栄養士に近い資格を紹介!社会人でも取得できる食関連の資格とは?
- 更新日:2024/03/15
栄養士資格があれば普段の食事を健康的なものにでき、飲食業界などでも幅広く活躍できます。しかし、栄養士の資格取得は難易度が高く、取得までに時間もかかります。食に関する資格には、さまざまな種類が存在するので、栄養士以外の資格に挑戦するのもおすすめです。
この記事では、栄養士に近い資格を6つの分野に分けて紹介します。栄養士に近い資格を取得するメリット、社会人におすすめの取得方法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
食育に関する資格
食育に関する資格は比較的取得しやすく、挑戦しやすいジャンルです。
- 食育法に基づいた知識が学べる「食育栄養アドバイザー認定資格」
- 5段階の認定がある「食育インストラクター」
- 福祉・医療業界で役立つ「アレルギー対応食アドバイザー」
- 暮らしに活きる知識をやさしく学べる「食育実践プランナー」
食育栄養アドバイザー認定資格
一般社団法人日本技能開発協会が運営する民間資格です。食育基本法に基づいた知識を学ぶことができ、栄養素と身体の関係を知るきっかけにもなります。受験資格はなく、未経験者でも挑戦しやすい資格です。在宅で受験でき、問題数は30問、合格基準は70点以上となっています。
食育インストラクター
NPO日本食育インストラクター協会が運営する民間資格です。食育を基礎から学び、日々の生活のなかで実践・指導できる水準を目指します。食育インストラクター資格は、食育への理解や実践のレベルに応じて1級から4級、そしてプライマリーの5段階で認定されます。入門レベルのプライマリーは通信教育講座の修了によって取得できますが、4級以降は実習などが必須となるため難易度は高めです。
アレルギー対応食アドバイザー
一般財団法人日本能力開発推進協会が運営する民間資格です。子どものアレルギー対応食についての専門知識と技術を獲得することができ、福祉業界や医療業界での活躍が期待できます。アレルギー対応食アドバイザーの資格試験を受けるためには、認定教育機関などが行う教育訓練において、すべてのカリキュラムを修了することが必須です。カリキュラム修了後は在宅でテキストを見ながら受験でき、得点率70%以上で合格となります。
食育実践プランナー
一般社団法人日本味育協会が運営する民間資格です。食に関する幅広い知識と調理実践力、指導力を証明できるため、家庭はもとより、企業や社会活動、教育現場などでの活用が期待できます。
食育実践プランナーの資格を得るためには、ユーキャンの食育実践プランナー講座で第1~5回の添削課題を提出し、第6回の添削課題(資格試験)で合格基準点を獲得する必要があります。受験資格はなく、在宅で受験可能です。
健康食に関する資格
健康食に関する資格は需要が高く、取得後は医療や飲食業界で活躍できる可能性があります。
- 予防ケアのスペシャリストになれる「生活習慣病予防プランナー」
- 食の健康に関する幅広い知識が身につく「食生活アドバイザー」
- セミナー講師や栄養コンサルとしての活動もできる「臨床栄養医学指導士」
生活習慣病予防プランナー
一般社団法人ケアフィット推進機構が運営する民間資格です。取得することで、生活習慣病予防のための適切なプランニングができるようになります。受検するための要件はなく、年齢・学歴・実務経験などにかかわらずチャレンジできる資格です。在宅のまま受験できるマークシート方式の試験で、70%以上の正解で合格となります。
食生活アドバイザー®
一般社団法人FLAネットワーク協会が運営する民間資格です。2級と3級の2種類があり、栄養と健康、食文化と食習慣をはじめ、食に関する幅広い知識が学べます。食生活について総合的なスキルが身につけられるため、飲食や福祉の現場をはじめ、さまざまなシーンで役立つでしょう。試験は年に2回、全国の受験会場で開催されます。2級と3級で試験開始時間が異なるため、ダブル合格も目指せます。
臨床栄養医学指導士
一般社団法人 臨床栄養医学協会が運営する民間資格です。専門的な医学知識を学ぶことで、協会内でのセミナー講師や栄養コンサルとして活動できるようになります。オンラインセミナーを受講後、栄養指導レポートを提出し、合否が判定される流れです。
不合格でも再提出することで合格が目指せます。資格取得後のサポート体制も整っているため、食に関するビジネス展開を考えている人にもおすすめです。
スポーツ関連の食事に関する資格
アスリート向けの食事に関する資格を取得すると、比較的ニッチな分野の専門家として活躍できる期待があります。
- 運動に最適な栄養摂取のプランニングができる「スポーツ栄養プランナー」
- プロのアスリートやスポーツに取り組む子どもをサポートする「アスリートフードアドバイザー」
スポーツ栄養プランナー
Office LAC-Uが認定する民間資格です。スポーツ栄養についての知識を学び、運動と健康のための栄養摂取のプランニングができるようになります。添削課題や検定試験はすべて自宅で行えるため、仕事や家事、育児と両立しながらの資格取得も可能です。
