性の高い社員には報奨を与えたり、意欲の低い社員には手厚い支援を行ったりすることで、自発的に環境を変えようとする意識を芽生えさせましょう。

挑戦しやすい文化の醸成

組織が順調に成長し、安定した利益が出せるようになると、社員の中には現状で満足してしまう人も出てきます。現状に満足する社員が現れると、新しいことに挑戦する意欲が弱くなり、仕事に対しても消極的な姿勢が目立つ組織風土になります。消極的な状態が長く続くほど周囲の社員も影響を受け、挑戦することにおそれを抱くようになるでしょう。そのような状況を改善するには、組織として社員が挑戦しやすい環境や条件を整え、前向きに働ける仕組みを作ることが重要です。

例えば、新規事業やプロジェクトのリーダーを公募制にしたり、一定の予算を用意して社員にアイデアを募ったりする方法があります。会社側が挑戦しやすい状況を提供することで、社員が挑戦しやすい土台ができあがります。また挑戦した結果失敗したとしても、失敗を受け入れる組織風土にすることも大切です。失敗したらキャリアアップできなくなり、評価も下がるようなら、社員は足踏みするでしょう。社員の挑戦を後押しできる制度を整えるだけでも、組織風土改革は大きく前進します。

社員のチームワーク強化

保守的な社員の多い環境や成果だけを追い求める社員が多い職場では、チームワークの強化が課題となります。例えば保守的な社員が多いとチャレンジ精神や意欲が低く、優秀な若手社員ほど不満を抱えやすいです。また自分の成果だけを追い求める社員が多いと、情報共有が進まず、チーム全体の仕事に悪影響を及ぼします。仕事である以上、仲良しグループになる必要はありませんが、社員同士のチームワークが良くなければ生産性は極端に低下します。

組織風土改革を推進する際は、社員がそれぞれの持つ能力を最大限発揮できるように、チームワークを強化できる施策を打ち出すことも大切です。一例として、属人化したスキルやノウハウを共有し、社員のスキルを底上げする方法があります。個人の成果だけでなく、組織としての成果につながる施策を進めることで、社員が一体感を持って仕事に臨めます。 成功体験も失敗体験も社員同士で共有し、会社の雰囲気を活性化していくのが望ましいでしょう。

人事評価制度の見直し

会社の軸である人事評価制度を見直す改革を進めるのもよいでしょう。社員が前向きに仕事へと取り組めるようになります。会社に対して不満を持つ社員の中には、人事評価への不公平感や成果だけを重視する点を問題視する人も少なくありません。これは会社の人事評価制度に明確な評価基準や定義がなく、管理職の主観的な評価で昇級・昇格が行われることが原因です。また、社員によっては成果が出ていないにもかかわらず、上司に気に入られることで高い評価を得ている人もいるでしょう。 良い組織風土を作っていくには、社員の勤続年数や年齢、性別などに関係なく、誰もが平等な評価基準に則って進めていくことが重要です。 加えて、評価を行う際は結果だけでなくプロセスも評価することで、社員は「努力が正当に認められている」と実感できます。社員が不満を持ちながら働く会社では、良い組織風土は作れません。社員だれもが活躍できる仕組みを作り、現状を良くしようとする社員を増やすことが改革につながります。

トップダウン・ボトムアップの活用

組織風土改革を行う際は、経営者からのトップダウンと社員からのボトムアップを活用するのがポイントです。トップダウンで行う場合は独裁的になりがちですから、各部署のリーダーに何のために改革を進めるのか理解してもらうべきです。経営者の独裁的なやり方では、社員からの反発を招き、組織風土がさらに悪化する可能性もあります。トップダウンで行うにしても、何のために改革を行うのか、どんな組織を目指したいのか伝えていくことで、社員の間にも経営者のビジョンや理念が浸透していくでしょう。またボトムアップで改革を行う場合は、経営層や管理者からの理解が不可欠です。一般社員からの意見を取り入れることに対し、管理職の中には反発する人もいるからです。そのため、一般社員の根回しだけでなく、各管理者に理解を促すことで、社員からの声を反映しやすくなります。そして組織風土改革は一度に変化を起こすのではなく、小さなことから進め、効果を実感してもらうことで反発を抑えられます。

組織風土改革を成功に導くポイント

組織風土改革を成功に導くには、2つのポイントを意識することが重要です。良い組織風土を醸成するためのポイントについて解説します。

段階的に改革を進める

組織風土改革を推進するにしても、トップダウンで一気に変えるのは要注意です。そもそも組織風土は長年の習慣や経験、価値観などに基づいて形成されており、社員の意識を一度に変えることはできないからです。そのため、組織風土改革の必要性を理解してもらうことから始め、各部署、組織全体へと波及させましょう。経営者が自分の言葉で社員に講演したり、社内報で伝えたりするなど、段階的に進めていくことが大切です。いきなり大きな変革を行おうとすると、多くの人は反発します。組織風土改革への理解を浸透させ、社員の多くが納得できたタイミングで進めていくことを意識すべきです。

