【2024年最新】電験三種とは?仕事内容・試験概要・合格率について解説
電験三種の難易度や合格率の推移、試験の概要や資格取得のメリット、勉強方法などについて解説します。
電験三種とは第三種電気主任技術者試験のことです。また、資格名そのものを指すこともあります。年収アップを目的に電験三種の合格を目指す人は多いです。しかし、資格を取得することで本当に年収アップできるのか、疑問に思う人もいるでしょう。
この記事では、電験三種の有資格者の平均年収や資格手当の相場、資格取得のメリットや取得後に年収を上げる方法などについて解説しています。
年収アップや電験三種取得へのモチベーションを高めるための参考にしてください。
電験三種(第三種電気主任技術者)の平均的な年収は、350万~500万円です。この数字は、求人サイトにおいて、第三種電気主任技術者の有資格者を募集している企業が提示している年収を平均したものです。そのため、この年収はあくまで目安にすぎません。たとえばプロジェクトマネジャー待遇での募集においては、年収600万~700万円を提示している企業もあります。
電験三種の資格手当は、月額1万円程度です。企業によって手当の額は異なり、5,000~8,000円ほどの場合もあります。また、支給の仕方も毎月や年数回などさまざまです。資格取得のための学費や受験料を会社が負担してくれる場合もあります。
ここでは、資格取得によって就業できる仕事の種類や、主な勤務先の特徴などについて解説します。
「電験」は電気主任技術者試験の略称で、第一種・第二種・第三種の3つに分類されている国家資格です。電験三種はこのなかで最も難易度が低く、登竜門的な位置づけの資格です。通信講座などを活用すれば初学者でも合格を目指せるでしょう。幅広い業種の企業からの需要が高く、年齢を問わず人気がある資格のひとつです。
電験の第一種~第三種は、取り扱える電気工作物が異なります。第三種では、5万ボルト未満の電圧の事業用電気工作物を扱えます。ただし、5,000キロワット以上の発電所は対象外です。
第二種では、17万ボルト未満の電圧の事業用電気工作物、第一種ではすべての事業用電気工作物を扱えます。中小規模の工場・ビルの設備は電圧が5万ボルト未満であることが多いため、第三種の勤務先はこれらの作業現場になるケースが多いのが特徴です。
電験三種の有資格者の仕事で多いのは、建物の電気設備や受変電設備の保守・管理です。具体的には工場やホテル、オフィスビル、マンションなどが仕事場になります。そのため、ビル管理会社や電力会社、建設会社など、幅広い業種で需要があるのが特徴です。点検やメンテナンスなどの現場作業が多いですが、業務報告書を書くなどのデスクワークもあります。
一般財団法人電気技術者試験センターによると、電験三種受験者の最も多い勤務先は、「ビル管理・メンテナンス・商業施設保守会社」でした。次に電気工事会社、3番目に電力会社、と続きます。
電験全体でみると、最終学歴は大学卒が最も多く、次いで大学院卒、工業高等学校卒の順になっています。受験の動機として「資格が必要な職務に就いているため」を挙げている人は32.9%で、多くの人が職務のために資格取得を目指していることがわかります。
電験三種を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、4つのメリットについて解説します。
電験三種の有資格者は、発電・エネルギープラントや化学プラントを扱う企業、ビルメンテナンス業界、電気保安業界などから幅広く需要があります。
経済産業省が行った2017年の調査によると、電気保安業務における電験三種の有資格者は、2045年の時点で約4,000人不足すると予測されています。「有資格者が採用されやすい仕組みづくりが必要になる」と国が表明しており、将来的にも資格を取得しておくメリットは大きくなりそうです。
電験三種の上には電験二種があり、その上には電験一種があります。電験三種の有資格者は実務経験5年以上で第二種を取得できるため、ステップアップしやすいのがメリットです。第二種を取得して、さらに実務経験を重ねると第一種を取得できます。国家資格でこのような制度を持つものはめずらしく、資格取得のメリットが大きいのが特徴です。
電気設備の保守・点検は、いずれAI(人工知能)に置き換えられるのではないかと不安を持つ人もいるのではないでしょうか。しかし、経済産業省の調査結果のように、電気保安業務における人材不足が起こることが予測されています。
施設責任者との交渉や幅広い業務内容があるため、AIには置き換えられません。将来的にも需要は高く、また、年収が下がる可能性は低いとされています。
経験を積んだ電気主任技術者は企業内で重宝されるようになります。責任ある仕事を任されやすくなるため昇進のチャンスも増え、結果的に給料が上がりやすくなります。また、年収アップのために条件のいい企業に転職できるチャンスも広がります。
電験三種は他の国家資格にはない、発電所や変電所、工場やビルなどに設置されている電気設備の保守・監督を行うための、いわば電気のスペシャリストになれる資格です。電気業界に身を置く方はもちろん、これから電力・電鉄・ビル管理などの業界へ就職・転職を考えている方にとって、この資格は大きな力になります。