アスリートフードアドバイザー
一般社団法人日本技能開発協会が運営する民間資格です。スポーツ種目や性別に合わせた食事の基礎が学べ、食に関する実践的な知識が身につきます。正しい知識を学ぶことにより、プロのアスリートからスポーツに取り組む子どもまで、食事の面からサポートできます。資格取得講座も用意されていますが、独学で勉強して試験のみ受けることも可能です。
漢方・薬膳に関する資格
漢方・薬膳に関する資格には以下の2つがあります。資格取得により、日々の健康維持・増進に役立てられるほか、仕事の幅を広げられる可能性があります。
- 漢方のエキスパートとして助言ができる「漢方アドバイザー」
- 薬膳の正しい知識や具体的なレシピが学べる「薬膳コーディネーター」
漢方アドバイザー
一般社団法人日本技能開発協会が運営する民間資格です。漢方の知識や正しい服用方法などのスキルが身につき、飲食業界や医療業界などで役立ちます。たとえば、漢方アドバイザーを取得した後に、漢方薬を使った薬膳カフェをオープンするのも資格を活かす方法の1つです。自宅で試験を受けることができ、受講期間の定めがないので短期間での資格取得も可能です。
薬膳コーディネーター
本草薬膳学院が認定する民間資格です。漢方が身体の不調の緩和に焦点を当てているのに対して、薬膳は日々の食事から身体のバランスを整えることを目指します。本草薬膳学院は、中国の北京中医薬大学・河南中医薬大学と提携しており、本格的な薬膳の知識が学べる点が特徴です。合格基準は60点以上ですが、不合格の場合でも再々試験まで受験できます。
食と美容に関する資格
食と美容や健康の関連性について知識を身につけられる資格です。食事や健康管理の専門家として適切なアドバイスができるようになります。
- 美容に効果的なマクロビレシピや食事療法が学べる「マクロビオティックセラピスト」
- 健康的な食事で美をサポートする「ヘルシー&ビューティーフードアドバイザー3級」
マクロビオティックセラピスト
一般財団法人日本能力開発推進協会が運営する民間資格です。マクロビオティックとは、穀物、野菜、豆類、海藻などを中心とし、肉や魚などの動物性食品を控える食事を通じて健康維持を目指す考え方です。マクロビオティックの食事は、美容・ダイエット効果が期待できるだけでなく、医療の現場でも注目が高まっています。
マクロビオティックセラピストの資格試験は、すべてのカリキュラム修了後、在宅にて受験できます。合格基準は得点率70%以上です。
ヘルシー&ビューティーフードアドバイザー3級
フードマネジメント協会が運営する民間資格です。取得することで、食事と身体、運動の基礎知識が得られます。ヘルシー&ビューティーフードアドバイザーの資格は2級と3級の2種類あり、同時取得はできません。3級に合格すると、2級の受験資格を満たせます。3級の出題割合は、食45%、運動40%、ビジネス15%となっており、得点率70%以上で合格できます。
栄養に関する資格
栄養に関する資格には以下の2つがあります。どちらの資格も栄養をはじめ、食に関するさまざまなスキルを習得できます。
- 飲食業界で評価の高い国家資格である「調理師」
- 食のクリエイターとして活躍できる「フードコーディネーター」
調理師
公益社団法人調理技術技能センターが運営する資格です。試験科目は、公衆衛生学や食品学をはじめ、栄養学や食品衛生学、調理理論、食文化概論と多岐に渡っており、食のプロフェッショナルとしての幅広い知識が学べます。
学歴・職歴に関わる受験資格があり、基本的には2年以上の調理業務経験が必要です。調理師資格がなくても飲食店で働くことはできますが、取得によって「就職や転職が有利になる」「資格手当がつく」などのメリットがあります。
フードコーディネーター
特定非営利活動法人日本フードコーディネーター協会が運営する民間資格です。食の新しいトレンドを創出し、食品開発や飲食店の運営に携わることができます。1級・2級・3級の3種類あり、それぞれ年1回試験が実施されています。受験する級によって試験内容も大きく異なっており、企画書審査やプレゼンテーション発表のある1級は、難易度も高めです。
栄養士資格は独学で取得できない
栄養士の資格は独学では取得できません。栄養士は栄養士法で定められた国家資格となっており、取得するには指定施設で2年以上学ぶ必要があります。栄養士の資格がなくても食に関する指導をすることはできますが、無資格で「栄養士」を名乗ってしまうと、処罰の対象となるため注意が必要です。
栄養士のように、資格を持っている人だけが名乗ることができる資格を「名称独占資格」といいます。名称独占資格の例としては、保健師、理学療法士、介護福祉士などが挙げられます。医師、弁護士、行政書士など、独占的に特定の業務に携われる資格は「業務独占資格」と呼ばれます。
栄養士の資格を取る方法
栄養士の資格を取るには、指定の施設で単位を取得する必要があります。資格取得に関するポイントは次のとおりです。
- 管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学する
- 所定の単位を取得して卒業する
- 夜間や通信教育はないため、仕事と両立させることは困難
