• 更新日:2024/10/29

「高認」や「高卒認定試験」とも呼ばれる「高等学校卒業程度認定試験」。この試験は、合格することにより高等学校の卒業者と同等以上の学力を持つと認定され、大学や短大、専門学校、各種資格試験の受験資格を得ることができます。さまざまな事情で高等学校を卒業していない方の、将来の可能性を広げるために用意された試験だと言えるでしょう。今回は、そんな高卒認定試験(高認)の難易度や試験科目についてご紹介します。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 高卒認定試験の合格点は、1科目ごとに100点満点中40~50点前後。受験する科目(8~9科目)の全てで50点を超えていれば合格と考えて問題なし。
  • 高卒認定試験の合格率は40~50%前後で、しっかりと対策をすればそこまで難易度が高くない試験。
  • 高認試験の試験科目は11科目。試験科目は、選択する科目によって多少異なるが、免除科目がない場合は8~9科目を受験する。

高卒認定試験(高認)の合格点は?

高卒認定試験の合格点は、1科目ごとに100点満点中40~50点前後です。受験する科目(8~9科目)の全てで50点を超えていれば合格と考えて良いでしょう。

合格点が40~50点でも、8~9科目も受験するとなると尻込みしてしまう方も多いかもしれません。しかし、一度合格した科目は次回以降の受験時に免除となりますし、また、高校在学時の単位の取得状況によっても、科目の免除を受けられる場合があります。さらに、一定の級以上の英検・実用数学技能検定などを取得している場合も、該当する科目の免除を受けられます。
なお、高卒認定試験の合格時に18歳未満である場合は、満18歳の誕生日から合格者と認められることになります。

高卒認定試験の難易度・合格率は?

高卒認定試験の合格率は、40~50%前後となっており、しっかりと対策をすれば十分合格することのできる、難易度がそこまで高くない試験といえます。高卒認定試験は基礎学力を判定する試験のため、試験内容は中1~高1までの範囲が中心です。ただし、誰でも合格できるわけではなくしっかりとした対策が必要です。

高卒認定試験では、一度合格した科目は次回以降の受験時に免除となるため、必ずしも一度に全ての科目の合格を目指す必要はありません。実際に、高卒認定試験の受験者の約半数が、すでに1科目以上合格している方だと言われています。地道な努力を続けることができれば、合格は現実的である難易度の試験です。

以下は過去6年間の受験者数、合格者数、合格率をまとめた表です。

年度 受験者数 合格者数 合格率 一部科目合格者数 一部科目合格率
平成29年 21,744 9,479 43.6% 10,195 46.9%
平成30年 21,220 9,224 43.5% 9,782 46.1%
令和元年 19,853 8,931 45.0% 9,099 45.8%
令和2年 16,654 7,681 46.1% 8,095 48.6%
令和3年 17,704 8,097 45.7% 8,133 45.9%
令和4年 17,154 7,961 46.4% 7,944 46.3%
令和5年 16,813 7,932 47.2% 7,250 43.1%

高卒認定試験の試験科目は?

高認試験の試験科目は11科目です。試験科目は、選択する科目によって多少異なりますが、免除科目がない場合、8~9科目を受験することになります。
ここからは、試験科目の詳細についてご紹介します。

  • 令和8年度(2026年)の試験より、「情報」が必修科目として追加され、合格に必要な科目数が9~10科目に変更となります。

【必修科目】

●国語、数学、英語、歴史、地理、公共

【選択科目】


●理科

「科学と人間生活」1科目と、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうち1科目を選択します(合計2科目)。
または、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の中から3科目を選択します。

  • 出典:文部科学省ホームページ (http://www.mext.go.jp/)

得意な科目や好きな科目を選択する方法ももちろん良いですが、合格しやすい科目や科目数を抑えることのできる組み合わせを選択する方法も良いでしょう。

まとめ

今回は、高卒認定試験の難易度や試験科目についてご紹介しました。
高卒認定試験の試験科目は、免除科目がない場合、8~9科目になります。しっかりとした学習計画を立てて、効率的に勉強をすることが大切だと言えるでしょう。
高卒認定試験は、将来の可能性を広げたいという方のために用意された試験です。十分に合格を目指せる難易度の試験ですが、準備をおろそかにして合格できるほど、易しい試験ではないのも確かです。ご自分のライフスタイルに合わせた勉強法を取り入れて、高卒認定試験の合格を目指しましょう。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

大検との違いは?

"大検との違いは、大きく次の4つがあります。
①9科目だった試験科目が8〜10科目に。②必修科目の「家庭」がなくなり、選択科目の「簿記」「保健」が廃止に。③ ②に代わり「英語」が必修科目に。④高校・高専等に在籍している方の受験が可能に。"

高卒認定試験に合格すると、最終学歴は高等学校卒業になりますか?

高卒認定試験に合格しても、最終学歴が高卒になるわけではありません。しかし、合格することで受験条件や採用条件など、さまざまな諸条件がクリアされますので、その後の進路決定の選択肢を大きく広げることができます。

大検の合格者は、高卒認定試験を受験できますか?

受験はできません。高卒認定試験の受験資格は、大学入学資格を持っていない満16歳以上の方が対象です。既に大学入学資格を持っている大検合格者は対象外となります。

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様々な理由で高校進学ができなかった方や、卒業できなかった方の多くは、就職や資格の取得などの際に学歴条件をクリアできないなどの壁にぶつかることが多くあります。
高卒認定試験に合格することで、高等学校卒業者と同等以上の学力があると認定され、 大学、短大、専門学校への進学はもちろん、各種国家試験の受験資格もクリアされ、今後の選択肢が大きく広がります。
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