SDGsとは? 17の目標と企業ができること・事例をわかりやすく解説

  • 公開日:2022.10.21

    更新日:2023.01.05

    地球環境やさまざまな差別などの社会問題をきっかけに、世界中からSDGsに注目が集まっています。この記事では、SDGsの意味や日本と世界が実施しているSDGsの取り組み事例について解説します。SDGsの17の目標それぞれについてもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

世界で注目を集めているSDGsとは?

世界が抱える社会問題の改善策として、SDGsに注目が集まっています。こちらの記事ではSDGsの概要について解説していきます。

SDGsの意味

SDGsは、世界の危機的状況を改善し、持続可能な社会を実現させるための国際目標です。SDGsとはSustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標を意味します。2015年の国際サミットにおいて採択され、世界中のすべての国や組織、企業や個人が共通して目標に取り組むべきと規定されています。

SDGsは17の目標と169のターゲットから構成される

持続可能な社会を実現するためにSDGsが掲げているのが、17の目標と169のターゲットです。
17の目標では、将来的になりたい姿を目標として設定しており、169のターゲットでは、17の目標を達成するための具体的な達成基準が設定されています。17の目標を達成するなかで、持続可能な社会を目指し、すべての人を取り残さないということを、SDGsで強調しています。

SDGsの17の目標

SDGsの17の目標で掲げているのは、環境問題や性別における不平等、貧困などの改善です。以下で詳しく解説します。

1.あらゆる形の貧困をなくす

世界中で起きているあらゆる形の貧困をなくすことを目指しています。貧困が指しているのは、経済的なことに限りません。仕事や教育などの必要なサービスや物がなかったり、受けられなかったりすることも、貧困に含まれます。

2.飢餓をなくす

持続可能な農業の推進により、世界中の飢餓をなくすことです。すべての人たちが十分な食事を取り、栄養不足をなくすことも目標に含まれます。目標の実現には、環境や資源を守りながら、持続可能な農業を行うことが重要です。

3.すべての人が健康的な生活を送れて福祉を受けられる

すべての人が健康で安心して暮らすことです。目標を実現するには、すべての人が病気の予防や治療、妊娠や出産の際の保健サービスを受けられるようにしなければなりません。

4.すべての人に質の高い教育を提供する

家庭の経済面や住まいに関係なく、すべての人が生涯にわたって学習できるようにすることです。目標を達成するには、災害や紛争が起きている状況でも、子どもたちが教育を受けられる制度をつくることが重要です。

5.ジェンダーの差別をなくす

性による差別を世界中のすべての場所でなくすことです。暴力と搾取をなくすことや、女性が経済活動の意思決定や政治へ男性と平等に参加できることも含まれています。

6.世界中に安全な水と衛生的な環境を提供する

世界中のすべての人が、安全な水と衛生設備が整った環境で暮らせることです。水資源の再利用によって、水資源の管理や水資源に関わる生態系の保護も目指しています。

7.持続可能なエネルギーをすべての人に提供する

新しいエネルギーをすべての人が安価に利用できることです。目標の実現に伴い、川の流れによって生まれる力や太陽光、風などの再生可能エネルギーの使用量を増加させる取り組みが必要です。

8.働きがいのある雇用と持続可能な経済成長を促進する

自然環境を守りながら働きがいのある仕事をして、持続可能な経済成長の推進です。子どもの心身に悪影響を与える労働には厳しく対処するとして、目標のなかに示されています。

9.イノベーションと産業化を促進する

災害に対する耐性が強く、環境を破壊しない持続可能なインフラにすることです。経済成長の推進を行いながら、企業が環境に配慮した技術や製造の工程などを新たに取り入れることも、目標のなかに含まれています。

10.国や人の不平等を改善する

国同士や国内の不平等を減らすことです。所得が水準を下回る各国労働者の賃金増加や、性別や年齢などを原因として一部の団体を差別する慣習や法律をなくすことです。国際的な金融取引への制度や規制強化も含まれます。

11.持続的に住める街づくりを行う

すべての人が安全な住居に住み、安価な価格で環境に配慮された公共スペースをつくることです。廃棄物の適切な管理と大気汚染の防止により、都市環境の改善を行うことや、自然遺産や世界文化遺産を守ることも含まれています。