栄養士の資格取得のための指定施設
栄養士の資格取得のための指定施設としては、「栄養士養成施設」「管理栄養士養成施設」の2種類があります。栄養士養成施設は2年制・3年制・4年制がありますが、管理栄養士養成施設は4年制のみです。高校卒業後、管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の単位を取得して卒業することで「栄養士」の資格が取得できます。
フルタイムで働きながらの取得は困難
フルタイムで働きながら、栄養士の取得を目指すのは現実的ではありません。栄養士養成施設と管理栄養士養成施設ともに、夜間の学校や通信教育はなく、平日昼間の授業に通う必要があります。必修科目が多く、実習も行われるため仕事との両立は困難です。
栄養士に近い資格を取得するメリット
栄養士に近い資格を取得するメリットとして、食や栄養の悩みを解消できる点が挙げられます。食に関する知識を身につけ、日々の生活に取り入れることで、自分自身や家族の健康をサポートできます。また、資格によっては飲食、福祉、医療業界における就職活動でのアピールポイントとなるでしょう。
栄養士に近い資格を目指すなら?
栄養士に近い資格を目指すには、通信講座の受講がおすすめです。通信講座を選ぶ際のポイントや注意点は次のとおりです。
- 通信講座を受講することで、独学よりも効率的に学べる
- サポート体制が充実している通信講座がおすすめ
- 具体的な将来像を描いて資格を選ぶことが大切
通信講座を受講する
栄養士に近い資格を取得するなら通信講座がおすすめです。通信講座はテキストや動画などの教材が充実しており、独学よりも効率的に学べます。課題添削や質問などのサポートを受けられるので、理解度がアップして実践的なスキルが身につきやすい点もメリットです。
取得を目指す際の注意点
食に関する資格には、さまざまな種類が存在するため、取得の目的を明確にすることが大切です。仕事に直結しづらい資格も多いため、職務に役立てたい場合は資格の見極めが必要となります。漠然と資格取得を目指すのではなく、具体的な将来像を描くことで、最適な資格が選びやすくなるでしょう。
まとめ
栄養士資格は独学で取得できないため、栄養士に近い資格を取得するのも1つの方法です。役立つ資格は豊富にありますが、仕事に活かしたいのであれば国家資格である「調理師」がおすすめです。
ユーキャンの調理師講座は、過去10年間で6,100名の合格者を輩出しており、仕事と両立しながら取得が目指せます。専門用語は分かりやすい表現で解説しているので、初心者でも安心して学習いただけます。さまざまなサポートで試験合格のバックアップが可能なので、ぜひご活用ください。
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 調理師になるには?
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調理師になる方法には、「調理師の養成施設を卒業する方法」と「調理師試験を受験する方法」の2通りがあります。
学校に通わなくても、2年以上の実務経験を経た後に、調理師の試験を受験して合格すると、調理師資格が取得できます。 - 調理師試験は、独学でも合格できる?
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独学でも調理師試験の合格は可能です。しかし、出題範囲が6科目にわたるため、自分に合った参考書探しやスケジューリングをしっかり行う必要があります。勉強だけに集中したいなら、テキスト選びやスケジューリングを任せられる通信講座の受講が効率的といえます。
- 調理師試験の難易度は?
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調理師試験は実技試験を行わず、筆記試験のみとなっています。出題形式は4つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式です。実技試験も記述問題もないため、人気資格のうちでは比較的難易度は高くない試験といえます。
飲食店を将来的に開業したい方や、料理に対する正確な知識を習得したい方におすすめの資格が「調理師」。調理師とは、食品の「栄養」や「衛生」、「適切な調理法」などの知識を持ち、安全な料理を作ることができる調理のプロです。
食品の安全や健康への注目が高まる中、飲食店はもちろん、福祉の現場や病院、学校・会社の食堂など、活躍の場は多彩。飲食業界への就職・転職の武器になり、職場でのキャリアアップ・収入アップも期待できます。また、食に関する知識を広げられるため、普段の料理にも役立てられます。
ユーキャンの「調理師」講座は、調理師の勉強が始めての方でもスムーズに学習いただけるよう、専門用語もわかりやすく解説したテキストをご用意。1日約60分、6ヵ月で合格力が身につくカリキュラムですので、働きながらでも着実に合格を目指せます。調理師の試験はすべてマークシート方式ですが、本試験と同じ設問形式での練習問題もご用意していますので、効果的に実践力を高めることができます。