• 更新日:2023/11/17

ピラティスとは、ゆっくりとした動きで体の筋肉を鍛えるエクササイズです。ピラティスに興味をもっているものの、方法が分からず始められないという人もいるのではないでしょうか。この記事では、ピラティスの特徴ややり方などを解説します。どのような人にピラティスが向いているかについても解説するため、ぜひ役立ててください。

そもそもピラティスとは?

ピラティスとは、体の深いところにある筋肉を鍛え、健康的な体と心の調和を目指すエクササイズです。ドイツ人のフィジカルトレーナーである、ジョセフ・ハベルタス・ピラティス氏が提唱したため、ピラティスという名称がついています。

体が弱かったピラティス氏は体を鍛えて健康を手に入れ、その経験をもとにピラティスを開発したといわれています。ピラティスは、第一次世界大戦における負傷兵のリハビリとしても行われていました。

ヨガやストレッチとの違いを解説

ピラティスはドイツ人のピラティス氏が考案したエクササイズであり、自分の病気の克服のために発案されています。ヨガの発祥はインドのインダス文明にあり、修行方法の1つでした。ピラティスとヨガの違いは呼吸法にあります。ピラティスは胸式呼吸であるのに対し、ヨガは腹式呼吸です。
ピラティスとストレッチの違いは、動きの数です。ピラティスは動きが多めですが、ストレッチは動きが少なめです。

ピラティスの種類

ピラティスの主な種類は、以下の2つです。

  • マットピラティス
  • マシンピラティス
それぞれについて以下で解説します。

マットピラティス

マットピラティスは、マットを使って行うエクササイズです。日本では、マットピラティスが広く浸透しています。基本的には体重を利用して全身を鍛えます。決められたポーズをとったり、音楽に合わせて動いたりするエクササイズが中心です。マットに寝転がった状態でもエクササイズでき、難しいポーズはあまりありません。

バランスボールを使用する場合もありますが、基本的にはマットさえあればどこでもできます。

マシンピラティス

マシンピラティスは、ピラティスのために開発された専用のマシンを使用して、体に負荷をかけるエクササイズです。リフォーマー、ラダーバレル、キャデラック、チェアといったマシンがあります。いずれのマシンでも、体にかける負荷の具合を調整できます。そのため、エクササイズができるか不安な人も、自分に合わせて負荷を調節できるため心配いりません。マシンピラティスで行えるエクササイズの種類は数百種類にものぼります。

ピラティスの基本のやり方

ピラティスの基本のやり方・ポイントは、以下の3つです。

  • 呼吸
  • 反動を付けずに動く
  • お腹を意識する
それぞれの詳細を以下で解説します。

やり方・ポイント1:呼吸

ピラティスの呼吸は、胸で息を吸ったり吐いたりする胸式呼吸です。お腹を膨らませず、胸だけで呼吸するように意識しましょう。胸式呼吸を行うと交感神経が優位になり、パフォーマンスを高められます。正しい呼吸で取り組めば、エクササイズを終えた後に効果を感じやすくなります。

ピラティスの動きだけに集中してしまい、呼吸に意識が向かなくなる人も多いため、注意が必要です。胸式呼吸をせずにエクササイズした場合、ピラティスの効果は半減します。ピラティスのエクササイズは呼吸と連動させてこそ意味があるため、それを常に意識しながら取り組みましょう。

やり方・ポイント2:反動を付けずに動く

ピラティスのエクササイズは、体に負荷をかけて鍛える動きが中心です。よって、基本的には反動を付けずに動くようにしましょう。反動を付けると楽に体を動かせるため、筋肉が十分に使われません。反動を付けているつもりがなくても、無意識のうちに勢いよく体を動かして反動を使ってしまう場合も多いです。

反動を付けないようにするには、ゆっくりと動くとよいです。ピラティスでは素早く動く必要はないため、筋肉の力だけを使って動くように意識しましょう。姿勢を保てる体勢をみつけたら、筋肉を使ってキープしてください。

