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睡眠の質を上げるためには?|生活環境や食生活、睡眠環境の整え方を解説
- 更新日:2023/07/21
睡眠は、何時間とるかだけでなく、質も重要であるとされています。生活環境や食生活などの影響を受けやすい睡眠は、工夫次第で質を上げることができます。この記事では、睡眠の質を下げる要因から、質のいい睡眠を得られる方法まで解説します。睡眠に悩みのある人は、参考にしてください。
睡眠の質とは
心身の疲れをとるためには、睡眠時間の長さを示す「量」だけではなく、睡眠の質もが重要とされています。
睡眠の質とは、眠りはじめの睡眠の深さや睡眠サイクルに基づいて考えることができます。睡眠には、深さの異なるノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があり、眠っている間に交互に繰り返されます。この睡眠サイクルを意識することで睡眠の質の改善に繋がります。
質のいい睡眠とは
質のいい睡眠の例としては、次の3つが当てはまるものをいいます。
- 寝つきがよく、深い睡眠がとれている
- じゅうぶんな時間、熟睡している
- すっきりとした気分で起床できる
眠りはじめに、最も深い睡眠にスムーズに入れることが質のいい睡眠のポイントです。必要な睡眠時間は人によって異なりますが、深い睡眠の時間を長くとれると、すっきりとした目覚めにつながります。
睡眠の質が下がる原因とは
睡眠の質が下がる原因として、次の4つを紹介します。
- 不規則な生活をしている
- ストレスが溜まっている
- 睡眠環境が整っていない
- 夜にアルコールやカフェインを摂取している
以下で詳しく解説します。
不規則な生活をしている
体内時計が乱れると、睡眠の質に影響が出ます。体内時計は、睡眠に必要なホルモン分泌や生理的な活動のコントロールをしているためです。起床・就寝時間が日によって異なる、遅くまで明るい光を浴びている、寝る直前に食事を摂るなどの不規則な生活は、体内時計の乱れにつながります。
ストレスが溜まっている
ストレスは、睡眠の深さに影響する自律神経系を刺激し、睡眠の質を下げます。通常、自律神経は、日中に交感神経が、睡眠時に副交感神経が優位に働きます。しかし、ストレスが多い状態では、自律神経の働きのバランスが乱れます。睡眠時に交感神経が優位になってしまうと、眠れない、眠りが浅いという状態になります。
睡眠環境が整っていない
睡眠の質は、睡眠環境にも左右されます。寝室の温度が適切でなかったり、照明が明るすぎたり、物音や騒音が聞こえたりするといった環境は、質のいい睡眠の妨げになります。ほかにも、ベッドや布団、枕などの寝具に寝心地の悪さを感じることも睡眠の質を下げる原因となっている可能性があります。
夜にアルコールやカフェインを摂取している
夜にアルコールやカフェインを摂取すると、眠りが浅くなります。アルコールを摂取すると寝つきはよくなりますが、アルコールを分解する体内活動のせいで深い眠りになりません。カフェインは、それ自体に覚醒作用がある成分で、睡眠を阻害します。また、アルコールとカフェインはどちらも利尿作用があるため、夜中にトイレに行きたくなり、目が覚めてしまいます。
睡眠の質を上げるメリット
睡眠の質を上げるメリットの例として、次の3つを紹介します。
- 疲れが取れる
- 健康を維持できる
- 太りにくくなる
疲れが取れる
通常、睡眠時には自律神経系の副交感神経が優位に働き、体はリラックスした状態になります。逆に日中の活動時は交感神経が優位になり、筋肉や脳は活発に動き、血圧や脈も上昇します。質のいい睡眠は、日中に緊張状態であった体や脳を休め、疲労を回復させます。睡眠によって自律神経系のバランスをとることができるといえるでしょう。
健康を維持できる
質のいい睡眠は、自律神経系やホルモンのバランスを整えます。自律神経系の働きが正常化すると、血圧が安定し、動脈硬化を防ぎ、高血圧や心疾患などの生活習慣病の予防につながります。脳の疲労回復や分泌物質の作用の正常化などの効果も期待できるため、ストレス解消やうつ症状の緩和など、精神的にも安定します。
太りにくくなる
睡眠には、食欲をコントロールするホルモンのバランスを整える効果もあります。食欲に関わるホルモンはレプチンとグレリンの2つで、レプチンには食欲を抑制する働きが、グレリンには食欲を促進する働きがあります。睡眠が不足するとグレリンの分泌が増加してしまうため、過剰な食欲を抑えるためにも質のいい睡眠が重要です。
