アンガーマネジメントとは?怒りのタイプを診断してイライラを解消!【協会監修】
アンガーマネジメントとは、イライラや怒りの感情を自ら整理し、コントロールするためのスキルです。具体的にどういったことを行うか、身につける方法も含め解説します。
現代は、ストレス社会といわれています。溜めてしまったイライラを人にぶつけて後悔するなど、感情を上手くコントロールできない人が増えています。自分の感情をコントロールする方法を知りたい人は少なくないです。この記事では、感情をコントロールするためのポイントを解説します。感情をコントロールし、ストレスのない生活を送りましょう。
感情をコントロールすることは難しいです。では、そもそも人間の感情とは何なのか解説します。
よくいわれる人間の感情として、「喜・怒・哀・楽」があげられます。この他に、驚き・恐怖・嫌悪・諦め・快・不快・幸福感・愛情・嫉妬など、さまざまな感情があり、複雑に交錯しています。
ネガティブな感情が現れるのは、身の危険を知らせるサインだと言われています。例えば、近くに大きな犬がいれば、恐いという感情が現れ、必要以上に近づくことを避けます。ストレスが溜まった時に感じるイライラは、リラックスが必要だということを知らせるサインといえます。
感情をコントロールすることができれば、良い人間関係を築くことにつながります。反対に、自分で感情をコントロールできず、イライラや不安が周りに伝われば、他人にネガティブな影響を与えてしまうことがあります。他人から言われたことで気分が落ち込み、自分が否定されたと解釈してしまい、人間関係が悪化してしまうこともあります。
怒り・不安などのネガティブな感情は、本能から生み出されています。ネガティブな感情を否定せず、自分本来の思いであることを受け入れた上で、ポジティブな感情へと変化させるための行動に移ることが必要となります。
感情をコントロールできる人とできない人の心理状態を解説します。
感情をコントロールできる人の心はいつも穏やかです。感情をコントロールできれば、イライラする感情が現れても、自分の心をすぐに落ち着かせられます。自分の感情を冷静に見極めることができるので、同じような感情を持った他人の気持ちを深く理解でき、良好な人間関係が築けます。
感情をコントロールできない人の心はいつも重いです。イライラした感情が押さえられず、他人に自分の感情をぶつけてしまうことが多いです。嫌な思いをさせてしまったという自己嫌悪や後悔の感情に苦しむこともあります。他人に対する感情の爆発が繰り返されると、周りから敬遠されてしまう可能性があるため注意が必要です。
感情のコントロールが難しいのはなぜでしょうか。ここでは、扱いにくい感情のひとつである怒りについて解説します。
自分自身を理解できていないと、感情のコントロールは難しいです。怒りの感情をコントロールするためには、自分の感情の起伏をきちんと理解する必要があります。一般的には、自分の思いと異なることが起きた時、怒りの感情が現れると言われているので、自身がどういったときに怒ってしまうことが多いかなどを書き留めておくと、自分自身を理解できるきっかけとなります。
完璧主義である人は、怒りの感情が現れやすいです。完璧主義の人は、自分が考える理想通りに物事が進まないと、イライラしてしまうことが多いです。物事全てが理想通りには進まないことをあらためて理解し、自分にできること・できないことを客観的に判断することが重要です。
過去に起こったネガティブなことをいつまでも引きずってしまうと、感情のコントロールができません。失敗に対する後悔や他人への恨みが自分の中にある限り、怒りの感情が治まることはありません。失敗を自分の教訓にするなど、ポジティブな考え方に切りかえる努力が必要です。
ストレスをため込みやすい人は、感情のコントロールが難しいです。イライラ・怒りなどをコントロールできず、感情の発散ができないため、ストレスとして溜め込んでしまいます。たまったストレスをコントロールできないと、その感情を他人にぶつけてしまうこともあります。
よく眠れていない場合、感情のコントロールは難しくなります。感情のコントロールが上手な人でも、睡眠不足の時は、感情のコントロールができないことがあります。睡眠が十分に取れていないと、脳がうまく働かないためです。安心に満ちた感情を作るセロトニンが、睡眠不足により脳内で不足することが原因であることも判明しています。
感情をコントロールするための7つのポイントを紹介します。
嫌なことがあり、怒りの感情が現れたときは、その場で深呼吸をし、怒りが収まるまで数秒待ちましょう。すぐに感情を表に出してしまうと、他人に嫌な思いをさせてしまう可能性があるため注意が必要です。
怒りの感情が生み出されているポイントをよく見極めることが大切です。相手の立場に立って冷静に考えることで、怒る必要がなかったと気づけることもあります。怒りの感情をすぐにぶつけるのではなく、一度冷静になって考えることが大切です。