12.持続可能な生産と消費の仕組みをつくる

SDGsが掲げる17の目標の1つは、世界中のすべての国が、1人あたりの食品排気量を全体で50%カットすることです。また、水や土壌、大気へ流出する廃棄物や化学物質をなくすことも、目標のなかに含まれています。

13.気候変動による影響に具体的な緊急対策を行う

気候変動による危険に対する備えや、災害発生後に復興する力の強化です。国の政策や計画に気候変動の対策を組み込み、体制を整備しておくことが重要です。具体的な取り組み内容として、温室効果ガスの排出量の減少があります。

14.海と海の資源を守る

持続可能な生態系と海洋の回復と保護です。違法な漁業や環境破壊を進める漁業の取り締まりも目標に含まれます。また、海にある資源を持続可能な方法で活用しながら、収入を得るためのサポートを行うことも、目標に記されています。

15.陸の環境を守る

陸の環境や生態系の保護と再生を実現することです。砂漠化への対策や森林の適切な管理により、土地の劣化や森林破壊を防止します。生物多様性を保つために、絶滅危惧種を早期に保護することも含まれます。

16.すべての人の公正と平和を実現する仕組みをつくる

すべての人が平和な社会づくりと公正な制度を利用できるようにすることです。違法な資金取引や武器取引の減少も含まれます。また、国際的な決定事項に対して、参加する途上国を増やすことも、目標の1つです。

17.グローバルパートナーシップで目標達成を実現する

すべての国が予算を確保し、国同士の格差を生まない貿易ルールの実施です。目標の関係者が協力して、進捗把握のためのデータや統計収集を行うことも、目標に含まれています。

日本が実施しているSDGsの取り組み事例

SDGsの取り組みとして、日本の行政や企業はすでに複数の取り組みを実施しています。以下で詳しく解説します。

地方創生SDGs

地方創生SDGsは、内閣府が推進しているプロジェクトです。地方創生SDGsの1つとして、SDGs未来都市があります。SDGs未来都市は、持続可能な都市計画の実現に取り組もうとする各自治体を、政府が支援や推奨するプロジェクトです。政府は、持続可能な都市計画の実現に重要とされる、「社会」と「経済」、「環境」の観点から自治体の選定を行っています。

ジャパンSDGsアワード

ジャパンSDGsアワードとは、SDGsの達成に向けて優れた取り組みを行った組織を、日本政府が顕彰するものです。ジャパンSDGsアワードでは、SDGs推進円卓会議構成員と呼ばれる、有権者で構成される選考委員会が審査を行います。自治体や企業、教育機関などが過去に選ばれました。ジャパンSDGsアワードは、日本でSDGsを普及させる重要な取り組みの1つです。

マイボトルチャレンジ

民間企業もSDGsの達成に取り組み、貢献しています。マイボトルチャレンジは、コーヒーチェーンのスターバックスと女性向けWebメディアのオズモールがコラボレーションして取り組んだ、SDGsのキャンペーン企画です。顧客へマイボトルの持参を呼びかけ、使い捨て容器の削減によるSDGsの普及を目的としています。

世界が実施しているSDGsの取り組み事例

日本だけでなく、アメリカやドイツ、フランスなどの世界各国がSDGsに取り組んでいます。以下で詳しく解説します。

ドイツ

ドイツは、2035年までに国内電力をほぼ100%再生可能エネルギーによってまかなうことを宣言しました。1998年には電力市場が自由化されており、「グリーンピースエナジー」をはじめとする4社が再生可能エネルギーのみを供給しています。電力以外は、アディダスがプラスチック廃棄物からスニーカーを製造して販売につなげています。

フランス

フランスは、他の国よりも早く使い捨てプラスチック製品の使用を禁止しました。海洋プラスチックごみを減らすために、ストローやおもちゃなどでも使い捨てのプラスチックの使用が禁止されています。ファッション業界でも衣類用のリサイクルポストを設置しており、SDGsを推進するために素材の再利用に取り組んでいます。

まとめ

SDGsは、Sustainable Development Goalsの略語です。持続可能な社会を実現させるための国際目標として、2015年の国際サミットにて採択されました。SDGsは、17の目標と169のターゲットで構成されます。

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