求人先によっては職務経験のありなしに関わらず、60歳以上でも就職が可能なことも。資格の価値が高いため求人数も多く、より良い環境や待遇の会社へと、選択肢が広がります。
電験の資格には一種・二種・三種の3つがあり、三種よりもさらに上級の資格が一種と二種です。三種を持っている人が所定の年数、実務に携わったという「就労証明」をすることで、上級の二種を無試験で取得することができます。同様に二種取得後も、一種への実務経験によるステップアップが可能です。無試験で上級資格を取れる国家資格は他にあまり例がなく、こうした点からも電験は大変有利な資格と言えます。
多くの資格に共通することですが、「資格取得のメリットがそれほど感じられなかった」という人もなかにはいます。どのような声があるのでしょうか。
電験三種は、扱える電圧が低いため「大企業に就職できない」という声が少なくありません。第一種・第二種が扱える高電圧で大規模な設備を持つ企業に、エンジニアとして就職しにくい面があります。実際に平均年収を分析すると、中小規模の施設でビルメンテナンス業務に従事する有資格者の年収が、平均年収を押し下げています。
「電験三種を取得したのに、高収入の求人が少なかった」という声もあります。経験がある人が求められているため、未経験で条件がよい求人は多くありません。電験三種の有資格者でも、未経験の場合は年収600万円程度が限界です。ただし実務経験が多く、独立している場合は年収1,000万円を超えている人もいます。
電験三種取得による知識や技能だけでは、年収1,000万円を目指すのは難しいでしょう。企業で働く場合、通常、マネジャーや現場責任者としての能力を評価され、高い地位に就くことではじめて実現可能です。電験三種を取得していることだけでなく、実際は総合的な能力で評価されています。
電験三種の有資格者は電力会社などと交渉する機会も多いため、専門知識だけでなく対人的な能力も育てていきましょう。
電験三種の有資格者として年収アップを目指すには、どのような方法があるのでしょうか。ここではその方法について解説します。
企業から重宝されるのは経験豊富な電気主任技術者です。実務経験を重ねるうちに、社内での評価が上がり、給料も上がっていきます。また、実務経験が多くなれば、転職によって年収アップを目指すことも可能です。資格取得を最終目標にするのではなく、資格取得後もスキルを磨いていきましょう。
上位資格の取得を目指すことも年収アップの方法です。上級になるほど難易度は上がりますが、第二種、第一種と取得していけば、ほぼ確実に年収を上げられるでしょう。電験三種は上位資格があるため、目標を定めやすいのが特徴です。実務経験を重ねることで上位資格を取得できるため、腰を据えて働きながら年収アップを目指す、という方法もあります。
電験三種しか取得していなくても、実務経験が豊富な場合、独立することで年収アップを目指すことも不可能ではありません。ただし、独立に必要な資金に加え、営業力や経営力も求められます。いわゆる「コネ」を持っているなど特別な事情がない限り、安定的な事業継続は難しいでしょう。
個人事業主として独立する場合でも、社団法人電気監理技術者協会などに入会し、仲間とともに連携し業務を行うのが一般的です。
電験三種を取得すると職に困ることはまずありません。定年退職後のシニアからも、電験三種の資格は人気を集めています。アルバイトとして働くよりも生涯年収を上げることができ、ワーク・ライフ・バランスが取りやすいため、フリーランスや子育てをしながら活躍する「ママさん電気主任技術者」など、多様な働き方で生涯年収アップを目指す人もいます。
電験三種は5万ボルト未満の電圧の事業用電気工作物を扱える国家資格です。幅広い業種からの需要が高いことから就職・転職に有利で、年収アップも見込めます。
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電験三種の合格には、最低でも1,000時間程度の勉強時間が必要だといわれています。試験は理系の科目が多いため、理系出身かどうか、理系の科目が得意かどうかなど、受験者の習得レベルによっても必要な勉強時間は異なります。
電験三種の合格率は、例年、全科目が10%前後。他の国家資格と比較して難易度が高めの資格。しかし、難関資格なだけに、資格取得後の転職や就職はかなり有利になりため人気の資格です。
難易度は高いものの、独学で合格を目指すことも可能。ただしデメリットも大きい。電験三種取得を独学で目指すなら、通信講座も選択肢。不明な点を講師に質問可能。
一定規模以上の電気設備の管理、工事の保安監督を行う電気のスペシャリストである電験三種。電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられています。そのため有資格者は業界内になくてはならない存在となり、非常に高く評価されます。電験三種の資格があればキャリアアップはもちろんのこと、転職・就職に有利ですので、昇進・昇給を考えている方、定年後に再就職を考えている方におすすめの資格です。
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