メンタルヘルス・マネジメント検定の難易度や合格率は?効果的な試験対策も解説
- 更新日:2024/10/22
メンタルヘルス対策に力を入れている職場は、増加傾向にあります。メンタルヘルス・マネジメントの重要性をあらためて知り、資格取得を目指す人も少なくありません。この記事では、メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の難易度や合格率などを、コース別に解説します。試験対策の方法なども解説しているので、検定試験の合格を目指している人はぜひ参考にしてください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- メンタルヘルス・マネジメント検定の直近3回の平均合格率がⅠ種19.3%、Ⅱ種61.3%、Ⅲ種74.4%。
- Ⅰ種は他の2コースと比較しても合格率が低く、難易度が高い。合格率は同程度だが、Ⅱ種とⅢ種も難易度に差がある。
- Ⅲ種とⅡ種は選択問題のみだが、Ⅰ種では論述問題も出題される。
メンタルヘルス・マネジメント検定の合格率
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の合格率はどのくらいなのでしょうか。
Ⅰ種(マスターコース)の合格率
Ⅰ種(マスターコース)の直近3回の平均合格率は、19.3%でした。Ⅰ種(マスターコース)が開催された直近3回の合格率は、以下のとおりです。直近の合格率を比較すると、受験者の約2割が合格していることがわかります。
実受験者 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第35回 | 1,587人 | 325人 | 20.5% |
第33回 | 1,628人 | 287人 | 17.6% |
第31回 | 1,521人 | 301人 | 19.8% |
Ⅱ種(ラインケアコース)の合格率
Ⅱ種(ラインケアコース)の直近3回の平均合格率は、61.3%です。Ⅱ種(ラインケアコース)が開催された直近の3回の合格率は、次のとおりです。Ⅱ種(ラインケアコース)の合格率は、約5〜7割の受験者が合格しています。Ⅰ種(マスターコース)と比べた場合、合格率が高いことがわかります。
実受験者 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第36回 | 12,483人 | 9,137人 | 73.2% |
第35回 | 11,781人 | 6,661人 | 56.5% |
第34回 | 11,918人 | 6,444人 | 54.1% |
Ⅲ種(セルフケアコース)の合格率
Ⅲ種(セルフケアコース)の直近3回の平均合格率は、74.4%です。直近3回の合格率は、以下のとおりです。Ⅲ種(セルフケアコース)の合格率は、受験者の約7割です。
実受験者 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
第36回 | 4,648人 | 3,353人 | 72.1% |
第35回 | 4,888人 | 3,515人 | 71.9% |
第34回 | 5,035人 | 3,995人 | 79.3% |
- 参考:結果・受験者データ | 試験のご紹介 | メンタルヘルス・マネジメント検定試験(https://www.mental-health.ne.jp/data/)
メンタルヘルス・マネジメント検定の難易度
メンタルヘルス・マネジメント検定は、難易度により3つのコースに分かれています。直近3回の平均合格率がⅠ種19.3%、Ⅱ種61.3%、Ⅲ種74.4%であり、Ⅰ種の難易度が最も高く、Ⅲ種が最も合格しやすい難易度です。
メンタルヘルス・マネジメント検定のコース別の難易度を種類別にくわしく解説します。
Ⅰ種(マスターコース)の難易度
Ⅰ種(マスターコース)は、Ⅲ種(セルフケアコース)やⅡ種(ラインケアコース)と比較した場合、難易度に大きな差がみられます。上述の合格率の低さからわかるとおり、Ⅰ種は難易度が高いと判断できます。
Ⅱ種(ラインケアコース)の難易度
Ⅱ種(ラインケアコース)は、Ⅰ種(マスターコース)よりも難易度は低い傾向にあります。ただし、Ⅲ種(セルフケアコース)ほど難易度は低くありません。合格するには、法律や制度に表記されている数値の暗記が必要です。
Ⅲ種(セルフケアコース)の難易度
Ⅲ種(セルフケアコース) は、3つのコースの中で合格率が高いことから、難易度が低いコースと判断できます。ほかのメンタルヘルス関連の検定や試験の合格を目指すうえで、足がかりになります。
そもそもメンタルヘルス・マネジメント検定とは?