怒りの感情が出ても、相手と喧嘩にならないようにポジティブな言葉を選び、自分の思いを伝えましょう。「あなたのせいだ」「あなたが悪い」などといったネガティブな発言は控え、他人の気持ちを思いやる優しさを持つことで、良好な人間関係が築けます。
人の考え方、理解する能力などには個人差があり、自分が考えていることを、完璧に理解してくれる人は、ほとんどいないと考えると気持ちが楽になります。他人に対して自分と同じレベルを求めるべきではないと気づくことが大切です。
物事を引きずらないための自分のルールを作っておくと、感情がコントロールしやすくなります。どんな時に怒りやすいかなど、自分の怒りのメカニズムを把握し、自分の感情をパターン化しておくことで、物事を長い時間にわたって引きづらなくなります。
感情をコントロールするために、自分を癒せることをしましょう。映画を見る、漫画・小説を読むなど好きなことをしたり、好きな食べ物を食べたりすることで、ストレスを発散できます。過去に起きた嫌なことや、イライラの感情も忘れることができます。
不規則な生活は控え、睡眠を十分に取るようにしましょう。感情をコントロールする方法を実践する前に、日々健全な体をつくっておくことが大切です。睡眠が十分取れていると、気持ちも前向きになり、何かあってもポジティブに物事を考えられます。
感情をコントロールするために毎日できることを紹介します。
他人の気持ちを考える習慣をつけましょう。ネガティブな感情は、本能から生み出されます。人の気持ちになって物事を考えることで、自分勝手に解釈して怒っていたことがおさまることは多いです。自己中心的な感情を押さえ、他人の気持ちになって考え直してみることが大切です。
気持ちを切りかえるための努力を行いましょう。怒りの感情は6秒経つとおさまるといわれています。何かにイラっとした時は、一旦その場を離れ深呼吸したり、散歩したりするなどして、気持ちを切り替えることが大事です。
ひとつの考え方にこだわり過ぎず、さまざまな考えを取り入れる、柔軟な思考を心掛けましょう。ひとつの考え方にこだわりすぎると、他人の意見が受け入れられずイライラしてしまいます。絶対にこうあるべきだと断定する考え方を見直すことが必要です。
怒りの感情をコントロールするためのスキルとして、アンガーマネジメントがあります。アンガーマネジメントとは、アメリカ発祥の怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニングのことです。このトレーニング方法は、企業研修や子育て、医療・介護などの場で活用されています。
感情のコントロールは、良好な人間関係を築くうえで非常に大切です。しかし、なかなか感情を押さえるのが難しいことも事実です。自分自身の感情をコントロールするために、自分の考え方を見極め、コントロールするためのルールを作ることが必要となります。感情のコントロールの方法として、アンガーマネジメントを積極的に活用することもおすすめです。
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アンガーマネジメントのゴールは怒らないようになることではありません。
怒りの感情は、時に必要な感情です。
アンガーマネジメントを学べば、怒りをコントロールできるようになり、
本当に必要な時だけ怒り、あとで後悔してしまうような無駄な怒りを減らすことができます。
書籍を読んで学ぶ方法と学校や通信講座などを利用して学ぶ方法の2つがあります。書籍を利用して独学で学習すれば、お金はそれほどかかりませんが、効率的に学びたいのであれば学校や通信講座を利用することがおすすめです。
メリットは、怒りに振り回されることなく、怒りを感じたとしても上手に対処することができるようになること。怒りに任せた感情的な発言をしなくなるため、部下の指導や教育の場でも冷静に対応できるようになります。
アンガーマネジメントとは、怒りと上手に向き合うための心理トレーニングです。1970年代にアメリカで生まれ、現在では、企業研修やストレスの多い医療・介護の現場、子育て中の方など幅広い分野の方が活用しています。日本では延べ170万人がアンガーマネジメントを学んでいます。「短気な性格は治るはずがない」と考えている方でも大丈夫です。アンガーマネジメントを学べば、誰でも怒りをコントロールできるようになり、よりストレスのない幸せな毎日が送れます。
イラッとしたり、カッときたり、怒りの「衝動」に駆られた時は「6秒ルール」が有効です。6秒我慢すれば、人は冷静さを取り戻すことができると言われています。また、怒りの原因を知ることも重要です。実は怒りの原因はあなたの思考の中にあり、「べき」という言葉が大きく関係しています。自分の中の「べき」を洗い出せば、改善の対策が立てやすくなります。自身の怒りの感情が正しい場合でも、「怒らない」という行動を選ぶこともできます。必要な時にだけ怒り、無駄な怒りを排除することができれば、自分のしたいことだけにエネルギーを注ぐことができます。このようにアンガーマネジメントでは、「衝動」「思考」「行動」の3つの側面から怒りの感情をコントロールしていきます。