社員の声を改革に反映する

組織風土改革は経営者だけの考えではなく、現場で働く社員の声を反映することも重要なポイントです。経営者は組織独自の武器や強み、社会の動きなどを掴んでいることは多いですが、現場で働く社員の考えを知る機会はそれほど多くありません。そのため、社員の目線で組織風土改革を行うことで、働きやすくやりがいのある職場環境作りが進めやすくなるでしょう。もちろん社員の要望すべてを取り入れるのではなく、本当に必要なものだけを選ぶことは重要です。組織運営を進めるうえで障害になりうるもの、生産性を低下させる要因になっているものなど、早急に解決すべきものを参考にしましょう。

組織風土改革を成功させた企業事例

規模の大きく、歴史のある会社ほど組織風土改革は難しくなります。日本の企業の中で、組織風土改革を成功させた事例について紹介します。

国内光学機器・電子機器メーカーA

医療用の内視鏡やカメラなど映像製品の開発・販売を行うA社は、2011年の粉飾決算をきっかけに組織風土改革に取り組みました。一時は上場廃止の可能性すらありましたが、株主の信頼回復のために新たな経営理念の下で組織風土改革を行いました。

・Our Purpose(私たちの存在意義):Making people’s lives healthier,safer and more fulfilling(世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現)

・Our Core Value(私たちのコアバリュー):Integrity,Empathy,Long-Term View,Agility,and Unity(誠実、共感、長期的視点、俊敏、結束)

この2つの理念の下、社員間に理念を浸透させ、価値観を共有することで組織風土改革に成功しました。また、粉飾決算の根本原因ともなった経営者のマネジメントスキル不足を改善し、現在も内視鏡やカメラ分野の最前線で活躍しています。

国内医療機器メーカーB

医療機器や製品を取り扱うB社では、1990年代から他の企業に先駆けて組織風土改革を進めていました。1990年代は3期連続の連結赤字を計上するなど、経営状況が悪化していました。当時B社は「5つの壁」にぶつかり、壁を打破するには組織風土改革を行うことが急務でした。実際に取り組んだのは、社員に会社経営の当事者意識を持ってもらうために「アソシエイト」と呼称し、表彰やチームワークの強化、情報の透明化などを進めることです。2017年3月期には5,000億円以上の売上となり、大きな成長を遂げました。現在でもB社では「アソシエイト」が組織風土の象徴であり、社員の間に共通する価値観となっています。

国内大手航空会社C

日本の航空業界大手だったC社は、2008年のリーマンショックによる影響が大きく、2010年に会社更生法の適用を受けました。JALが組織風土改革を行った目的は、経営基盤を立て直し、脆弱な企業体質を改善することです。そのために京セラ創業者の稲盛和夫氏を会長として迎え、グループ会社を含む経営幹部に徹底した教育を行いました。「経営12カ条」を経営層全員が理解し、社員にも浸透させたことで組織全体の風土改革に成功しました。新型コロナウイルス流行前の2019年には、グループの売上が1兆5,000億円に迫り、現在でも日本の航空業界を支える企業として活躍しています。

国内電気機器メーカーD

D社はトップダウンの組織風土が定着していたことで、経営再建で風通しの悪さが強くなり、ボトムアップの提案がしにくくなりました。部署間の連携も弱くなり、経営層と各部署の管理職、若手社員とのコミュニケーションも滞りました。そこで取り組んだのが社内SNSの導入です。社員が利用する際のルールは最低限のものとして、業務外のことでも書き込みを許可しました。その結果、経営幹部と社員との距離感が近くなり、趣味の発信から部署間での連携も盛んになりました。 社内SNSは現在でも登録者数が増加しており、接点のなかった社員同士を結びつける効果も生み、縦と横両方の関係性強化につながっています。

国内機械メーカーE

E社は1990年代に会長が提唱した「よい会社」が原点でした。
「よい会社」とは「強い」「やさしい」「おもしろい」の3要素が柱でしたが、「やさしい」が「社員にやさしい会社」と受け取られるようになりました。その結果、挑戦や成長を避ける社員が増え、約10年間の売上が伸び悩むことになります。そこで「成長と変化に挑む社員を増やしていく」を組織風土として、昇進や給与システムを変更したほか、労働環境やワークライフバランスの改善などを実施しました。現在はやったことが評価される組織風土に変化し、社員の間にも意識が浸透しています。

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まとめ

今回は組織風土改革について、種類や必要なケース、施策の具体例、成功のポイントなどを解説しました。紹介した企業の事例にもあるように、組織風土は社員の意識に浸透し、場合によっては会社の経営にも影響を及ぼすことがあります。良い組織風土が醸成できれば会社は成長しますが、悪い組織風土を放置すれば会社が土台から崩れることもあります。 経営者の視点だけでなく、社員の視点や意見も取り入れることで、会社独自の組織風土を作り上げましょう。

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