睡眠の質を上げる方法|生活習慣
睡眠の質を上げる方法のうち、次の3つは生活習慣の改善に取り入れられる方法です。
- 朝に太陽の光を浴びる
- 運動を習慣化する
- 寝る前に入浴をする
朝に太陽の光を浴びる
朝に太陽の光を浴びると、体内時計をリセットでき、睡眠バランスが整います。体内時計は、日々少しずつズレが生じるため、睡眠バランスにも影響を与えます。睡眠の質を上げるためには、睡眠バランスを整えることが欠かせません。毎朝同じ時間に起床して、太陽の光を浴びられるように、生活リズムを見直しましょう。
運動を習慣化する
運動による適度な疲労状態は、睡眠へと自然に導いてくれます。おすすめは、ウォーキングやランニングなどの軽い有酸素運動です。運動によって適度な疲労がたまるとともに、ストレスが解消され、また、日中に外で運動して光を浴びることで体内時計の調整効果も得られます。ただし、激しい運動や寝る直前の運動は脳も体も興奮状態になるため、避けましょう。
寝る前に入浴をする
寝る1~2時間前に、ぬるめの湯船に浸かることで、寝付きがよくなります。これは、人間の体は体温が下がるときに眠気が生じることが関係しています。眠りはじめに深い眠りへとスムーズに入れることが、質のいい睡眠には重要です。入浴で副交感神経を優位にして、心身ともにリラックスした状態にしましょう。
睡眠の質を上げる方法|食生活
睡眠の質を上げる方法のうち、次の3つは食生活の改善に取り入れられる方法です。
- 朝食をしっかりとる
- 寝る2時間前までに夕食を済ませる
- 寝る前はカフェインやアルコールを控える
朝食をしっかりとる
朝食は、目覚めのスイッチになります。特に、必須アミノ酸である「トリプトファン」を朝食で摂りましょう。トリプトファンは「セロトニン」へ合成され、さらに、質のいい睡眠に不可欠なホルモン「メラトニン」へと合成されます。トリプトファンを多く含む魚介類や肉類、卵、納豆などを朝食に取り入れることがおすすめです。
寝る2時間前までに夕食を済ませる
夕食は、寝る時間までに消化が終わるよう、2時間前までには済ませましょう。体が消化活動している状態で睡眠をとっても、体を休めることができないからです。もし、夕食から寝るまでに2時間空けられない場合には、消化しやすいものを中心に少量に抑えて、食事をするようにしましょう。
寝る前はカフェインやアルコールを控える
寝る前のカフェインやアルコールの摂取は、眠りが浅くなる要因となります。カフェインの覚醒作用やアルコールを分解する体内活動によって深い眠りが妨げられためです。また、カフェインにもアルコールにも利尿作用があるため、夜間に目が覚めてしまう場合があります。寝る前に飲むなら、ホットミルクやココア、白湯がおすすめです。
睡眠の質を上げる方法|睡眠環境
睡眠の質を上げる方法のうち、次の3つは睡眠環境の改善に取り入れられる方法です。
- 寝室の環境を整える
- 自分に合った寝具を使う
- 寝る前はスマートフォンを見ない
寝室の環境を整える
睡眠には、光や音が遮断された環境が適しています。特に強すぎる光は脳が活性化してしまうため、寝室は柔らかい光のライトにしましょう。また、暑くても寒くてもゆっくりと眠れないため、季節に合った温度や湿度を保つ工夫も必要です。夏場は約26℃、冬場は約16℃~19℃、湿度は50%~60%が目安です。
自分に合った寝具を使う
寝具は、保湿性、吸湿性、放熱性に優れた素材のものがおすすめです。シーツや布団カバー、枕カバーだけでなく、パジャマも素材や着心地にこだわるといいでしょう。枕やマットレス、布団は硬さや形状など、自分の体型や好みにあったものを選ぶ、心地よい眠りにつくことができます。
寝る前はスマートフォンを見ない
質のいい睡眠のためには、寝る前にはスマートフォンを見ないようにしましょう。スマートフォンの画面から発せられるブルーライトにより、脳が覚醒してしまうためです。脳の覚醒によって体内時計が乱れることで、睡眠に重要なホルモンであるメラトニンの分泌も妨げられるとされています。
まとめ
睡眠の質を上げることは、疲れがとれやすくなるだけでなく、健康面でのいい効果も期待できます。睡眠の質は、生活習慣、食生活、睡眠環境を工夫することで上げることができます。
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- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
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