中小企業診断士の年収は？｜年収が高い理由などを解説

「中小企業診断士活動状況アンケート調査」によると、中小企業診断士としてのコンサルティング業務日数の合計が１年間のうち100日以上と回答した方の66.9%は、年収501万円以上となっています。独立しているか、企業に勤務しているか、公的業務が多いか、民間業務が多いかによっても、年収やコンサルティング報酬に開きがみられるため、年収差が大きくなるケースもあります。

• 参考：令和3年5月,一般社団法人中小企業診断協会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果について

中小企業診断士の主な収入源は以下の3つです。

• 中小企業に対するコンサルティング
• 公的支援機関などによる専門家派遣
• 経営改善などをテーマにしたセミナーの開催

コンサルティングは、長期間の顧問契約を結ぶ形と、テーマごとのスポット契約という形式の2つに分けられます。クライアント企業と契約を締結して、対価としてコンサルティング料や顧問料を受け取ります。現状分析、経営課題の特定、解決策の提案など、幅広い分野にわたってサポートします。

公的支援機関が企業の課題相談に対応するために、専門家を派遣する制度があります。支援機関によって手続きは異なりますが、一般的には専門家として登録して案件発生時に担当者を決定するという流れです。窓口相談や専門家派遣が含まれており、国や地方自治体などの行政機関、中小企業基盤整備機構、商工会議所などから委託されます。

セミナーの開催も中小企業診断士の収入源の1つです。テーマはさまざまですが、経営改善や資金調達などのテーマで開催するケースが多いでしょう。開催形態としては、会議室など対面で行うケースやオンライン形式などがあります。企業経営者や起業家、学生などを対象としており、講師としての知名度が上がれば講師料も高くなります。

中小企業診断士は国家資格の1つであり、第1次試験の合格率は28～42%、第2次試験の合格率は18%程度と決して簡単ではありません。中小企業診断士資格の取得者は経営課題に対応する専門知識を有し、横断的視野で思考できる人材とみなされるため、キャリアアップも叶います。資格を取得することで仕事を獲得しやすくなる場合があり、年収アップにつながりやすいと考えられます。

中小企業診断士の資格保持者のうち72.2％が他資格を保有しています。中小企業診断士と相性のいい資格を取得することで、得意分野や専門領域が広がるため、仕事量の増加や年収が高くなるケースが多いようです。保有している資格を活かしつつ中小企業診断士として活動することも可能です。

独立開業しなくても、自社の経営に関するアドバイスや診断などは可能です。経営視点からの助言などができるため上司から評価を得やすく、将来的に昇給や昇進なども期待できるでしょう。

また、資格を取得することで評価が高まる可能性もあります。そのため、企業勤務でも一般的なサラリーマンより平均年収は高くなる傾向にあります。

中小企業診断士の保有者における年齢層は、40～60歳代がボリュームゾーンです。ベテラン層が多く、ビジネスにおいて一定の立場や収入を得ているケースが多いでしょう。中小企業診断士は仕事をしながら資格取得が可能で、既存のビジネススキルなどを活かしながら、キャリアアップやステップアップを目指すミドル層に人気が高いです。

企業にもよりますが、中小企業診断士に資格手当を付与する企業は多くあります。資格手当がプラスされるため、資格を持たない人よりも年収は高くなるでしょう。中小企業診断士は企業経営の課題発見や解決につながるアドバイスができることで重宝されるうえに、資格手当によって中長期的な収入アップも期待できます。