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定は、大阪商工会議所と施行商工会議所が共同で主催しています。検定に合格すれば、職場の役割に応じたメンタルヘルスケアに関する知識や、対処方法などを身につけることができます。資格を取得した人は、人事労務に関する業務に活かすことも可能です。たとえば、職場環境の整備や社員の健康面のマネジメントなどがあげられます。
メンタルヘルス・マネジメント検定を受験するメリット
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定を受験すると、どのようなメリットがあるのか、以下で解説します。
自身のメンタルケアができる
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定に合格すると、セルフケアができるようになります。自身のメンタルケアだけでなく、職場内で人間関係に関するトラブルが起きても適切に対処できます。また、トラブルの予防にも有効です。人材採用の場面では、ストレス耐性やセルフケア能力の高さが重視されるため、転職・就職の際に有利に働く場合があります。
部下のメンタルケアができる
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定で必要な知識が身につけば、部下のメンタルケアに活かせます。部下のメンタル面の不調に一早く気づければ、周囲の人が部下をサポートして支えることも可能です。部下のメンタルケアを積極的に行うことで、メンタル面の不調に伴う休職や離職などを予防できます。結果的に、企業のリスク管理にもつなげられます。
メンタルヘルス・マネジメント検定の受験資格
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定は、受験資格として細かい制限は定められていません。
一般的な検定試験を受験する場合は学歴や年齢をはじめ、性別、国籍、希望コースに制約があるケースが多いです。しかし、メンタルヘルス・マネジメント(R)検定は制限がありません。また、Ⅰ種と Ⅱ種、Ⅱ種とⅢ種を同日に受験することも可能です。
メンタルヘルス・マネジメント検定の3つのコース
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の3つのコースの概要や、特徴をくわしく解説します。
Ⅰ種(マスターコース)
Ⅰ種(マスターコース)は、おもに企画経営や人事などの業務に就く人を対象にしたコースです。組織全体のメンタルヘルスケアを推進することを目的に、カリキュラムなどが組まれています。Ⅰ種(マスターコース)の資格をもつ人は、企業のメンタルヘルス対策を行う際に必要な知識を持っている証明になります。
Ⅱ種(ラインケアコース)
Ⅱ種(ラインケアコース)は、企業の管理職の方を対象にしているコースです。管理職がメンタル面のセルフケアを行えるだけでなく、部下のストレスや職場内の人間関係のトラブルなどに対処することを目的にしています。Ⅱ種(ラインケアコース)に合格すれば、部下のメンタル面の不調に一早く気づき、適切な対応をとることができます。
Ⅲ種(セルフケアコース)
Ⅲ種(セルフケアコース)は、就業しているすべての人を対象にしているコースです。自らのストレスに気づき、適切な方法で対処・予防できることを目的に、カリキュラムが設計されています。自身のストレスの状況や状態を把握できるようになるだけでなく、必要に応じて周囲に助けを求められるようになります。
メンタルヘルス・マネジメント検定の各コースの出題内容
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の出題内容について、コース別に項目を紹介します。3つのコースで共通している項目もありますが、すでに解説した通り、それぞれのコースの目的は異なります。
Ⅰ種(マスターコース)
1.企業経営に関するメンタルヘルス対策の意義・重要性
2.メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務の役割
3.ストレス、メンタルヘルスの基礎知識
4.人事労務管理に携わる人材に求められる能力
5.メンタルヘルスケアに関連する方針・計画
6.産業保健にかかわる人材などの活用による心の健康管理の推進
7.相談体制の整備
8.教育研修
9.職場環境などの改善
Ⅱ種(ラインケアコース)
1.メンタルヘルスケアの意義・管理監督者の役割
2.ストレス、メンタルヘルスの基礎知識
3.職場環境などの評価・改善方法
4.各労働者への配慮
5.相談者への対応
6.社内外の資源との連携
7.メンタル面の不調・問題をもつ復職者への支援方法
Ⅲ種(セルフケアコース)
1.メンタルヘルスケアの意義
2.ストレス、メンタルヘルスの基礎知識
3.セルフケアを行う重要性
4.ストレスに気づく方法
5.ストレスへの対処・軽減方法
6.社内外の資源の活用
メンタルヘルス・マネジメント検定の合格基準