やり方・ポイント3:お腹を意識する

ピラティスの効果を得るためには、特にお腹の力の入れ方が重要です。エクササイズで体を動かす際は、常にお腹を引き締めましょう。お腹を引き締めると骨盤を適切な位置で保てるため、筋肉を正しく動かして鍛えられます。たとえば、お腹を引き締めて前屈すると、ハムストリングスがよく伸びて効果的なエクササイズを実現できます。

ピラティスのレッスンの受け方・選び方

ピラティスの受け方・選び方を大別すると、以下の2つが挙げられます。

  • おうちで始める
  • 教室で習う
それぞれについて解説します。

おうちで始める

日本で一般的なマットピラティスなら、自宅でも簡単に始められます。たとえば、動画投稿サイトにはさまざまなピラティスの動画が投稿されており、無料でレッスンを始めることも可能です。有名なインストラクターの中には、DVDを発売している人もいます。また、初めてピラティスに取り組む場合は、オンラインレッスンを受ける方法もおすすめです。自宅にいながらインストラクターに指導してもらえます。

自宅でのピラティスは、周囲の目が気にならない点が大きなメリットです。自分のペースで気軽に体を鍛えられます。教室に通う時間をなかなかとれない場合も、自宅で自分の好きなタイミングで無理なく続けられるでしょう。

教室で習う

ピラティスを教えている教室は多数あります。レッスンの種類は、グループレッスン、マンツーマンレッスン、悩み別のレッスンなどさまざまです。レベル別のレッスンが行われている場合もあるため、初心者から上級者まで自分の状態に合わせたレッスンを受けられます。

教室に通うには料金がかかるため、自宅でピラティスに取り組むよりもコストは高めです。ただし、インストラクターから直接指導を受けられる点は大きなメリットです。体の動かし方やコツを具体的に教えてもらえるうえに、体を正しく動かしているかチェックしてもらえます。また、教室は広々しているところが多いため、自宅よりも思い切り体を動かせるでしょう。

自宅できるおすすめピラティスメニュー

自宅でできるピラティスメニューのおすすめは、以下のとおりです。

  • ウエストシェイプピラティス
  • ペルビックカール
  • チェストリフト
  • 姿勢改善ピラティス
  • 肩こり解消ピラティス
それぞれについて解説します。

ウエストシェイプピラティス

どちらかの肩を下にしてマットの上に横になります。肩の真下に肘をついたら、脚を伸ばしましょう。足首は折り曲げた状態にし、肘に力を入れて床を押すようにします。肋骨が落ちないように注意してください。

一度吸った息を吐きながら、お尻を持ち上げます。頭から足首までがまっすぐになるようにします。その後、息を吐きながらゆっくりお尻を下ろしましょう。8回繰り返したら、反対側も同様に行います。

ペルビックカール

まずはマットの上に仰向けになります。膝を立て、足の幅はこぶし1つ分を目安に開きましょう。次に息を吐きながら骨盤を顔側に傾け、お尻、背中、胸の裏の順に体を持ち上げます。その状態のまま息を吸い、再び息を吐きながら先程とは逆に胸の裏、背中、お尻の順で体を下げていきます。

体を持ち上げたり下げたりするときは、背骨を1本ずつ動かすようなイメージです。呼吸を意識しながら5回行いましょう。

チェストリフト

マットに仰向けになり、膝を立てます。足幅は腰幅と同じくらいにします。頭の後ろで両手を組みましょう。その状態で鼻から息を吸い、口から吐いて胸を起こします。目線は前方に向けるかへそのあたりを見るとよいです。息を吐き続け、その体勢を保ちながら腕を前に伸ばします。そして、手でももの裏をつかみます。再び息を吸って胸を持ち上げ、両手で頭を支えましょう。息を吐いて頭をマットに下ろします。