Ⅲ種(セルフケアコース)とⅡ種(ラインケアコース)は選択問題です。Ⅲ種とⅡ種では、100点中70点以上が合格基準となります。一方で、Ⅰ種(マスターコース)は選択問題と論述問題が出題されます。Ⅰ種の合格基準は合計150点中105点以上です。ただし、論述問題の得点は25点以上であることが合格の条件になっています。
メンタルヘルス・マネジメント検定の試験日程
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定のスケジュールは、以下のとおりです。Ⅱ種・Ⅲ種は年2回、Ⅰ種は年1回、試験が実施されます。
- 第37回(Ⅰ種~Ⅲ種):2024年11月3日(日)
- 第38回(Ⅱ種・Ⅲ種):2025年3月16日(日)
メンタルヘルス・マネジメント検定の合格に必要な勉強時間
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定に合格するために必要な勉強時間は、受験するコースや勉強方法によって異なります。Ⅱ種(ラインケアコース)は、30〜50時間程度の時間が必要といわれています。
Ⅲ種(セルフケアコース)の場合は、10〜20時間程度の勉強時間を確保しましょう。記憶した知識を定着させるためには、繰り返し復習を行うことが大切です。また、毎日継続的に勉強時間を確保することも、合格に近づくための重要なポイントです。
メンタルヘルス・マネジメント検定の効果的な試験対策
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の試験対策として、効果的な方法を解説します。
通信講座
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の試験勉強に効果的な方法の1つは、通信講座の受講です。通信講座は独自のカリキュラムを設定しているので、受講者は勉強方法を自ら模索する必要がありません。
添削などのサービスも利用できるため、不明点を確認できるメリットがあります。なかでも、難易度の高いコースの受験に備えたい場合におすすめです。ユーキャンでは、メンタルヘルス・マネジメント(R)検定講座を提供しています。
オンライン講座
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の受験対策として、オンライン講座を利用する方法もあります。オンライン講座を利用するメリットは、時間や場所を選ばずに受講できる点です。また、予備校で学ぶケースに比べて、費用を抑えられます。オンライン講座は、ポイントを絞って学べるため、勉強時間を確保しづらい人におすすめです。
独学
自分のペースでメンタルヘルス・マネジメント(R)検定の勉強をする場合は、独学するという手もあります。具体的には、公式テキストの内容に沿って勉強する、過去問を繰り返し解くなどの方法があります。独学のメリットは、勉強時間やスケジュールを自分で設定できる点です。ただし、勉強方法の決定やモチベーションの維持を、自ら管理しなければなりません。
メンタルヘルス・マネジメント検定の過去問題を確認する方法
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定の試験内容の多くは、公式テキストから出題されます。そのため、受験するコースの公式テキストをチェックしておきましょう。メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験の公式パンフレットにも、各コースの過去問が1問ずつ紹介されています。公式テキストとあわせて、公式パンフレットの過去問も確認しておきましょう。
まとめ
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定はⅠ種〜Ⅲ種まで、3つのコースがあります。Ⅰ種やⅡ種はⅢ種よりも難易度が高いため、効果的な勉強方法を選ぶ必要があります。なかでも、不明点などが質問できるなど、サポートが充実している通信講座がおすすめです。
ユーキャンのメンタルヘルス・マネジメント(R)検定講座は、検定試験の合格に的を絞った、わかりやすい教材で効率よく勉強できます。受講開始日から12ヵ月間は添削や質問などの指導サービスが受けられ、多忙な人でも安心です。検定試験の合格を目指している人は、ぜひお試しください。
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 関連資格にはどんな資格がある?
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ほかのメンタルヘルス関連資格には産業カウンセラーやメンタルケア心理士、心理相談員といった資格があります。いずれの資格も受験するためには一定の条件を満たす必要があり、初めて目指すにはハードルが高いと言えます。一方、メンタルヘルス・マネジメント検定はどなたでも受検することが可能です。
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