同じ動きを5回繰り返しましょう。

姿勢改善ピラティス

マットの上に四つん這いになります。両肩の真下にそれぞれ手を置き、脚は腰幅に開きましょう。次に、左手と右脚を床から離し、左手は前方、右脚は後方へ伸ばします。息を吸いながら、左肘と右膝が床と平行になるようにそれぞれ曲げます。左肘を動かす際のポイントは、左の肩甲骨の下を背骨に引き寄せることです。

その後、息を吐きながら右の脇腹を引き締める意識を持ち、左手と右脚を再び伸ばします。8回繰り返したら、反対側も同様に行います。

肩こり解消ピラティス

どちらかの肩を下にし、膝を曲げてマットの上に横になります。肩甲骨の後ろにクッションを置いてください。クッションにもたれかかるようにし、上半身を斜め上に向けます。上側の腕を肩から大きく回します。ただし、痛みを感じる部分がある場合は小さく回してください。上回しと下回しを8回ずつ行います。反対側も同様に行いましょう。

肩を回すことで肩関節の可動域が広がり、肩こりの解消を期待できます。

ピラティスを始めるメリット

ピラティスを始めるメリットを挙げると、以下の4つです。

  • 骨盤・姿勢のゆがみが改善する
  • ストレスが軽減される
  • 新陳代謝が上がる
  • 誰でも楽しめる
それぞれについて解説します。

骨盤・姿勢のゆがみが改善する

ピラティスでは、ゆがみが生じやすい骨盤や背骨などにアプローチするエクササイズが多いです。骨盤や背骨を意識して体を動かすと体幹も鍛えられるため、姿勢も整えられます。ゆがみの解消により内臓の位置が適切な場所に戻り、血流促進や内臓機能の向上なども期待できます。

ストレスが軽減される

ピラティスは1つの動作に集中して取り組むため、精神的な落ち着きを感じられます。日常のさまざまな出来事を忘れてエクササイズに没頭でき、その結果としてストレスの軽減を期待できます。

新陳代謝が上がる

ピラティスでは内臓を支える力が鍛えられ、体幹の筋肉も増やせます。新陳代謝が上がるため、痩せやすく太りにくい体も手に入れられます。

誰でも楽しめる

ピラティスはもともとリハビリのために行われていたエクササイズであり、基本的に誰でも楽しめます。体を鍛えられますが、激しい動きがないため運動が得意ではない人でも挑戦しやすいです。

ピラティスに向いている人の特徴とは

ピラティスに向いている人は、以下の人です。

  • 健康的な体づくりがしたい人
  • 姿勢を直したい人
  • スポーツが好きな人
  • 論理的な思考力がある人
それぞれについて解説します。

健康的な体づくりがしたい人

ピラティスに向いているのは、健康的な体を手に入れたい人です。ピラティスではインナーマッスルを鍛えられ、体を支えるために必要な筋肉を増やせます。体を引き締めたい人にもおすすめです。

姿勢を直したい人

ピラティスのエクササイズでは筋肉や骨を意識して体を動かすため、姿勢を直したい人にも向いています。正しい力をかけて体を動かすと、ゆがんだ姿勢を改善する効果を期待できます。

スポーツが好きな人

ピラティスはアスリートも取り入れている運動方法の1つであり、スポーツが好きな人にもおすすめです。ピラティスに取り組むと、スポーツに取り組む際に体を動かしやすくなったり、ケガの予防につながったりします。

論理的な思考力がある人

ピラティスは論理的な思考力がある人にも向いています。ピラティスの動きは解剖学に基づいて考えられているため、根拠に基づいたエクササイズができます。論理的な人なら、頭でよく考えながら体を動かせるでしょう。

まとめ

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ピラティスにはさまざまなメリットを期待でき、健康的な体を目指したい人や、スポーツが好きな人などさまざまな人におすすめです。悩みに対応した幅広いエクササイズがあるため、自分の体の状態に合わせて取り組めるところも魅力的です。

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生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
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